ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

Amazonにてネット購入ができます。



『街歩きのドイツ語 』
¥1,575
三修社

豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
¥1,575
ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

ベルリン更新情報
2013/02/20 up

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カテゴリ:ベルリンのいま( 143 )

ベルリン、秋深し

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昨夜ベルリンに戻りました。今朝7時、秋が深まりゆく近所の情景です。1ヶ月間ずっと半袖で過ごしていた日本とは別世界の感あり。
by berlinHbf | 2013-10-16 12:20 | ベルリンのいま | Comments(2)

一時帰国&横須賀での講演会(10/6)のお知らせ

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8月末にバイロイトから戻ってバタバタしているうちに、しばらくブログの更新が途絶えてしまいました(ごめんなさい)。来週から数週間、日本に一時帰国するのですが、10月6日(日)に地元の横須賀市で講演会を催させていただくことになったので、ここでお知らせしたいと思います。

2011年に横須賀三浦教育会館で「ベルリンの壁」をテーマにお話をした際は、幸い多くの方々にお越し頂きました。今回は、ちょうど『素顔のベルリン』の改訂版を刊行したばかりということで、ベルリンのアクチュアルな姿をお伝えしようと思っています。改訂版の取材で久々に集中的に町を歩いて感じたこと、変わりゆく姿がある一方で、この町が未来に残そうとしているものは何なのか。ベルリンに旅行等で来られたことのある方から、漠然としたイメージしかない方まで、門戸は広く、なるべくわかりやすくお話ししたいと思っています。東京方面からは少し(いやかなり?)遠いのが難ですが、もしご興味がありましたら、10月最初の日曜日の午後、ぜひ足をお運びください。以下がちらしの文面になります。

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公益法人横須賀三浦教育会館教養セミナー
講演会「ベルリンの現在(いま)」

パリ・ニューヨーク・ロンドンと並び最新のカルチャー発信基地として注目を集める一方、戦争や東西分断の暗い過去を背負いながら未来へ進む都市ベルリン。多彩な魅力が詰まったこの町を 12 のエリア別に紹介してガイドブック「素顔のベルリン」(ダイヤモンド社) が発売から4年の月日を経て増補改訂。この7月に「ベルリンガイドブック」(同社)として新たに発売されました。取材の過程でリアルに感じた変わりゆく都市の姿、そして未来に残そうとしているもの。筆者の一時帰国に合わせ、最新のベルリン事情を豊富な写真を交えてわかりやすく語っていただきます。この機会にぜひお出かけください。

日時:10月6日(日) 13:30 受付 14:00~15:45
場所:公益法人横須賀三浦教育会館 (http://ymkk.sakura.ne.jp)
申し込み:電話 046-824-0683 定員100名 入場無料
☆予約のない方は入場できない場合があります。
by berlinHbf | 2013-09-04 22:43 | ベルリンのいま | Comments(3)

猛暑が続くベルリン

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Sommerbad Olympiastadion (2013-07)

暑中お見舞い申し上げます。
今夏のベルリンは、最近では例がないほど暑い日が続いています。先週末は35度を上回り、日本より湿気が少ないとはいえ、冷房設備が少ないベルリンの町ではかなり堪えます(私のアパートは中庭に面しているので、幸いまだ涼しいのですが)。こんなに暑いのは、ヨーロッパ中で記録的な猛暑に見舞われた2003年や、ベルリンでの最高気温38.6度を記録した2007年以来かもしれません。

この暑さで、湖の海水浴場や公共のプールは大盛況。行列ができているところも多いとか。

写真はオリンピックスタジアム(Olympiastadion)横にあるプール(詳細はこちら)。1936年の夏期五輪で、前畑秀子が平泳ぎ200メートルで金メダルを穫った歴史的な水泳場ですが、夏の間は公共プールとして開放されています。この横を通ることは今まで何度かありましたが、いずれも夏以外で、プールとして使われているのを見たのは初めてでした。映像で見たよりもずっと小さく感じられましたが、改めてレニ・リーフェンシュタールのドキュメンタリー映画や河西三省アナウンサーの「前畑ガンバレ」の実況と合わせて振り返ると、感慨深かったです。

