ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
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(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

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豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
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地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

ベルリン更新情報
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カテゴリ:サッカーWM2006他( 52 )

細貝萌選手インタビュー(ドイツニュースダイジェスト掲載)

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昨年11月に行ったサッカーブンデスリーガのベルタ・ベルリンの所属する細貝萌選手のインタビュー記事が、ドイツニュースダイジェストの2015年新年号に掲載され、オンラインでも全文をお読みいただけるようになりました(こちらより)。

ドイツでの日々からサッカー観、ファンとの交流まで内容は多岐に及び、細貝選手の人間性も伝わってくるインタビューになったと思うので、ぜひご一読いただけたらと存じます。
by berlinHbf | 2015-01-13 18:07 | サッカーWM2006他 | Comments(0)

ワールドカップ優勝記念パレード

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サッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会は、ドイツの24年ぶりの優勝によって幕を閉じました。ドイツ中でお祭り騒ぎとなりましたが、その2日後の7月15日、首都のベルリンにはもう1つの特別なハイライトが用意されました。ブラジルから帰国したドイツ代表チームが、ブランデンブルク門へ凱旋することになったのです。


前夜、リオデジャネイロを飛び立ったルフトハンザの特別機2014便は、テーゲル空港に降り立つ直前、なんとブランデンブルク門の真上、上空600mを飛んで着陸態勢に入りました。直前になってベルリン市から特別許可が下り、通常ではあり得ないルート変更が実現したそうですが、その粋な演出に地上で待ち受けていたファンは熱狂したとか。

10時8分、優勝トロフィーを持ったフィリップ・ラーム主将を先頭に、代表チームが空港のタラップから降り立つと、空港職員やファンが盛大に出迎えました。チームはバスで市の中心部まで移動した後、オープンカーに乗り換えて、ブランデンブルク門までの凱旋パレードが始まります。

カメラを持って中央駅まで行くと、駅の広場前は多くの人々でごった返していました。時間とともにその波は膨れ上がり、パレードのコースに面した工事現場の作業員までもが、仕事の手を休めて一斉に注視しているほど。かと思うと、向こう側の首相官邸では、職員がバルコニーに立って選手の到来を今かと待ち受けています。無理もありません。なにしろW杯優勝は東西ドイツ統一以来、初めての出来事なのです。

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白バイ隊に先導され、ベルリン中央駅前に現れたドイツ代表チーム

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左からドイツ代表のクラマー、ミュラー、メルテザッカー各選手

やがて、一際大きな歓声が奥の方から聞こえると、選手たちを乗せたメルセデスの黒いトラックが姿を現しました。白バイ隊に先導され、亀のようなゆっくりとした速度でこちらに向かって来ます。そしてついにその時が! わずか2日前に死闘を繰り広げた選手たちが、見上げたほんのすぐ先にいました。車は少しの間止まり、トーマス・ミュラー選手がファンのためにトロフィーを何度も掲げ、その横ではW杯通算得点記録を更新したミロスラフ・クローゼ選手が、下から投げ込まれるユニフォームを淡々と受け取っています。最後尾には、大会最優秀GKに輝いたマヌエル・ノイアー選手とヨアヒム・レーヴ監督の姿も。車がブランデンブルク門に到着した後、優勝報告を兼ねたファンとの盛大なパーティーが始まったのは周知の通りです。


喜びに沸く選手やファンたちの姿を見ながら、2006年の地元ドイツ大会、2010年の南アフリカ大会では果たされなかったドイツの「夏のメルヘン」がここに成就したのだと感じ、私もその祝賀の余韻を楽しみました。
ドイツニュースダイジェスト 8月1日)
by berlinHbf | 2014-08-07 18:37 | サッカーWM2006他 | Comments(1)

WM 2014 Finale ドイツが優勝した夜

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少し時間が経ってしまいましたが、この日の出来事はやはり書き記しておこうと思います。7月13日のワールドカップ・ブラジル大会の決勝戦は、友人何人かとプレンツラウアー・ベルクにある昔のビール醸造所(現在はKulturbrauerei)の中庭のパブリックビューイングで観ることになりました。考えてみたら、旧東側のこの辺りで、サッカーの大きな試合を観たことはこれまでほとんどなかったかも。3ユーロの入場料を払って中に入ると、意外にもアルゼンチンのサポーターが歌っては騒ぎ、すでにかなり盛り上がっています。しかし、激しい雨が降り止まず、ビールやソーセージを買いに行くのも一苦労でした。

