ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

Amazonにてネット購入ができます。



『街歩きのドイツ語 』
¥1,575
三修社

豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
¥1,575
ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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タグ:劇場(Theater) ( 33 ) タグの人気記事

発掘の散歩術(57) -ベルリン国立歌劇場の工事現場は今-

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Under den Linden (2015-03)

「ベルリンの新空港はいつ開業するのですか?」「ベルリン国立歌劇場の工事はいつ終わるのですか?」

ここ数年、ベルリンを訪れる人々からもっとも頻繁に聞かれる質問が、この2つかもしれない。そのたびに私は「さあ、どうなんでしょうね」と言葉を濁す。正直、それ以外に答えようがないからだ。もっとも、空港に関しては「このまま、中心部から近くて便利なテーゲル空港でも良いですよね」という展開になることがあるが、歌劇場に関しては今の代替公演地のシラー劇場のままで良いと考える音楽ファンはごくわずかだろう。

2010年秋、当初は3年間の予定で始まった大規模な改修工事。2015年現在も終わりが見えていない国立歌劇場の建物は今どういう状況なのか。昨年から定期的に開催されている「工事現場ツアー」に参加してみることにした。

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3月上旬の日曜日、ウンター・デン・リンデンの劇場の前で待っていると、指定時間にガイドの男性が現れ、参加者一行を劇場の反対側にあるプレハブ小屋に連れて行った。ここでヘルメットと長靴を借りて、いざ出発。

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最初に見学したのは、新しく建設中のリハーサルセンター。オーケストラ、合唱、バレエのそれぞれのリハーサル室のほか、劇場本体の舞台と同じスケールの総合練習用の舞台がここに作られる。このリハーサルセンターは、劇場より一足先にオープンする予定だ。

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足の踏み場もないほどの工事現場

いったん外に出て、足の踏み場もないほどの工事現場を通過して(リハーサルセンターと劇場は地下トンネルで結ばれる)、いよいよ歌劇場の中に入る。無数の配線や柱を越えて客席の真ん中に来た。それが平土間と分かったのは、馬蹄形のカーブに沿った、見覚えのあるロココ風の優美な装飾を持つ屋根が目に入ったからだった。しかし、それ以外に、この劇場に通っていた頃をしのばせるものはほとんど見付けられなかった。東独時代の建物の改装というよりは、ほぼ作り直す形に近いのではないかと思ったほどの混沌ぶりである。

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ベルリン国立歌劇場の平土間の現在の様子

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隣接したアポロザール

不安定な地盤から溢れ出る地下水との闘い、18世紀の要塞部分の出土、工事に携わっていた事務所の倒産など、予想外の出来事が重なったとはいえ、修復費は当初の2億4000万ユーロから3億9000万ユーロへと大幅に膨れ上がり、野党の批判も高まっている。つい最近、今度は現場からアスベストが見付かったというニュースが飛び込んできた。

歌劇場で働く知人がこんなことを話していた。「定年が近い東独出身の団員は『このまま東(の本拠地)に戻ることはないのかな』と悲しがっていますね。一方、この5年の間に、元の劇場を知らない若い団員も入って来ました」
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桟敷席の最上階に行き、天井を見上げた。この改装では天井を5メートルかさ上げすることで、音響効果が改善される予定だ。がらんとした工事現場で、ここに響き渡る音を想像したが、「芸術は長く人生は短し」。現時点で完成予定とされている2017年を、大幅に越えないことを願う。
ドイツニュースダイジェスト 4月3日)


Information
ベルリン国立歌劇場 
Staatsoper Berlin

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1742年、フリードリヒ大王の命により、王立の宮廷歌劇場としてオープンしたドイツでも屈指のオペラ劇場。1992年からダニエル・バレンボイムが終身音楽監督を務めている。2010年秋からの大規模な改修工事に伴い、現在はシャルロッテンブルク区のシラー劇場で公演が行われている。U2のErnst-Reuter-Platz駅から徒歩5分。

チケットオフィス:月~日12:00~19:00(当日券は公演の1時間前より)
住所:Bismarckstr. 110, 10625 Berlin
電話番号:030-20354555
URL:www.staatsoper-berlin.de


国立歌劇場・工事現場ツアー 
Baustellenführung

2014年5月から開催されているベルリン国立歌劇場の工事現場の見学ツアー。人気は高く、1回のツアーの参加人数は20人と限られているため、歌劇場のホームページかチケットオフィスでの予約は必須。参加費は一般15ユーロ(割引10ユーロ。ただし14歳以下は参加不可)。所要時間は約2時間。

開催:毎週日曜と祝日の10:00~18:00にかけて計4回ほど
住所:Unter den Linden, 10117 Berlin
電話番号:030-20354555
URL:www.staatsoper-berlin.de

by berlinHbf | 2015-04-04 10:42 | ベルリン音楽日記 | Comments(1)