天気予報を見ると、明日から気温は少しずつ下がっていくそうです。

関連映像:
前畑秀子 オリンピック女子200m平泳ぎ 1936 (YouTubeより)
by berlinHbf | 2013-08-06 13:01 | ベルリンのいま | Comments(2)

ホテル・ボゴタ終焉の危機

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ホテル・ボゴタの重厚なロビー (2013-03)

現在、ベルリン西地区の目抜き通り「クーダム」ことクアフュルステンダムを歩いていると、周辺一帯が急激な変化の渦中にあるのを実感します。昨年、ツォー駅近くに高層ビルが完成し、5つ星ホテル「ヴァルドルフ・アストリア」が開業。また5月にはウーラント通り駅前に欧州最大規模の「アップルストア」がオープンし、話題を呼びました。しかし、急激な資本の流入による街の変化には、必ず影の側面が伴います。「ホテル・ボゴタ」廃業危機のニュースは、このホテルのファンだけでなく、少なからぬ市民にも衝撃を与えました。

クーダムから一歩入ったシュリューター通りにあるホテル・ボゴタは、1964年から3世代にわたって家族で営まれている瀟洒なホテル。単に歴史ある宿というだけではなく、戦前は若き日のヘルムート・ニュートンがこの中のアトリエで修行を積み、戦後直後は非ナチ化審議の舞台として指揮者フルトヴェングラーがこの場に立つなど、ベルリンのいくつもの歴史を物語る場所です。私自身、このホテルに初めて入ったとき、重厚なロビーの雰囲気だけで圧倒されたのを覚えています。

関連記事:
橋口譲二さんが案内するホテル・ボゴタ (2010-01-27)

しかし、5月頭に地元紙が報じた内容によると、「宿泊費は20年前と変わらないが、建物の家賃は年々上がる一方」(支配人のヨハヒム・リスマン氏)という状況や、近年のホテル間の競争の激化による予約数の減少などから、数カ月前からホテル側が家賃支払い不能に陥り、建物の所有主から10月下旬の退去通告を命じられているとのこと。所有主の意向では、改装の後、オフィスや商店が入居する予定といいます。

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中庭空間に展示中の末宗美香子さんの作品

地元紙、特にターゲスシュピーゲル紙が繰り返し報道した反響は大きく、公開討論の場が設けられ、廃業阻止のための署名活動も起こっています。このホテルが地元の人々にも愛されてきたのは、開かれた文化の場という側面があってのこと。芸術に造詣の深いリスマン氏の意向で地上階は写真展示の場になっており、朗読会やジャズのコンサートも定期的に開かれています。現在、吹き抜けの中庭を彩っているのは、日本人作家の末宗美香子さんの作品。宿泊客でなくても、見学はいつでも可能です。

厳しい状況ではあるものの、まだ100%廃業が決定したわけではありません。ベルリンに来られる際は、ぜひ一度ホテル・ボゴタにお泊まりになってはいかがでしょう。豪華ホテルではありませんが、旅の記憶にきっと残る愛すべき宿です。クーダムからまた1つ、文化の灯火が消えないことを願いつつ……。www.bogota.de
ドイツニュースダイジェスト 7月5日)

関連リンクをいくつかご紹介します:

HOTEL BOGOTA署名活動のサイト(日本からでもご参加できます。もしよろしかったらご協力ください)
https://www.openpetition.de/petition/online/das-hotel-bogota-soll-leben

橋口便り(写真家橋口譲二さんのHP)
http://www.apocc.org/hashiguchi-berlindiary.htm

BZ
Traditions-Hotel Bogota steht vor dem Aus (2013-05-04)

Berliner Zeitung
HOTEL BOGOTÁ: Rabatz im Kiez des alten und des neuen Geldes (2013-06-17)

Der Tagesspiegel
Bogota darf nicht sterben! (2013-06-03)
Berlin ist nicht Bogota (2013-06-08)
Vom Hotel Bogota zur East Side Gallery: Das einmalige Berlin verschwindet (2013-06-09)
Hotel Bogota vor dem Aus: Jetzt will der Bezirksbürgermeister vermitteln (2013-06-21)
Gutachter warnt vor größeren Umbauten im Hotel Bogota (2013-06-26)
by berlinHbf | 2013-07-06 13:20 | ベルリンのいま | Comments(6)

