ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
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(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

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豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




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地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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カテゴリ:ベルリン音楽日記( 149 )

フィルハーモニーの「音楽の日」

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フィルハーモニーで年に1度開催される"Tag der Musik - Die offene Philharmonie"は、私が毎回楽しみにしている入場無料のイベント。「音楽の日」と名付けられた、このホールのオープンデーである。このイベントはそもそも2003年にフィルハーモニーの40周年記念行事として行われたのが最初だったのだが、その後は年に1回の行事として定着し、今回が3回目である。

2年半前、ふらりとこの場に足を運んだ時、私はそのアイデアと実行力に感動し、こういうことが日本でも普通に実現するようになったらどんなにすばらしいだろうという思いを抱き続けてきた。というわけで、今回は先週日曜日のその模様をご紹介してみたい。

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日曜日のお昼、ホールの中に入ってまず気付くのは子供連れの親子がとても多いことだ。イギリス人のサイモン・ラトルが2002年に音楽監督になってから、ベルリン・フィルは教育プログラムに力を入れるようになったが、それはこの日も例外ではなかった。会場内にはピアノや打楽器が置いてあって、子供たちがそれらで自由に遊んでいる。至るところに写っている風船は、無料で配られるもの。

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入り口でまずその日のプログラムを渡される。これが「たった1日だけでこれだけの数が!」とびっくりするくらい多彩に富んでいるのだ。通常形式のコンサートはもちろん、教育プログラムやワークショップ、ディスカッション、公開レッスンに舞台裏や音響スタジオを回るツアーと、とにかく盛りだくさん。

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そして、ベルリン・フィルのメンバーによるおびただしい数の室内楽のコンサートが開かれる。普段フィルハーモニーのコンサートの会場は大ホールと室内楽ホールだけだが、この日はありとあらゆる場所で音楽が奏でられる。例えば、指揮者室や楽員さんたちの楽屋、ロビーやカンティーネなどなど。普段なら入れないような舞台裏まで自由に行き来できるので、冒険心のようなものがくすぐられる。ちょっとした学園祭気分の日曜日。

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ほとんどのコンサートは30分から45分の長さ。これは子供にとっても、普段あまりクラシックのコンサートに来ない人にも、ちょうどいい長さかもしれない。コンサートはいろいろな場所で同時進行で行われていて、幅広くいろいろなものを少しずつ楽しめるようになっている。途中で飽きてしまったら、他の場所に行って違うプログラムを聴くこともできるし、お腹がすいたら下で開いている出店に行って、適当に何か買って食べる。演奏はその多くがベルリン・フィルのメンバーによるものなので、もちろん指折りつきだ。繰り返すが、どのコンサートも全て無料(これは大事な点)。何という贅沢なことだろうか。

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どんなにすばらしいイベントでもあまりにコストがかかるようだと、その価値も半減してしまうと思うのだが、実は見た目ほどお金はかかってはいないのではないかと一緒に聴いていた友達と話していた。いくつかのコンサートはこの後のアメリカ・ツアーの公開練習も兼ねていたから効率的だし、赤いシャツを着た会場内のスタッフたちがボランティアに近い人たちだとしたら、人件費はそれほどかかっていない。この日訪れた人の間から、こういうイベントがあったと口コミで広がれば来年以降につながるだろうし(実際来場者の数は昨年よりも明らかに多かった)、この日の子供たちの中からフィルハーモニーの将来の聴衆も出てくるはずだ。この「音楽の日」イベントは1回限りのお祭りではなく、長い目で聴衆を育てようという趣向が至るところで感じられた。

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お昼頃フィルハーモニーに行ってみると、小さい場所でのコンサートはすでに満員で入れず、私がちゃんと聴けたのは室内楽ホールでのモーツァルトの「グラン・パルティータ」が最初。これも完全に満員で、私は床に座って聴くことになった。この日の会場の雰囲気は、普段のコンサートの時とは少し違う。子供が多いので、泣き声が聞こえてくることもあるし、楽章間で拍手が入ることもある。うっかり手を離した風船がひらひら上空に飛んでくることがあれば、演奏中静かな部分で風船がいきなりパーンと勢いよく破裂するハプニングなどもあって、これにはさすがに誰もがびっくり^^;)。しかし、ラトルとベルリン・フィルのメンバーはそのような打ち解けた雰囲気をも楽しんでいるかのように、幸福感一杯のモーツァルトを聴かせてくれた。演奏後は普段以上に熱狂的な拍手が送られる。何とオープンな空間だろうと私は思った。