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幸運なことに、21時のキックオフの頃には、雨がピタリと降り止みました。その頃までにファンの押し寄せる波はとどまることなく、中庭も、その隣の屋内のホールもぎっしりの状態で、ほとんど身動きが取れないほど。そんな中で、ついにドイツ対アルゼンチンの決勝戦が始まりました。

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試合の方は、すでにご存知の通り、一進一退の緊迫した展開となりました。ボールの保有率はドイツの方がずっと上回るものの、アルゼンチンの守備は堅固で、逆にカウンター攻撃であわやというヒヤヒヤする場面も何度か。準決勝のあのブラジル戦の後だけに、決勝戦にふさわしい好ゲームになったのをうれしく思いましたが、時間が経つにつれて、先制点が勝敗をほぼ決するに違いないというキリキリするような空気が周囲を包み込んでいきます。それにしても、この人ごみの中で、ずっと立って観戦するのは、なかなか大変なもの。ハーフタイムのときに移動した際、友達とははぐれてしまうし、周囲からはタバコの煙が立ちこめてくるし、トイレに行く人が後ろを通り過ぎる度に足を踏まれるしで、正直「早く試合が決まってくれないかなあ」との思いもじわじわと高まりました^^;)。

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そして延長後半のマリオ・ゲッツェのゴールが決まった瞬間、周囲は大騒ぎに!私はドイツを応援していたのでもちろん嬉しかったけれど、一緒に騒ぐというよりは、「写真を撮らなきゃ」という意識がすぐに自分を突き動かしたのがなんだかおかしかったです。

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そこから10分弱の残り時間、会場は大合唱に包まれます。アルゼンチン最後のチャンスで、メッシのフリーキックが大きくバーの上を越えた時点で勝負は決まりました。ドイツが24年ぶりにワールドカップを制した瞬間をベルリンで見届けることができました。

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主将のフィリップ・ラームがワールドカップを掲げる瞬間まで見た後、エバースヴァルダー通りの駅の方へ歩くと、駅周辺にはすでに歓喜の輪ができていました。地下鉄は走っているのかわからない状態だったので、このまま歩いてSバーンの駅まで歩くことに。私たちの前をアルゼンチンサポの女の子たちが大声を出しながら歩いており、向かってくるドイツ人とすれ違ったときに、彼らから「キミたちは2位だけど、それもまたすごいことだよ!」なんて風に声をかけられる姿も。

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Sバーンの電車を待つ間、電光掲示板を見ると、早くも"Wir gratulieren dem Weltmeister Deutschland."(ドイツ、世界チャンピョンおめでとう)の文字が・・・。

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帰りの地下鉄は、かつてドイツで体験したことのないほどの乗車率。息が詰まりそうだった^^;)。もちろん車内もどんちゃん騒ぎの様相。

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ファンの多くは、ツォー駅とその隣のクーダムで降りて行きました。この日は夜通しお祭り騒ぎとなったようです。

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翌日の地元紙Berliner Zeitungの第1面

2000年にドイツに来て以来、サッカーの大きな大会では、日本の次にドイツを応援してきたので、ドイツがワールドカップで優勝したら一体どんな気持ちになるのだろうとずっと思っていましたが、いざこのような状況になったとき、不思議なことに、心の底からうれしいという感情ではありませんでした(結局のところ、日本人の私は、日本が優勝する以上に対象を自己に投影させて喜ぶことはできないのかも、などと思ったり・・・)。

それでも、「ドイツが今大会で優勝して本当によかった」という思いは、数日経ったいまも、自分の中でじわじわとこみ上げています(その気持ちは、一昨日優勝チームの凱旋パレードを見に行ったときに決定的になりました)。何より、ドイツの選手がピッチを躍動する様はとても魅力的で、単に強いだけでなく、ガーナ戦やアルジェリア戦を始めとして名勝負にも事欠きませんでした。