「破壊された多様性」について考える年

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ポツダム広場に設置された「破壊された多様性」の展示

今年に入ってベルリンへ来られた方は、街の多くの場所で赤と黒を基調としたインパクトの強い展示ポスターをご覧になったことがあるのではないでしょうか? そこには必ずこう記されています。「Zerstörte Vielfalt(破壊された多様性)Berlin 1933-1938-1945」と。

今年は、ヒトラー率いるナチスが1933年1月30日に政権を握ってからちょうど80年、さらに1938年11月9日、ユダヤ人の商店やシナゴーグが焼き討ちにあった、いわゆる「水晶の夜」事件から75年という節目の年に当たります。

この2つの出来事は、それまでのベルリンを特徴付けていた豊かな多様性が破壊されていく決定的な要因となりました。そこでベルリン市は、「破壊された多様性」を2013年のイヤーズ・テーマに定め、博物館や大学、教会、劇場、ユダヤ人協会などで、多くの関連行事が開催されることになったのです。

その主眼は、ナチスの台頭以前、ベルリンの多様な文化世界に貢献していたジャーナリストや芸術家、学者、商人、労働者といった人々に焦点を当て、彼らへのその後の迫害が何を意味したのかを問うことです。街中に置かれた赤と黒のポスターによる展示もその1つで、例えば劇作家のブレヒト、物理学者のアインシュタイン、核分裂の発見に寄与したマイトナーら著名人から、1920年代のベルリンで活躍したダンサーやデパート経営者といった人々の歩みが紹介されていました。

先日、ナチス時代にゲシュタポの本部があった「テロのトポグラフィー」記録センターでの特別展「ベルリン1933――独裁制への道」に足を運ぶ機会がありました。ナチスがこの年のわずか半年の間に権力を「合法的」に掌握し得たのは、国民の圧倒的な支持があったからこそ、ということがよくわかる展示になっており、それゆえの恐ろしさも感じました。

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「テロのトポグラフィー」の特別展「ベルリン1933――独裁制への道」。5月からは内容を拡大し、野外で展示

現在のベルリンは、再び自由な空気を謳歌しているように見えます。世界中の人を引き付けるのも、それゆえなのでしょう。しかし、このイヤーズ・テーマのプログラムの前文には、あえてこのように書かれていました。「2013年の今、ナチスによって破壊された多様性を心に刻むことの意義は、私たちが誇るべきベルリンの新しい多様性が決して自明のものではなく、このオープンな心や寛容さ、多面性が大切にされ、常に新しく獲得され直さなければならないものなのだと意識することにもある」。

社会の変化から何かを感じ取ること、煽動政治家の発言に流されないこと、歴史に学ぶこと。それは決して過去のドイツだけの問題ではないと思います。詳細情報は、www.berlin.de/2013より。
ドイツニュースダイジェスト 5月17日)
by berlinHbf | 2013-05-26 01:41 | ベルリンのいま | Comments(5)

東日本大震災から2周年を迎えて

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ポツダム広場まで行進した「さよなら原子力ベルリン」のデモの様子

東日本大震災から2周年を迎えた週末にかけて、ベルリンでは多くの関連行事が開催されました。私が取材した中から、2つの行事をご紹介したいと思います。

3月9日の昼に、ブランデンブルク門に面したパリ広場で「さよなら原子力ベルリン」の集会とデモが行われました。これは在ベルリンの若い日本人が中心となって企画したもの。あいにくの冷え込んだ天気となりましたが、日本とドイツを中心とした様々な世代の人々が集まりました。

主催者の1人である塚本晶子さんの挨拶の後、放射能専門家で専門情報誌「Strahlentelex」の編集者トーマス・デアゼー氏、震災後、福島からベルリンに移住してきた美容師の香川智之さんらがスピーチを行い、合間に原発への批判的なメッセージを込めた歌やダンスが披露されました。

その後、一団はポツダム広場までデモ行進し、広場ではライプツィヒ大学東アジア研究所の小林敏明教授の音頭で「原発反対」「自然を返せ」「子どもを守れ」の日本語のフレーズを何度も叫び、熱気が高まりました。