その後、ホルン奏者Sarah Willisさんの絶妙トークに率いられた金管アンサンブルと、有名な「12人のチェリスト」の演奏も心から楽しめるものだった。私は聞き逃してしまったが、ルチアーノ・ベリオの木管5重奏を題材にした子供向けのプログラムは、楽器紹介やパントマイムも交えて、ホールはいつも笑いに包まれていたという。指揮を勉強している友達から聞いた話だ。

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恒例のくじ引きの発表が行われた後、最後締めのコンサートは大ホールにて。プログラムはR.シュトラウスの「英雄の生涯」という重量級。これは来週のニューヨーク公演のゲネプロも兼ねていたらしい。すでに相当お疲れだっただろうに、ラトルとフル編成のベルリン・フィルはここでもすばらしく熱い演奏を聴かせてくれた。ラトルにはさらにこの後、同曲の新譜発売に合わせたサイン会も控えていたというから、プロモーションも兼ねていたのだろう。人気者は大変だ。

11時から始まって、終わったのは19時半も近い頃。長い1日だったけれど、周りを見渡すとみんな満足そうな顔をしている。私も本当に楽しんだし、日本でもこういうことが実現すればいいのになと、やはり思ってしまう。

とにかく、サイモン・ラトルとベルリン・フィルのメンバー、及びスタッフの方々には心からの感謝の気持ちと拍手を送りたい◎

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by berlinHbf | 2006-01-17 18:01 | ベルリン音楽日記 | Comments(14)

メリー・クリスマス! - アントニーニ指揮ベルリン・フィル -

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カイザー・ヴィルヘルム記念教会前にて

まずは皆さん、Frohe Weihnachten(メリー・クリスマス)!

昨日、クリスマスにふさわしいとてもすてきなコンサートを聴いてきたので、今回はそのお話をしたいと思います。

ドイツのクリスマスには、バロック音楽がとても似合うように思います。昨日聴いたベルリン・フィルの定期公演は、彼らにしては珍しく18世紀の音楽だけで固めたプログラムでした。

今回の指揮はジョヴァンニ・アントニーニ。イタリア・ミラノの、Il Giardino Armonicoという古楽グループのリーダーをやっている人です。私は彼らのCDを何枚か持っていますが、ほとんどロックを思わせる鮮烈なリズムで奏でられるアルモニコの演奏は、聴いていて心地いいことこの上ありません(私が持っている中ではこのCDがおすすめです)。

まずは、ベルリン・フィルのシュテファン・シュヴァイゲルトさんのソロで、モーツァルトのファゴット協奏曲。モーツァルトが弱冠18歳の時に作曲した、数ある彼のコンチェルトの中でもおそらく最もマイナーな曲かもしれません。私もナマで聴くのはこれが初めて。しかし、シュヴァイゲルトさんの演奏は、名ソプラノ歌手が自由自在にオペラアリアを歌うかのような、そんな華がある全くすばらしいものでした。ファゴットという楽器の響きには、人の声を思わせるあたたかさがあって、私はとても好きです。

さて次の曲ですが、ヨーゼフ・マルティン・クラウスというドイツの作曲家をご存知の方っているでしょうか。時代とともにほぼ完全に忘れ去られていたこの作曲家は、1756年にマイン地方で生まれ、1792年にストックホルムで死去しているのですが、つまりモーツァルト(1756-1791)の生きた時代とほぼ完全にだぶっているのです。こんな人がいたんですね。プログラムに「クラウスは1990年代初頭で最も興味深い再発見のひとつ」なんて書いてある通り、この交響曲ハ短調はなかなかに大胆な曲。後のベートーヴェンにつながるような激しさや悲壮感が全体を貫いていて、優美なメヌエットが排されているのもこの時代には珍しいといっていいでしょう。また、ホルンが2本ずつ左右に配置されていたりと、いろいろな意味でおもしろい曲でした。しかし、このクラウスという人の肖像画を見て思ったのは、実はこの人相当奇人だったのではないかということ。同じ奇人でもモーツァルトのような天才でなかったことは確かですが。

後半、指揮者のアントニーニが手に持って登場したのは、なんとあのソプラノリコーダー。この人は実はリコーダー奏者でもあるのですが、次のサンマルティーニのリコーダー協奏曲、圧巻でした。とにかくこのアントニーニは、笛を持つと途端にいきいきしてくるんです。その信じられないテクニックと音楽性。リコーダーを吹くだけでなく、笛を指揮棒に見立てて吹きながら指揮したり、踊るようなしぐさを見せたり、足でタップを取ったり、まるで小鳥が激しくおしゃべるしているかのような、そんな演奏であり舞台姿でした。このライブ感と興奮はなかなか言葉にできません。もしアントニーニとアルモニコの来日公演があったら、これは絶対のおすすめです。

