ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
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本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

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豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




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地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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ケーラー連邦大統領が突然の辞任

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6月1日の大衆紙BZの一面より

先日、マルティン・レーアさんのインタビューで取り上げたばかりの、ホルスト・ケーラー連邦大統領が、今日突然の辞任を発表。ドイツ中で驚きの声が上がっています。私自身、先ほどこのニュースを知り、とにかくびっくりしました。

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<ドイツ>ケーラー大統領辞任 アフガン発言で批判浴び
5月31日22時2分配信 毎日新聞
【ベルリン小谷守彦】ドイツのホルスト・ケーラー大統領(67)は31日、「我が国の重要で困難な問題について誤解を招く発言をした」として、辞任した。大統領は先に、アフガニスタンへのドイツ軍派遣について「ドイツの経済的利益のために軍事介入は必要」と発言し、批判を浴びていた。

ケーラー氏は04年7月に大統領に就任し、現在2期目。ドイツの大統領は国家元首だが政治的実権は限られ、象徴的な地位とされている。

------------------------------------------------

確かに誤解を招く発言ではありましたが、ケーラー大統領はそれまでも率直な物言いで知られており、今回のことで辞任に至るとは誰も予想していなかったのではないでしょうか。メルケル首相は12時頃、大統領からの電話で辞任の意向を初めて聞いて驚き、説得もしたそうですが、大統領の決意は変わらなかったそう。ドイツ連邦共和国の歴史で、国家元首である連邦大統領が任期半ばで辞任するのは、わずかな例外を除くと、初めてのことなのです。法律によると、30日以内に連邦会議(Bundesversammlung)で後継者を選ばなければならないことになっています。

それにしても、大統領のたった一言の発言が、命取りになるとは。先日のレーアさんのインタビューの中での、「そして特に大事なのが、政治的な事柄を考慮することです。大統領というのは、政治的なポジションにいるわけですから、大統領のやることなすことすべてがドイツという国家に帰せられます」という言葉の重さを痛感させられました。

関連記事:
マルティン・レーアさんインタビュー(1)(2)

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by berlinHbf | 2010-05-31 23:57 | ドイツ全般 | Comments(6)

三島由紀夫の国際シンポジウム

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今年は、作家三島由紀夫の没後40年。この記念の年にあたり、ベルリン日独センターがベルリン・ブランデンブルク学術アカデミーとベルリン自由大学との共催で、国際シンポジウム『MISHIMA! その国際的インパクトと複合文化的源泉』を開催しました(3月18~20日)。

初日は、日本文学者のドナルド・キーン氏、写真家の細江英公氏、作家の平野啓一郎氏、小説家のボリス・アクーニン氏ら多彩なゲストが自身と三島との関わりについて語り、その後、パネルディスカッションに移りました。「キーンさんや細江さんなど、三島と親交のあった方々が個人的なエピソードを披露し、三島という人に対して少し親近感が沸いた」とは、この日参加した一般の方の感想でした。

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私が足を運んだ2日目は、ベルリン自由大学に会場を移し、よりアカデミックな内容で進行しました。林道郎氏(上智大学)の「三島の残像:森村―ターンブル―ウォール」、Hong Yun Pyo氏(高麗大学校)の「韓国における三島由紀夫の受容」、イルメラ・日地谷=キルシュネライト氏(ベルリン自由大学)の「世界の文学のなかの三島」など、三島文学の多様性や世界に与えたインパクト(さらにその問題点も含め)に焦点が当てられ、「Mishima」が現在に至るまで、文学のみならず映画や戯曲、オペラ、美術など様々な分野で人々を刺激し続けていることがわかりました。話の内容はところどころ難解でしたが、平野啓一郎さんがツイッター上で、「14歳の時にこれを読んでいなかったら、おそらく違った人生になっていたはず」と語っていた『金閣寺』を含め、この機会に改めて三島作品を読んでみたいと思いました。

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「三島とラシーヌ」というテーマで講演をしたドナルド・キーン氏