この翌日には「アンチ・アトム・ベルリン」主催のデモも行われましたが、原発に異議を唱える気持ちは同じでも、ドイツ人と原発事故の直接の当事者である日本人の間では、共有できる部分に時折「ズレ」が生じます。170人前後のデモでしたが、ベルリン在住の若い日本人からこのような声が上がったのは意義のあることだったと思います。最後は参加者全員で「ふるさと」を歌いました。

3月11日には、ベルリン日独センターで復興祈念の集い「復興への道のり」が開催され、最初に日本から招かれた阪口進一復興庁参事官が「震災復興の現況報告」というテーマで講演を行ったのですが、何か違和感を覚え、私の心はざわつきました。日本の技術力により、被害をいかに止められたか、被災地が順調に復興に向かっているかといったポジティブな内容に終始し、今なお不自由な生活を強いられている人の実情が具体的に伝わってこなかったからです。

その後の質疑応答では、ドイツ人の聴衆から日本政府の原発の方針についての厳しい質問が飛んだほか、気仙沼出身でベルリン在住の若い女性が、「仮設住宅1つを取っても、抽選に漏れた人、親戚宅に居候している人、自費でアパートを借りている人などさまざまな状況があること」を切々と語りました。省庁の淡々とした報告と被災地の叫びとの間に、どれほどの温度差があるのか、多くの聴衆が感じた瞬間だったと思います。改めて自分の中で、「3.11」について考える良い機会となりました。

東北の被災地を度々訪れている日本在住の友人が、最近このように記していました。「立ち上がり歩み始めるいくつもの姿があり、希望さえ奪われたままのいくつもの日々があります。もう2年、まだ2年です」。

被災地の現状を実感した一方で、「復興への道のり」の最後には、ベルリン独日協会を中心とした支援により建てられた陸前高田市の「ベルリンハウス」や、NPO団体「絆・ベルリン」と被災地との交流活動について、報告が行われました。このように、被災地の人々と喜びを共有できる機会も今後少しずつ増えていけば、と切に願った次第です。
ドイツニュースダイジェスト 4月19日)
by berlinHbf | 2013-04-21 15:49 | ベルリンのいま | Comments(0)

発掘の散歩術(33) -イーストサイドギャラリーの行方は?-

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高級アパートの建設が予定されているイーストサイドギャラリーの一角。立ち入り禁止のフェンスをものともせず、人々は散歩していた

3月1日の午前8時半頃だったという。イーストサイドギャラリーの脇に前日から置かれていたショベルカーが、かつてのベルリンの壁の1ブロックを持ち上げた。その時点ではごく限られた数の活動家しか現場にいなかったが、やがて反対デモのために集まった人々と警察との間で罵声が飛び交い、騒然とした雰囲気に包まれたという。結局、解体工事は中断。その週末の反対集会には6000人もの市民が集結し、大きなニュースになった。ご存知の方も多いだろう。

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1945年に爆破されたブロミー橋(Brommybrücke)の残骸。再建が予定されている(2009年4月撮影)

23年前は歓喜で満たされた壁の撤去作業だが、2013年の今回、人々は怒りといら立ちを持って注視している。それは、イーストサイドギャラリーのすぐ裏手に、高さ64メートルの高級アパートやシュプレー川に架かる歩道橋を建てる目的で、今や残り少ない壁の遺構から23メートルを撤去するという計画のためである。

デモから3日後、気持ちのいい天気に誘われて、久々にオーバーバウム橋の側からイーストサイドギャラリーの端まで歩いてみようと思った。壁に描かれた絵の前で写真を撮っている人の大部分は外国からの観光客。壁崩壊20周年の2009年にほぼすべての絵が新たに描き直されたが、落書きの度合いは年々ひどくなっており、もはやオリジナルの状態を留めていないものさえある。壁のあった過去に想いを寄せる雰囲気ではないけれど、それでも壁を見たくて今も世界中から人が集まって来る。

川に面した壁の裏側(かつての緩衝地帯)は、この数年で芝生が整備された。西日を浴びたオーバーバウム橋を黄色の地下鉄がゆっくりと渡り始めた。それを背景に人々がくつろいでいて、歩きながらすがすがしい気分になる。

