ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

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豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
¥1,575
ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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タグ:Berlin(Ost) ( 105 ) タグの人気記事

上棟式を迎えたベルリン王宮

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いよいよ全貌が見えてきたベルリン王宮

6月13日と14日の週末、「フンボルト・フォーラム」として再建中のベルリン王宮が一般に公開され、多くの市民が訪れました。


今回の一般公開は、建物の基本構造が完成したことで前日の12日に行われた上棟式(Richtfest)に合わせたもの。14日の午後、ウンター・デン・リンデンを越えてシュロス橋のたもとまで行くと、向こう側に王宮の姿が現れました。久々に見る王宮には特徴的な円蓋もすでにかぶさっており、いよいよ全体の規模が分かるほど建設が進んでいました。

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行列に並んで中に入ると、17世紀初頭、王宮担当の建築家だったアンドレアス・シュリューターが設計した大きな中庭(シュリューター・ホーフ)に繋がります。そこを右に回って進むと、円蓋の真下のエントランスホールが見えてきました。ここは吹き抜けの構造で、バロック様式の壮麗な「エオザンダー門」が西口に再現される予定です。門の前には特設ステージが造られ、ビッグバンドの軽快な音楽が鳴り響いていました。

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完成後は展示会場として使われる2階部分

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特に興味深かったのは、2階のほぼすべての部屋が公開され、見て回れるようになっていたこと。もちろん、現時点ではどの部屋もコンクリートの基礎部分がむき出しの状態ですが、各部屋に様々な展示が施され、完成後の様子を想像できるように工夫されています。例えば、王宮内の歴史的な石膏像をどのように再現するかを紹介したり、別の部屋では2階と3階に収容される民族学博物館とアジア博物館の展示物の映像が壁に投影されたりと、家族連れの多い訪問客を楽しませていました。

それにしても、初めて中に入った王宮からの眺めの良いこと。1周する中で、博物館島、大聖堂、テレビ塔、赤の市庁舎、ニコライ教会など、ベルリン中心部の主要建築を一通り見ることができます。この王宮がベルリンの歴史的なミッテ(中心)の、さらにそのど真ん中に位置していたことを改めて実感しました。

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Palast der Republik (2005-09)

東側の長いスペースには、テレビ塔やマリーエン教会を望む風景が1枚の絵のように収まるポイントがあります。そこに立ったとき、ちょうど10年前に、当時解体直前の共和国宮殿の中に入って見た眺めを思い出しました。あの秋の雨の日に抱いたのは、過去へのノスタルジックな感情でしたが、今回は19世紀のヴィルヘルム&アレクサンダー・フンボルト兄弟の理念を引き継ぎ、「ベルリンと世界とを繋ぐ門になる」(グリュッタース文化相)とされるフンボルト・フォーラムへの期待感でした。完成予定は2019年とのことですが、その期待は現実のものとなるでしょうか。

by berlinHbf | 2015-07-18 22:29 | ベルリン発掘(東) | Comments(0)

旧カール・マルクス書店が文学サロンに

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文化財に指定されている旧カール・マルクス書店 (2015-05)

社会主義時代の巨大なアパートが建ち並ぶカール・マルクス大通り(Karl-Marx-Straße)に、かつてその通りと同じ名の本屋がありました。東独時代、東ベルリン最大規模の売り場面積を誇り、その充実した品ぞろえから、東側だけでなく、西ベルリンの人々も本を求めてやって来たといいます。秘密警察シュタージを題材とした映画『善き人のためのソナタ』(2006年)の印象的なラストシーンに登場する書店と言えば、ご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、2008年に経営難から惜しまれつつ閉店。その後、建物はオフィスとして使われていましたが、今年3月、文学サロンとして生まれ変わったという嬉しいニュースが入ってきました。

関連記事:

仕掛人は文化マネージャーのヴァネッサ・レミー氏。アウフバウやズーアカンプといった著名な出版社での勤務経験を持つ同氏が、旧書店の上階に事務所を構える映像制作会社に話を持ち掛け、プロジェクトが実現するに至ったといいます。「もう一度、この街の読書愛好家を惹き付ける文化的な場所にしたかった」と同氏。

オープニングの月に行われた4回の朗読会はいずれも満員だったそうです。通常は入場料に8ユーロかかりますが、5月最初の日曜日の午前、入場無料のイベントが行われるというので足を運んでみました。

