ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


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現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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ベルリンフィル 2005/2006シーズン開幕

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●今日はもうじき取り壊される「共和国宮殿」について書くつもりだったのだが、ベルリンフィルのシーズン開幕コンサートですごい演奏を聴いてしまったので、興奮冷めやらぬうちに少しだけ。

●開演20分前に会場に着いたのだが、なぜか辺りは妙に閑散としている。「あ、やってしまった」と思った。今日のコンサートは通常の20時開演ではなく、19時開演だったのだ。前半のR.シュトラウス「町人貴族」はまるまる聞き逃してしまう。

●残念ではあったが、今日のお目当ては後半のベートーヴェンだったので、すぐに気を立て直す。フィルハーモニーでベートーヴェンの第3交響曲「英雄(通称エロイカ)」を聴くのは、ワタシにとって特別の体験だ。エロイカはベートーヴェンが書いた9つのシンフォニーの中で、今も昔も一番好きな曲で、カラヤン&ベルリンフィル(1982年Live)という絶対的ともいえる基準が自分の中にできあがっている。当時15歳だったワタシは、テレビから録画したこの演奏のビデオを一時期本当に繰り返し見て、いつの日かこのホールでエロイカを生で聴くことを夢見ていたのだ。

●カラヤンの演奏ではコントラバス10本だったのに対して、サイモン・ラトルの編成は6本。いかにもこぢんまりしている。テンポの速い、スタイリッシュで軽い響きのベートーヴェンになるのではという危惧があったのだが、今日のラトルはすばらしかった。ラトルが指揮するテンポは、曲のどの場面においても曲想とぴったりはまっていて、不自然さは皆無。エロイカの魅力であるその雄大なスケール感というものが、この小さめの編成にして余すところなく表現されていたように思う。悲壮な2楽章の中間部とか、ゆっくりめのテンポでじわじわ盛り上がり、ヒロイックな終結部で幕を閉じる4楽章などは、曲への思い入れもあって、聴いていて感極まりそうになった。

この曲はフーガとか多声音楽の書法がたくさん使われているのだが、そういう箇所での、それぞれの声部がまさに生き物のように躍動する様といったら!今さらながら、ベルリンフィルとはなんとすごいオケなんだろうと思う。

昔より高くなってきたとはいえ、こんなものが16ユーロで聴けてしまうなんて・・ベルリンフィルの「英雄」をフィルハーモニーで聴くことができて、今日はちょっと興奮気味なのです。

Berliner Philharmoniker
Sir Simon Rattle CONDUCTOR
Richard Strauss Le Bourgeois gentilhomme
Brett Dean Testament, Music for 12 Violas
Ludwig van Beethoven Symphony No. 3 in E flat major »Eroica«

ラトル/ベートーヴェン:交響曲第1番&第3番/TOCE-55581ラトル/ベートーヴェン:交響曲第1番&第3番/TOCE-55581
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by berlinHbf | 2005-08-28 03:52 | ベルリン音楽日記 | Comments(11)
Commented by smacks at 2005-08-28 12:49 x
超うらやましい!ので初書き込みしますsmacksです。本場ベルリンでベートーベンの「英雄」をラトル&ベルリンフィルで16ユーロで聴けるなんて、本当に素敵な体験ですよね。あと、05/06シーズンがもう始まっているってちょっと驚きました。8月だとまだドイツ人はバカンス中なのでは?と思ってしまうのですが、写真だけ見ると、もう秋、いや冬のような空ですよね・・・
Commented by berlinHbf at 2005-08-29 06:19
smacksさん、初カキコありがとうございます!ああいうすごいものを聴いてしまうと、なかなか余韻から冷めません。

ちょっと調べたのですが、シーズンがもう始まったのは、ベルリンフィルだけのようですね。ほとんどのオケや劇場は9月に入ってからです。ちなみにシャウビューネは海外公演にでも行っているのか、9月の公演はゼロ、フォルクスビューネも9月はほとんどゲスト公演で占められています。