発掘の散歩術(55) - 演劇で体感する戦争と武器のグローバリズム -

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“Situation Rooms“の一場面より
© Ruhtriennale / Jörg Baumann


テロ、無差別攻撃、集団虐殺、難民、拉致、処刑……。今日も新聞やパソコンを開くと、このような言葉が見出しに並ぶニュースが飛び込んでくる。その度に陰鬱な気持ちになるが、紛争地域からの難民の受け入れをめぐる論議は、ドイツに住んでいるともはや他人事ではない。ある時は、遠い場所での事件やテロが連鎖し、「ベルリン中央駅でイスラム過激派がテロを計画」というニュースを目にして愕然とする。モノや情報の伝達だけでなく、憎悪の感情までもがあっという間に伝播するグローバルな世界にわれわれは生きている。

昨年12月末、友人に勧められてリミニ・プロトコルの“Situation Rooms“という演劇作品を観に行った。会場のHAU2の中に入ると、映画の撮影セットのようなものが置かれている。まず担当者からセット内の回り方の説明を受け、1人ひとりにiPadが渡された。一度に参加できる人数は20人まで。戦争をテーマにしたインスタレーションということは聞いていたが、一体何が起こるのかよく分からないまま、指定された部屋のドアを開けてみた。

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© Ruhtriennale / Jörg Baumann

そこは病院の手術室だった。iPadには「国境なき医師団」のあるドイツ人医師のインタビューと共に、まさに同じ場所で撮影された映像が流れている。それに従ってベッドの上に横になり、負傷した人々の映像を見る。私はこの医師がかつて経験した、アフリカのシエラレオネ共和国の内戦で負傷した市民の目線になったわけだ。そこに、やはりiPadを持った別の観客が入ってきて、医師の視線からベッド上の私を見下ろした……。

これでようやく分かった。“Situation Rooms“の演者はわれわれ観客なのだ。リミニ・プロトコルが取材した、住む場所も立場も異なる20人の部屋に入り、「住人」である彼らの体験に自分を「同化」させるのである。ある時はガザ地区との国境をパトロールする若いイスラエル兵になって監視塔に上り、またある時はパキスタンのテロリストの掃討を目的とするインド空軍の中尉のヘリコプターの中に入る。リビアからのボート難民の一家が住む部屋に紛れ込み、彼らと一緒にお茶(本物が用意されている)を飲んだかと思うと、9歳で兵士に駆り出されたコンゴ人青年の人生を追体験する……。

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© Ruhtriennale / Jörg Baumann

この作品の重要なテーマは、戦争の構造を形作る上で不可欠な「武器」である。1時間20分の行程の間、観客は時間差を置きながらある人を演じ、別の観客にバトンを渡していく。立場を変えることで、武器をめぐる様々な風景や状況が見えてくる。巨大軍需コンツェルンの社長の部屋にも入ったし、完成品がどこに運ばれるか知らされないまま、長年軍需産業の工場で働いたスイス人の作業工程も体験した。射撃の名手であるドイツ人警察官の「指導」を受け、地面に這いつくばって射撃の練習をするとは、よもや思わなかった。

セットの間を行き来する間に、ドイツが世界第3位の武器輸出国であるということや、「ドイツ銀行」が爆弾を製造するスペインのコンツェルンの重要なスポンサーであることなど、知られざる現実にも出会った。一市民である自分自身も、いつどこで戦争の加害者として巻き込まれるか分からない。ドイツ政府の武器輸出を糾弾する活動家が、こんなことを話していてドキリとした。「ドイツが模範とするのは日本です。なぜなら武器の輸出を全く行っていないから」。
ドイツニュースダイジェスト 2月6日)


Information
ヘッベル・アム・ウーファー 
Hebbel am Ufer(HAU)
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2003年、クロイツベルクの川沿いの大中小3つの劇場が統合して生まれた1つの劇場組織。2012年からベルギー人のアネミー・ファンアカラが芸術監督を務め、演劇やダンスなどのパフォーミングアーツで先進的なプロジェクトを実現している。リミニ・プロトコルは2004年以来ここを本拠地とし、数々の話題作を送り出してきた。

チケットオフィス:月~土15:00~公演の1時間前まで(公演のない日は15:00~19:00)
住所:Hallesches Ufer 32, 10963 Berlin(チケットオフィス)
電話番号:030-25900427
URL:www.hebbel-am-ufer.de


シチュエーション・ルームズ 
Situation Rooms
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複雑に入り組んだSituation Roomsのセットの模型

