ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
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現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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第56回ベルリン国際映画祭開幕!

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ポツダム広場にて(2月10日)。

ベルリナーレ(Berlinale)の愛称で親しまれている、世界三大映画祭のひとつ、ベルリン国際映画祭が木曜日に幕を開けた。今年度11日間の期間中に上演される映画の数は360、公演回数は延べ1115回に及び、これより大きい規模の映画祭となると世界でも他にカンヌだけだという。

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さて、この時期ベルリナーレの雰囲気を感じたければ、ポツダム広場に行ってみるのが手っ取り早い。映画祭の13の会場のうち、4つがここに集中し、メイン会場のベルリナーレ・パラストもここにある。チケットを求める映画ファンだけでなく、世界中からのプレス、中継車、その他多くの関係者がせわしく動き回っている光景に出会えるし、夜になるとベルリナーレ・パラストの前では、赤じゅうたんの上を歩くスターを一目見ようとやって来るファンであふれかえる。

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毎年思うのだが、このベルリナーレ、その日思い立って気楽に何かを観に行くことができにくいのが残念だ。というのも、この映画祭、とにかく大人気なのである。ポツダム広場にあるショッピングモール「アルカーデン」内のチケット売り場に行ってみるとわかるが、普段そもそも「列を作って並ぶ」ということに慣れていないベルリンの人たちが、毎年この時期だけはみんな律儀に並んでいる。チケットは各公演の3日前から発売されるが、完全に先着順なので、うっかりしているとすぐに売切れてしまう。インターネットで予約することもできるのだが、手数料2ユーロがかかる上、結局予約したチケットを売り場まで受け取りに行かねばならない。ひどい場合はそこでも行列のできていることがある。

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私も昨日の午後、夜に何か観れないかなと思って、アルカーデンのチケット売り場に行ってみたのだが、その夜の上演分はほぼ全て売り切れていた。回顧部門で上演される小津安二郎監督の「麦秋」が、上演2日前にしてはや完売なんていう現象が起きるのもベルリナーレならでは。日本ではまずありえないだろう。

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チケットの値段は大体7ユーロ。子供映画部門は3ユーロ。注目度の高いコンペ部門は8ユーロで、ベルリナーレ・パラストでの上演は11ユーロと高くなる。いずれにしろ、普段映画館で観るよりは全体的に割高である(それでも日本で映画を観るよりはずっと安いだろうけど)。コンペ部門で上演される映画は、しばらくすると一般公開も順次始まるので、私などそれでもいいかなと思ってしまう。ねらい目は午前中と午後の早い時間帯の上演だろうか。その時間だと、当日券が買える可能性も高い。また、ベルリナーレ・パラストでは、当日チケットが余っていると、上演の30分前から通常の半額で買えるLast Minute Ticketsが出る。ご参考までに。

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ベルリナーレ・ディレクターのディーター・コスリック(Dieter Kosslick)によると、今年の映画祭では、グローバル化、暴力、社会内の関係の崩壊といった、世界の現実を描いた映画が多く選ばれているとのこと。確かにグワンタナモ収容所がテーマの"The Road to Guantanamo(Jasmila Zbanic監督)"や、麻薬の問題を描いた"Candy(Neil Armfield監督)"、イランの日常を描いた"Offside(Jafar Panahi監督)"などの作品が目に付く。ただ、もちろん暗いテーマの映画だけではないとのことだが。

ベルリナーレの楽しみのひとつは、普段なかなか上演される機会のない日本映画を多く観られること。2年連続でコンペ部門に出品がないのが残念だが(その分中国・韓国映画の勢いが増している気がする)、注目作は今年も少なくない。インディーズ系の映画が多いパノラマ部門では、三池崇史監督の「46億年の恋」、ベルリナーレ定番ゲストであるSABU監督の「疾走」。フォーラム部門では、過激なテーマが早くも論議を呼んでいる園子温監督の「奇妙なサーカス」、藤原敏史監督の「ぼくらはもう帰れない」、個人的に興味があるヤン・ヨンヒ監督の"Dear Pyongyang"。また今年生誕100年を迎える中川信夫監督の怪談映画がまとめて上演されるのもおもしろい。「四谷怪談」「地獄」といったこわそうなタイトルの映画が、毎日夜中の24時(!)から上演される。

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ベルリナーレには他にもいろいろな部門があって、「短編映画部門」、「ドイツ映画部門」、「子供映画部門」の他、若手を育成するタレント・キャンパスというのもある。昔の映画をしのぶ「回顧展(Retrospektive)」の今年のテーマは、「50年代の女性スターたち」。ヴィスコンティやベルイマンといった巨匠の作品や、日本からは先ほどの小津監督の「麦秋」と成瀬巳喜男監督の「浮雲」といったラインナップが並ぶ。

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by berlinHbf | 2006-02-11 18:56 | ベルリン文化生活 | Comments(7)
Commented by hidetube3 at 2006-02-12 08:40
はじめまして、ひでと申します。2月10日僕もアルカデン行きました!確かに僕もあの行列には「ドイツ人も並ぶんだ・・・」って驚きました。
Commented by Yozakura at 2006-02-12 13:43 x
中央駅さま
 映画祭特集記事、拝見しました。多数の写真撮影、お疲れ様です。御時間があれば、御覧になった映画の感想など、また掲載して下さい。
 お元気で。2006/02/12(日曜日) Yozakura 敬白
Commented by KS at 2006-02-12 21:32 x
待ってました。さすがです。期待してた通りすばらしいです。私もすでにチェックしましたが、見たいのが結構あって大変です。Dear Pyongyangは私も興味がありました。一緒に行きますか!?笑 もしくは映画は1人で見る派ですか??
Commented by berlinHbf at 2006-02-13 17:46
>hidetubeさん
はじめまして!同じ頃に同じ場所にいたのかもしれませんね。いい映画に出会ったら、またぜひ教えてくださいね。
>Yozakuraさん
昨日は「麦秋」を観ました。午前、午後の時間帯をねらって、いくつか観るつもりです。また何か書けたら書きたいと思います。
>KSさん
Dear Pyongyangは水木土と3回上演がありますね。うまく時間が合えばぜひ一緒に観ましょう。連絡お待ちしています。
Commented by lignponto at 2006-02-13 19:32 x
いよいよ始まったんですね。
お忙しいとは、思いますが感想などのレポートを楽しみにしてます。
主要部門の受賞作品は、いずれ日本でも公開されると思いますので、どのような作品か楽しみです。
Commented by ゴン太 at 2006-02-13 21:00 x
普段、熱心に映画を見に行ったりはしていないのですが、
そんな私でもこの華やかなイベントには惹かれてしまいます。
(ただミーハーなだけかも^^;)
日本の映画を海外で見る、というのもまた一味ありそうで
よいですね。
引き続き楽しんできてくださいね。
Commented by berlinHbf at 2006-02-14 09:16
>lignpontoさん
コンペ部門の話題作などはチケットがすぐに売り切れてしまうので、私が観るのはどちらかというとマイナーな作品中心になるかもしれませんが、感想などはしばしお待ちを。今週は出費もかさみそうです^^;)。

>ゴン太くん
単に言葉が一番わかるからという以外に、日本の映画をここで観るのは独特の何かがあるのは確かですね。小津も黒澤も溝口も、私はベルリンの映画館で出会いました。

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