プログラムの最初と最後を飾ったのはヘンデル。特に最後の「王宮の花火の音楽」は、3本のトランペットが祝祭的な雰囲気をいやがうえにも盛り上げます。とっても幸せな気分になれたクリスマス前のコンサートでした。

Berliner Philharmoniker
Giovanni Antonini CONDUCTOR AND RECORDER
Stefan Schweigert BASSOON

George Frideric Handel Concerto Grosso in B flat major, Op. 3 No. 2
Wolfgang Amadeus Mozart Bassoon Concerto in B flat major
Josef Martin Kraus Symphony in C minor (1783)
Giuseppe Sammartini Recorder Concerto in F major
George Frideric Handel Music for the Royal Fireworks

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(明日から2日間、ライプチヒに行ってきます。帰って来たらその模様もお伝えするつもりです。それでは皆さん、すてきなクリスマスを!)
by berlinHbf | 2005-12-24 22:14 | ベルリン音楽日記 | Comments(6)

ミヒャエル・ギーレン指揮の「ミサ・ソレムニス」

ベルリン・フィルがアジアツアーに出かけていることもあって、少々華やかさに欠ける今月のフィルハーモニーだが、巨匠指揮者のミヒャエル・ギーレンがベートーヴェンの大作「ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)」を指揮すると知り、喜び勇んで聴きに出かけた(14日。フィルハーモニー)。

本当にすばらしかった。ギーレンが指揮する音楽のなんと清々しかったことだろう。冒頭の「キリエ」から涙ものの美しさだった。この人の指揮ぶりは、大げさなジェスチャーとは無縁で、無駄な動きが見事にそぎ落とされた簡潔なもの。しかし、そこから紡ぎ出される音楽は常に生き生きとしていて、各声部はくっきりと浮かび上がる。響きは透明極まりないのだが、それでいて冷たさとも皆無なのには驚いた。最近一番生で聴いてみたかった曲を、こういう演奏で聴くことができて幸せだった。

さて、この曲についてもう少し書かせていただきたい。ミサ・ソレムニスという曲は、かの第9交響曲とほぼ同時期に作曲された、ベートーヴェンの最後の大作のうちの一つなのだが、その存在は第9に比べると一般的にはずいぶん地味である。コンサートでの演奏頻度は、おそらく第9の100分の1にも満たないのではないだろうか。私にしても、第9は今まで何回聴いたかわからないし、実際に演奏に参加したこともあるが、ミサ・ソレムニスの方はこれまで縁がなく、じっくり聴くようになったのは、ここつい最近のこと。

宗教曲ということもあるが、第9に比べてミサ・ソレムニスが地味な理由は、その曲の終わり方にもあるのかもしれない。苦悩から始まり、最後はハッピーエンドで終わるという第9の構成のわかりやすさ。長い曲だが、あの輝かしく派手な終楽章を聴き終えたころには、誰もがカタルシスを感じてしまう。

それに対して、ミサ・ソレムニスの最後の曲"Dona nobis pacem(私たちに平和をください)"は、ちょっと変わった終わり方をする。その前は静かな音楽だったのが、突然軍隊ラッパが鳴り響くと、戦争が始まったかのように騒然としてくる。逃げ惑う人々の苦しみを表現していると思われる音楽。合唱はその間もずっと「私たちに平和をください」と歌い続け、実際に平和が訪れたのかどうかよくわからないまま、最後は意外なほどあっさり終わってしまう。

いわば、ベートーヴェンらしくないのだが、これについて論じた音楽評論家の吉田秀和さんの見事な文章があるので、その最後の部分をここに引用させていただきたい。最後の戦争の部分は、ナポレオンのウィーン侵攻という、ベートーヴェンが同時代に体験した「現実」だというのである(この文章の全文は、最近出版された「たとえ世界が不条理だったとしても―新・音楽展望 2000-2004」で読めるはずです)。

この曲はその現実(ナポレオンのウィーン侵攻)と向き合う形での創作である。もちろん崇高で力強い信仰の表現にも欠けていないが、終楽章のこの「内と外との平和への祈り」の切実さには前代未聞のものがあった。第9は人類の理想の輝かしい表明だが、荘厳ミサ曲は人類の厳しい現実を率直に受け止めた上での祈りの音楽で、ベートーヴェンという人は理想と現実の両方から目を離さなかった、大事なのはこのことだと思う。