地下鉄U5のシュトラウスベルガー広場駅から徒歩5分。久々にやって来た旧書店の正面には、Karl-Marx-Buchhandlungの大きな文字が、変わらずそこにありました。建物の外観と内観は共に文化財に指定されているため、内部の木製の書棚を含め、書店時代そのままの状態が残されたのでした。

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書店時代の面影を残した内部の様子

この日は、国境なき記者団の年刊写真集の発売に際して、ウクライナ人カメラマンとドイツ人ジャーナリストが登壇し、ウクライナ東部での現地の様子を率直な言葉で語り、訪れた人は熱心に耳を傾けていました。

興味深かったのは、この日配布された国境なき記者団による最新の「報道の自由度」を示す世界地図。「良い状況」にあるドイツやポーランド、北欧などの欧州諸国に比べて、アジアにおいて「十分な状況」にあるのは台湾のみ。日本は「顕著な問題のある」カテゴリーに置かれていました。すでに知っていた情報とはいえ、かつて報道の自由が著しく制限されていた国の元書店で、母国の現状を複雑な思いで眺めました。

久しぶりにカール・マルクス書店に足を運び、やはりオフィスよりは書物が似合う空間だと感じました。そして、自由で創造的な意見が交わされる場こそ、書物が満たす空間にふさわしいのだと思います。
www.karlmarx-buchhandlung.com
ドイツニュースダイジェスト 5月15日)

by berlinHbf | 2015-05-17 14:12 | ベルリンを「読む」 | Comments(0)

発掘の散歩術(48) -巨大リビングで楽しむワールドカップ-

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FCウニオン・ベルリンのスタジアムにお目見えした巨大リビング

サッカースタジアムの芝生に所狭しと並んだ無数のソファ。人々はまるで自宅のリビングにいるようにくつろぎながら、スクリーンに映し出されるブラジルでの試合に見入る……。

ワールドカップ開幕後、ベルリンでのそんなユニークなサッカー観戦がテレビやインターネット上で話題になった。サッカーに特別興味がなくても、「何だか楽しそう!」と思った方は多いのではないだろうか。私もそんな1人。実際に体験してみたくなり、グループリーグ期間中の日曜日、東の郊外のケーペニックへ向かった。

Sバーンのシェーネヴァイデ駅からトラムに乗って約10分、Alte Förstereiという停留所に着いた。初めての場所だが、サポーターの後をついて行くと、「旧営林署員所脇のスタジアム」という名の、森に囲まれた競技場がすぐに見えてきた。

ここを本拠地とするブンデスリーガ2部のFCウニオン・ベルリンは、ユニークなサッカーチームだ。近年、旧東独時代からのくたびれたスタジアムを大改築した際、資金不足を補うために、サポーター自らが無償で工事に加わって完成させたのだという(もっとも、とてもそんな風には見えない立派なスタジアムなのだが)。今回の試みを主催したゲラルド・ポネスキー氏によると、サポーターと選手の結び付きが家族のように強いチームゆえ、そこから巨大リビングを作るという発想が生まれたそうだ。

入り口からいきなりフィールドの中に入ると、ビニールカバーで覆われたソファがたくさん置かれている。ここにある約750台のソファは、抽選で選ばれた人々が自宅から自分で運んで来たもので、大会期間中は同じ席で楽しめる。ゆえに、外部の私は通常の観客席で試合を観るしかないだろうと思っていたのだが、「本日はサポーターの皆様をソファにご招待します。空いているお好きな席にお座りください!」という、嬉しいアナウンスが場内に流れた。雨上がりでそれほど人が多くなかった上、ベルギー対ロシアというやや地味なカードの試合だったことも幸いしたようだ。

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ソファの横に置かれたテーブルとランプは、IKEAの提供によるものだとか

一緒に行った友人と、雨水がたまった重いビニールを外して、どなたかのソファに腰掛ける。当然のことながら、座り心地は最高。肌寒い日だったけれども、屋台で買ったビールと焼きソーセージを片手に、目の前の大きなスクリーンで試合の行方を追っていると、「これ以上、何を望もうか」という気分になってくる。

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家族連れやカップルも多く、会場は適度にリラックスした雰囲気

