ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

Amazonにてネット購入ができます。



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豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
¥1,575
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(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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タグ:Berlin(West) ( 87 ) タグの人気記事

変わりゆくツォー駅周辺

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Bahnhof Zoologischer Garten (2015-04-04)

この数ヶ月、ほとんど更新できないまま、あっという間に5月に入ってしまいました。久々の更新の機会に、最近変化が著しいツォー駅周辺の様子をお届けしたいと思います。

2006年にベルリン中央駅が完成した後、長距離列車は通過するようになり、寂れた感がやや色濃くなったツォー駅ですが、いよいよこれから数年間に及ぶ大規模な改装工事が始まるようです。

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カレーソーセージCurry36のインビスの横には、最近になってスタバのカフェスタンドもできていました。

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右からようやく修復作業が終わったカイザー・ヴィルヘルム記念教会、最近50周年を迎えたヨーロッパセンター、昨年オープンしたビキニ・ベルリン。

関連記事:

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ツォー駅の北側にあるアメリカ・ハウスは、昨年秋、写真ギャラリーのC/O Berlinの展示会場に生まれ変わりました。この中にある細長いスペースのカフェは、なかなか居心地がいい場所なので、ギャラリーと一緒に改めてご紹介したいと思っています。

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そして、最近解体が始まったのがこの建物。この中に入っていた店舗を思い出すと、バーガーキング、バックパッカー向けのホステル、花屋、両替所、スポーツバー、軽食のスタンド、エロティック・ミュージアム……。昼間から酔っ払いがたむろし、少々猥雑な雰囲気も漂う場所でしたが、こういう場所が今ツォー駅の周りから消え去ろうとしています。

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解体が進む上の建物。奥に見えるのは高級ホテルのWaldorf Astoria

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クーダムとヨアヒムスターラー通りの角には、大きな写真パネルが置かれていました。1945年春の街の様子をとらえた特大の写真は、非常に迫力があり、現在の風景と比較すると、やはり胸に迫るものがあります。この「ベルリンの春」という野外展示は、ブランデンブルク門、ポツダム広場、アレクサンダー広場、ヴィッテンベルク広場など、市内の主要な場所で開催中。

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記念教会の70年前と今。新聞やラジオでは、このところ連日のように、70年前に起きたベルリンの地上戦や強制収容所の解放などを思い起こさせるニュースが報じられます。5月8日のドイツの終戦記念日が近づいてきました。
by berlinHbf | 2015-05-01 18:52 | ベルリン発掘(西) | Comments(3)

「西ベルリン」の回顧展

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東西ドイツ統一後10年から15年くらいにかけてでしょうか、東(オスト)とノスタルジー(郷愁)を掛けた「オスタルギー(Ostalgie)」という造語がよく使われた時期がありました。統一25周年の今年は、西ベルリン時代に焦点を当てた展覧会「WEST:Berlin」が開催され、大きな注目を集めています。

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「西ベルリン」展で展示中の1961年製の水陸両用車「アンフィカー」
© Stadtmuseum Berlin | Foto: Michael Setzpfandt


ニコライ教会からほど近い展示会場のエフライム宮殿は、平日の午前中にもかかわらず、多くの来場者で賑わっていました。最初に目にしたのが、世界的にも数少ない、市販された水陸両用車「アンフィカー」。1960年代前半、主に西ベルリンで製造されたもので、この街に長く住む知人は、休日になると郊外の湖ヴァンゼーにこの車が浮かんでいるのを何度も見たことがあるそうです。東ドイツとの国境に接した湖の上を、乗用車がのんきに「走る」姿を想像したら、何となくおかしくなりました。

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最上階には、2013年末に廃業となったホテル・ボゴタのサロンが再現されていた。これも「ヴェスタルギー」(西ベルリン時代のノスタルジー)の一つか
Hörlounge / Hotel Bogotá

© Stadtmuseum Berlin | Foto: Michael Setzpfandt



1949年から90年まで地図上に存在した西ベルリンとは、実に不思議な場所でした。周囲が東ドイツ領に囲まれた「赤い海に浮かぶ島」であり、ここを統治した西側の連合国にとっては、「西側のショーウインドー」という言葉に象徴される、繁栄を死守すべき場所でした。政治機能がなかった一方、同時に極めて「政治的な」西ベルリンを象徴したのが「壁」の存在でしょう。この展覧会でも、壁と共にある日常や、列車や車で西ベルリンを出入りする際の様子が大きく紹介されていました。