余談になりますが、休憩時間中にドナルド・キーンさんと少しだけお話しすることができました。ベルリンに来られるのは3度目とのことで、最初の訪問は何と1931年、9歳の時だったとか!貿易商だった父親に頼み込んで、ヨーロッパ周遊のお供をさせてもらったのだそうです。「アメリカは国土が広く、それ自体が多様でしょう。周りの人は『なぜわざわざ外国に行って外国語を勉強する必要があるのだ』と反対しましたが、私はどうしても外国で同世代の子どもたちとコミュニケーションを図りたかったのです」。2年前に文化勲章を授章された現在87歳のキーンさんですが、熱く語るその姿に異文化への好奇心の原点を見る思いがしました。
ドイツニュースダイジェスト 4月16日)

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by berlinHbf | 2010-04-15 19:50 | ドイツから見た日本 | Comments(5)

国際シンポジウム『MISHIMA! 』のご案内

ベルリンの日独センターから今週開催の国際シンポジウムのご案内をいただきました。テーマは『MISHIMA! その国際的インパクトと複合文化的源泉』。こちらから詳細の内容を見ることができますが、ドナルド・キーン、三浦雅士、平野啓一郎、横尾忠則などなど、ゲストの面々がすごい。私もかなり興味を抱いています。以下は同センターのHPより。


国際シンポジウム『MISHIMA! その国際的インパクトと複合文化的源泉』

開催予定日: 2010-03-18 - 2010-03-20
会場: ベルリン・ブランデンブルク学術アカデミー、ベルリン自由大学
協力機関: ベルリン・ブランデンブルク学術アカデミー、ベルリン自由大学


 三島由紀夫は今でも、日本を代表する文学者として世界中から認められている。その死から現在に至る何十年かの間、三島という名は、世界における日本文学・文化の受容のかたちに影響を与え続けてきた。しかし、そんな三島の影響を比類ないものにしているのは、彼が世界中の芸術家や知識人達に与えてきたインパクトのためでもある。三島はあらゆる形で、映画、演劇、バレー、オペラ、文学など多くの分野の芸術家に刺激を与えてきたのである。日本においても最近、この作家への新たな関心の増大を見ること出来る。三島は存命中、“高度な文化”とサブカルチャーの間を自由に行き来し、そこにある多くのジャンルを使いこなしていたが、長い間、過激な反動作家と見られてきた三島が、今では“クール”な日本を象徴しているのだろうか?一体、三島の何が世界中の芸術家達を魅了したのか?三島の創造性の源泉はどこにあるのだろう?

 三島由紀夫のセンセーショナルな自死から丁度40年。この会議は、三島由紀夫という文学者の魅力、同時にその問題性を掘り下げることを目指して開催される。集まった一般聴衆を前に、三島文学がこれまで国際文化の世界へ与えてきたものへの反響を具体的に紹介しようとするのが、会議の前半である。会議の後半は、学術的性格のより強いものとなり、ヨーロッパやアジア文学・文化と三島の作品の関連について、世界各国の研究者達が発表する。

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by berlinHbf | 2010-03-15 18:30 | ベルリン文化生活 | Comments(0)

街角にやって来たベルリナーレ

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U7 Eisenacher Str.にて(2月19日)

ベルリン国際映画祭(通称ベルリナーレ)で、例年最も注目を浴びるのはコンペ部門であり、メイン会場「ベルリナーレ・パラスト」の赤じゅうたんを歩く世界中から集まったスターたちです。とはいえ、ベルリナーレを世界3大映画祭たらしめているのは、聴衆の大部分を占めるベルリンっ子たち。今年60回目を迎えたベルリナーレでは、そんな地元の映画ファンにあるプレゼントが用意されました。“Berlinale Goes Kiez”というシリーズです。

「キーツ」とは、自分が住む界隈のことを(時に愛着を込めて)呼ぶ際、ベルリンでよく使われる言葉。最新の設備を備え、ハリウッド系の大作を中心に上映する大きな映画館(いわゆるシネコン)だけではなく、規模はずっと小さいながらも、地元の人々と共に歴史を歩んで来た、いわば街角の映画館がベルリンにはいくつも存在します。