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本物の芝生で草サッカーをする子どもたち

ふと、自分が足を置いている天然芝は、シーズン中はウニオンの選手が駆け巡っているピッチなのだと思い至る。試合中も、スクリーン真横のスペースでは、子どもたちが草サッカーを楽しんでいた。なかなか贅沢だ。珍しい機会なので、私は試合そっちのけでスタジアム内を歩き回り、ピッチの1段窪んだ位置にある選手や監督の席に座っては、彼らの緊張感までもちょっぴり味わった。

ドイツでワールドカップを観るようになって、いつの間にかもう4大会目。今回の私の関心は、ドイツが決勝まで進めるかどうかに絞られつつある。この記事が誌面に載る頃、三色旗のサポーターによる熱狂は、この「リビング」でも続いているだろうか。
ドイツニュースダイジェスト 7月4日)


Information
ヴェー・エム ヴォーンツィマー 
WM Wohnzimmer

「ヴェー・エム」はドイツ語でワールドカップの略称。「ヴォーンツィマー」はリビングの意味。ワールドカップ・ブラジル大会の期間中(~7月13日)、「ドイツで最もクールなリビング」の触れ込みで、前例のないパブリックビューイングが実現した。下記サイトのTickets bestellenをクリックすると、予約のページに移る。入場無料だが、手数料として1枚につき2ユーロ掛かる。ソファのオーナーが現れなかった場合は、そこに座っても良いそう。

電話番号:030-6566 88106
URL:www.compact-team.de/wmwz/#24


シュタディオン・アン・デア・アルテン・フェルステライ 
Stadion An der Alten Försterei

ブンデスリーガ2部FCウニオン・ベルリンの本拠地スタジアム。旧東独のチームゆえ、旧西独のヘルタ・ベルリンへの対抗意識が強く、ヘルタが2部に降格した際に実現した「ベルリン・ダービー」では異様な盛り上がりを見せた。公共交通での行き方は、SバーンのSchöneweideからトラム63か67、もしくはSバーンKarlshorstからトラム27に乗り、Alte Förstereiで下車すぐ。SバーンKöpenickからは徒歩15分程。

住所:An der Wuhlheide 263, 12555 Berlin
電話番号:030-6566 88165
URL:www.altefoersterei.berlin


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さて、今晩はいよいよ準々決勝のドイツ対フランス戦。
勝利の女神はどちらに微笑むか・・・。

by berlinHbf | 2014-07-04 15:43 | サッカーWM2006他 | Comments(0)

王宮広場の現在

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Schloßplatz (2014-01-13)

今日はミッテにあるハンス・アイスラー音大に久々に足を運ぶ機会がありました。M48のバス停Fischerinselを降り、ブライテ通りを歩くのは久しぶりです。その突き当たりが王宮広場(Schloßplatz)。昨年夏にご紹介した時よりも一段と工事が進んでいました。

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今日はピアニスト、メナヘム・プレスラーさんの公開レッスンを見学したのですが(また改めてレポートするつもりです)、終わってから校舎の窓からの眺めを見て、ハッと思い当たるところがあり、写真に収めました。以前、この窓から写真を撮ったのを思い出したからです。家に帰って昔の写真を掘り返してみました。まずこちらが2007年7月4日の様子。当時はまだ東独時代の共和国宮殿の解体作業中なのでした。

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それから約7年後の今日の様子がこちら。「そういえば、あの時はここから大聖堂が見えることはなかったんだなあ」と当時の風景やよく会っていた友達のことなどをしみじみ振り返っていました。

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やはり2007年7月の様子。

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こちらが今日の王宮広場。ミッテ地区の変貌は相変わらず著しいものがあるので、その変化の様子を今年もご紹介していきたいと思います。

暖冬が続くベルリンですが、今日は大分冷え込みました。これから週末にかけて、0度近くまで下がる見込みです(と、最後はなぜか天気予報風に^^;)。
by berlinHbf | 2014-01-13 23:30 | ベルリン発掘(東) | Comments(0)

発掘の散歩術(42) -生を見つめ直すクレマトリウム-

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29本の柱が並び立つバウムシューレンヴェーク・クレマトリウムのホール (2013-11-24)

プロテスタント教会の暦では、第1アドヴェントの直前の日曜日を死者慰霊日(Totensonntag)と呼ぶ。毎年この日、ベルリンにある2つの火葬場が一般公開されるのが定例だそうだ。その数日前、たまたまそのことを地下鉄のテレビで知った私は、建築物としても評価が高く、以前から興味を持っていた火葬場の1つを訪ねることにした。