それはともかく、そろそろ本格的にシーズンが始まるのかと思うと、そわそわしてしまいます。劇場情報など、また気楽に書き込んでいただけたらうれしいです!私もまたそちらにおじゃまします。
Commented by Kiai at 2005-08-29 10:54 x
こんにちは。初めまして。
私も1996年からベルリンにご縁があって住んでいます。
今は飛び回る生活になってしまったので、
学生(留学)時代のように落ち着いては行けなくなりましたが。

もしかしたら、どこかでお目にかかるかもしれませんね。

私のブログの方でもこちらの方紹介させてください。
Commented by 本田 at 2005-08-30 00:30 x
ラトルの英雄がうらやましくて、思わず書き込んでしまいました(汗)
すみません…
しかも16ユーロだなんて!!
今度日本にウィーンフィル来ますけど、S席¥31、000ですよ…

ところで、ドイツの社会問題って日本にも通じるものがありますね。
参考になります。
Commented by smcks at 2005-08-30 01:05 x
そう、日本ではこういう至福の音楽体験をするためには、超ブルジョワじゃなければなりません、本田さんが御指摘のように、S席3万円以上なんて、手取り30万の給料でも10パーセントですよね!!あり得ないし~~~ 民間営利音楽事務所の価格破壊をいかに起こすか、日本のアーツマネジメントの道のりは長いなあと思う今日この頃です。
Commented by berlinHbf at 2005-08-30 07:02
「質の高い文化とか芸術とかは、金持ちだけのものじゃない」、という社会の共通通念のようなものは、こちらにいると本当に強く感じます。オペラのプレミエなどは、ベルリンでもそれなりに値は張りますが、一方で安い席も必ず用意されている。

私が座ったフィルハーモニーの16ユーロの席というのは、オケのすぐ後ろの舞台上にあるベンチ席なのですが、ここは指揮者も正面からよく見えて、自分がオケの一員になったかのような臨場感が味わえる、ある意味最高の席なんです。値段的には一番安いのですが(笑)。
もちろん会場には香水の匂いムンムンの紳士淑女の方もたくさんいるのですが、ジーパン姿でも気楽にコンサートに来れるような、そういう雰囲気もあって、それはラトルが音楽監督になってからますます浸透しているような気がします(彼が振るハイドンなんて、むちゃくちゃポップですよ)。

こちらの文化状況は、これからも伝えていけたらと思っています。ドイツとは背景の違う点も多いのでしょうが、日本も少しづつよくなればなあと素直に思います(応援してます→smacksさん)。あの法外な値段のチケットはやっぱりどこか変ですよ。

Commented by berlinHbf at 2005-08-30 07:02
>本田さん
またいつでもお気楽に書き込んでくださいね。

>Kiaiさん
リンク貼っていただきありがとうございます!96年からとは長いですね。ピアノ、いつか聴いてみたいです。
Commented by 高 長行 at 2005-09-05 15:02 x
羨ましいですね!!
私は札幌に住んでいるTrp吹きです。
縁あって昨年よりBPhのラッパセクションの方々と、
仲良くさせてもらっています。
今年の来日公演でもレッスンなどをしてもらう予定です。
来日時の「英雄」でも名演を聴けると良いのですが!!
ま、そのあとのTrpパートの飲み会も楽しいのですけどね。
Commented by berlinHbf at 2005-09-05 20:00
演奏を聴くだけでなく、アーティストと直接交流を持てる機会があるのはいいですよね。コンサートの後で、ベルリンフィルのメンバーと飲みに行けるなんて、最高ではないですか!酔いが回ってきたら、いろいろおもしろい話も聞けそうですね。
私の日本の友人は、昨年秋、Trpのクラモーさんの公開レッスンの際、通訳をしたそうです。
Commented by 高 長行 at 2005-09-06 12:40 x
私もクラモーさんにはレッスンやら何やらで、
とても良くしていただいています。
何かあると電話を下さったり、
とっても人間的に素晴らしい方です。
もちろんラッパもですが。
ベルリンフィルのラッパセクションの方々は、
皆さん、気さくで良い方々ばかりですよ。
Commented by berlinHbf at 2005-09-07 01:36
そうなんですか。普段コンサートでよく聴く席は、ラッパのすぐ後ろなので、ラッパセクションの人は結構気になるんですよね。私も一度クラモーさんにはお会いしてみたいです。楽しい飲み会になったら、また教えてくださいね。

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