現代社会の諸問題をテーマとする演劇集団「リミニ・プロトコルRimini Protokoll」のインタラクティブアート作品。2013年のルール・トリエンナーレで初公開された後、欧州各地に巡回している。3月12日(木)~29日(日)まで、ドレスデンの軍事史博物館にて上演される。1回の参加人数が限られており、予約が必須。第17回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞授賞作品。
URL:www.rimini-protokoll.de

by berlinHbf | 2015-02-14 10:28 | ベルリン文化生活 | Comments(1)

「ジャパン・シンドローム」のシンポジウム

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HAU2で行われたシンポジウムの様子

5月20~29日、クロイツベルク地区にある劇場「ヘッベル・アム・ウーファー」(通称HAU)にて、「Japan Syndrome」と題した大規模な日本フェスティバルが開催されました。東北地方を中心に甚大な被害を及ぼした東日本大震災と福島の原発事故から3年。 日本の社会、そして芸術の文脈がどのようにこの大災害に呼応し、変容してきたのかを問い掛ける試みです。

演劇や音楽、インスタレーションなどの多彩なプログラムが並びましたが、その中から25日に行われた「安全地帯の崩壊? フクシマ以後の芸術と政治」と題するシンポジウムをご紹介したいと思います。

最初にキュレーターの相馬千秋氏が登壇し、「大震災は目に見える形においても、見えない形においても日本に大きな分断をもたらした。この困難な状況の中、私がアートを通して取り組んでいくべきは、単純に国家や原発に反逆することではなく、演劇的な方法で死者を埋葬し、鎮魂すること。そして今、国家によって作り出されようとしている新たな秩序を、ある種宙吊りにしたり、それに対して揺さぶりを掛けることだと思う」とスピーチしました。

シュテファニー・カープ(ドラマトゥルク)の司会の下、相馬、丸岡ひろみ(キュレーター)、高山明(演出家)、シュテフィ・リヒター(ライプツィヒ大学日本学教授)の各氏により行われたその後のトークセッションでは、日本社会を覆っている空気の変容を肌で感じてきた日本人の3氏を中心に、興味深い議論が交わされました。

最後の質疑応答で、あるドイツ人の聴衆が「なぜ日本人はもっと声を上げないのか。このような過酷な状況の中、芸術の側も政治を直接変えるような活動をすべきでは?」という問いを投げ掛けました。東日本大震災以降、ドイツ人と日本人の間に横たわるこのような現状認識の違いに戸惑い、答えに窮した経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

それに対して、高山氏はこう答えます。「過激になっている政治に対して、もっと過激になるべきなのかという問いに対しては、僕は全く逆に行くべきという立場。むしろ過激さから距離を取り、小さなものや弱いものと、または対立している人と、いかに友情を結べるかに賭けた方が良いのではないか。あるいは、熱狂するよりは熱狂する人をどのように自分と切り離して醒めた目で見られるのかという技法をアートや演劇の分野で見付ける方が、ひょっとしたら政治的な意味があるのではないかと思う」。

「時代や場所を超えられるのがアートの持つ力。今ここ、目の前にあるものに対してのみ有効な形ではなく、例えば過去と今とを繋ぐこと、まだ生まれていない未来のものに対して何か作用をもたらすことができないだろうか。そのようなビジョンを持って、津波や原発事故で直接的な被害を受けた東北地方と向き合っていきたい」(相馬氏)。

ドイツに住む私にとっても、今自分はここでどう生きるべきかを考えさせられる機会となりました。
ドイツニュースダイジェスト 6月20日)
by berlinHbf | 2014-06-22 00:36 | ドイツから見た日本 | Comments(2)

発掘の散歩術(30) - 劇場で観るエーリッヒ・ケストナー -

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グリップス劇場版『点子ちゃんとアントン』のちらし(左)。原作の挿絵(右)との違いにもご注目

子どもが読んで楽しめ、大人が読んでも味わえる本というのがある。エーリッヒ・ケストナー(1899~1974)の小説はその代表格ではないだろうか。『エーミールと探偵たち』『ふたりのロッテ』『点子ちゃんとアントン』……。子どもがハラハラドキドキできるのはもちろん、大人になってから読むと、人生の経験を重ねた分感じられるペーソス(哀愁)や深みがあるのだ。

先日、私はこの歳で初めて岩波少年文庫版の『点子ちゃんとアントン』を読み、大変感動したのだが、そのことをツイッターにつぶやいたところ、翻訳した池田香代子さんご本人より「ケストナーは大人になってからのほうが効きますね」とのお返事をいただき、深く納得した。

この『点子ちゃん』が、子ども・青少年シアターの「グリップス劇場」にて演劇作品として上演されている。もともとベルリンが舞台の作品。ぜひ観てみたいと思ったのだが、完売でない日を探すのが困難で(ほぼ毎月公演が行われて いるにもかかわらず!)、結局2カ月近く待たなければならなかった。