理想の追求、その謳歌はよいけれど、それ一点張りで理想しか目に入らず遮二無二突っ走ることは独りよがりの傲岸、他人への無理強いになりやすい。理想と信念の正しさだけでの行動がどんな恐ろしい結果を生むのかは、冷戦時代に私たちが散々経験したことなのに。
この文章が朝日新聞に発表されたのはイラク戦争最中の2003年の4月。吉田さんが暗に批判しているのは、アメリカのブッシュ政権であることはいうまでもない。ベートーヴェンの音楽は今もリアリティーを失っていないということが、こういう文章を読むとよく感じられる。

EuropaChorAkademie
Luxembourg Philharmonic Orchestra

Michael Gielen DIRECTION
Luba Orgonášová SOPRANO
Birgit Remmert CONTRALTO
Christian Elsner TENOR
Bjarni Thor Kristinsson BASS

Ludwig van Beethoven Missa Solemnis

クレンペラー/ベートーヴェン:荘厳ミサ曲/TOCE-59103クレンペラー/ベートーヴェン:荘厳ミサ曲/TOCE-59103
¥1,700

by berlinHbf | 2005-11-16 02:06 | ベルリン音楽日記 | Comments(0)

「バイロイト音楽祭」というもの

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Festspielhaus Bayreuth, Foto: Deutschlandradio

先週、2006年のバイロイト音楽祭のチケット申し込み用紙が自宅に送られてきた。2年前の2003年、幸運にもたまたまチケットが手に入り、私はこの音楽祭を体験することができたのだが(「ジークフリート」と「神々の黄昏」の2演目)、それ以来、毎年秋のこの時期になると、翌年の音楽祭のチケット申込書が送られてくる。バイロイト音楽祭の存在は、たとえワーグナーに興味がなくても、一般に広く知られている。それはおそらく、この音楽祭がリヒャルト・ワーグナーの作品のみを上演するという特異なフェスティバルであること、そしてそのチケット入手が恐ろしく困難である、という2点によるところが大きいのではないだろうか(ワーグナーの思想云々については、ここではさておき)。

ところで、送られてきた水色のチケット申込書だが、私のアドレスの横に、

************SA-

というなにやら記号のようなものが記されている。これは一体何だろうか。

私のベルリンでの身近な知り合いの中にMechthildさんという方がいる。私の母親とほぼ同い年の、一見ごく普通のおばさんなのだが、実はワグネリアンである。先週、久々に彼女に会った時、見逃してしまいそうな上記の記号の意味を教えてくれた。一番右側の"A"は彼女もよくわからないが、おそらく"Anfang"の略ではないかとのこと。つまり、申し込みの最初の年を意味する。その隣の"S"は"spaet"の略。その翌年も申し込んだが、締め切りを過ぎていたということ。単に抽選に外れた時はどのように表記するのかはわからないが、こんな具合に毎年申し込むと、右側から左側に向かってその度に何らかの印が付けられていく。

では、一体いつになったらチケットが当たるのかというと、普通は最低6年と言われている。世界中にフェスティバルと呼ばれるものは星の数ほどあれど、1枚のチケットを手に入れるのに最低6年もかかるのは、おそらくバイロイトだけだろう。Mechthildさんはこの音楽祭の会員なので、毎年何らかのチケットが買えるらしいが、それでもそれが希望の演目でないということはざらのようだ。そんなわけで、彼女は自分の子供や知り合いにも頼んで、彼らの名前でチケットを申し込んだりもする。彼らはもともとワーグナーには興味はない。しかし、5年、6年経っても毎年送られてくるのは落選の通知のみという状況になると、だんだん興奮してきて、ついにチケット当選の知らせが届いた日には、「やっぱり自分が行きたい!」ということになるのだそうだ。観たいという希望者がここまで多い音楽祭とは一体どういうものなのだろうか、ワーグナーとやらには興味はないが、ここまで人を巻き込む音楽祭のチケットが手に入ったのだから、とりあえず行ってみようじゃないかと考えても、それは不思議なことではない。

