ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


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現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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フィルハーモニーでの本番終了!

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25日水曜日の夜、私が入っているオーケストラの本番がありました。Collegium Musicumという名前のこのオケは、ベルリン自由大学と工科大学の学生を中心としたアマチュアの楽団です。練習は週1回、工科大学の講堂で行われ、夏と冬の各学期末に本番があります。メンバーは基本的に音楽を専門としない学生が中心なので(「音楽学」を専攻している学生はいますが)、オケとしての技量はある程度推して知るべきものかもしれません。でも、このオケのすばらしいことの一つは、年2回の本番がベルリン・フィルの本拠地であるフィルハーモニーでできるということです。ベルリンにはアマチュアのオケはいくつもありますが、これは他ではなかなかないことです。

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この冬学期のコンサートは、ベートーヴェンの交響曲3番「英雄」とバーンスタインの「チチェスター詩編」という合唱曲をメインにしたプログラム。私は今回、「英雄」の1番フルートを吹かせてもらうことになったのですが、これは自分にとって特別なことでした。

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というのも、私が「いつかオケの中で音楽がしたい」と真剣に思ったのが、中学3年の時にテレビで観た、ヘルベルト・フォン・カラヤンが指揮するこのベートーヴェンの「英雄」だったからです。アマチュアのオケとはいえ、あのカラヤンが指揮していたフィルハーモニーで同じ曲を演奏できるということは、それこそ天にも昇るような気持ちだったといっても大げさではありませんでした。

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英雄交響曲の1番フルートは、隣に座るオーボエの1番に比べると、ソロとしての聴かせどころは少ないのですが、それでもいくつかの難所があります。有名なのは、4楽章中間部にある16分音符の早いパッセージです。これはプロのオケのオーディションにもよく「出題」されるほどで、そのソロの少し前から細かい動きのパッセージを吹いているため、どうしても気が焦ってしまいがちです。今回私が使った譜面には、この部分の余白に"Nicht rennen(走るな)"という誰かの書き込みがしてあって、思わず納得してしまいました。もう一つ私が苦労していたのは、3楽章の40小節目のフルートが主題を吹くソロ。ここは単純に指回りの問題なんですが、なかなかスムーズに決まらない。この2箇所が本番前の大きな不安要素でした。

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大勢のお客さんの前で、フィルハーモニーの舞台に立つ時の気分のよさは本当に例えようのないものがあります。いわゆるアリーナ形式と呼ばれる、客席が舞台を取り囲むスタイルで設計されているので、お客さんからの拍手は全方向から浴びる形になります。そのような設計ゆえ、収容人数は2400という大きなホールなのに、舞台と客席との距離感が小さく感じられますし、音響のすばらしさについては言うまでもありません。数々の偉大な音楽家がこの舞台に立ってきたのだと思うだけで、自分にも普段以上の力が出せるのではないかと思わせてくれる何かがあります。

さて、本番ですが、おおむねうまくいったのではないかと思います。でも、3楽章の問題の箇所が近付くと、さすがに心臓がどきどきしてきました。で、試しに「カラヤン、助けて!」と心の中で叫んでみました(笑)。すると、たちまち指揮者がカラヤンに見えてきて・・というのはうそですが、比較的落ち着いてこの難所を乗り切ることができました。客席にはどう響いていたのかはわかりませんが。

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大団円のコーダで50分に及ぶ長大なシンフォニーを演奏し終えると、周りの木管のメンバーの多くが「よかったよ!」と声をかけてくれました。自己満足といわれればそれまでかもしれませんが、充実感でいっぱいです。私にとって忘れられない一夜となりました。

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by berlinHbf | 2006-01-27 00:55 | ベルリン音楽日記 | Comments(13)
Commented by akberlin at 2006-01-27 16:46
たしか東京のサントリーホールがベルリンフィルを模して設計されたと
聞いたおぼろげであやふやな記憶があります。でも「あの」ベルリン
フィルでの演奏、楽器を一切演奏できない私でもその興奮ぶりが
想像できます。よかったですね〜。
Commented by KS at 2006-01-27 20:16 x
おつかれ様でしたー!大活躍でしたね。”英雄”。
でも実はPauseに急に具合が悪くなって(熱があがってきて)、後半は聞かずに帰ってきました。残念でした。。。
Commented by konno at 2006-01-27 20:27 x
残念。告示でもしてくれればよかったのに。
Commented by berlinHbf at 2006-01-28 10:39
>akberlinさん
おっしゃる通り、サントリーホールはフィルハーモニーがモデルになっています。あそこでも演奏したことがありますが、やはりすばらしいホールです。ただ、内装はフィルハーモニーに比べると、よりハイソな感じがします。

>KSさん
聴きに来てくれてどうもありがとう!お体の方どうぞお大事に。

>konnoさん
また機会があったらぜひ!その時はご連絡します。
Commented by lignponto at 2006-01-28 16:51 x
アマチュアとはいえ凄い所で演奏したんですね。
人前で演奏するのは気持が良いですよね。
次回もこのような機会があるといいですね。(^-^)
Commented by nanacello at 2006-01-29 06:12
フィルハーモニーで演奏されたなんて素敵ですね!
マサトさんはフルート演奏されるんでしたね。
これからも是非演奏続けられてください☆
Commented by hnoguchi at 2006-01-29 13:40 x
大役お疲れ様でした(お久しぶりです)。カラヤンに祈ったところはおもしろいですね。きっと降臨したんでしょう。
昔貴殿に薦められてこのDVD購入したんですけど、いつ観ても緊張感がありますね。
とくに弦楽器が妙にハッスルしていて、チェロの人も興奮で顔がイッちゃってるところがスカッ!とします。
Commented by berlinHbf at 2006-01-30 03:45
>lignpontoさん
コメントありがとうございます。来学期は参加するかどうかまだわからないのですが、またあそこで演奏できたら最高ですね!

>nanaさん
フルートは中学の時から吹いています。昔に比べると練習時間はずいぶん減ってしまいましたが、続けてきてよかったなと思うことは今でも多いです。これからも続けていきたいですね。
Commented by berlinHbf at 2006-01-30 04:13
>hnoguchiさん
これはこれはびっくりしました!お久しぶりです。

カラヤンの82年の「英雄」ライブですが、昔私が薦めた?すっかり忘れていました(笑)。あの演奏は、観ていて身がのけぞるくらいの迫力でしょう。管は倍管、マーラーでもないのに、コントラバスだけで10本と、今の目で見ると演奏スタイルに時代を感じることもありますが、それを越えたすばらしさがあります。今回ようやく念願のベートーヴェンのシンフォニーを吹くことができました・・

そういえば、このブログを開設して最初にコメントを書いてくれたのはnoguchiさんでしたよね。またいつでも遊びに来てください。
Commented by こうま at 2006-01-31 18:55 x
素敵ですね!英雄をフィルハーモニーで吹けるなんて羨ましいです☆
私も聴きたかったです。
Commented by berlinHbf at 2006-02-01 03:40
こうまさん、書き込みありがとうございます!

こうまさんも、もうすぐ大舞台が控えていますよね(そのこうまさんですよね?)。ご成功を心より祈っています!
Commented by こうま at 2006-02-03 09:53 x
こんにちは
はい。そのこうまです。ありがとうございます。
大舞台・・・怖いですね。
写真から舞台と客席との距離感をみたらもうドキドキしてきました!



Commented by berlinHbf at 2006-02-03 10:15
フィルハーモニーは普段以上の何かが出せる場所なので、心配しなくて大丈夫です。きっとうまくいきますよ!

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