“Berlinale Goes Kiez”では、映画祭の期間中、毎日1カ所キーツの映画館が選ばれ、そこで2本の映画が上映されました。コンペ作品もあれば、ノイケルンの映画館では『Neukölln unlimited』、ケーペニックの映画館では旧東ベルリンを舞台にした新作『ボックスハーゲナー広場』といった風に、それぞれの地域に縁のある作品が取り上げられることも。ヴィム・ヴェンダース、カトリン・ザース、トム・ティクヴァなど、毎回異なるゲストが登場してキーツの映画館への思い入れを語ったり、監督や出演者が顔を揃えたりしたのは、やはり国際映画祭ならではと言えるでしょう。ベルリナーレの雰囲気が近所の小さな映画館でも味わえるということで、ほぼすべての上映が完売という盛況ぶりでした。

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赤じゅうたんが敷かれたキャピトル・ダーレム前

そんな中、私も1本だけこのシリーズを体験することができました。ダーレム地区にある「Capitol Dahlem」は、戦前の古い邸宅を改造して作られた座席数160席ほどの映画館。そこで、トルコ人のセミ・カプラノグル監督による『はちみつ』(Bal)という作品を観ました。これは『卵』『ミルク』に続く、同監督の3部作の最後を飾る作品で、アナトリアの山岳地方で養蜂業を営む父と7歳の息子をめぐる物語です。台詞はとても少ないのですが、詩情の豊かさと卓越した映像美に魅せられました。

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「この作品が人間と自然の関係を考えるきっかけになれば」と舞台挨拶をするカプラノグル監督

ご存知の方も多いと思いますが、この『はちみつ』は、記念すべき第60回のベルリナーレで金熊賞に輝きました。ドイツでの一般公開もそう遠くない先に始まるでしょう。この佳作が多くの人々の心に届くことを願っています。
ドイツニュースダイジェスト 3月5日)

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冒頭のベルリナーレのポスター、近寄って見ると、過去60回の上映作品がぎっしりと印刷されていた。

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by berlinHbf | 2010-03-05 23:57 | ベルリン文化生活 | Comments(2)

KaDeWeのクリスマス

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ドイツを始め、ヨーロッパは寒波が到来中だそうですね。皆さん、どうぞお体にご自愛ください。今回は、日本に戻る直前、地元誌に書いた小さな記事を再掲します。

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毎年この時期はベルリンのクリスマスの様子をお届けしていますが、今年は老舗デパートKaDeWe(カーデーヴェー)のデコレーションをご紹介しましょう。

カーデーヴェーは1907年創業の、今も昔もドイツで最大級の高級百貨店です。世界中の食材が手に入る6階の食品売り場は特に有名ですが、毎年異なるクリスマスのデコレーションを楽しみにしているベルリンっ子は多いのです。

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さて、今年はどんなだろうと期待を膨らませてエントランスホールに入ると、ゴージャスに装飾されたツリーが目に飛び込んできました。周りのクリスマスマーケットには種々のオーナメントが並び、メリーゴーランドを模したお店があるかと思えば、異国に迷い込んだようなオリエンタルなムードも漂わせています。子供から大人まで見入ってしまう演出は、「さすがカーデーヴェー!」と唸ってしまいました。

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外のショーウィンドウは、曲芸師やバレリーナ、サーカスの世界をモチーフに構成されており、こちらも楽しめました。

今年はカーデーヴェーの親会社であるアルカンドーア社が倒産し、ドイツ社会に暗い影を落としましたが、まばゆい光に誘われ、クリスマスマーケットには相変わらず多くの人が足を運びます。不況のご時勢でも、12月は個人消費が一時的に伸びるのだそうです。多くのデパートが、例外的に日曜日も営業していることと関係しているのでしょう。

今年も1年間お付き合いいただき、どうもありがとうございました。皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。
(はまかぜ新聞 12月18日)

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by berlinHbf | 2009-12-21 02:50 | ベルリンのいま | Comments(5)

2009年11月9日のベルリン

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ポツダム広場にて(2009年11月9日)

数日前、ようやく自宅のネットが開通し、新居での生活が快適になってきました。12月に日本に一時帰国するまでの間、また折に触れてブログを書いていきたいと思います。

さて、11月9日の「平和の祭典」の日ですが、この日は雨天だったにも関わらず、やはり昼間からそわそわしていました(初めてYouTubeの映像を使って、いくつかご紹介します)。