今年のバイロイト音楽祭、大きな話題を呼んだのは、プレミエ(新演出)の「トリスタンとイゾルデ」を日本人の大植英次氏が指揮したことだろう。東洋人の指揮者がこの音楽祭で振ること自体、史上初という快挙だった。それで、この上演を聴いたMechthildさんに一体どうだったか聞いてみたところ、残念ながら指揮はよくなかったとのこと(あと演出も)。そうか・・こういう場で指揮することを任されたのだから大植さんは才能豊かな指揮者であることに違いはないのだろうが(私は聴いたことはないけれど)、ほとんどオペラ経験のない指揮者がいきなりバイロイトで成功できるほど甘くはない、ということかと私は思った。「では、今までバイロイトで観た中で最高の『トリスタン』は?」と聞いてみたら、「そうねえ。60年代に何度も聴いた、ベームが指揮して、ヴィントガッセンがトリスタンを歌ったあの舞台ね」とMechthildさん。ふぅー。CDにもなっている伝説的な上演を生で体験しているのだ、この人は。こういう演奏と比べられてしまったら、大植さんにとってはたまらないだろう。しかし、バイロイトの指揮台に立って「トリスタン」を振るということは、そういうことなのである。

では、そのバイロイト音楽祭、チケットもさぞかし高いのだろうとつい想像してしまいがちだが、送られてきたパンフレットを見ると、実はそれほどではないことがわかる。一番高い席は208ユーロだが、ウィーンやミラノのオペラ座が日本公演をする際の最高席である6万や7万という値段に比べると、その半分以下だ。席はさまざまなカテゴリーに分かれているが、一番多いのは100から150ユーロの間。安い方になると、32とか24ユーロという具合。一番安い席はなんと6,5ユーロ。ラーメン一杯とそう変わらない。ただしこれは、舞台がほぼ全く見えない、音を聴くのみの席だという。しかし、Mechthildさんは、「ひどい演出の時もあるから、この席で聴いてよかったと思う場合もあるのよ」と笑って話してくれた。ちなみに私が2年前に観た2公演のうち、「ジークフリート」が15ユーロぐらいの席だった(目の前に大きな柱があって、舞台は半分しか見えなかったが)。ワーグナーという人は、意外に寛大なところがあって、自身が始めたバイロイト音楽祭、自分の音楽を聴きたい人には無料で聴かせるというのが当初の理想だったらしい。資金難ゆえに、この理想は実現しなかったが、現在でも彼の理想は多少なりとも叶えられていると言っていいのではないだろうか(実際は、チケットの枚数に比べて観たい人の数があまりに多いため、裏でのチケットの値段は高騰する一方なのが皮肉ではあるけれど)。

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私はもともとワグネリアンではないし(ワーグナーは好きだが)、日本にいた当時は、バイロイト音楽祭なんて遠い世界の話でしかないと思っていたのだが、ドイツに来て、Mechthildさんのような「大らかな」ワグネリアンの話を聞いているうちに(彼女からは他にも楽しいエピソードをたくさん聞いた)、この音楽祭が次第に身近なものとして感じられるようになっていった。まさにこういう時に、バイロイト音楽祭を生で体験する機会がふとやってきたのである。ずいぶん長くなってしまったが、機会があったらこの時の話もまたしたいと思う。

関連記事:
後に、ここに登場するMechthildさんに往年のバイロイト音楽祭の話を伺いました。バイロイトファンの方はよかったらご一読を。
バイロイト談義(上) - メヒティルトさんに聞く(2) - (2007-03)
バイロイト談義(中) - メヒティルトさんに聞く(3) -
バイロイト談義(下) - メヒティルトさんに聞く(4) -

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by berlinHbf | 2005-09-21 02:10 | ベルリン音楽日記 | Comments(5)

"seven attempted escapes from silence"

ベルリンにある最古のオペラハウス、ベルリン州立歌劇場の今シーズン最初のプレミエはいきなり現代作品。それもかなり実験的な試みだ。

タイトルは"seven attempted escapes from silence"。Jonathan Safran Foer という弱冠27歳のユダヤ系アメリカ人作家の書いたこの台本は、「トンネル」「壁」「ロープ」「ドア」「窓と鏡」「詐欺師」「静寂への逃亡」という7つの部分から構成される。それに7人の若手作曲家がそれぞれ音楽を付け、演出もそれぞれ別の人が担当するという異色の試み。演出は振り付け、造形美術、パフォーマンスなど、様々なジャンルの人から成り、その中にはこの劇場のシェフであるペーター・ムスバッハの名前もある。製作開始から公演までの1年という準備期間は、比較的短い方に入るだろう(その製作過程でのメールのやり取りは、プログラムの後半に掲載されている)。