試合翌日、ドイツ人の友人から短いメールをもらいました。「何という決勝だっただろう。まだ高揚感が覚めやらない」。2002年の日韓大会以来、ドイツが優勝に近づきながら、あと一歩のところで負ける試合を何度も一緒に見ては、苦杯を共有してきた友人です。彼はこれまでもことあるごとに、ドイツが3度ワールドカップを制したことを誇らしげに語っていました。不思議なことに、これまでの3度の優勝は戦後(西)ドイツの歴史の節目と重なり合います。そして今回、東西ドイツが統一してほぼ四半世紀経った年に、4つ目の星が加わった。この国でもっとも人気の高いスポーツであるサッカーの代表チームが大きな成果を残したことは、統一ドイツの歴史において大きな意味を持つものとなるのでしょう。決勝戦の後、イビチャ・オシム氏はこう語っていました(元記事はこちら)。
さらに今回のドイツは「多民族性」がある。東欧系やトルコ系、アフリカ系の選手が入り、従来のドイツにはなかった要素が加わる。ある意味でドイツ人以上にドイツ人らしく成長し、ドイツ代表の新しい姿を象徴している。このような多民族性は差別が強い社会では不可能だ。ドイツの移民政策が安定し、社会が成熟して可能になった。
今日になって、祝勝会のときの「ガウチョ・ダンス」のニュースを読み、少し考えもしましたが、オシム氏の言葉は外国人としてこの国に住む私にもある程度実感として理解できるので、ここに引用することにしました。フットボールというシンプルなスポーツが、社会を反映し、また社会に活力をもたらしうることを体感した今大会でした。日本の代表チームにとっては、悔しさや挫折感ばかりが残る結果となってしまいましたが、ここから何を学び、将来の糧にできるか。今後に注目したいと思います。

by berlinHbf | 2014-07-17 12:36 | サッカーWM2006他 | Comments(5)

WM 2014、今晩決勝戦!

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Pariser Platz (2014-07-13)

お昼頃、ブランデンブルク門周辺を歩いたら、ドイツのユニフォーム姿のファンの姿をたくさん見ました。早くもかけ声を掛けながら歩く人も少なくありません。ワールドカップ・ブラジル大会は今日で33日目。大会を「当事者」として楽しめる権利を得たのは、ついにドイツとアルゼンチンの人々に絞られたのだなあという思いを抱きました(もちろん、そのおこぼれ?に預かる私なども、今晩は最後まで楽しみたいと思っています^^)。

大会期間中、ブランデンブルク門の西側(Fanmeil側)に特設ステージが置かれているのは変わらずですが、今日は門の東側の囲いの中にメディアの車がぎっしり駐車していました。広場には政府関係と思われる黒塗りの公用車が何台も並び、やはり普段とは様相が違います。もっとも、国の「主」であるメルケル首相とガウク大統領は揃ってブラジルに飛び、ここにはいないはずですが^^;)

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今日は日曜日。一般のお店は閉まっているので、休日も営業しているフリードリヒ・シュトラーセ駅内のスーパーの前には長蛇の列!入場制限がかけられているほどでした。皆さん、ここで飲み物などを調達して、それぞれの観戦場所へと出発するわけです。駅構内やホームのあちこちで歓声が飛び交っていました。

いよいよドイツ時間の21時、マラカナン・スタジアムに決戦のホイッスルが鳴り響きます。好試合を期待しましょう!

by berlinHbf | 2014-07-13 18:01 | サッカーWM2006他 | Comments(2)

WM 2014「ブラジル 1-7 ドイツ」の衝撃から一夜明けて

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まさに衝撃的な夜でした。準決勝のブラジル対ドイツ、私はクロイツベルクのとあるレストランで観戦しました。ドイツが先制すると周囲の人々と一緒に歓喜の声を上げましたが、怒濤のゴールラッシュが始まると、何か信じられないものを見ているようで、しばらく食事が喉を通らなくなってしまったほど。「当事者」でないにも関わらず、日本が敗退した時のショックなど一瞬で吹き飛んでしまいました。まったく、ブラジル国民のショックはいかばかりか・・・。