そののどかな散歩道が、金網のフェンスによって突然終わりを告げられる。ここからが問題の箇所だ。再度正面に戻って、壁が解体された現場の前に立ってみた。

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怒りのスローガンや殴り書きがそこかしこに見られ、壁にはまだ生々しい体温が残っている気がした。市民の怒りの矛先は、建物の投機会社よりも、それを認めた行政に対して大きく向けられている。例えば、地元のフリードリヒスハイン・クロイツベルク地区のシュルツ区長は、昨年アパートの建設と壁の移設を認める投機会社との間の契約書に自らサインをしている。さらに言えば、2008年の時点で、区は建設プランに対して許可を与えていたのだ。

地元紙の投書欄にはこんな声が並ぶ。「またもベルリンは個人投資家に身売りした。責任は政治家にある」「結局は金なのか」「唯一無二の歴史の証拠の前に、高級アパートも橋も建てるべきではない」

もともとシュプレー川周辺の再開発計画「メディア・シュプレー」には地元民の過半数が反対している。投機ブームと社会問題にもなっているここ数年の家賃の高騰。自分たちのキーツに愛着を持つ人々にとっては、もはや許せる事態ではないのだ。

ただのコンクリートの撤去ではない。歴史を市場主義の論理に照らして売り払うことの危険性に今、多くの市民が勘付いている。
ドイツニュースダイジェスト 4月5日)


Information
イーストサイドギャラリー 
East Side Gallery


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シュプレー川沿いのミューレン通りに1300メートルに渡って続く、現存する最長のベルリンの壁。壁崩壊直後の1990年、21カ国118人のアーティストが壁に沿って絵を描き、やがて世界最長のオープンギャラリーとして保存されることになった。中でも、旧ソ連のブレジネフ、旧東独のホーネッカーの両書記長がキスをする「兄弟キス」の絵はよく知られている。

住所:Mühlenstraße, 10243 Berlin
URL:www.eastsidegallery-berlin.de


ヤーム 
Yaam


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東駅近くの「ヤーム」。このような自由なスペースが急速に姿を消しつつある

イーストサイドギャラリーの北端、東駅目の前に位置するクラブ/バー。YAAMとはYoung African Arts Marketの略で、アフロ・カリビアンの文化紹介と交流を目的とするプロジェクトとして1990年代にスタートした。5月から9月にかけては、バレーコート付きのビーチバーとして旅行者にも愛されている。今後予定される再開発の関係で、現在の場所に留まるかどうかは未知数のまま。

住所:Stralauer Platz 35, 10243 Berlin
電話番号:(030)6151354
URL:www.yaam.de
by berlinHbf | 2013-04-05 20:10 | ベルリンのいま | Comments(4)

驚きのトンネル強盗事件の行方は?

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銀行強盗に使われたトンネルの様子を地元紙が初公開。容疑者の顔写真も

つい先日、新聞に地下トンネルらしき写真が大きく掲載されました。厚さ50センチはありそうなコンクリートの壁をくり抜いた穴の向こうに、トンネルが奥へと続いています。天井を木の柱で補強するなど本格的な造り。一見して、素人が簡単に真似できるようなものではないことがわかります。

実はこれ、ベルリンのシュテーグリッツ地区で先月起きた銀行強盗に使われたトンネルなのです。犯人はフォルクス銀行の反対側の通りにある地下駐車場のスペースを偽名で借り、そこから45メートルもの長さを掘って、銀行の地下金庫室に到達したというのですから驚くほかありません。

犯行は1月14日の未明に実行され、早朝に付近住民が駐車場の煙に気付き、消防署に通報したことで事件が明るみになりました。犯人は痕跡を消すために火を放ったのですが、その時すでに(1600のうち309の)貸金庫を荒らして逃亡。被害額は明らかにされていません。

この駐車場は他の駐車スペースが見えにくい構造になっており、犯人は土木作業員を装っていたといいます。しかし、これほど大掛かりな採掘作業が数ヶ月に渡って行われていたにも関わらず、誰も気付かなかったというのは実に不思議。