現代音楽に対して嫌悪感を抱いている人は少なくない。その現代音楽をわかりやすく伝えるためにふさわしい音楽劇の形式とはどういうものなのかを探る試みだったようだ。会場は普段のオペラハウスではなく、その隣の普段練習に使われていると思われる、やたらと天井の高いがらんとしたホール。硬いベンチの上に、座布団のようなものを敷いて聴く。オーケストラのメンバーは15人。7つの部分はそれぞれ10-15分ほどで、内容はカフカ的な不条理を描いた作品ゆえに多くを語ることはできないが、なかなか刺激的な2時間10分だった(休憩はなし)。こういう試みを、ベルリン州立歌劇場のような伝統的なオペラハウスが行っているのは興味深い。客の入りもよかった。
by berlinHbf | 2005-09-20 14:02 | ベルリン音楽日記 | Comments(0)

モーリス・シュテーガー&ベルリン古楽アカデミーのテレマン

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世代にもよると思うが、多くの日本人が初めて手にする楽器はリコーダーではないだろうか。私はこのリコーダーという楽器が今でも大好きだ。小学生時代、自分にとって音楽界のアイドルといったら、チェッカーズでも中森明菜でもなく、NHK「ふえはうたう」の吉沢実先生だった(こんなこと言ってわかってもらえる人がどれくらいいるかわからないが)。私の小学校には、リコーダーのアンサンブルで有名な音楽クラブがあって、上級生が奏でるリコーダーの美しい響きには本当にしびれていた。

今では私はフルートを吹くのだが、初対面のドイツ人に「私はフルート(Floete)を吹きます」と言うと、「横笛(Querfloete)、それとも縦笛(Blockfloete)?」とほぼ必ずといっていいほど聞かれる。18世紀の前半ぐらいまでだろうか、ヨーロッパではフルートといったら横笛ではなく、縦笛を指す時期があった。音域や音量に制約があることから、やがて主流は横笛へと移っていくのだが、今でもドイツでは横笛も縦笛も同じく「フルート」なのだ。

それに比べると、日本でのリコーダーは、なんとひどい仕打ちを受けていることだろう。初等教育に導入されたおかげでポピュラーになったのはいいが、横笛のフルートに比べると、どうも安っぽいイメージがつきまとう。小学校では、運指を覚えるなりチャルメラを吹き出す小学生が続出し、時には彼らのいたずら道具として使われる始末。これではきらびやかな横笛のフルートに太刀打ちできるはずもない。嗚呼、かわいそうなリコーダー・・・

そんな「どうせタテブエなんて」と思っている人にこそ聴かせたい、すごい演奏を私は昨夜生で聴いてしまった。コンツェルトハウス小ホールで行われた、ベルリン古楽アカデミーのオール・テレマンプログラムのコンサートがそれである。

コンサートの冒頭、モーリス・シュテーガー(Maurice Steger)という1972年生まれのさわやかな風貌のおにいさんが、アルトリコーダーを持って舞台に登場したのだが、その演奏のものすごいこと。リコーダーでこんな演奏が可能なのか、というくらいの恐ろしいテクニック。この人は小さなリコーダーに吹き込みすぎでは、というくらい息を入れる。それゆえ、「きれいな音」とはちょっと違うのかもしれないが、好みの違いを超えて、その表現力もすばらしいものがある。テレマンは18世紀ドイツの作曲家なのだが、18世紀の馬車というよりは、21世紀のF1とか新幹線を連想させる、スタイリッシュでかっこいい演奏。リコーダー好きにはたまらないというか、しびれました。終演後は、聴衆も大興奮でした。

ベルリン古楽アカデミー(Akademie fuer alte Musik Berlin)のコンサートを聴くのは、まだこれが2回目なのだが、本当にすばらしいグループだと感じた。彼らが演奏するのは主に18世紀までの「古い」音楽。マーラーやリゲティに比べたら、譜面は単純にできているし、サボろうと思えばサボれそうなはずだが、彼らの演奏にはおよそルーティーンというものがない。常に生き生きとしていて、「古い」どころか、たった今生まれてきた音楽であるかのようなみずみずしさに溢れている。コンサートの後は、一週間分の活力をもらったような気分だった。ちなみにチケットは立見席でわずか6ユーロほど。

Akademie für Alte Musik Berlin
Maurice Steger
Blockflöte
Christoph Huntgeburth Traversflöte
Xenia Löffler Oboe
Sabine Fehlandt Viola d'amore