東の郊外、トレプトウ地区にあるSバーンのバウムシューレンヴェークの駅から徒歩15分ほど。両側に広大な墓地が広がり、バウムシューレンヴェーク・クレマトリウム(火葬場)の門が見えた。

キリスト教社会において、火葬の歴史というのは比較的新しい。それまでは主として土葬だったからだ。ヨーロッパで最初の火葬場がミラノに造られたのは1876年。ドイツでも、人口の急増による土地不足や衛生上の理由により、火葬場を造る動きが出てくる。このバウムシューレンヴェーク・クレマトリウムは、今からほぼ100年前の1913年に完成した。

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ドイツの連邦首相官邸を思わせるクレマトリウムの外観

その当時造られた三角屋根の古い門を抜けると、キューブを思わせる幾何学的なデザインを持つ、打ち放しコンクリートの斬新な建物が現れた。「首相官邸にそっくり!」というのが私の最初の感想。それもそのはず、1999年に再建された現在のクレマトリウムの設計者、アクセル・シュルテスとシャルロッテ・フランクは、ほぼ同時期に「洗濯機」の愛称を持つ連邦首相府や、「連邦の絆」と呼ばれる一連の建築群も設計しているのだ。

関連記事:
首相官邸訪問! (2006-08-27)
祝U55開業@ブンデスターク駅 (2009-08-11)

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大きな自動ドアが開いて中に入ると、そこは円柱がいくつもそびえ立つホール。屋根を支える柱の支柱には丸い開口があり、天井から入る光によって、静謐な空間が作られている。これほどコンクリートを多用しているのに、人工的な匂いがまるでない。私は森の中をさまようように歩いた。壁に沿った正方形の穴に敷かれたさらさらの砂は、砂時計の砂が落ちて、消え去った時間を象徴しているそうだ。ホールの真ん中の丸い池の上には、キリスト教において復活や実りのシンボルである小さな白い卵が浮かんでいる。その周りに葬儀を行うチャペルが計3つある。

とはいえ、このクレマトリウムではキリスト教の象徴である十字架はほとんど見掛けなかった。様々な宗教の儀式にフレキシブルに対応しているところが、多文化が混ざり合うベルリンらしい。

この日は地下部分も見学することができた。ヨーロッパ最新鋭を誇る施設であるだけに、628体を保管できる遺体安置所から火葬炉まで、電動システムによる管理が行き届いている。日本と違うと感じたのが、火葬された骨は完全な粉になるまで砕くこと。ガイドの方が「これが骨を挽く機械です」と紹介すると、挽く(mahlen)という単語に私は、反射的にコーヒー豆の機械を連想してしまった。そして最後に紹介されたのは、小さな骨壺。

人の世は必ずしも平等ではないけれど、1国の首相であろうが、どんな国や宗教に属していようが、死は必ず訪れるという点においては平等だ。新年早々、火葬場の話で恐縮だが、限りある人生の時間を意識することで、逆に今という時が大切に思える。今年はどんな目標を立てようか。
ドイツニュースダイジェスト 1月3日)


Information
バウムシューレンヴェーク・クレマトリウム 
Krematorium Baumschulenweg


1911年にプロイセンが火葬を許可した後、ベルリンの2番目の火葬場として造られた。1992年から99年にかけて再建。柱がそびえるホールは、建築家がエジプトの神殿とコルドバのモスクからインスピレーションを受けて設計したという。これとよく似た地下鉄U55のブンデスターク駅も同じ建築家のデザインによるもの。
住所:Kiefholzstr. 221, 12437 Berlin
電話番号: 030-63958121
URL: www.krematorium-berlin.de


ゲリヒト通りのウルネン墓地 
Urnenfriedhof Gerichtstraße


地下鉄U6とSバーンのヴェディング駅からほど近い公共墓地。1912年に完成した、ベルリンで最初のクレマトリウムがこの中に残されている。現在は火葬場としては使われていないが、古典様式の寺院を模した立派な外観は一見の価値あり。将来的には、ギャラリーやアトリエなどを収容する文化施設として、再利用される計画もあるという。
住所: Gerichtstr. 37-38, 13347 Berlin
by berlinHbf | 2014-01-06 21:39 | ベルリン発掘(東) | Comments(1)

ベルリン王宮の再建始まる

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Schlossplatz (2012-04-06)