壁に囲まれながらも、西ベルリンには独特の活気とエネルギーが溢れていました。兵役が免除されたゆえ、この街に大挙して訪れた左翼系の若者によって形成されたオルタナティブ(前衛的)な空気。そして、出稼ぎ労働者としてやって来たトルコ人を始めとする多くの外国人によって、今日に続くベルリンの多様性が築かれていきます。印象に残ったのは、クロイツベルクの写真館の女性が1945年から93年までの長きにわたって収めた11点の家族写真。そこには街の住民構成が変わっていく過程がくっきりと映し出されており、掛け替えのないドキュメントになっていました。

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展示会場のエフライム宮殿

西ベルリン時代を語る上で欠かせないのが、第一級の「文化」の存在でしょう。戦後間もない頃に創設された国際映画祭、ベルリン・ドイツ・オペラ、カラヤンとベルリン・フィルが一時代を築いたフィルハーモニー、新ナショナルギャラリー……。赤い海に浮かぶ摩訶不思議な島は、世界とも身近なところで繋がっていたのでした。

今も刻々と移り変わるベルリン。この街の行方を考える上でも、一見の価値のある展示内容になっています。6月28日までの開催。
www.west.berlin
ドイツニュースダイジェスト 4月17日)

by berlinHbf | 2015-04-20 21:23 | ベルリン発掘(西) | Comments(0)

第1アドヴェントはスウェーデン・マーケットへ

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この秋はかつてないほど忙しい日々を送っているせいか、明日からもう12月という時の流れの早さに唖然とします。これから長めの原稿のまとめに着手するため、あと2週間ぐらいは息が付けないのですが、第1アドヴェントの今日は気分転換を兼ねて近所のクリスマスマーケットに行ってきました。毎年スウェーデン教会(学校なども併設しています)で第1アドヴェントに行われるもので、今年も多くの人で賑わっていました。入り口で1ユーロの「入場料」を取られたのが昨年までと違うところ。

関連記事:
スウェーデン風味のクリスマス・バザー(2012-12-01)

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食べ物や雑貨の屋台を見た後、食堂で並んでいたら、突然照明が落とされ、スウェーデン人の女の子たちが歌を歌い始めました。真ん中の女性はろうそくを灯した冠を被っています。キリスト教の聖人ルチアを祝う聖ルチア祭の行列を初めて見ることができました。

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毎年ここで焼きたてのシナモンロール(1ユーロ)を食べるのが楽しみなんです^^)。ほかにも美味しそうな手作りのケーキがいろいろありました。

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2階に上がってみると、そこはスウェーデン教会のチャペルで、小さなパイプオルガンも備え付けられていました。窓の外を見ると、一際長い行列ができている屋台がありました。気になったので覗いてみたら、Elchwurst(ヘラジカのソーセージ)と。これもスウェーデンならではなのでしょうね。

by berlinHbf | 2014-11-30 23:17 | ベルリンのいま | Comments(2)

発掘の散歩術(46) -ビキニ・ベルリンの再生!-

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新装オープンしたビキニ・ベルリン。右手はカイザー・ヴィルヘルム記念教会

「ビキニ・ハウス」。ツォー駅からほど近い場所に位置し、風変わりな名前を持つこの商業ビルは、隣の映画館ツォー・パラストと並んで、戦後の西ベルリンに建てられた代表的な建築の1つだ。建物の真ん中の階にあるアーケード(渡り廊下)を境に構造が2つに分かれ、その様子が水着の「ビキニ」を想起させることから、こう名付けられたのだそうだ(もっとも、このアーケードは1978年に閉じられたとのことだが)。


私がベルリンに来た2000年代初頭、ビキニ・ハウスにはすでに寂れた感が強く漂っていた。2010年に改修工事が始まると、建物は一時期骨組みだけをさらして立っていた。「日本だったら、確実にスクラップ&ビルドするところだろうに」と思いながらも、私はその様子を眺めていた。