Georg Philipp Telemann Ouvertüre für zwei Flöten, Streicher und Basso continuo e-Moll (aus "Tafelmusik", 1. Produktion)
Georg Philipp Telemann Ouvertüre für Blockflöte, Streicher und Basso continuo a-Moll
Georg Philipp Telemann Konzert für Traversflöte, Oboe d'amore, Viola d'amore, Streicher und Basso continuo E-Dur
Georg Philipp Telemann Ouvertüre C-Dur ("Hamburger Ebb' und Flut")
by berlinHbf | 2005-09-12 02:47 | ベルリン音楽日記 | Comments(5)

ベルリンにDussmannありき

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「ベルリンにはタワレコもHMVもない。しかし、Dussmannがある!」

私のもとにたまに日本からお客さんがやってくる時、「ベルリンで大きなCD屋といったら、どこになるのかな」と聞かれることがある。日本でいうタワレコとかHMVのような大型店を期待しているわけだが、あれほどの品揃えの店は、ベルリンではあまり期待しない方がよい。だが、1軒だけ強力におすすめできる店がある。ベルリンに住む人なら知らぬ者はないと言ってよい、Dussmannである。正式名はDas Kulturkaufhaus Dussmann。その名の通り、「文化のデパート」。CDやDVDだけでなく、本屋も兼ねていて、その品揃えはすばらしい。いや、品揃えだけを見たら、渋谷のタワレコの方がやはり上だろう。

この店のすごいところは、全てのCDを視聴できるということである。
ベルリンに来て間もない頃、初めて地下のクラシックコーナーに足を運んだ時は本当に驚いた。店員用のカウンターの周りに、試聴用のステレオが何台か並んでいるのだが、お客さんが店員の前でCDの袋を堂々とビリビリ破いているのだ。それどころか、「これちょっと開けにくいから」といって店員に任せる人までいる。すると、店員さんはカッターでCDの包みを破り、値段のシールを再び貼り付けて渡してくれる。試聴し終わって山積みになったCDは、そのままにしておけば店員が片付けてくれる。包装が取れ、むき出しになったCDは当然傷ができやすくなるわけだが、もちろんそれも売り物として扱われる。何しろ包装や見た目をとりわけ気にする日本からやって来た私。そういうものを買う人はいるのだろうかと人事ながら心配になるのだが、結局は中身のCDが聴ければいいのであって、ドイツ人はあまり気にしないようだ(しかし、プレゼント用にと言うと、ものすごく凝った包装をタダでやってくれる)。

なんと気前のいい店なんだろうと私は思った。それからというもの、Dussmannは私にとってこれ以上ない暇つぶしの場所となった。CDは自分で聴いて、とことん見極めてから気に入ったものを買うことができる。新譜は日本並に高いけれど、小まめに足を運んでいると、半額セールをやっていることもよくある。平日だけでなく、土曜日も22時まで開いているというのも大きな魅力だ。これはドイツで唯一の例らしい(日曜日はもちろんお休みです)。

注:2006年秋より開店時間が変わり、月-土までは深夜0時まで営業している。

4階建ての本屋としても充実している。ところどころにソファーが置いてあって、立ち読みではなく、堂々と「座り読み」ができる。本に書いてあることをノートに書き写しても、文句を言う人は誰もいない。カイザー・ヴィルヘルム教会前の大型書店Hugendubelでは、中にカフェがあって、お茶を飲みながら、新聞や売り物の本を読める。ここは機能的な内装のデザインもよい。

ドイツ人はケチだとか不寛容だとか言われることも多いが、こういうところでの大らかさはすばらしい。さすが、活版印刷を生み出した本の国、芸術の国だけのことはある。
by berlinHbf | 2005-09-06 17:45 | ベルリン音楽日記 | Comments(10)

Musikfest Berlin 05

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S-Bahn Friedrichstrasseにて(9月1日)

このブログを始めてから早一ヶ月が経った。

夏のバカンスシーズンが終わり、9月に入るとベルリンは華やかさを増してくる。オーケストラやオペラ、大小含めると無数ともいっていいベルリンの劇場の、新しいシーズンがいよいよ始まるからだ。

その先陣を切って、Musikfestという今年から始まる新しい音楽祭が昨夜幕を開けた。ベルリンでこの時期に開催されるフェスティバルとしては、かつてはベルリン芸術週間(Berliner Festwochen)が有名だった。カラヤン、ベーム、ホロヴィッツといった巨匠が登場しては世界的な話題を集め、有望な若手音楽家もここから多くが巣立っていった。