このブログを始めた2005年から折に触れて、ベルリンの王宮広場の移り変わりをお伝えしてきましたが、この6月、ついに王宮の再建工事が始まりました。冒頭の写真は昨年4月の様子。この数年間、芝生が敷かれ市民の憩いの場だった旧共和国宮殿の跡地は、いつの間にか様子が大きく変わりました。

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6月16日は取材で慌ただしい日だったのですが、夕方に何とか間に合いました。王宮の定礎式が行われた数日後というこの日曜日、Tag der offenen Baustelleとして工事現場が一般に公開されたのです。今後5年以上はかかる国家的な大工事、中を歩ける機会もそうないだろうと思いぜひ見てみたかったのでした。

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フンボルト・ボックスの横から敷地内に入ると、仮説の通路に沿って歩けるようになっています。特設ステージで演奏されるビックバンドの音楽が鳴り響く中、先へと行ってみました。

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共和国宮殿の時代のものか、鉄骨の残骸が生々しい形で置かれていたりもします。写真を撮っていたら、隣から「何だかアート作品みたいね」という声が聞こえてきました(笑)。

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一番奥に人だかりができています。何が置かれているのでしょうか?

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これこそが王宮の礎石。重さ2.5トンのこの石は、バンベルクの工房が1950年に破壊された王宮の第4門の破片を組み込んで作ったものだそうです。多くの人がこの前で記念撮影をしていました。

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その翌日、別の用事があってフンボルト・ボックスに上ったのですが、昨日歩いた道は消え去り、もう何事もなかったように工事が再開されていました。

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奥に見える建物の正面ファサードこそ、旧王宮の第4門です。1950年に東独政府は王宮を爆破したわけですが、この第4門はカール・リープクネヒトがドイツ社会主義共和国の宣言をした場所ということで、国家評議会の建物に組み込んだのです。先ほどの礎石に第4門の破片が混ざっているのも、表面の「1443 - 2013」の文字も、「王宮再建」の象徴的な意味が込められてのことでした。

共和国宮殿の解体と王宮の再建を巡ってはいまも賛否両論分かれているほどですが、ここまで来たらもう引き返すことはできないでしょう。王宮広場がいよいよ本格的に動き出しました。


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ベルリン王宮の再建始まる=巨費に批判も-ドイツ
 【ベルリン時事】ドイツのベルリン中心部で12日、第2次大戦中に連合軍の空爆を受けて廃虚となり、その後、旧東独政府が破壊したベルリン王宮の再建工事が始まった。2019年完成の予定で、博物館や大学施設として利用する。
 旧王宮は15世紀半ばに一部が建立され、18世紀初めにほぼ完成。大戦中の空爆で炎上し、修復は可能だったが、王宮を「軍国主義の象徴」とする旧東独政府が1950年に爆破した。
 旧東独は76年、跡地に人民議会の議場のほか、コンサートホールやボウリング場などの娯楽施設を備える「共和国宮殿」を建設した。しかし、90年のドイツ統一直前、大量のアスベスト(石綿)の使用が判明して閉鎖され、2008年に解体した。
 横120メートル、縦200メートルの巨大な新王宮の建設費は5億9000万ユーロ(約760億円)。欧州が債務危機に直面する中、巨額な費用に批判の声も上がっており、シュテルン誌の世論調査では、再建に反対との回答は65%で、賛成の30%を大幅に上回った。(2013/06/13-07:38)
by berlinHbf | 2013-07-11 15:07 | ベルリン発掘(東) | Comments(1)

近代化の最中のオストクロイツ駅

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S-Bahnhof Ostkreuz (2012-09)

久々に変わりゆくベルリンの風景をお届けしたくなりました。まずは、あのオストクロイツ駅。2008年から折りに触れて変化の様子をブログで紹介してきましたが(下の「オストクロイツ駅」のタグをクリックすると、ご覧いただけます)、前回の記事からいつの間にか3年も経ったことに気付きました。

昨年秋、久々にオストクロイツ駅の環状線のホームに降り立ったとき、あまりに変貌ぶりに呆気に取られてしまいました(ちなみに、2008年の様子はこちら。今にも蒸気機関車がやって来そうな雰囲気を残していました)。

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なんだか地に足が付かない気分のまま、Sバーン東西線のホームに降りてみました。