4月3日、その「ビキニ」が生まれ変わった。正直、クーダム周辺に新しいショッピングセンターが1つ増えたことに対してさほど関心がなかったのだが、実際に足を運んでみたら、良い意味で予想は裏切られた。まず、ビキニでは洋服のH&MやZara、家電のSaturnといった典型的な大手チェーン店を見掛けない。イタリアや地元ベルリンのデザイン系のお店や洋服店などが多く並び、質の高いものを提供している印象。値段は安価と高級の中間といったところか。緑色の鉄骨がむき出しの中央の空間は広々としており、カフェなどくつろげるスペースが用意されている。全体的に木を多用しているのも良い。

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生まれ変わった内部の様子。奥のカフェに面した窓からも動物園の眺めを楽しめる

横幅の広い階段を上った先は、大きなテラスになっていた(このテラスには映画館横の階段から直接出ることもできる)。眼下には動物園の広い森が広がり、チンパンジーやフラミンゴたちが日を浴びている。ビキニがドイツ最古の動物園に直接面していることは知っていても、ショッピングの場に緑と動物を溶け込ませる空間の使い方には唸らされるものがあった。

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「ビキニはショッピングセンターではなく、コンセプトモール。我々は(大手チェーン店に)賃貸するのではなく、情報に新しい視点からの価値を加え、それを他者と共有したいのです」とは社長のカイ=ウーヴェ・ルートヴィヒ氏の言葉。彼がアドバイザーに起用したアンドレアス・ムルクディス氏は、ギリシャから東独ドレスデンに亡命した両親の下で育ち、自らデザイン系のショップや出版社を経営する傍ら、展覧会のキュレーターをもするような人物だという。

ベルリン西地区の中心街は、現在めまぐるしい勢いで変化を続けている。ムルクディス氏はこのエリアに新しい刺激を及ぼす可能性として、この秋ツォー駅裏手に引っ越してくる写真ギャラリー「C/O Berlin」と、やはりこの近くに最近ドイツ1号店がオープンしたばかりの「ユニクロ」に期待を寄せている。そう言えば、ビキニのテラスでも、老舗デパートKaDeWeなどと並んで、「From Tokyo」と書かれたユニクロの紙袋を持った人々をよく見掛けた。クーダム界隈の消費文化にも新しい風が吹き始めているようだ。
ドイツニュースダイジェスト 5月2日)


Information
ビキニ・ベルリン 
BIKINI BERLIN

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1955~57年に掛けて、パウル・シュヴェーベスとハンス・ショスツベルガーの設計により建設。昨年11月に改装オープンしたツォー・パラストなどと並び、建物は文化財に指定されている。コンセプトモールとして生まれ変わった現在は、3300㎡の敷地内に60の店と20の木組みのポップアップ・ストアが並ぶ。動物園を望む大きなテラスは24時間開放されている。

営業:モール9:00~21:00、ショップ10:00~20:00(月~土)
住所:Budapester Str. 38-50, 10787 Berlin
電話番号:030-3055496454
URL:www.bikiniberlin.de


25アワーズ・ホテル・ビキニ・ベルリン 
25hours Hotel Bikini Berlin

ビキニに隣接し、やはり1950年代に建てられたオフィスビルが、今年1月デザインホテルに生まれ変わった。部屋数は149。大通りに面した「アーバン」と、動物園に面した「ジャングル」の2タイプから選べる。屋上にはオリエンタル料理のフュージョンレストラン「Neni」と「Monkey-Bar」があり、後者は「ベルリンで最も素敵なバーの1つ」(フランクフルター・アルゲマイネ紙)と早くも絶賛された。

住所:Budapester Str. 40, 10787 Berlin
電話番号:030-1202210
URL:www.25hours-hotels.com

by berlinHbf | 2014-05-04 15:10 | ベルリン発掘(西) | Comments(6)

ユニクロ・ベルリン店初訪問!

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11日(金)に「ユニクロ」のドイツの1号店がオープンし、大きな話題を集めました。さすがの私もちょっと気になって、翌土曜日の夕方に様子を見に行ってきました。