ある土曜日の夕方、地下鉄U9のHansaplatz駅の北側出口を上がってすぐのところにあるグリップス劇場は、子どもたちの熱気で溢れていた。親に連れられた子だけでなく、学校の課外授業で来ている子もいるようだ。もちろんこの日も客席は超満員。

裕福な両親に隠れて、夜遅く街角でマッチ売りをする点子ちゃんと、母親思いの貧しい少年アントン、この2人の友情物語を、ケストナーはナチスが台頭する直前の1931年に書いた。さて、2011年に初演された劇では、どのように描かれているだろうか。

点子ちゃんは、こちらのイメージに近い、かわいらしくおてんばな女の子という感じ。「あれ?」と思ったのは、アントンの母親が病気で寝込んでいるのではなく、失業者という設定だったこと。それも、ロシアからの避難民で、滞在許可に問題を抱えている。そして、アントンと点子ちゃんはマッチ売りではなく、一緒にデポジットの空の瓶やペットボトルを集めている……。貧富の拡大に加え、移民の問題。これは今のベルリンの社会状況そのものではないか。

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終演後のカーテンコール。舞台と客席との距離が近いのがこの劇場の特徴

客席との間に段差のない舞台を俳優たちは走り回り、ときに歌い踊り、終演後は大喝采に包まれた。周りを見渡すと、子どもたちもその親も、いろいろな人種が混じっていたことに気付く。彼らが小さいときからこういう舞台に接することは、異質な他者に対する寛容性を自然と育むことになるのではないか。少なくともそう願いたいと思う。

もちろん、点子ちゃんがアントンを助けるという筋は変わるはずもない。この作品のエッセンスが演出にしっかり受け継がれていたことは、プログラムに引用されたケストナーの文章が伝える。

「生きていくのは、きびしく、むつかしい。もしも、うまくいっている人がうまくいっていない人に進んで手をさしのべなかったら、未来は暗いものになる」(池田香代子 訳。岩波少年文庫版より)
ドイツニュースダイジェスト 1月18日)


Information
グリップス劇場
Gripstheater


劇作家のフォルカー・ルートヴィヒによって、1969年に設立された子ども・青少年シアター。上演作品は自主制作にこだわっており、年間公演数は約300回。中でもベルリンの地下鉄の人間模様を描いた1986年初演の『Linie1』は大ヒット作として知られ、海外でも広く受け入れられた。チケットは基本的に電話予約のみで、上演1日前までに劇場の窓口で受け取るシステムになっている。

住所:Altonaer Str. 22, 10557 Berlin
電話番号:030-3974740
URL:www.grips-theater.de


フリードリヒ通り駅周辺
Bahnhof Friedrichstraße


『点子ちゃんとアントン』に登場する地名の多くは、フリードリヒ通り駅の周辺に見られる。例えば、点子ちゃんの豪邸は帝国議事堂河岸Reichstaguferのそば、アントンのボロアパートがあったアルティラリー通りは現在のトゥホルスキー通り。2人が「夜の仕事」に勤しむのは駅の北側のヴァイデンダム橋Weidendammbrückeといった具合。読後に作品の舞台をめぐるのも楽しいかも。

関連記事:
特選ベルリン街灯図鑑(5) 「ヴァイデンダム橋」(2007-11-15)
by berlinHbf | 2013-01-24 18:22 | ベルリン文化生活 | Comments(2)

発掘の散歩術(29) - 解剖劇場へようこそ -

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Brandenburger Tor (2009-06)

初めてベルリンを訪れる人の多くは、まずブランデンブルク門に立ち寄る。あの古代ギリシア様式の門を設計し、歴史に名を残したのが建築家カール・ゴットハルト・ラングハンス(1732-1808)。この10月、彼が手掛けたもう1つの建築が改修工事を終え、一般公開された。その名もTieranatomisches Theater(動物解剖劇場)。

解剖劇場? 初めて耳にしたときは、何とも奇妙な印象を持った。動物の解剖をする場所であろうことは思い浮かぶが、それがなぜ「劇場」と結び付くのか。答えを求めて、見に行ってみることにした。

フリードリヒシュトラーセ駅を降り、シュプレー川を越えて歩くこと約10分。森鴎外記念館のあるルイーゼン通りを真っすぐ歩いて行くと、そこはフンボルト大学のシャリテー大学病院の敷地だ。忙しげに歩く白衣姿の医師の姿がときどき目に入るが、「Humboldt Graduate School」の黄色い建物の脇を抜けると、ふいに表通りの喧噪が消え、落ち葉で敷き詰められた芝生が目の前に広がった。古い建物が並ぶ中、均整の取れたプロポーションを持ち、てっぺんに丸いお椀のようなドームがかぶさった白亜の解剖劇場は、遠目からでもすぐにわかった。