ベルリンの地下トンネルというと、壁のあった時代、東から西への逃亡のために掘られたものが有名で、映画化もされています。そんなまさに「映画のような」今回の銀行強盗劇。トンネルの天井の柱を支えるために使われた木の補強材が、ドイツでは売られていないタイプのため、警察は犯人の来歴を含め調査を続けています。果たして犯人は捕まるのか。ベルリンの人々も驚くやら呆れるやらで、事件の行方を見守っています。
はまかぜ新聞 2月8日)


あれから1ヶ月半が経ちますが、2月頭に「現場に残された犯人のDNAが有力な手がかりに」というニュースが報じられて以来、目立った動きは見られません。トンネル事件解決の「出口」が早く見えることを願いたいです。

関連記事:
隠しトンネル、銀行強奪 ベルリン 数カ月かけ掘り痕跡残さず逃走(SankeiBiz)
by berlinHbf | 2013-02-25 23:57 | ベルリンのいま | Comments(8)

ベルリンの紅葉をおすそわけ

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ベルリンは、紅葉(日本に比べると「黄葉」の葉が多いですが)の最盛期を迎えています。今日はその様子をご紹介したいと思います。

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実は今、日本から父と真ん中の弟がベルリンを訪れています。私がもう10年以上この街に住んでいるというのに、父は今回がベルリン初訪問でした(笑)。到着翌日の21日(日)は抜けるような秋晴れに恵まれ、「黄金の10月」とも形容される10月の紅葉を堪能してもらえたのではないかと思います。おそらく、あと1週間遅くても早くても、この眺めを見ることはできなかったでしょう。そういう意味で、幸運でした。

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この日のお昼、10年来何かとお世話になっているシャルロッテンブルク在住のドイツ人の家族宅を訪れ、父と弟を紹介。皆さんとても喜んでくださり、話にも花が咲きました。

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中学から大学まで陸上部、2004年にベルリン・マラソンも走ったこともある弟が、近くのオリンピックスタジアムを見たいというので、行ってみることにしました。7ユーロ(割引5ユーロ)の入場料がかかりますが、スタジアムと周辺の広大なオリンピック公園、そしてスタジアム裏手のGlockenturm「鐘の塔」を全て見学できるので、お得感はあります(ただし、相当歩くことは覚悟しなければなりませんが)。

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スタジアムの聖火台。この両脇の壁には、ベルリン・オリンピックの全種目のメダリストが刻まれています。

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その後、Glockenturm「鐘の塔」に上りました。屋上の眺望は素晴らしく、グリューネヴァルトの森の海に浮かぶヴァルトビューネの白いテントが、一層引き立っていました。

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こちらはトイフェルスベルクの様子。数年前、最初にご紹介したときは、こんな眺めだったなあ。

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首相官邸近くの紅葉。

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ウンター・デン・リンデンからブランデンブルク門方面を望む。

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翌月曜は、森鴎外記念館を訪問。副館長のベアーテ・ヴォンデさんとゆっくり面談することができ、(専門は生物学ですが)医学史に興味のある父はとてもうれしそうでした。鴎外の下宿先を再現した部屋で、記念の記帳をさせていただく。

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天気は、前日とまったく対照的(夕方、ライヒスタークの屋上から撮ったものです)。わずか2日間で「黄金の10月」と「陰鬱な11月」という、この時期を象徴する2種類の空模様を見せられて、これはこれでよかったかなと。

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by berlinHbf | 2012-10-24 01:50 | ベルリンのいま | Comments(9)

スマホより初投稿ーライプチヒ広場ー

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Leipziger Platz (2012-07-26)

先日ついに携帯をスマホに切り替えました。これからは、変わりゆくベルリンの風景をリアルタイムで伝えていくのも面白いのではないかと思い、早速投稿してみます。

ポツダム広場の隣、ライプチヒ広場の今の様子です。戦前ヴェルトハイム百貨店があった敷地に、巨大な商業施設がこれから建とうとしています。

このスマホにはまだ紐が付いていないので、フェンスから手を差し出して写真を撮るときに、真下に落としやしないかとハラハラしました(^^;

関連記事:
変容するライプチヒ広場(2) (2006-02-10)
(この辺りの6年前の風景です)
by berlinHbf | 2012-07-26 15:00 | ベルリンのいま | Comments(4)

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