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オープン直後だったことを差し引いても、何だかとても不思議な光景でした。まず、店内がとても広い。地下から2階まで、「売り場面積はおよそ2700平方メートルと、ヨーロッパにあるユニクロの店舗の中で最大」(NHKニュース)というだけのことはあると思いました。そして、それに応じてスタッフの数も多い(日本人スタッフも結構いらっしゃいました)。これは日本では当たり前のことですが、ドイツでは珍しいのです。デパートでも家電量販店でもブティックでも、何か聞きたいことがあるときに、人を捕まえるのが難しいことが少なくない。親切な店員も中にはいますが、「どーせまたつっけんどんな対応をされるんじゃないか」と内心ビクビクしている自分もどこかにいる^^;)。ところが、ユニクロでは、まず入り口に挨拶専門(?)のおねえさんがいて(おそらくこの週末だけでしょうが)、1人1人に声をかけてくれるんですね。私が店内にいた15分ぐらいの間に、一体何度「はっろー!グーテン・ターク!ヘァツリッヒ・ヴィルコメン!(ようこそ)」の声があちこちから聞こえてきたことか。私はいくばくかの恥ずかしさとこそばゆい気持ちで、店内にいる間、若干にやにやしていたかもしれません^^;)

こういう日本のおもてなし文化がベルリンのプロイセン的気質と今後どのように融合していくのか、とても興味があるところ。これは皮肉じゃなくてそう思います。
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場所はタウエンツィエン通りとニュルンベルガー通りの角という一等地。少し前までナイキのお店だったところ。

日本とのお値段の比較は厳密にはできませんが、全体的に日本よりは高めとはいえ、そこまで大きな開きはないとは言えそうです。現在の為替の関係もあるでしょう。ともあれ、土曜日のユニクロは大賑わいでした。クーダムでも帰りの地下鉄でも、ユニクロの紙袋を持ったドイツの人を何度も見かけたのは、やはり不思議な気がしました。

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ユニクロの欧州最大店 ドイツに開店
NHK動画ニュースより 4月12日 4時00分

大手衣料品チェーンの「ユニクロ」は、売り場面積がヨーロッパで最大となるドイツでの1号店を首都ベルリンに開き、倹約家が多く販売競争が激しいと言われるドイツの市場で、売り上げを伸ばせるか注目されます。

ユニクロのドイツ1号店は、ベルリン中心部の、ファッションブランドの店舗が数多くある大通りに設けられ、売り場面積はおよそ2700平方メートルと、ヨーロッパにあるユニクロの店舗の中で最大です。
開店初日の11日は、店の外に長い行列を作っていたおよそ500人の客が、オープンとともに店内に入り、ジャケットや肌着といった日本でも販売されている商品を次々に買い求めていました。
ドイツ人の女性は「ヨーロッパ風のデザインと違いがあって、買い物をしていてわくわくします」と話していました。
ユニクロがヨーロッパで出店するのは、イギリス、フランス、ロシアに次いでドイツが4か国目で、今後、ベルリンの1号店を拠点に、ドイツの主要都市へと事業を拡大していく方針です。
ただ、ヨーロッパ経済をけん引するドイツには、すでに欧米の大手衣料品チェーンが数多くの店舗を構えており、倹約家が多く販売競争が激しいと言われるドイツの市場で売り上げを伸ばせるか注目されます。

by berlinHbf | 2014-04-13 22:39 | ベルリン発掘(西) | Comments(5)

発掘の散歩術(44) -地下鉄博物館で途中下車!-

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オリンピアシュタディオン駅にある地下鉄博物館の入り口

地下鉄は、ベルリンの街並みを形作る上で欠かせない乗り物の1つだ。黄色い車体の電車が、今日も地下から高架まで縦横無尽に駆け抜ける。

ベルリン初の地下鉄がポツダム広場~シュトラーラウ門(現在のオーバーバウム橋のたもと付近)の間を走ったのは、1902年2月18日のことだった(これは欧州で5番目、ドイツでは初となる)。時の皇帝ヴィルヘルム2世は地下鉄道なる新しい乗り物に対して懐疑的で、多くの市民は「鉄道が轟音を立てながら地底を走るなど不気味」と感じていたらしい。

それから100年以上が経った。現在10路線、総延長146キロに及ぶ地下鉄は、ベルリンのランドマークとして、この街を舞台にした映画や小説にも脇役としてよく登場する。

そんなベルリンの地下鉄に特化した博物館があるのをご存知だろうか? 地下鉄U2のオリンピアシュタディオン駅で降りて階段を上がると、新旧の車両の先頭部分が並んだ入り口が目に入る。月に1日しかオープンしていないこともあって、ようやく都合を合せて訪ねることができた。

階段を上がって行くと、賑やかな声が聞こえてくる。2階の入り口には木製の古い窓口が構え、年配の「駅員さん」が昔の切符販売のように入場券を売ってくれた。いきなりの粋な演出にニヤリとしてしまう。