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ラングハンスの設計により建てられた動物解剖劇場の外観

プロイセン国王フリードリヒ・ヴィルヘルム2世が、ラングハンスにこの建物の設計を命じたのは1787年のこと。新しく設立された王立獣医学校の中心機関となるべく計画された。当時、騎兵隊の馬が病気や疫病にかかれば、それは国家にとっての重大な危機を意味した。ゆえに、獣医の養成が急務とされたのである。

ラングハンスは北イタリアの名建築「ラ・ロトンダ」に倣って新古典主義様式で建物を設計し、2年の工事期間の後、1790年にそれは完成した。ちなみに、ブランデンブルク門が完成したのは1791年なので、当時彼は2つの建設現場を慌ただしく行き来していたではないだろうか。

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動物解剖劇場の舞台。馬や古代の英雄をモチーフにした天井の壁絵まで、美しく蘇った

建物やその改修にまつわる半地下部分での展示を見て回った後、いよいよ2階に上がる。入り口のドアを抜けると、そこが解剖劇場の舞台である講壇だ。神殿のような丸い天井、そして観客席が講壇を囲む様子は、まさに古代の円形劇場を思わせる。夢心地になるほどの美しさだが、そこで行われていたことを想像すると目が覚める。

講壇の前で案内してくれたおじいさんが、「昔は手動のエレベーターで、と殺された馬が下から講壇の中央に運ばれました。夏場は特に大変だったようですよ」と言って鼻をつまんだ。

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オランダ・ライデン大学の解剖劇場(Wikipediaより拝借)

16世紀末以降、このような解剖劇場はヨーロッパ中の大学に造られ、人体や動物の解剖が公開で執行された。時には一般市民が入場料を払って見学することもあったという。自然の神秘を体感する劇場というわけか。

ブランデンブルク門を見上げると、まず目に入るのは「勝利の女神」ヴィクトリアではなく、それを率いる4頭の馬の像であることを思い出す。彼らが率いる馬車のことを古代ローマではクアドリガと呼んだが、人類がまだ馬より速い乗り物を手にしていなかった時代、馬力こそが国力の礎だったのだ。
ドイツニュースダイジェスト 12月7日)


Information
動物解剖劇場
Tieranatomisches Theater


1790年に王立獣医学校の敷地内に完成。さまざまな歴史を経て、1990年代までここで講義が行われていた。2005年から7年間の改修工事を終えて、この秋から一般公開されている。現在の形での展示は来年4月14日まで(入場無料)。その後はフンボルト大学の講義や講演、展覧会、コンサートなどがここで行われる予定だという。

オープン:火〜土14:00〜18:00(2013年4月14日まで)
住所:Campus Nord, Philippstraße 13, Haus 3, 10115 Berlin
URL:www.kulturtechnik.hu-berlin.de


ブランデンブルク門 
Brandenburger Tor


いわずと知れた、ラングハンスの代表作。宮廷彫刻家ヨハン・ゴットフリート・シャドウ制作によるクアドリガが設置されたのは、門の完成からしばらく経った1793年のこと。シャドウの回想録によると、彼は生きた馬だけでなく、動物解剖劇場に展示されていた馬の骨格を観察してクアドリガを造ったという。1806年、ナポレオンがこれを「戦利品」としてパリに持ち去ったのは有名な話(その後、ベルリンに戻された)。
by berlinHbf | 2012-12-10 16:21 | ベルリン発掘(東) | Comments(0)

ポツダム・サンスーシ音楽祭2012より(2) - 宮廷劇場 -

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Neuen Palais Potsdam (2012-06)

ベルリンからの日帰りでポツダムを観光しようとすると、多くの旅行者は2大名所のサンスーシ宮殿かツェツィーリエン宮殿、もしくはその両方に行くだろう。両者は離れている上、その間の公共交通の便がよくないので、それにプラスして旧市街を少し見れば1日はあっという間に終わってしまう。ポツダムに泊まってまで見る人は少ないので、サンスーシ公園の奥まった場所に位置するこの新宮殿まで来るのは、どうしてもポツダム訪問が2回目以上の人になってしまう。

よく言われるように、新宮殿はフリードリヒ大王が7年戦争の勝利で得た富で建てられただけあって、サンスーシ宮殿に比べると遥かに大規模な造りになっており、一見の価値はある。私はまだ観に行けていないのだが、ここで開催中の生誕300周年の展覧会「FRIEDERISIKO」は、連日盛況だそうだ(10月28日まで開催)。

この新宮殿の一角にSchlosstheaterと呼ばれる宮廷劇場がある。ここを右に曲がると、劇場の入り口が見えてきた。

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ポツダムの宮殿群は幸い戦災から免れたので、この宮廷劇場も18世紀の建設当時の内装をほぼそのまま残している。私にとって一つの憧れの場所だった。今年のサンスーシ音楽祭では、フリードリヒ大王が台本を書き、グラウンが作曲したオペラ《モンテズマ》(1755年初演)が上演されるというので、とりわけ楽しみにしていたのだ。