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すると懐かしい駅の風景が。幸い(と言うべきか)、こちらのホームはまだ大部分が昔のままでした。石造りのホームも、装飾がちりばめられたホームの鉄骨も。

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この向こうに見えるレンガ造りのホームの残骸。そこにはオストクロイツ駅で特に好きだったS9のホームがありましたが(こちらより)、数年前に消え去っています。橋口譲二さんの1992年の写真集『Berlin』で、東西統一直後のオストクロイツ駅の情景を見ることができますが、芸術作品というだけでなく、当時の気配を封じ込めた実に貴重な記録となっています。

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Sonntagstrasse「日曜日通り」側の出口に続く通り道。数年前までは、右手に簡素な駅舎がありました。

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「Schnellinbiss」と書かれた昔のインビスの建物も、いつの間にか解体されて跡形もなくなっていました。

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一方で、Ketwurstなる東独時代のホットドッグの屋台は健在!

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今回ご紹介した写真は、昨年9月末に撮ったもの。オストクロイツ駅の改装工事は、こちらの東西線のホームにももう及んでいるのかもしれません。

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駅の改装工事ごときであまり感傷的になるのもどうかと思いますが(笑)、好きな風景がベルリンからまたひとつなくなるのは、寂しいものです。次に訪れるときは、果たしてどうなっているか?
by berlinHbf | 2013-03-30 16:24 | ベルリン発掘(東) | Comments(1)

発掘の散歩術(29) - 解剖劇場へようこそ -

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Brandenburger Tor (2009-06)

初めてベルリンを訪れる人の多くは、まずブランデンブルク門に立ち寄る。あの古代ギリシア様式の門を設計し、歴史に名を残したのが建築家カール・ゴットハルト・ラングハンス(1732-1808)。この10月、彼が手掛けたもう1つの建築が改修工事を終え、一般公開された。その名もTieranatomisches Theater(動物解剖劇場)。

解剖劇場? 初めて耳にしたときは、何とも奇妙な印象を持った。動物の解剖をする場所であろうことは思い浮かぶが、それがなぜ「劇場」と結び付くのか。答えを求めて、見に行ってみることにした。

フリードリヒシュトラーセ駅を降り、シュプレー川を越えて歩くこと約10分。森鴎外記念館のあるルイーゼン通りを真っすぐ歩いて行くと、そこはフンボルト大学のシャリテー大学病院の敷地だ。忙しげに歩く白衣姿の医師の姿がときどき目に入るが、「Humboldt Graduate School」の黄色い建物の脇を抜けると、ふいに表通りの喧噪が消え、落ち葉で敷き詰められた芝生が目の前に広がった。古い建物が並ぶ中、均整の取れたプロポーションを持ち、てっぺんに丸いお椀のようなドームがかぶさった白亜の解剖劇場は、遠目からでもすぐにわかった。

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ラングハンスの設計により建てられた動物解剖劇場の外観

プロイセン国王フリードリヒ・ヴィルヘルム2世が、ラングハンスにこの建物の設計を命じたのは1787年のこと。新しく設立された王立獣医学校の中心機関となるべく計画された。当時、騎兵隊の馬が病気や疫病にかかれば、それは国家にとっての重大な危機を意味した。ゆえに、獣医の養成が急務とされたのである。

ラングハンスは北イタリアの名建築「ラ・ロトンダ」に倣って新古典主義様式で建物を設計し、2年の工事期間の後、1790年にそれは完成した。ちなみに、ブランデンブルク門が完成したのは1791年なので、当時彼は2つの建設現場を慌ただしく行き来していたではないだろうか。

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動物解剖劇場の舞台。馬や古代の英雄をモチーフにした天井の壁絵まで、美しく蘇った

建物やその改修にまつわる半地下部分での展示を見て回った後、いよいよ2階に上がる。入り口のドアを抜けると、そこが解剖劇場の舞台である講壇だ。神殿のような丸い天井、そして観客席が講壇を囲む様子は、まさに古代の円形劇場を思わせる。夢心地になるほどの美しさだが、そこで行われていたことを想像すると目が覚める。

講壇の前で案内してくれたおじいさんが、「昔は手動のエレベーターで、と殺された馬が下から講壇の中央に運ばれました。夏場は特に大変だったようですよ」と言って鼻をつまんだ。

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オランダ・ライデン大学の解剖劇場(Wikipediaより拝借)