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1920年代の電車の運転台

鉄の匂いが立ちこめる館内はいくつもの部屋に分かれ、地下鉄に関する展示が所狭しと並ぶ。様々な時代の路線図、駅や行き先名のプレート、赤い光沢を放つ座席、制服等々。もちろんどれも昔、実際に使われていたものだ。子どもの頃、運転士に憧れていた者としては、各時代の電車の運転コントローラーを動かしながら、自然と頬がほころんでしまう。この博物館の1つの目玉が、長さ14メートルにおよぶコントロールパネルだ。もともとこの建物は、1931年から83年まで欧州最大規模の信号扱い所として使用されていた。窓の外を見ると今も広大な操車場が広がり、時々真新しい電車が通り過ぎて行く。

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地下鉄に関する無数の展示品が並ぶ館内

昔の切符のコレクションを眺めていたら、年配のおじさんが説明をしてくれた。「昔の定期券は自宅と勤務先を繋ぐ線しか使えず、今のようにゾーン別になっていなかったんですよ。ここには子どもたちも多く訪れるので、教育の一環としての役目も果たしています」と嬉々とした表情で語るヴォルフガング・クラウスさんは、ベルリン地下鉄研究会のメンバー。もちろん先ほどの「駅員さん」もそう。この小さな博物館が15年以上続いているのは、歴史的な車両や資料の収集と保存に務める彼らの存在があるからこそで、中には元地下鉄職員もいるそうだ。

懐かしい切符切りのはさみをいじっていると、子どもの頃憧れていた、そして時代の波を受け、いつの間にか消えていった駅や電車で働く人々の姿を思い出した。奥にある発着案内の体験コーナーの部屋からは、そんな時代を知らないであろう今の子どもたちの声で、「3番ホーム、お下がりください!」のアナウンスが響き渡っていた。
ドイツニュースダイジェスト 3月7日)


Information
ベルリン地下鉄博物館 
Berliner U-Bahn-Museum


1997年にオープンした鉄道博物館。350点以上のコレクションを誇り、100年以上に及ぶベルリンの地下鉄の歩みを一望できる。パネルの説明表記はドイツ語のみだが、英語のパンフレット(無料)も置かれている。入場料は2ユーロ、12歳以下は1ユーロ。グッズの販売のコーナーも。

オープン:毎月第2日曜日の10:30~16:00(入場は15:00まで)
住所:Rossitter Weg 1, 14053 Berlin(地下鉄U2 Olympiastadion駅構内)
電話番号:030-25627171
URL:www.ag-berliner-u-bahn.de


ベルリンSバーン博物館 
Berliner S-Bahn-Museum


ベルリンにはSバーンの博物館もある。こちらはSバーンの同好会によって運営されており、地下鉄同様、起伏に富む歴史を歩んできたベルリンの「テツ」の世界を楽しめる(はず)。電車の運転シミュレーションを体験できるコーナーもある。場所はポツダム中央駅の2つ手前、SバーンのGriebnitzsee駅に面している。

オープン:4~11月まで毎月1回の週末、11:00~17:00(詳細は下記URLを参照)
住所: Rudolf-Breitscheid-Str. 203, 14482 Potsdam
電話番号:030-63497076
URL:www.s-bahn-museum.de

by berlinHbf | 2014-03-14 21:07 | ベルリンあれこれ | Comments(3)

やはり!寒波到来のベルリン

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Nassauische Str. (2014-01-22)

暖冬と言われ続けてきたこの冬でしたが、やはりこのままでは終わらなかった・・・。先週後半からついに本格的な寒さが到来した感があります。雪化粧を帯びた街の様子を何枚かご紹介したいと思います。最初は私が住むヴィルマースドルフ地区の街角から。

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こちらは先週土曜日の様子。天気はいいですが、先週末は本当に寒く、この日の日中もマイナス12〜13度はありました。15分も歩けば、体がキンキンに冷えてきます。この正面のアパート、よく見ると1枚目の写真のアパートとデザインがそっくりですね。このエリアには、19世紀末から20世紀初頭にかけて建てられた美しいアパートが多く残っています。