まず、この日の15時から最初に壁が開いたボルンホルマー通りの検問所でメルケル首相やゴルバチョフさんが参加しての式典があるというので、Sバーンに乗って見に行くことに。が、新聞をよく見ると、「参加希望者は身分証明書持参で、1時間前までにはそこにいること」と書かれており、橋の上が人で溢れるその下の駅を電車は見事に通過していきました(笑)。昔の幽霊駅を通過する時もこんな感じだったのかなあという思いでしたが(分断時代、この駅は実際に幽霊駅でした)、まあ残念。この式典では、旧東独の民主化運動指導者だった約100人が招かれていたというニュースが興味深かったです。

関連記事:
ベルリンの壁:崩壊20年式典 旧東独民主化指導者を評価 毎日新聞 小谷守彦記者
(小谷記者の「天使は降りたか」という連載も、自分にとって身近なテーマで面白かったです)
18年前の歓喜 - ボルンホルマー通りにて - (2007-11-09)

上の映像では1:00から、ベルナウアー通りの壁記録センターでの式の様子が写されています。記録用の壁と壁の緩衝地帯に、最近監視塔が新たに再現されたのですが、それも写っていますね。



さて、夜の部ですが、「自由の祭典」に先立ち、ベルビュー宮殿で行われたケーラー大統領による各国首脳歓迎会の中継映像が面白かった。いくらベルリンでも、30カ国の首脳が一堂に会する機会などそうそうありませんから。ヒラリー・クリントンはやっぱり華があるなあ、なんて思ったりも。

その後の注目のドミノ倒し。まだご覧になっていない方は、上のハイライト映像でどうぞ。



こちらは英語のニュース映像。ところで、1999年の壁崩壊10周年の記念式典はどういうものだったか覚えている方はいるでしょうか。当時、私は大学4年生で、ドイツ語を教えてもらっていた留学生の下宿先で、彼が録画したBSのベルリンの映像を一緒に見た記憶があります。いずれにしろ、10周年の時より、お祭りとしての規模ははるかに大きいものだったはず。ドミノ倒しが派手だった分、一夜限りのイベントやショーとしてだけで終わってほしくないなという思いも同時に抱きました。

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by berlinHbf | 2009-11-14 19:06 | ベルリンのいま | Comments(2)

ドイツ総選挙、ベルリンの「東西分断」

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ご存知の方も多いと思いますが、先週日曜日、ドイツでは4年に1度の連邦議会の総選挙が行われました。前回(2005年)と同じく右派、左派ともに過半数を取れないのではと予想されていましたが、ふたを開けてみるとCDUとFDPが過半数を獲得し、メルケル首相が希望していた中道右派の連立政権が樹立される見通しとなりました。最終結果を並べてみるとこうなります(表はwikipediaより)。

CDU/CSU(民主・社民同盟) 33.8%
SPD(社会民主党) 23.0%
FDP(自由民主党) 14.6%
Linke(左派党) 11.9%
Grüne(緑の党) 10.7%
その他 6.0%

目立つのはSPDの戦後最大の惨敗ぶり。メルケル首相が党首を務めるCDUとて、戦後2番目という低支持率だったのですが、リベラル派のFDPの躍進に助けられて、コール政権以来11年ぶりとなるCDUとFDPの連立が実現されることとなったのです。2大政党の低調ぶりに比して、小政党の成長が前回以上に進んだ形となりました。

では、首都ベルリンの結果はどうだったか?これがいろいろな意味で興味深いものでした。

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まずベルリン西地区ですが、やはりSPDとCDUの順位が逆転しています(右端の数字が2005年時の結果)。目立つのは緑の党の支持率の高さで、これは移民の多いクロイツベルク=フリードリヒスハイン地区について特にいえることです。FDPとLinkeの数字は、全国平均とほぼ同じと見ていいでしょう。

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次にベルリン東地区ですが、前回トップだったSPDと東独時代の独裁政権(社会主義統一党)の流れを組むLinkeの順位が逆転。もはや断トツと言ってもいいくらいの強さです。緑の党は全国平均よりも高いですが、今度政権を取るCDUとFDPの存在感は東では影を潜めています。

ドイツの選挙制度は小選挙区比例代表併用制と呼ばれ、有権者は2票が与えられます。第1票(Erststimme)は小選挙区制(Mehrheitswahlrecht)で候補者を1人選択。第2票(Zweitestimme)は比例代表制(Verhältniswahlrecht)で、そこでは政党を選ぶわけですが、ベルリンの第2票の結果をグラフにするとどうなるか。

