ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

Amazonにてネット購入ができます。



『街歩きのドイツ語 』
¥1,575
三修社

豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
¥1,575
ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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テレージエンシュタット訪問記(3)

すっかり間が空いてしまいましたが、昨年5月、チェコのテレージエンシュタット(現テレジン)を訪れた話の続きを書きたいと思います。来週更新する記事の関連性も考えて、今のうちに書いておきたいと思ったのです。テレジンの話が初めてという方は、最初にこれまでの記事をお読みいただけるとうれしいです。

関連記事:
テレージエンシュタット訪問記(1) (2010-11-28)
テレージエンシュタット訪問記(2) (2010-12-05)

前回書いたのは、テレジンの「小要塞」の方でした。そこにはハプスブルク帝国時代の要塞の中に刑務所が設置され、それまで実際に行ったことのあるアウシュヴィッツやベルリン郊外のザクセンハウゼンの強制収容所の雰囲気と重なるところがありました。最初の回で、「『要塞として建設され、その後ナチスの強制収容所になり、いまはまたそこに普通に人が住んでいる』と言われても、一体どういう場所なのか、ひまひとつ想像がつかなかった」と書きましたが、それは小要塞ではなく、大要塞、つまりテレジン市本体のことだったのです。

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1本道を500メートルぐらい歩いて行くと、オフジェ川が見えてきます。そこを越える際に、昔の城壁の跡らしきものが視界に入りますが、それを除けば「また別の街に入ったのかなあ」というぐらいの感覚でしかありません。時々、トラックやバスが横を通り過ぎて行きます。事前に何も知らなかったら、特に何も気付くことなく、私はこの街を通過していたかもしれません。

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しばらく歩くと、この街の中心地らしき広場にたどり着きました。少し閑散とはしていたものの、ベンチでは人がくつろぎ、公園では子供たちが遊ぶ光景が見えてきます。小さな街のごくごく普通の日常の風景という趣です。一見、本当に普通の街なのです。

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ところが、ネットから借用したこの街の空中写真を見れば、テレジンの特異性が一目でわかります。第2次世界大戦中、かつての大要塞の特性を生かす形で、テレージエンシュタットは大迫害施設へと生まれ変わり、数々の悲劇が起きたのでした。

(つづく)

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by berlinHbf | 2011-01-30 01:15 | 欧州を感じる旅 | Comments(0)

毎日新聞のコラム「憂楽帳」より

毎日新聞の夕刊社会面に「憂楽帳」という記者の方が書く短めのコラムがあるのですが、数日前、私の著作『素顔のベルリン』を教科書に使っていただいている徳島大学の授業のことが紹介されました。とてもうれしい機会だったので、許可をいただきここに再掲したいと思います。


憂楽帳:都市の記憶

東西ドイツ統一20年を迎えた昨秋、徳島大でベルリンをテーマにした授業が始まった。題して「記憶の場の教育学」。

最新のベルリンを知るため、教科書は詳細なガイドブック。副教材にはテレビの旅番組やドキュメンタリー、ドイツ映画なども活用している。「第一次大戦から冷戦終結まで、ベルリンには世界史の記憶が塗り込められています。その『都市の記憶』を読み解くことで、歴史をどう伝えるか、考えるのがこの授業の狙い」と、弘田陽介助教(37)は語る。

ベルリンには、博物館や観光名所以外にも、随所に「記憶」を伝える装置がある。地面に延々続く壁の跡。越えようとして射殺された人々の写真、名前、年齢入りの記念碑。強制収容所へユダヤ人を送った列車の行き先、人数、日付を書いた鉄板が並ぶ駅のホーム……。

受講している学生たちは20歳前後で、今まで壁崩壊は「史実」に過ぎなかった。しかし授業を通じて、多くが「ベルリンに行ってみたくなった」という。大災害や戦争を風化させないために、都市自身の「記憶」が果たす役割も大きいのだと知った。【斎藤由紀子】