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昨日は1つ用事があって南の郊外まで行ってきました。Lichterfelde Süd駅に停車中のSバーンより。手前の大きな広告には「300 Jahre "Hamburger Bach"」と書かれています。今年は、作曲家カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの生誕300周年のメモリアルイヤー。ハンブルク、ポツダム、ベルリン、フランクフルト(オーダー)、ライプツィヒ、ワイマールの縁の6都市で多くの記念行事が行われるようです。http://www.cpebach.de

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私がもっとも頻繁に利用するSバーンのひとつ、Yorckstrasse駅。鉄柱の装飾を見ても、戦前の名残を留めているのがわかります。

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この駅は地下鉄S7に接続しているので、自宅からポツダム広場やミッテの方面に出るにはここを経由するルートが便利。

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こちらは今日の写真。最近よく通う図書館のカフェにて。作業の合間に飲む熱いコーヒーが身にしみる季節です^^。

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今週末は、昨年秋から取り組んで来たオーケストラの本番があるので、演目であるマーラーの交響曲第2番《復活》が毎日どこかで頭の中に鳴り響いています。この曲の魅力は改めて書きたいと思っていますが、「こんな大曲を演奏できるのはこれが最初で最後かも」という気持ちで取り組んできたので、ここでも告知させていただきたいと思います(詳しくはこちらにて)。2月1日がプレンツラウアー・ベルク地区のゲッセマネ教会、2月5日はコンツェルトハウスの大ホールにて。コンツェルトハウスで演奏するのは初めてなので、とにかくドキドキしています。舞台裏の別働隊まで含めた大編成のオーケストラに2人のソリスト、3つの団体から構成される合唱団(うち1つはドレスデンから参加)。舞台に上がるのは総勢何人になるのでしょう・・・。私はピッコロと3番フルートを吹きます。もしお時間とご興味がありましたら、ぜひ聴きにいらしてください。

Jubiläumskonzert 20 Jahre Junges Orchester der FU
Samstag 01.02.2014 19:00
Gethsemanekirche, Stargarder Str. 77

Mittwoch 05.02.2014 20:00
Konzerthaus Gendarmenmarkt

Gustav Mahler:
Sinfonie Nr. 2 c-Moll "Auferstehung"

Junges Orchester der FU - Berlin
Künstl. Leitung - Antoine Rebstein
Mezzosopran - Antigone Papoulkas
Sopran - Lydia Teuscher
Chor - cantamus chor berlin, Jens Bauditz
Chor - HXOS Chor Berlin, Stelios Chatziktoris
Chor - Junges Ensemble Dresden, Tobias Walenciak
by berlinHbf | 2014-01-28 21:41 | ベルリン発掘(西) | Comments(5)

ベルリンのクリスマス2013

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Domäne Dahlem (2013-12-21)

今年はなかなかクリスマス気分を味わう機会がなかったのですが、本番間近の頃になってようやくいくつかのクリスマスマーケットを巡ることができました。第4アドヴェントの土曜日に訪れたのは、地下鉄U3ダーレム・ドルフ駅近くのドメーネ・ダーレム。ここは以前、農村生活を味わえる場所として紹介したことがありますが、やって来たのは久々でした。

関連記事:
発掘の散歩術(9) -ドメーネ・ダーレムで体感する農村生活- (2011-04-28)

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ドメーネ・ダーレムでは第1から第4アドヴェントまでの週末、クリスマスマーケットが行われていました。入り口で入場料2ユーロを取られますが、ここのマーケットは商業色が薄く、手作りのものやオーガニック食品を扱った屋台が多く並んでいます。

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屋台で買って食べたジャガイモはここで栽培されたものだそうで、小ぶりながら濃い味わいがしました。定番のグリューワインを飲もうと思ったら、果実酒の屋台があったので、試してみることに。コケモモから作られたというホットワイン。今年のクリスマスは幸い比較的温暖で、金管アンサンブルによるクリスマスソングを座って聞いていても寒さが苦になりません。

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こちらは過去に何度かご紹介したポツダム広場のショッピングモールArkaden内の豪華なツリー。久々に行ったら、地下のスーパーKaisersがReweに変わっていたり(!)、出口前の昔よく使っていた写真屋がなくなっていたりといくつかの変化を感じました。

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Arkadenの入り口に置かれていたピラミッド。

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今日25日は、今年再オープンになったベルクグリューン美術館を訪れた後、目の前のシャルロッテンブルク宮殿のマーケットへ。小雨がぱらついていましたが、かなりの人手でした。