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初めて中に入った劇場は、想像していたよりも豪華絢爛な感じではなかった。とはいえ、ドイツに現存する18世紀のロココ劇場としては貴重なものに違いない。このクモの巣をモチーフにした装飾などを見ると、私は自然とサンスーシ宮殿の音楽室を連想してしまう。

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ここにはもうかなりの回数来ているが、毎回入る瞬間、私はかつてこの空間で奏でられたであろう音楽を想像して、ひと時の夢心地を味わう。C.P.E.バッハ、グラウン、クヴァンツ、ベンダ、そしてもちろん大王自作のフルート協奏曲…(もっとも、かの大バッハがポツダムの大王を謁見したとき、サンスーシ宮殿はまだ完成していなかった。そしてモーツァルトがポツダムを訪問したとき、大王はもうこの世にいなかった。歴史の因果にも思いが至る)

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この日はマチネーで、ポツダム・カンマーアカデミーの演奏で、《モンテズマ》が上演された。指揮者のSergio Azzolini氏は、通奏低音のファゴットを奏でながら、時に楽器を指揮棒のように動かして、リードを取る。このオペラの音楽的価値がどれほどのものなのかは正直よくわからないけれど、コロラトゥーラの超絶アリアがたっぷりで、ときには客席から歌手が現れたりと、なかなかにスペクタクルな舞台だった。

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そうそう、ここで初演された名作に、メンデルスゾーンの《真夏の夜の夢》がある。前回お話ししたフリードリヒ・ヴィルヘルム4世の治世の1843年10月14日、ここで初めて劇音楽の完全版が奏でられたのである。あの完璧無比の序曲、夢幻的なスケルツォ、そして結婚行進曲…その日、客席には、アレクサンダー・フォン・フンボルトやフェルディナンド・ヒラー夫妻もいたという。タイムマシーンがあったら…ではないが、ポツダムの宮廷と音楽をめぐるテーマは、興味が尽きない。

追記:最近発売されたエマニュエル・パユがフルートを吹いた映像作品「フリードリヒ大王に捧ぐ~サンスーシのフルート協奏曲集」は、新宮殿の宮廷劇場で撮られたものだ。なぜか「サンスーシ宮殿で収録」となっているけれど…

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by berlinHbf | 2012-09-07 22:16 | ベルリン音楽日記 | Comments(0)

ドイツの演劇人から東北の演劇人へ

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被災地を巡る「夢トラック劇場」の上演から © ARC>T
 
 東日本大震災が世界を揺るがした2011年も終わろうとしています。ベルリンでも多数のチャリティー活動が行われましたが、今回はおそらくまだあまり知られていない、ドイツの演劇人・文化人の支援活動をご紹介したいと思います。
 少しずつ復興が進む被災地にあっても、どうしても手が届きにくいのが文化関連施設。そんな中、草の根的な運動を応援しようと、クロイツベルクにあるドイツ国際演劇協会(ITI Germany)が、この春いち早く東北演劇支援イニシアチブを結成。ドイツ中の劇場に呼び掛けました。自ら東北の被災地支援や世界の反原発に関する催しを行うほか、これまでに約4万ユーロを日本赤十字社に、またベルリン森鷗外記念館副館長のベアーテ・ヴォンデさんらが仲介役となって、約1万2000ユーロを仙台のARC>Tに送ったそうです。ARC>Tは、東北で活動する芸術家のプラットフォームとして震災後に立ち上がったグループ。「トラックの荷台を舞台にした夢トラック移動劇など、使える施設もままならなかった震災直後から、芸術家、文化人として今できることを精一杯続けています」(ヴォンデさん)。青少年向けのワークショップや老人ホームでのレクリエーション、知的障害者を対象とした工房でのダンス、美術活動を主催するほか、演劇人が多く在籍していることから、演劇公演の支援も彼らの強み。そんな彼らですが、7月以降、給料が出ていないそうです。それでも、同事務局長の鈴木拓さんはこう語ります。
 「東北の文化を途切れさせてはいけません。自分たちが今報われなくても、いつかまたいろいろな公演が戻って来た時に、彼らが活動しやすいようにするのが自分たちの務めですから」。