毎日新聞 2011年1月24日 大阪夕刊


弘田先生と学生の皆さんとは、スカイプを通じて2回ほどゆっくりお話させていただきましたが、自分がベルリンでやって来たことを見つめ直す意味でも、大変いい機会でした。斎藤記者のこの記事を拝読して、特に若い人たちにもっとベルリンに来てほしいなと改めて思いました。

日本からこの街を目的に来る旅行者の数はまだまだ少ないですが、一方でベルリンを訪れる旅行者全体の数はここ数年右肩上がりなのです。つい最近、「ベルリンは、ローマを抜き、ロンドン、パリに続いて欧州で3番目に人気のある旅行目的地になった」という記事も読んだほどです(Spiegel誌のサイトより)。

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by berlinHbf | 2011-01-27 00:57 | ベルリンあれこれ | Comments(5)

ベルリン放送響で聴くヤナーチェク2曲

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ベルリン放送交響楽団の演奏で、レオシュ・ヤナーチェクの作品を2曲聴く機会があった。

まず、昨年11月20日に聴いた〈グラゴル・ミサ〉。指揮は音楽監督のヤノフスキ。このミサ曲はベルリンでもめったに演奏されることがない。2000年9月にラトルがベルリン・フィルを指揮したのと(私がベルリンに来る直前で聴けなかった)、2003年春にギーレンがベルリン響を振ったのと(これは聴いたがあまり印象に残っていない)、他にあったかないか。実は学生時代に、あるアマチュアオケでこのミサ曲を演奏したことがあるのだが、独特のアクの強さ(?)が耳から離れず、〈シンフォニエッタ〉に比べてその時もあまり深くのめり込めなかった。でも、そうそう実演に触れることのできない曲だからと、チェコ文化を研究している友達と今回聴きに行ってみたら、これが実に素晴らしかった。

まず冒頭、荘厳なファンファーレではなく、快速でエネルギー全開の「イントラーダ」(通常は一番最後にくる)で始まったものだから、椅子から転げ落ちそうになった。プログラムをよく見ると、1926/27の初稿版とある。これは初めて聴くものだった。「グロリア」もCDで聞き慣れている音楽に比べて、響きの生々しさにおいて際立っている。印象的だったのは、「クレド」の中間部に出てくるクラリネット3本のソロ(ソリ?)で、バンダとして舞台後方の客席の場所から演奏させていたことだ。この部分の歌詞を読むと、「主はわれら人類のため、またわれらの救いのために天よりくだり」とあり、ヤナーチェクはまさに天上からの響きをイメージしてあのメロディーを書いたのだろうと納得した。そういう叙情的な部分も素敵だったのだが、このミサ曲全体にみなぎる荒々しさ、そしてはち切れんばかりの生命力は一体どう表現したらいいのだろう。ヤノフスキ&ベルリン放送響は、昨年のベートーヴェン・チクルスで見せた好調さを持続し、私のこの曲に対するイメージを刷新してくれた。同放送合唱団のマッシブでありながら透明感のあるコーラスも万全。最後2曲のあのかっこいいオルガンソロ、そして冒頭にも奏でられた「イントラーダ」には本当に興奮した。ヤノフスキはすごい形相で追い込みをかけるし、金管群はもうノリノリ状態(笑)。この日の演奏は、DeutschlandradioによりCD化されるそうなので、改めてじっくり聴き直すのが楽しみでならない。

MAREK JANOWSKI
Aga Mikolaj | Sopran
Iris Vermillion | Alt
Stuart Neill | Tenor
Arutjun Kotchinian | Bass
Iveta Apkalna | Orgel
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
Rundfunkchor Berlin

Paul Hindemith
Sinfonie "Mathis der Maler"
Leoš Janáček
Glagolitische Messe für Soli, Chor, Orgel und Orchester
(Erstfassung von 1926/27, Herausgeber: Paul Wingfield)