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ここでの今年の目玉は、ドイツ人の知人もお勧めのクリッペ(キリスト降誕を情景を描いたうまやの模型)。樹齢200年近くのナラの木から作られた立派なもの。キリストを取り巻く人々も等身大(!)で忠実に描かれており、確かにこれは素晴らしい見物でした。

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食べ物でおいしかったのは、サーモンをグリルにしてサラダと一緒に挟んだパン。やわらなくジューシーなサーモンでした。シャルロッテンブルク地区はロシア系住民も多いので、心なしかスラブ系の言葉を頻繁に耳にした気もします。

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日本ではもうお正月への準備が始まっているのでしょうが、ドイツでは明日26日までがクリスマス休暇です。Frohe Weihnachten!
by berlinHbf | 2013-12-25 22:25 | ベルリンのいま | Comments(0)

ホテル・ボゴタ 最後の記録(3)〜静かな朝食

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Hotel Bogota (2013-11-28)

ホテル・ボゴタに泊まって楽しみにしていたのは、朝食の時間だった。部屋を出て階段に向かうと、リヒトホーフからグレゴリオ聖歌がほのかに聞こえてくる。通りから光が差し込み、窓際には大きな古い柱時計が構えている。給仕がコーヒーを持ってきてくれ、まず熱い一杯を喉元に流し込む。どちらかといえば簡素な朝食だが、とてもおいしいのだ。客のひそひそ声、ナイフとフォークの音のほかは、静かで優雅な時間が流れている。自宅から20分ほどの距離だけれど、この時間を味わうだけでも来てよかったと思った。

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このホテルのファンと思われる、おしゃれな服装をした年配のお客さんの姿が目についた。この部屋は奥にピアノがあり、展覧会のオープニングはよくここで行われた。私は結局行く機会はなかったけれど、ジャズのコンサートも最後まで定期的に行われていた。

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ホテルの調度品や絵画の多くはすでに売りに出されてしまったが、この古時計のように、特に価値の高いものは来年2月にネット上のオークションにかけられる(詳しくはこちら)。世界中の人が参加できるそうだ。

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朝食時は食べ物が置かれるPhotoplatz。

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ホテル廃止反対を訴える、ボゴタらしいユーモアにあふれた写真。一番右のカードには、「Weniger Gucchi, mehr Bogota (Less Gucchi, more Bogota)」と書かれている。

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ホテル・ボゴタに限らず、クーダム周辺では古くからの商店や映画館などが急速に消えつつあるという。

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最終日の12月1日は全館が開放されオープンデーに。食堂室にはここで使われていた食器が並べられ、蚤の市のような状態になっていた。私たちが泊まった3階のフロアも地元の人々でごった返し、その数日前、最後に過ごした静かな時間がかけがえのないものに思われてきたのだった。

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この日は、大部分の部屋を見て回った。各部屋の絵画の多くには番号が付けられ、欲しいと思ったものの番号と自分が出せる額を用紙に記していく。私は、いくつかの絵と古い地図、泊まった部屋のシャンデリアなどを希望に書いて出したが、何か当たるといいなあ。

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Hotel Bogotaは「良きヨーロッパ」を感じさせてくれる宿だったように思う。夜、サロンの高い天井を見上げ、ミシミシいう床を歩いていると、私はベルリンに来て最初に住んだ築100年のアパートでの時間を思い出した。戦前、戦後問わず連面と流れてきた時間を、旅行者も手頃な値段で味わうことのできたホテルだった。ベルリンの愛すべき存在がなくなるだけでなく、ここから出て行かざるを得なくなったオーナーのリスマンさん一家のことを思うと胸が痛む。

(了)
by berlinHbf | 2013-12-20 12:05 | ベルリン発掘(西) | Comments(6)

ホテル・ボゴタ 最後の記録(2)〜サロンでの時間

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Hotel Bogota (2013-11-27)

ホテル・ボゴタが廃業になって早2週間。一般公開となった最終日(12月1日)は、ホテルの最後の姿を見る地元の人、ホテルの調度品を買い求めたり競売に参加したりする人で溢れかえっていた。私はその後もう一度、オーナーのリスマンさんに用事があってホテルに出向いたのだが、ロビーだった場所には取り外されたランプや椅子などが所狭しと置かれ、「本当に終わってしまったんだなあ」という思いを新たにした。感傷的になってもしょうがないけれど、自分が最後に泊まった11月27日に時計の針を戻して、ホテルの記録の続きを残しておきたいと思う。