16世紀末以降、このような解剖劇場はヨーロッパ中の大学に造られ、人体や動物の解剖が公開で執行された。時には一般市民が入場料を払って見学することもあったという。自然の神秘を体感する劇場というわけか。

ブランデンブルク門を見上げると、まず目に入るのは「勝利の女神」ヴィクトリアではなく、それを率いる4頭の馬の像であることを思い出す。彼らが率いる馬車のことを古代ローマではクアドリガと呼んだが、人類がまだ馬より速い乗り物を手にしていなかった時代、馬力こそが国力の礎だったのだ。
ドイツニュースダイジェスト 12月7日)


Information
動物解剖劇場
Tieranatomisches Theater


1790年に王立獣医学校の敷地内に完成。さまざまな歴史を経て、1990年代までここで講義が行われていた。2005年から7年間の改修工事を終えて、この秋から一般公開されている。現在の形での展示は来年4月14日まで(入場無料)。その後はフンボルト大学の講義や講演、展覧会、コンサートなどがここで行われる予定だという。

オープン:火〜土14:00〜18:00(2013年4月14日まで)
住所:Campus Nord, Philippstraße 13, Haus 3, 10115 Berlin
URL:www.kulturtechnik.hu-berlin.de


ブランデンブルク門 
Brandenburger Tor


いわずと知れた、ラングハンスの代表作。宮廷彫刻家ヨハン・ゴットフリート・シャドウ制作によるクアドリガが設置されたのは、門の完成からしばらく経った1793年のこと。シャドウの回想録によると、彼は生きた馬だけでなく、動物解剖劇場に展示されていた馬の骨格を観察してクアドリガを造ったという。1806年、ナポレオンがこれを「戦利品」としてパリに持ち去ったのは有名な話(その後、ベルリンに戻された)。
by berlinHbf | 2012-12-10 16:21 | ベルリン発掘(東) | Comments(0)

ベルリンで味わうロシアンティー

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目抜き通りのウンター・デン・リンデンから一歩入ったところに構えた、かつて宮殿だった建物の中に、そのお店はあります。店の名は「タジキスタン茶館」(Tadschikische Teestube)。

一歩入った瞬間、そこはもう中央アジアです。木彫りの美しい柱に、彫刻が施された天井。靴を脱ぎ、床に敷かれたじゅうたんの上でくつろいでいると、異国情緒の中にいながらも、心は妙に落ち着きます。

それにしても、なぜベルリンのど真ん中にタジキスタンが?
1974年、ライプツィヒで行われた見本市のソ連館で、本物に忠実な「タジキスタン茶館」が展示されました(タジキスタンは当時ソ連領でした)。見本市の会期後、東ドイツとソ連の友好協会のあったこの建物に、茶館がそっくりそのまま寄贈されることになったというわけです。

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名物のRussische Teezeremonieは2人から注文可能で1人7,5ユーロ

メニューにはさまざまな種類のお茶が並びますが、やはり名物のロシアンティーを頼んでみました。しばらくすると、種々のお菓子と共に、立派なサモワールがどんと机の上に置かれました。まず、キンキンに冷えたウォッカを1杯飲んでからお茶を飲むのが流儀だとか。ティーポットのお茶は非常に濃いため、お湯で薄めてから飲みます。ジャムを入れて飲んだり、合間にクッキーを頬張ったり、またウォッカに漬けた(!)レーズンを食べたりしているうちに、酔いの効果もあって体はぽかぽか温まってきました。

今は亡きソ連と東ドイツの友好関係が生んだ茶館での、優雅な午後のひとときでした。
(はまかぜ新聞 2012年4月)

Tadschikische Teestube
Am Festungsgraben 1, 10117 Berlin
Tel. (030) 2041112
Mo-Fr(月〜金) 17-24 Uhr
Sa und So(土日) 15-24 Uhr

この茶館のことをより詳しく知りたい方は、「気まま ・ ベルリン ・ カフェ巡り Vol.2」の記事がおすすめです。

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by berlinHbf | 2012-07-18 12:24 | ベルリン発掘(東) | Comments(6)

発掘の散歩術(23) -フンボルト・ボックスから眺める未来のベルリン-

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Unter den Linden (Ohne die Linden?) 2012年2月