1月23日に聴いたのは、日本でもおなじみのゲルト・アルブレヒト指揮の〈シンフォニエッタ〉。私はこの人の実演に接するのは確か初めてなので、かつてどういう指揮ぶりだったのかはわからないのだが、大分お歳を召されたなあというのが正直な感想。棒は時にやや安定感を欠き、コンサートマスターが必死にリードを取ろうとしているように見えた。演奏は、ヤノフスキとはかなり対極的。冒頭の金管のファンファーレは、オケの一部として座らせて吹かせていたし、3楽章中間部のフルート4本が荒れ狂う場面では、ほとんどインテンポでさらりと進むので正直拍子抜け。純音楽的というか、この曲の祝祭的でスペクタクルな要素を極力排した演奏に感じられた。ではつまらなかったかというと、そんなこともなく、内側から自然と音楽が沸き上がってくるところなどは捨てがたい魅力があったし、最後はやはりホール全体が高揚感に包まれた。とはいえ、私が実演で接することができた故マッケラスとラトルの演奏(どちらもベルリン・フィル)は、やはり特別だったと実感する。

余談だが、ホールでの休憩中と、終演後にクロークで待っている間、近くで誰かが〈シンフォニエッタ〉の冒頭部分を口笛を吹いているのが耳に入ってきた。多分別人だとは思うけれど、やはりあの冒頭のメロディーは誰でも一度聴いたら耳について離れないのですね^^。

ちなみに、それぞれ前プロに演奏されたヒンデミットの〈画家マティス〉とツェムリンスキーの〈叙情交響曲〉も充実した演奏だった。どちらもヤナーチェクの曲と初演が数年しか違わないのが興味深い。特に後者はバリトンのフランツ・グルントヘーバーの深い味わいのある歌唱が素晴らしかった。

GERD ALBRECHT
Camilla Nylund | Sopran
Franz Grundheber | Bariton
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin

Alexander Zemlinsky
Lyrische Sinfonie für Sopran, Bariton und Orchester op. 18
auf Gedichte von Rabindranath Tagore
Leoš Janáček
Sinfonietta für großes Orchester

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by berlinHbf | 2011-01-25 00:09 | ベルリン音楽日記 | Comments(3)

NHK「テレビでドイツ語」2月号

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NHK「テレビでドイツ語」2011年1月号のテキストが発売になりました。「映画で歩くベルリン」も残り2回となり、今回は人気作の『グッバイ、レーニン!』を取り上げています。DDR(東ドイツ)を味わえるレストラン、アレックス一家のモデルとなったアパート、ビリー・ワイルダーとの意外なつながり、「オスタルジー」、DDRの反体制運動に携わった人に聞いた話などなど。お手に取ってご覧いただけると幸いです。

最新号のトピック(NHK出版のHPより)
今月はベルリン観光の穴場、地下世界ツアーや日本ショップを案内し、ベルリンならではのファッションブティックも訪れます。「いつ」「どこで」といった疑問文を中心に学び、また、買い物の際などに感想を述べる表現も覚えましょう。

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by berlinHbf | 2011-01-22 11:54 | ドイツ語関連 | Comments(3)

地下鉄U5の過去と未来

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先頃、アレクサンダー広場から東に延びる地下鉄U5が開業から80年を迎え、特別列車が走りました。1930年12月21日、アレクサンダー広場とフリードリヒスフェルデ間が開業した地下鉄U5(当初は路線E)は、当時ベルリンで最速の地下鉄だったそうです。東ドイツ時代の1970~80年代、新興住宅地の開発に合わせてヘーノウ(Hönow)まで延長されました。現在は全長18.4kmの路線です。