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私がボゴタをが好きだったのは、各階ごとにサロン風の自由に使えるスペースがあったことだ。サロンといっても、この奥には客室があり、通り抜け可能な「公共的」な場所であることには変わりないのだが、7月に初めてここに泊まったとき、いろいろな場所で本を読むのが楽しかった。ここは1階(日本でいう2階)のフリースペース。

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こちらは2階のフリースペース。1階のと似ているようで、調度品も色合いも微妙に違うのがいい。

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これは2階の片側の客室へ入る際に通るドア。BOGOTAの後にHoの文字が見える。以前リスマンさんに案内していただいたときに教えてもらったのだが、リスマンさん一家が家族経営でホテル・ボゴタを始める以前、この階にあった別のホテルの入口の名残なのだそうだ。

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上の階に上がるにつれて、末宗美香子さんの描いた絵が姿を現す。この出会いがまた楽しい。

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2階にあるサロンルーム。ここは本格的な「サロン」と呼べる雰囲気を持った部屋だ。1942年、シュリューター通り45番地のこの建物はナチスにより接収され、ナチスの「帝国文化院」(Reichskulturkammer)が置かれた。帝国文化院のトップだったHinkelという人のオフィスは、まさにこの部屋にあったという。

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私たちが泊まった3階にあるフリースペース。第2次世界大戦中、「帝国文化院」は検閲活動などを行い、ここに多くの人事記録が残っていたことから、終戦後は非ナチ化審議の舞台となった。Hotel BogotaのHPの中にあるホテルの歴史を記したページを読んで今知ったのだが、実際に非ナチ化審議が行われたのが、この3階だったという。私が最後にたまたま泊まった3階に、かつて指揮者フルトヴェングラーも現れたのかと思うと、これも何かの縁かと思ってしまったりもする。

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そして4階。吹き抜けのLichthofに面して、愛すべき短い廊下があり、窓からは中庭を見下ろせる。ここを通り抜けずにそのまま横に進むと、一際天井が高いスペースにぶつかる。

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ここはホテル・ボゴタの中でも、特別な空間だ。壁の全面にモノクロの古い写真が飾られている。この4階と5階に、1934年から38年にかけて、女流写真家のYVAがアトリエと住居を構えていた。YVAは芸名で、本名はElse Ernestine Neuländer-Simon。1900年にベルリンに生まれたイヴァは、25歳ですでに最初のアトリエを構え、売れっ子のファッション写真家として彼女の写真は多くの雑誌や新聞に掲載された。

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1936年から2年間、YVAの見習いとしてここで写真の修行を積んだのが、ヘルムート・ノイシュテッター。後にヘルムート・ニュートンの名で世界的に有名になる写真家だ。

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イヴァもニュートンもユダヤ系ドイツ人だった。ナチスの台頭により、ニュートンはドイツを離れたが、イヴァは職業を奪われた後もベルリンのユダヤ病院に勤務し、ドイツに留まった。結果、イヴァと夫は1942年6月、ソビボル強制収容所(現ポーランド)に送られ、そこで殺害されたとされている。

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2002年、ヘルムート・ニュートンは久々にベルリンのかつてのアトリエ、つまりホテル・ボゴタを訪れた。イヴァの元で過ごした2年間を、「自分の人生でもっとも幸福な時代」と彼は後に語ったそうである。

こういった数々の歴史的な場所を、このホテルのオーナーは、愛情を持って彩ってくださっていたように思う。常にどこかで展覧会やコンサートが開かれ、宿泊客以外の客人もホテルはおおらかに受け入れてくれた。人と人とをつなぐ、開かれた文化の場でもあった。この建物が今後どんな形で残るかはまだ決まっていない。

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サロンで静かな時間を過ごした後、自分の部屋に戻る。2002年にヘルムート・ニュートンがここを訪れた際に残した言葉" You are sleeping in holy rooms "を想いながら夢の眠りへ・・・。
(と言いたいところだが、部屋の暖房が十分に効いておらず、寒さに震えながら寝ることになったのだ)

(つづく)
by berlinHbf | 2013-12-15 12:13 | ベルリン発掘(西) | Comments(1)

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