ブランデンブルク門から東に延びるベルリン随一の目抜き通り、ウンター・デン・リンデンを最近初めて歩いた方は、びっくりされたかもしれない。「菩提樹の下」の通り名とは裏腹に、菩提樹の並木道がきれいになくなっている部分に出くわすからだ。

実はこれ、ある工事のための措置。ブランデンブルク門からアレクサンダー広場まで全長2.2キロの地下鉄U55の拡張工事が、2019年の完成を目指して間もなく始まるのである(菩提樹はその後、新たに植え直されるそうなのでご安心を)。

ウンター・デン・リンデンの先を行くと、さらに注目を集めるであろう巨大プロジェクトの現場が見えてくる。1950年までここに建っていたホーエンツォレン家の王宮の再建だ。

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ウンター・デン・リンデンの向こうに見えるフンボルト・ボックス

ルストガルテンの向かいの広大な敷地に今、八角形の奇抜な建物が立っている。その名も「フンボルト・ボックス」。「フンボルト・フォーラム」という名称で呼ばれる王宮の再建に関する情報センターだ。昨年夏のオープン後、観光客だけでなく地元住民にもなかなかの評判を呼んでいるというので、入ってみることにした。

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王宮の地下部分。貴重な部分は将来的に保存されるという

入場料を払って階段を上っていくと、まるで巨大な遺跡の発掘現場のような、裏手の敷地を見下ろせる場所がある。ここで掘り起こされているのは、かつての王宮の地下部分。将来、新しい地下鉄はこの真下を通る。

その先には、王宮の歴史と再建プランが、映像や模型なども交えて詳しく紹介されていた。建設費用の5億5200万ユーロのうち、8000万ユーロは募金で賄われることになるため、ここは訪れる人へのアピールの場でもあるのだ。そのため、自動募金機なるものも置かれていた。

上の階は、将来フンボルト・フォーラムに収容される国立民族学博物館とアジア美術館からの展示。シルクロードの遺跡や、見たこともないようなアフリカの生物の標本などがいきなり置かれているものだから、びっくりする。もともと、膨大な費用をかけて王宮を再建することは、ドイツ人の間でも意見が真っ二つに分かれた。ここに2つの非ヨーロッパ系のミュージアムを移すのは、王宮再建が決して単なる復古ではなく、世界に開かれた場所であることを示す狙いもあるのだろう。いずれにせよ、フンボルト・フォーラム は、ヨーロッパ5000年の文化財を収めた向かい側の博物館島と好対照をなすことになる。

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最上階まで上ると、そこは展望台兼レストラン。東の方向にはウンター・デン・リンデンとその奥のブランデンブルク門をきれいに見渡せた。何とも絶妙な位置に造ったものである。この眺めを体験するだけでも、入場料を払う価値はあると感じた。

連邦政府の財政削減策から延期 されていた王宮再建だが、いよいよ2014年から始まるという。完成は2019年の予定だ。楽しみでもあるけれど、「やれやれ、ベルリンの中心部はまた工事現場だらけになるのか」という思いとが相半ばしている。
ドイツニュースダイジェスト 6月1日)


Information
フンボルト・ボックス
Humboldt Box


2011年7月のオープン後、入場者数は27万人を越え、ベルリンの中心部で最も人を呼ぶ場所の1つになった。展示 は20時までだが、屋上のレストラン・カフェは23時まで営 業(月曜は20時まで)。入場料は4ユーロ(割引2.50ユーロ)。 フンボルト・フォーラムの建設が始まった後は、工事現場 を一望できる場所にもなる。

住所:Schlossplatz 5, 10178 Berlin
電話番号:01805 030 707
オープン:毎日10:00~20:00
URL:www.humboldt-box.com


ベルリン大聖堂
Berliner Dom


1905年に完成したバロック様式の壮麗なプロテスタント教会。第2次世界大戦の空爆で大きな被害を受けた後、1975年から93年まで長い年月を掛けて修復された。ホ-エンツォレルン家の菩提寺としても知られ、地下の霊廟にはフリードリヒ1世、フリードリヒ・ヴィルヘルム2世など、歴代の王族の墓が並ぶ。天蓋部分からの眺めも素晴らしい。

住所:Am Lustgarten, 10178 Berlin
電話番号:(030)20269 136
営業:月~土9:00~20:00、日祝12:00~20:00
URL:www.berlinerdom.de

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by berlinHbf | 2012-06-04 10:56 | ベルリン発掘(東) | Comments(4)

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