昨年12月19日の午後、アレクサンダー広場の地下ホームに行ってみると、日頃見慣れないオールドタイプの2両編成の列車が停まっていました。この路線の開業当時に造られた戦前の車両で、1両は黄色、もう1両は赤色という珍しいものでした。無料の整理券をもらって中に入ると、車内はすでに家族連れや鉄道ファンで一杯。思ったよりも広々としており、木の内装ならではのぬくもりが感じられます。うなるようなエンジン音に導かれて電車が走り出すと、お客さんはどこかそわそわと落ち着かない様子で、写真撮影をしたり、物珍しそうに車内を行き来したりしていました。当時は地下鉄にまで喫煙車があったことには驚きました。

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1929年に製造された地下鉄は保存状態も良く、木製の内装がどこか郷愁を誘う

途中駅を通過する度に、ホームで待っている乗客が時々「あっ」という表情をしてこちらを眺めています。列車はフリードリヒスフェルデ駅の車両工場に到着し、再びアレクサンダー広場駅に戻ってきました。1時間弱のノスタルジック・ジャーニーを楽しみました。

さて、ここからは未来のお話。このU5がこれから西へ拡張されることをご存知でしょうか。昨年4月、ヴォーヴェライト市長同席の下、赤の市庁舎前でU5の着工式が行われました。現在、市庁舎前には広いスペースにわたって柵が張り巡らされており、小さな展望台も設置されています。この先の公園にあった社会主義思想家のマルクスとエンゲルスの大きな像も、これから始まる工事のため、すでに別の場所に移転。予定では、赤の市庁舎駅が2014年頃に開業した後、博物館島駅、ウンター・デン・リンデン駅を経由して、17年頃にはブランデンブルク門駅まで結ばれることになります。そこで一足先に開業したU55と手をつなぎ、アレクサンダー広場駅から中央駅までが1本の路線で結ばれることになるわけです。

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記念列車を降りた後、赤の市庁舎前の展望台に上ってみました。ベルリンの未来図が何か見えるかなと思いきや、一面雪で真っ白に覆われていて、結局、何も判別できませんでした。
ドイツニュースダイジェスト 1月21日)

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by berlinHbf | 2011-01-20 01:21 | ベルリン中央駅 | Comments(2)

パンコウの貨物駅跡で観る演劇

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Ehemaliger Güterbahnhof Pankow (2010.07.10)

もう半年近く前になりますが、昨年7月、ちょっと面白い場所で演劇を観る機会がありました。地下鉄U2の終点、パンコウの駅で降り、東に延びるグラニッツ通り(Granitzstr.)を歩いて行くと、左手に広大な敷地が視界に入ってきます。私は初めてここに来たのですが、「ベルリン市内にまだこんな空き地が残っていたのか!」と目が開かれる思いでした。こんな場所で演劇をやるという発想に、さらにワクワクしてきます。

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実はここは、かつてパンコウの貨物駅の敷地だったという場所です。開業は1904年、そして1997年に廃止になった後は、40ヘクタールの広大な空き地になっていました。

この夜上演されたのは、ルネ・ポレシュ演出の通称「ルール3部作」なるもの。これは昨年のルール地方の欧州文化年に合わせて作られた3つの連作で、それぞれ別々に上演してきた作品を、この日は一気に上演してしまおうというフォルクスビューネらしい何とも酔狂な試み。まともにやったら6時間近くになったのではないでしょうか。ところが、当日行ってみると、何かの理由で2部のみの上演になったそうで、ちょっとほっとしました(笑)。

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ベルト・ノイマンによる舞台美術が、奇抜でどこかキッチュで、でも魅力的。

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ワールドカップ南ア大会で、ドイツが3位決定戦で勝利した夜、のんびりしたムードの中、22時近くになって最初の「Tal der Fliegenden Messer」が始まります。内容はもううろ覚えになってきているのですが、本物の車を使ったカーチェースがあったり、役者が拡声器でがなり立てるシーンがあったりと、大変にインパクトの強い作品でした。

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時々、敷地内の向こう側をSバーンが駆け抜けて行きます。結局第2部が終わったのは深夜2時近くで、最後の方は睡魔との戦い(笑)。一緒に観た大学時代の先輩とタクシーを拾って中心部に戻りました。