しかし、2001年に長年このフェスティバルを率いてきたウルリヒ・エックハルトからヨアヒム・ザルトーリウスにトップが代わると、それまでの豪華路線から、お金をあまりかけずに新しいことをやるという色が濃くなった。プログラムは現代ものが多くを占め、昨年の「シュトックハウゼン ピアノ作品全曲演奏会」(渋っ)など、興味深いものもあったが、昔に比べたらずいぶん地味になってしまったという印象はやはり拭い切れなかった。

その反動からか、今年から始まるMusik Festは、かつての芸術週間を復活させた感じに近い。2週間の期間中に、ベルリンフィル、ニューヨークフィル、チェコフィル、ロンドンフィル、アムステルダム・コンセルトヘボウ管、ヨーロッパ室内管などの一流どころがほぼ日替わりでフィルハーモニーにやってくる豪華さ。隣の室内楽ホールで行われるコンサートには、5回の公演を40ユーロで聴けるパスが用意されている(学生は20ユーロ)。

今回は中欧の音楽がメインテーマで、中でもドボルザーク、ヤナーチェクを始めとしたチェコの音楽が多く演奏される。また現代作品も多い。私にとっては、好きなヤナーチェクの作品をたくさん聴けるのがなによりうれしい。10日のオペラ「イェヌーファ」演奏会形式での公演(ラトル&ベルリンフィル)は中でもとりわけ楽しみにしていて、いいものが聴けたらここでも書きたいと思っている。
by berlinHbf | 2005-09-01 22:56 | ベルリン音楽日記 | Comments(0)

ベルリンフィル 2005/2006シーズン開幕

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●今日はもうじき取り壊される「共和国宮殿」について書くつもりだったのだが、ベルリンフィルのシーズン開幕コンサートですごい演奏を聴いてしまったので、興奮冷めやらぬうちに少しだけ。

●開演20分前に会場に着いたのだが、なぜか辺りは妙に閑散としている。「あ、やってしまった」と思った。今日のコンサートは通常の20時開演ではなく、19時開演だったのだ。前半のR.シュトラウス「町人貴族」はまるまる聞き逃してしまう。

●残念ではあったが、今日のお目当ては後半のベートーヴェンだったので、すぐに気を立て直す。フィルハーモニーでベートーヴェンの第3交響曲「英雄(通称エロイカ)」を聴くのは、ワタシにとって特別の体験だ。エロイカはベートーヴェンが書いた9つのシンフォニーの中で、今も昔も一番好きな曲で、カラヤン&ベルリンフィル(1982年Live)という絶対的ともいえる基準が自分の中にできあがっている。当時15歳だったワタシは、テレビから録画したこの演奏のビデオを一時期本当に繰り返し見て、いつの日かこのホールでエロイカを生で聴くことを夢見ていたのだ。

●カラヤンの演奏ではコントラバス10本だったのに対して、サイモン・ラトルの編成は6本。いかにもこぢんまりしている。テンポの速い、スタイリッシュで軽い響きのベートーヴェンになるのではという危惧があったのだが、今日のラトルはすばらしかった。ラトルが指揮するテンポは、曲のどの場面においても曲想とぴったりはまっていて、不自然さは皆無。エロイカの魅力であるその雄大なスケール感というものが、この小さめの編成にして余すところなく表現されていたように思う。悲壮な2楽章の中間部とか、ゆっくりめのテンポでじわじわ盛り上がり、ヒロイックな終結部で幕を閉じる4楽章などは、曲への思い入れもあって、聴いていて感極まりそうになった。

この曲はフーガとか多声音楽の書法がたくさん使われているのだが、そういう箇所での、それぞれの声部がまさに生き物のように躍動する様といったら!今さらながら、ベルリンフィルとはなんとすごいオケなんだろうと思う。

昔より高くなってきたとはいえ、こんなものが16ユーロで聴けてしまうなんて・・ベルリンフィルの「英雄」をフィルハーモニーで聴くことができて、今日はちょっと興奮気味なのです。

Berliner Philharmoniker
Sir Simon Rattle CONDUCTOR
Richard Strauss Le Bourgeois gentilhomme
Brett Dean Testament, Music for 12 Violas
Ludwig van Beethoven Symphony No. 3 in E flat major »Eroica«

ラトル/ベートーヴェン:交響曲第1番&第3番/TOCE-55581ラトル/ベートーヴェン:交響曲第1番&第3番/TOCE-55581
¥2,500

by berlinHbf | 2005-08-28 03:52 | ベルリン音楽日記 | Comments(11)

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