サッカーは好きでそれなりに観てきましたが、こんなセンセーショナルな出来事は人生でもそうそう(?)ないので、今日の新聞を何紙か揃えてみました。まず、Berliner Zeitungは、ワールドカップ通算得点記録を更新したFWのミロスラフ・クローゼの写真を大きく掲載。

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Berliner Morgenpostは、第一面で全ゴールを写真で紹介。見出しは「ベロオリゾンテの奇跡」。

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そして、大衆紙のBerliner Kurierの見出しは、「ベルリンの皆さん、今日のこの新聞を自分の孫のために買ってあげてください!」(「いつか自分の孫にこの日のことを語り継いであげて!」みたいなニュアンスでしょうかね)。歴史的な勝利から興奮覚めやらない様子が伝わるでしょうか。

ドイツとブラジルは、2002年の日韓大会の決勝戦でぶつかっており、周知の通りその時はブラジルが2対0で勝っています。以降、ドイツは準決勝まで進出するものの、その度に苦杯を嘗めてきましたが、ついに24年ぶりの世界王者への道が大きく開かれました。日曜日の決勝戦に期待が膨らみます!

by berlinHbf | 2014-07-09 23:50 | サッカーWM2006他 | Comments(2)

発掘の散歩術(48) -巨大リビングで楽しむワールドカップ-

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FCウニオン・ベルリンのスタジアムにお目見えした巨大リビング

サッカースタジアムの芝生に所狭しと並んだ無数のソファ。人々はまるで自宅のリビングにいるようにくつろぎながら、スクリーンに映し出されるブラジルでの試合に見入る……。

ワールドカップ開幕後、ベルリンでのそんなユニークなサッカー観戦がテレビやインターネット上で話題になった。サッカーに特別興味がなくても、「何だか楽しそう!」と思った方は多いのではないだろうか。私もそんな1人。実際に体験してみたくなり、グループリーグ期間中の日曜日、東の郊外のケーペニックへ向かった。

Sバーンのシェーネヴァイデ駅からトラムに乗って約10分、Alte Förstereiという停留所に着いた。初めての場所だが、サポーターの後をついて行くと、「旧営林署員所脇のスタジアム」という名の、森に囲まれた競技場がすぐに見えてきた。

ここを本拠地とするブンデスリーガ2部のFCウニオン・ベルリンは、ユニークなサッカーチームだ。近年、旧東独時代からのくたびれたスタジアムを大改築した際、資金不足を補うために、サポーター自らが無償で工事に加わって完成させたのだという(もっとも、とてもそんな風には見えない立派なスタジアムなのだが)。今回の試みを主催したゲラルド・ポネスキー氏によると、サポーターと選手の結び付きが家族のように強いチームゆえ、そこから巨大リビングを作るという発想が生まれたそうだ。

入り口からいきなりフィールドの中に入ると、ビニールカバーで覆われたソファがたくさん置かれている。ここにある約750台のソファは、抽選で選ばれた人々が自宅から自分で運んで来たもので、大会期間中は同じ席で楽しめる。ゆえに、外部の私は通常の観客席で試合を観るしかないだろうと思っていたのだが、「本日はサポーターの皆様をソファにご招待します。空いているお好きな席にお座りください!」という、嬉しいアナウンスが場内に流れた。雨上がりでそれほど人が多くなかった上、ベルギー対ロシアというやや地味なカードの試合だったことも幸いしたようだ。

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ソファの横に置かれたテーブルとランプは、IKEAの提供によるものだとか

一緒に行った友人と、雨水がたまった重いビニールを外して、どなたかのソファに腰掛ける。当然のことながら、座り心地は最高。肌寒い日だったけれども、屋台で買ったビールと焼きソーセージを片手に、目の前の大きなスクリーンで試合の行方を追っていると、「これ以上、何を望もうか」という気分になってくる。

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家族連れやカップルも多く、会場は適度にリラックスした雰囲気