 一方、ベルリン民族学博物館は「Eine Brücke nach Japan 日本に架ける橋」というイベントを6~10月という長期間にわたって行い、写真展、講演会、ワークショップ、オークションなどで集めた約2000ユーロがARC>Tへ送られたそうです。
 「ドイツの人々が日本の状況を心配し、心から応援してくれているのが本当にありがたかったです。一方で、夏以降はチャリティーを企画の表に出しにくくなってきたのも事実。今後は、チャリティーとは少し違う形で被災地の人々を支援できないかと考えているところです」(民族学博物館でチャリティー公演を企画した長尾果林さん)。
 活動の内容は異なるものの、ヴォンデさんも長尾さんも、想いは共通しています。
 「ドイツの名立たる演劇・文化団体が日本の演劇と文化を応援しています。大変な時期だと思いますが、逆に言えば文化の新しい基盤を築ける可能性も秘めているはず。東北の文化復興のために頑張る人たちへの支援を、日本の方々にもぜひお願いしたいです」。
 被災地の今が伝わってくるARC>TのHPとブログはこちらより。http://arct.jp
ドイツニュースダイジェスト 12月16日)

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ドイツの著名な演劇雑誌「Theater der Zeit」の10月号が東日本大震災以降の日本の演劇を特集。ここでもARC>Tの活動が紹介されています。

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by berlinHbf | 2011-12-15 18:58 | ドイツから見た日本 | Comments(0)

発掘の散歩術(12) - 眠りから覚めたシュプレーパーク -

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一見、行楽客で賑わうどこかの遊園地の写真かと思われるかもしれない。だが、よく見るとどこか違う。恐竜のオブジェは無惨にも肢体がバラバラになり横たわっている。奥の大きな観覧車は錆び付き、人を乗せて回ることはもはやない。

ここは「かつて」遊園地だった場所なのである。5月末、ベルリンの演劇シーンをリードするHAUことヘッベル劇場の企画「Lunapark Berlin」で、トレプトウ地区にある「シュプレーパーク」が長い眠りから覚めた。

シュプレー川に面した89ヘクタールの広大な森、プレンターヴァルトの北側にあるアミューズメントパークの歴史は東ドイツ時代にさかのぼる。1969年、東独唯一の常設遊園地である、クルトゥアパーク(文化公園)・プレンターヴァルトがオープンした。西側のテーマパークに比べると、アスファルトがむき出しのシンプルな外観だったそうだが、高さ45メートルの観覧車といった目玉のアトラクションが人々を引き寄せ、年間170万人が訪れたという。

1990年からは西独出身の経営者が引き継ぎ、シュプレーパークと名前を変えて再出発。観覧車の下のアスファルト部分を池に造り替え、さらにローラーコースターや西部劇村などが加わって、よりテーマパークらしくなった。一方で、90年代後半以降の経営は借金との戦いになり、訪問客も年間40万人にまで落ち込んだ。2001年、シュプレーパークは倒産、経営者たちはペルーに夜逃げした。

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あれから10年、シュプレーパークは今どうなっているのか。東独時代からの遊園地が4日間限定でよみがえるという企画は多くのベルリーナーの心をとらえたのか、最終日に訪れてみたところ、入り口前には長い行列ができていた。5ユーロの入場料を払って中に入ると、遊園地はほぼ手つかずの状態で残っていたが、さすがに10年の間に、コースターの滑走路は錆び付き、草木は無造作に生い茂り、ところどころにビオトープが出現しているという具合。子どもたちは廃墟のアトラクションと戯れ、大人たちは物珍しそうにカメラのシャッターを切る。期間中、いくつもの見学ツアーのほか、ショーやコンサートも行われ、大いに盛り上がっていた。

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だが、これが遊園地だった過去を懐かしむだけのイベントでないことは、明らかだ。観覧車の近くに、1枚の大きなパネル写真が置かれていた。チェックポイント・チャーリー跡でアメリカ兵に模した青年と観光客が並び、2人の顔の部分だけ穴が空いている。そこに自分の顔をはめ込んで記念撮影をするという、観光地で見かけるあれだ。この東西検問所跡に行ったことのある人ならわかると思うが、ひっきりなしに訪れる観光客が兵隊の格好をした若者と笑顔で記念写真に収まり、あっという間に立ち去って行く様子は、遊園地のそれと何ら変わるところがない。現在ベルリンの観光業は右肩上がり、新しいホテルは増える一方だが、「ベルリンが観光客向けの1つの巨大なアミューズメントパークになりつつあることへの問いかけをしたかった」とキュレーターのシュテファニー・ヴェナー氏は語る。

シュプレーパークの将来はいまだ白紙だという。この場所の将来を考えることは、ベルリンの未来を問うことでもある。
ドイツニュースダイジェスト 7月8日)


Infornation
シュプレーパーク
Spreepark


通常は中に入れないが、実は定期的に内部見学ツアーが行われている。旧シュプレーパーク入り口が集合場所で、約2時間ガイドの説明と共に、廃墟と化した遊園地をじっくり歩いて回る(要予約。参加費は15ユーロ。ツアーは基本的に週末に開催されるが、日程の詳細は以下ウェブサイトをご参照下さい)。