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ところで、つい数日前の新聞に、この場所の将来をめぐっての記事が掲載されていました。家具メーカーのHöffnerがこの敷地の大半を使って、ショッピングセンターとテーマパークを作ろうと計画しているのだとか。しかし、ベルリン市側はこの計画に対して慎重で、まだ建設の許可を与えていないという内容でした。どうなるのでしょうね。この北側に大きな大きな公園(Schlosspark)があるので、緑地として残されることはないのかもしれませんが、もう少し他に有効な使い道はないものかと思います。

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by berlinHbf | 2011-01-16 23:57 | ベルリン発掘(東) | Comments(2)

発掘の散歩術(6) -ポツダム通りの隠れ家ギャラリー-

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Potsdamer Straße (2011.1)

ポツダム広場からM48かM85のバスに乗ってポツダム通りを南下すると、フィルハーモニーや国立図書館、新ナショナルギャラリーなどの斬新な建築が並ぶ「文化フォーラム」を過ぎ、運河にかかる橋を渡った辺りから、風景ががらりと変わることに気付く。戦前の古いアパートと戦後の安普請の建物が混在し、店の種類も道行く人々もどこか雑多。独特の活気は感じられるが、少なくとも美しい街並みとはちょっと言いがたい。

こんな背景がある。東西分断時代、壁に近いポツダム通りは、文字通り西ベルリンの果てに位置する場所だった。家賃が安いためトルコやアラブ系の住民が多く、街角にはフィクサーや売春婦が立ち、社会問題の発火点としても度々取り上げられた。映画『クリスチーネ・F』や橋口譲二の『ベルリン物語』に描かれた、この通りの場末感は今でもどこか残っている。

このポツダム通りが、最近変わってきたという。「ここ1、2年の間に、ポツダム通りに引っ越すギャラリーが増えています」とベルリン在住のアートコーディネーターの河村恵理さんから聞き、Klosterfeldeというギャラリーを訪ねてみた。

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ポツダム通りにあるKlosterfelde。評価の高いギャラリーに描かれるバナナマークが目印

ギャラリーと言っても、アパートの入り口に小さな表示があるだけで、何も知らなければ通り過ぎてしまうだろう。知人のアパートを訪問する時と同様、呼び鈴を押して玄関のドアを開けてもらう。最初は少し勇気がいるかもしれないが、臆する必要もない。階段を上って2階の入り口からギャラリーに入ると、真っ白な空間が目に飛び込んできた。部屋は改装されているものの、天井に見られる19世紀末のアパート特有の美しい装飾は、きれいに残されている。古いアパートとコンテンポラリーアートとの組み合わせが実に新鮮だ。

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ここで働くジル・エッガーさんが、ポツダム通りに引っ越してきた理由を説明してくれた。「最近までギャラリーはチェックポイント・チャーリー近くのツィンマー通りにあったのですが、オーナーのマルティン・クロースターフェルデは、常にベルリンの新しい場所と空間を探し求めていて、その結果見付けたのがここだったのです」。

ベルリンで最も影響力の強いギャラリーの1つ、Arndtも昨年4月にポツダム通りに越してきた。ヴァリエテのヴィンターガルテン脇のアパートの3階。長い廊下を突き抜けた奥にある、19世紀末に高貴な市民が所有していた元ダンスホールの部屋が一際印象的だった。過去の人々のぬくもりがどこか残ったようなこの空間を、オーナーのマティアス・アルントが見付けた瞬間に惚れ込み、引っ越しを決意したという。

先の河村さんは語る。「ベルリンのアートシーンというのは、本当によく動いています。ギャラリーの引っ越しの多さが、アートシーンを進化させていると言っても過言ではないと思います」。

ポツダム通りから横に延びるクアフュルステン通り(Kurfürstenstraße)やポール通り(Pohlstraße)にも、ギャラリーや面白そうな店をちらほら見かけるようになった。