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本物の芝生で草サッカーをする子どもたち

ふと、自分が足を置いている天然芝は、シーズン中はウニオンの選手が駆け巡っているピッチなのだと思い至る。試合中も、スクリーン真横のスペースでは、子どもたちが草サッカーを楽しんでいた。なかなか贅沢だ。珍しい機会なので、私は試合そっちのけでスタジアム内を歩き回り、ピッチの1段窪んだ位置にある選手や監督の席に座っては、彼らの緊張感までもちょっぴり味わった。

ドイツでワールドカップを観るようになって、いつの間にかもう4大会目。今回の私の関心は、ドイツが決勝まで進めるかどうかに絞られつつある。この記事が誌面に載る頃、三色旗のサポーターによる熱狂は、この「リビング」でも続いているだろうか。
ドイツニュースダイジェスト 7月4日)


Information
ヴェー・エム ヴォーンツィマー 
WM Wohnzimmer

「ヴェー・エム」はドイツ語でワールドカップの略称。「ヴォーンツィマー」はリビングの意味。ワールドカップ・ブラジル大会の期間中(~7月13日)、「ドイツで最もクールなリビング」の触れ込みで、前例のないパブリックビューイングが実現した。下記サイトのTickets bestellenをクリックすると、予約のページに移る。入場無料だが、手数料として1枚につき2ユーロ掛かる。ソファのオーナーが現れなかった場合は、そこに座っても良いそう。

電話番号:030-6566 88106
URL:www.compact-team.de/wmwz/#24


シュタディオン・アン・デア・アルテン・フェルステライ 
Stadion An der Alten Försterei

ブンデスリーガ2部FCウニオン・ベルリンの本拠地スタジアム。旧東独のチームゆえ、旧西独のヘルタ・ベルリンへの対抗意識が強く、ヘルタが2部に降格した際に実現した「ベルリン・ダービー」では異様な盛り上がりを見せた。公共交通での行き方は、SバーンのSchöneweideからトラム63か67、もしくはSバーンKarlshorstからトラム27に乗り、Alte Förstereiで下車すぐ。SバーンKöpenickからは徒歩15分程。

住所:An der Wuhlheide 263, 12555 Berlin
電話番号:030-6566 88165
URL:www.altefoersterei.berlin


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さて、今晩はいよいよ準々決勝のドイツ対フランス戦。
勝利の女神はどちらに微笑むか・・・。

by berlinHbf | 2014-07-04 15:43 | サッカーWM2006他 | Comments(0)

発掘の散歩術(39) -オリンピアシュタディオンで観るヘルタ・ベルリン-

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数々の名舞台が繰り広げられてきたオリンピアシュタディオン (2013-08-24)

5月半ばのある日、日本から訪れた知人と飲んでいて、ふとこんな話題が私の口を衝いて出た。「ベルリンにも日本人サッカー選手が来ればいいのにね」。

この数年間、香川真司選手(現マンチェスター・ユナイテッド)や長谷部誠選手(現1.FCニュルンベルク)がドイツに移籍したことで、ドルトムントやヴォルフスブルクといった地味な町に(と言っては失礼だけれど)どれだけの日本人ファンが訪れたことだろうか。対する我がヘルタ・ベルリン。町としてははるかに大きく、見どころの多い首都のサッカークラブであるにもかかわらず、リーグ全体ではどうも影が薄い。ここ数年は1部と2部の間を揺れ動き、今年50年を迎えるブンデスリーガの歴史の中で優勝経験も当然ない。2000年以降、日本人選手加入の噂は何度かあったが、噂以上にはならなかった。「いつかベルリンから日本への直行便が飛べばいいのにね」というフレーズ同様、実現の見込みがあまりない漠然とした希望として私は口にしただけだった。

そのわずか数日後、「細貝萌選手がレヴァークーゼンからヘルタ・ベルリンへ完全移籍」のニュースが伝えられた。びっくりした。そして嬉しかったが、この数年間、レギュラーに定着せずにドイツのチームを去った日本人選手は何人もいる。とにかく試合に出られるようにと、私は願った。