住所:Kiehnwerderallee 1-3, 12437 Berlin
電話番号:(0176)831 43 138
URL:www.berliner-spreepark.de


ヘッベル・アム・ウーファー
Hebbel am Ufer (HAU)

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2003年、クロイツベルクの川沿いの大中小3つの劇場が統合して生まれた1つの劇場組織。芸術監督のマティアス・リリエンタールが「常に『摩擦を起こすこと』を試みている」と語る通り、革新的な作品を世に送り続けている。年間120ものプロジェクトが手掛けられ、今回のように舞台が都市そのものになることも。

住所:Hallesches Ufer 32, 10963 Berlin(チケットオフィス)
電話番号:(030)259004 0
URL:www.hebbel-am-ufer.de

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by berlinHbf | 2011-07-08 11:31 | ベルリン発掘(東) | Comments(0)

パンコウの貨物駅跡で観る演劇

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Ehemaliger Güterbahnhof Pankow (2010.07.10)

もう半年近く前になりますが、昨年7月、ちょっと面白い場所で演劇を観る機会がありました。地下鉄U2の終点、パンコウの駅で降り、東に延びるグラニッツ通り(Granitzstr.)を歩いて行くと、左手に広大な敷地が視界に入ってきます。私は初めてここに来たのですが、「ベルリン市内にまだこんな空き地が残っていたのか!」と目が開かれる思いでした。こんな場所で演劇をやるという発想に、さらにワクワクしてきます。

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実はここは、かつてパンコウの貨物駅の敷地だったという場所です。開業は1904年、そして1997年に廃止になった後は、40ヘクタールの広大な空き地になっていました。

この夜上演されたのは、ルネ・ポレシュ演出の通称「ルール3部作」なるもの。これは昨年のルール地方の欧州文化年に合わせて作られた3つの連作で、それぞれ別々に上演してきた作品を、この日は一気に上演してしまおうというフォルクスビューネらしい何とも酔狂な試み。まともにやったら6時間近くになったのではないでしょうか。ところが、当日行ってみると、何かの理由で2部のみの上演になったそうで、ちょっとほっとしました(笑)。

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ベルト・ノイマンによる舞台美術が、奇抜でどこかキッチュで、でも魅力的。

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ワールドカップ南ア大会で、ドイツが3位決定戦で勝利した夜、のんびりしたムードの中、22時近くになって最初の「Tal der Fliegenden Messer」が始まります。内容はもううろ覚えになってきているのですが、本物の車を使ったカーチェースがあったり、役者が拡声器でがなり立てるシーンがあったりと、大変にインパクトの強い作品でした。

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時々、敷地内の向こう側をSバーンが駆け抜けて行きます。結局第2部が終わったのは深夜2時近くで、最後の方は睡魔との戦い(笑)。一緒に観た大学時代の先輩とタクシーを拾って中心部に戻りました。

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ところで、つい数日前の新聞に、この場所の将来をめぐっての記事が掲載されていました。家具メーカーのHöffnerがこの敷地の大半を使って、ショッピングセンターとテーマパークを作ろうと計画しているのだとか。しかし、ベルリン市側はこの計画に対して慎重で、まだ建設の許可を与えていないという内容でした。どうなるのでしょうね。この北側に大きな大きな公園(Schlosspark)があるので、緑地として残されることはないのかもしれませんが、もう少し他に有効な使い道はないものかと思います。

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by berlinHbf | 2011-01-16 23:57 | ベルリン発掘(東) | Comments(2)

第1回「オペラ・劇場の長い夜」、今夜開催

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ベルリンでは夏と冬の年2回、"Lange Nacht der Museen"(「ミュージアムの長い夜」)という催しがすでに定着しているのですが、その劇場版が今夜初めて開催されることになりました。題して、"1. Lange Nacht der Opern und Theater"。

HPのリストを数えてみたところ、参加する劇場の数は51(うちオペラ劇場はノイケルン・オペラ含めて4つ)にも上るので、これはもう大変な規模です。人形劇、子供劇、シャンソン、ミュージカル、オペラ、アバンギャルドな演劇、朗読、カバレット、ダンスなど何でもあり。19時から深夜1時まで、各劇場は独自のプログラムを組んでおり、それぞれが30分単位なのでいくつもの劇場をはしごすることが可能です。

劇場間は、州立歌劇場横のベーベル広場から10~15分おきに出るシャトルバスで結ばれます。チケットは全ての催しに参加できて15ユーロ(学割10ユーロ)。貧しくてもこういうことが実現できるベルリンはやはりすごい。オープニングにはヴォーヴェライト市長も見えるそう。今週末のおすすめです。

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by berlinHbf | 2009-04-25 11:31 | ベルリン文化生活 | Comments(11)

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