バスから眺めた限りでは、ポツダム通りの変化は見えにくい。裏に隠れていることが多いのだ。それだけに、発掘のし甲斐もまたある。ポツダム通りの情報は、www.potsdamer-strassekompakt.deなどをご参考に。英語版もあるが、やはりドイツ語版の方がより充実している。
ドイツニュースダイジェスト 1月14日)


Information
クロースターフェルデ
Klosterfelde

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1996年にハンブルク出身のマルティン・クロースターフェルデが始めたギャラリー。2月初頭までTobias Buche展を開催。2軒隣のポツダム通り97番地の姉妹ギャラリーHelga Maria Klosterfelde(写真)では、写真や映像を中心に扱い、元文房具店の引き出しや床をそのまま生かした内装も一見の価値がある。

オープン時間: 火~土11:00~18:00
住所: Potsdamer Str. 93, 10785 Berlin
TEL:(030)283 53 05
URL: www.klosterfelde.de


ギャラリー・アルント
Galerie Arndt

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ギャラリー・アルントのかつてダンスホールだった部屋

1994年ハッケシェ・ヘーフェにArndt & Partnerとしてオープンして以来、アウグスト通り、ツィンマー通りなど、常にベルリンの先端をゆく場所に居を構えてきた。これまでトーマス・ヒルシュホルン、ソフィ・カルなど国際的作家の作品を紹介し、2月5日まではクロアチア人作家Julije Knifer展を開催。

オープン時間: 火~土11:00~18:00
住所:Potsdamer Str. 96, 10785 Berlin
TEL:(030)206 138 70
URL: www.arndtberlin.com

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by berlinHbf | 2011-01-12 21:59 | ベルリン発掘(西) | Comments(2)

2010年に読んだ本から -香港、ソ連、中国、エルベの東-

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2010年のことをロクに振り返らないまま年が変わってしまった。今回は、昨年読んだ本の中から印象に残った何冊かを書き記しておこうと思う。

日本語の本を読みたいだけ読める環境にないので、数は自ずと限られてしまうのだが、とりわけ深く心に残ったのは『オリガ・モリソヴナの反語法』(米原万里著。集英社文庫)と『転がる香港に苔は生えない』(星野博美著。文春文庫)の2冊。もう何年も前に出た本なので、読まれた方も多いかもしれない。前者はスターリン時代を中心とする旧ソ連と60年代のプラハ、後者は返還直前の香港を舞台にした長い物語。フィクションとノンフィクションという違いはあれど、人間への好奇心と深い洞察(かつ柔軟な視線)を持ち合わせた筆者による、ある種の気迫と執念に貫かれた作品であることなどは共通していて、しばらく忘れていた読書の醍醐味を味わわせてくれた。お二方ともジャーナリストではないので、何かを伝えるのに統計やデータの提示から入ることはしない。だが、何の予備知識がない読み手をもその世界に引き込み、スターリン時代のソ連の非人間的な恐怖政治だったり、返還直前の香港の人々の心のざわつきだったりを眼前に鮮やかに伝えてくれるところが素晴らしい。これは並の歴史家やジャーナリストではそうできない仕事だろう。心からおすすめしたい本。

星野さんの著作では、他に『愚か者、中国をゆく』(光文社新書)も読んだ。これは1980年代にご自身が経験した中国旅行の話。硬座の過酷な体験談も出てくるが、それでもこれを読んだらいつか列車に乗って中国を旅してみたくなる。でも、ベルリンからはやはり遠い世界だ。久々に日本に帰ると、1日でも日本に長くいたいと思ってしまうから、アジアを旅するのはまだしばらく先になるかなあ。

中国関連では、佐藤千歳さんの『インターネットと中国共産党』(講談社文庫)も面白かった。佐藤さんは私の大学のオーケストラ時代の先輩で、現在北海道新聞の記者をされている。最初の2冊に比べると、まさに新聞記者の視点で書かれているが、目まぐるしく動く社会と報道の現実を「人民網」編集部の現場にいた経験を元に、丁寧かつスリリングに伝えてくれる。この本が出た後、佐藤さんは同社の北京支局長になられたそうで、今後のご活躍にも期待したい。