そのヘルタは開幕戦でいきなり爆発し、フランクフルトを相手に6-1と大勝。細貝はフル出場し、何とマン・オブ・ザ・マッチに輝いた! 私は居ても立ってもいられなくなり、第3節のホームゲーム、久々に本拠地のオリンピアシュタディオンに駆け込んだ。

正面の席につくと、鮮やかな緑の芝生とそれを縁取るブルーの陸上トラックが目の前に広がる。そして、隙間が全くない密度でスタジアムの東側に陣取るサポーターの大合唱。何度来ても心躍る、この巨大スタジアムの魅力だ。

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試合終盤から。写真中央に見えるのが細貝選手

この日の相手はハンブルガーSV。ブンデスリーガの歴史で、一度も2部に落ちたことがない古豪だ。細貝はボランチで先発出場。前半は両者とも攻め手を欠いたが、後半開始早々、ヘルタの若手DFニコ・シュルツが左サイドを駆け上がると、ワンツーで一気にシュートチャンスまで持って行った。この試合で初めてワクワクする攻撃だった。

その期待感が現実のものとなる。74分、再び左サイドでボールを持ったシュルツが、中央の位置から前線に絶妙の長いボールを蹴る。MFベン¬=ハティラがキープする間、勢いよくゴールに向かって走り込むシュルツへボールが渡った! 決めたのはコロンビア出身のFWラモスだったが、完全にシュルツがお膳立てしたゴールだった。これがヘルタ2勝目の決勝点となる。

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試合終了後、勝利の喜びを爆発させるヘルタ・ベルリンの選手とサポーターたち

精力的に動き回った細貝だったが、この日はどちらかと言えば攻撃と守備とをつなぐ職人的な仕事に終始した。が、大きなミスもなく、チームの信頼を勝ち得てきていることは、試合後にチームメイトと談笑する様子からも伺えた。

開幕3戦はチーム史上最高のスタートを切ったヘルタだったが、その後2連敗。さて、ここからどう踏ん張るか。来年の5月まで一喜一憂することになるだろうが、細貝選手の加入は、ベルリン生活に新たな楽しみをもたらしてくれた。
ドイツニュースダイジェスト 10月4日)


Information
ベルリン・オリンピアシュタディオン 
Olympiastadion Berlin


1936年のベルリン五輪に合わせて建設された石造りのスタジアム(収容は7万4200人)。試合やイベントが行われない日はスタジアムと周囲のオリンピックパークの見学が可能。これだけでも雰囲気は十分に味わえる。少し離れた所にある鐘の塔Glockenturmは、屋上からの眺望が素晴らしい(見学は7ユーロ。+3ユーロで日本語オーディオガイドも)。

オープン:月〜日9:00〜19:00(試合やイベントの開催日を除く。冬期は10:00〜16:00。詳細は下記URLを参照)
住所:Olympischer Platz, 14053 Berlin
電話番号:030-2500 2322
URL:www.olympiastadion-berlin.de
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ヘルタ・ベルリン 
Hertha BSC Berlin


ベルリンに本拠地を置くプロサッカークラブ。創設は1892年。2000年代はブンデスリーガ1部で安定した成績を残してきたが、その後2度の2部降格を経験。今季から再び1部でプレーしている。チームのマスコットは、ブラジル出身のゆるキャラ(?)ヘルティーニョ。ファンショップは市内に数カ所あり、以下はヨーロッパセンター前の店舗情報。
営業:月〜土10:00〜20:00
住所:Am Breitscheidplatz, 10789 Berlin
電話番号:01805-1892 00
URL:www.herthabsc.de
by berlinHbf | 2013-10-04 22:18 | サッカーWM2006他 | Comments(0)

ユベントスがベルリンに!