ドイツ関連では、最近読んだ『ドイツの二大文化圏―ドナウの南とエルベの東<ドイツ地誌入門>』(鈴木喜参著。大学教育出版)をご紹介しておきたい。教科書のような客観的なスタイルで書かれているので、どこか無味乾燥な解説本を想像していたのだが、実際読んでみたら筆者の長年の研究とフィールドワークが生かされた、静かな情熱が伝わって来る本だった。同じドイツでもベルリンとミュンヘンが全く異なる雰囲気の街であることは誰でも知っているが、その文化圏の相違がどのように生まれたか、自然・歴史・宗教・産業・社会などさまざまな角度から、わかりやすく解説した本はありそうでなかったと思う。旅行でドイツに行かれる方にもおすすめ。

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by berlinHbf | 2011-01-10 12:54 | ベルリンを「読む」 | Comments(3)

フリードリヒ通り駅ガード下のインビスBier's

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ここ数日、久々に気温が8〜9度まで上がっていますが、12月30日ぐらいまでは本当に寒かった。そんな寒い日の午後、フリードリヒ通り駅近くを歩いていたら、久々にあるものが食べたくなり、引き寄せられるようにガード下のお店に入ってしまいました。

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駅とフリードリヒ通りがちょうど交差する地点にあるインビス、Bier'sというお店です。通りをはさんだちょうど向かいが、ケバブのインビスといえば、わかる方もいらっしゃるでしょうか。それにしても、なぜ店の名前が「ビール」なのかと思って少し調べたら、店主の名前がKlaus Bierさんというだけのことでした(笑)。しかし、「ビールさん」て面白い名字ですね。

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店内は狭いですが、暖房はちゃんと効いているのでほっとします。もちろん、カリーヴルストを注文しました。ここのカレーソーセージはベルリンの相場からしたら少し高めなのですが(確か2.1ユーロでした)、その分味はいいです。今回は、前から気になっていた自家製のソース(30セント)を付けてみました(写真左)。これはかなり辛くて、ニンニクが効いているのですが、ソーセージにもフライドポテトにもよく合って、うまかったです(マヨネーズよりもいいかも)。Bier'は10時から明け方の5時まで営業しているので、夜遊びをする方にもいいかもしれません。もちろんビールと一緒に??

Bier's Friedrichstraße
Friedrichstraße 142, Am Eingang S-Bahnhof, 10117 Berlin

追記:
2014年春、このお店の前を通ったら、いつの間にか跡形もなくなっていました。残念です。

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by berlinHbf | 2011-01-07 22:53 | ベルリン発掘(東) | Comments(10)

Frohes Neues Jahr 2011!

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新年あけましておめでとうございます。

新年のご挨拶が大分遅くなってしまいました。昨年最後のエントリとなったつららの写真は結構インパクトがあったようで、いろいろとコメントをいただきましたが、ベルリンは30日ぐらいから気温が上がり(写真は30日に撮ったもの)、最高気温0度ぐらいの比較的暖かい年明けを迎えました。あの巨大なつららも、いつの間にか地面に砕け散っていましたが、また新たな寒波がやって来ることでしょうね。まだまだ油断は禁物です。

昨年もまたこのブログを通じて、いろいろな出会いがありました。2010年は、ベルリン在住10年、ブログを開設して5年という、自分にとっては節目の年でしたが、2011年も変わらずお付き合いいただけたらと思います。今年はもう少し書くスピードと読むスピードをアップして、インプットとアウトプットのレベルを上げていくのが自分の目標です。

2011年が皆さんにとって、実りある素敵な年になりますように。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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by berlinHbf | 2011-01-03 15:36 | ベルリンのいま | Comments(8)

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