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先ほど、国立図書館からの帰り道に撮った1枚。7月28日の午後、2部に降格したヘルタ・ベルリンが、ユベントスと親善試合を行うそうだ。今シーズンのセリエAの覇者だけにどんなメンバーで来るのか気になるところ。

さて、今日はこれからオリンピックの開会式です!
by berlinHbf | 2012-07-27 22:06 | サッカーWM2006他 | Comments(0)

『カズ語録』(PHP文庫)のご紹介

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宣伝や案内が続き恐縮ですが、もう1冊紹介させてください。PHP研究所に勤める真ん中の弟の悠志が企画・編集した文庫本『カズ語録』が最近出版されました。その名の通り、今も現役でプレーを続けるキングこと三浦知良選手のこれまでの語録を集めた本です。今思い出すと、Jリーグが開幕した時代から、弟の部屋にはカズ選手の本が何冊かあったことを記憶しているので、彼の中で長いこと温めていた企画だったのではないかと思います。

巻頭にカズさんの特別寄稿がありますが、これは今年1月、故・松田直樹選手のメモリアルゲームが行われたあと、カズさんがスタジアムから都内へ移動する車中でおこなわれたインタビューが元になっているそうです。弟はこの日カズさんと初対面。「どうぞ、何でも聞いてください」と言うカズさんを前にして、一つトラブルが。事前に練りに練って考えた質問原稿が車内の暗闇で全く読めず(笑)、 緊張のため質問は頭からすっかり飛んでしまったとか。それでも、カズさんはそんな弟の緊張をほぐすかのように終始にこやかに答えてくれた・・・なんて話を後から聞きました。

そんな『カズ語録』の中から、個人的に印象に残った一言。
ヒデは芸術家で、僕は職人なんです。
芸術家は理想とするものがなくなったらすぐやめちゃう。
でも職人はずーっとつくり続ける。

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by berlinHbf | 2012-04-25 22:43 | サッカーWM2006他 | Comments(2)

NHKサンデースポーツ「ベルリンの奇跡」(8/14放映)

リサーチという形で協力させていただいたNHKサンデースポーツの特集「ベルリンの奇跡」が明日14日の22時より放映されるので、ここでご案内したいと思います。

「ベルリンの奇跡」というのは、1936年夏のベルリン・オリンピックで五輪のサッカーには初出場の日本代表が、優勝候補だったスウェーデンに3対2で奇跡的な逆転勝利を収めた試合のこと。日本代表の現キャプテン長谷部誠選手が、75年前に試合が行われた跡地を訪ね、日本代表チームの原点を形作ったともいえる先達たちの歩みに思いを馳せます。

準備期間が比較的短い中でしたが、とても印象に残る仕事でした。それは、今をときめく長谷部選手とロケ中お話できたことはもちろん、リサーチしていく過程でいい出会いに恵まれたからです。日本対スウェーデンの試合が行われたヴェディング地区のヘルタ・プラッツというスタジアム(ヘルタ・ベルリンのかつての本拠地)は、70年代にすでに取り壊されて、現在は安普請の集合アパートが建っています。敷地内にはどこか奇妙なモニュメントが並ぶのみで、かつてここにスタジアムがあったことを示すプレートさえありません。初めてここにを見に来た時、あまりの見栄えのなさに、「せっかく長谷部さんがここに来ても、ちゃんとした番組になるのかなあ…」と少々不安になりました。しかし、道路を隔てた反対側に、ヘルタ・プラッツとは一見何の関係もなさそうな地元のアマチュアサッカーチームのグラウンドが目に入り、そのチームのHPを出発点に歴史の糸をただっていくと、それがびっくりするぐらいにつながっていき、最終的には「ベルリンの奇跡」の貴重な語り部が見つかったのでした。この時のうれしさは忘れられません。

終戦記念日にもふさわしい特集が出来上がっているのではないかと思います。日曜日22時からのサンデースポーツ、よかったらぜひご覧ください!

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7月末、ベルリン・オリンピアシュタディオン前にて

【日本サッカーが築き上げてきたもの】(NHKサンデースポーツのHPより)
特集はサッカーの「ベルリンの奇跡」です。1936年のベルリン五輪で、サッカー日本代表は下馬評をくつがえす勝利で当時の人々を驚かせました。戦争で選手たちはちりぢりになっていきますが、”奇跡”をもたらした「パスサッカー」の精神は脈々と受け継がれていきます。日本代表の現主将・長谷部誠選手とその軌跡をたどります。

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by berlinHbf | 2011-08-13 16:44 | サッカーWM2006他 | Comments(5)

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