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黒がCDU、緑が「緑の党」、ピンクがLinkeです。これを見て唖然とした人は多かったのではないでしょうか?私も思いましたよ。「これじゃあ、壁があった時代と何も変わらないじゃないか!」と。

(ちなみに2005年は、Linkeがトップだったのは東のリヒテンベルク、マルツァーン=ヘラースドルフの2地区のみ。CDUがトップだったのは西のシュテーグリッツ=ツェーレンドルフ地区のみで、他は全てSPDが占めていました)

それにしても見事なまでの「東西分断」です。この20年とは一体何だったのかと思ってしまいますね(これについてターゲスシュピーゲル紙が「選挙の壁が町を分ける」という記事を載せています)。

奇しくも昨日、かつて東ドイツから西に亡命した方の話を聞いてきたばかりでした。その方は東ドイツに今でも強い嫌悪感を持っていて、こんなことをおっしゃっていたのが印象に残っています。
旧東の人がこれほど左派党に流れている理由が理解できない。昔の方がよかったなんて言うけれど、SED(社会主義統一党)やシュタージがどれほど人々を抑圧・弾圧していたか・・・。左派党の連中の多くがそれらに直接関わっていたんだよ。今の社会で失業する方が東ドイツで職にありつくよりずっとマシだと私は言いたいね。

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by berlinHbf | 2009-09-30 18:14 | ベルリン発掘(全般) | Comments(7)

世界陸上2009観戦記

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この原稿を書いている今、ベルリンは世界陸上の真っ最中です。私は大会2日目に、五輪スタジアムで観戦してきました。興奮が冷めないうちに、その様子をリポートしたいと思います。

この日のハイライトは何といっても男子100メートルの決勝。観客の多くも、この種目がお目当てだったと思いますが、ほかの競技も予想以上に素晴らしいものでした。一流のアスリートが見せる肉体美はもちろん、パフォーマンス直前の極度の集中力とそこから解き放たれた競技中のスピード感、さらに好記録が出た時の爆発的な歓喜のコントラストは鮮やかで、そこにはスポーツ特有のカタルシスがありました。また、スタジアムの雰囲気も最高。地元ドイツの選手が登場すると、ひと際大きな声援が送られていましたし、逆に選手の方から手拍子を呼びかけ、観客がそれに呼応することもありました。アスリートと彼らを盛り立てようとする観客との間に、巨大なハーモニーが生まれる感じなのです。

19時過ぎ、男子100メートルの準決勝に世界記録保持者のウサイン・ボルトが登場。ただ、そのレースでは別の選手によるフライングが2回あり、ボルト自身の走りも最後は流し気味で、準決勝にしてはやや緊張感に欠ける印象でした。

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しかしその2時間半後、世界中の人々が注目する決勝は何もかもが特別でした。会場のボルテージは最高潮に達し、身震いするほど。何かとてつもないことが起こりそうな予感がしました。

決勝はきれいなスタートでした。私はゴール正面のかなり上方にいたのですが、選手がこちらに突進してくる様子を肉眼ではっきりと見ることができました。長身のボルトの走法は恐ろしいほどダイナミックで、視覚面でもほかの選手を圧倒していました。結果はご存知の通り、9秒58という驚異的な世界新記録! その瞬間スタジアムを揺るがした地鳴りのような大歓声は忘れられません。偉大な記録が生まれた瞬間に居合わせることのできた感動と興奮は、今後の私の人生の中で色あせることはないでしょう。

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とはいえ、ほかの日はもちろん、「陸上の華」男子100メートル決勝の当夜でさえ、スタジアムが満員にならなかったという事実は、どのように説明すれば良いのでしょうか。大会後半になって、「チケットの値段が高過ぎたのではないか?ガラガラのスタンドをさらすのなら、当日余ったチケットを安く販売すべき」「これまでの売れ行きは妥当。バーゲン売りをしたら正規の値段で買った観客に失礼だ」(主催者側)といった議論が地元紙を飛び交っていました。今大会の入場券は30~135ユーロ。この値段設定をどう見るべきか。私が買ったのは50ユーロの席。この日のコスト&パフォーマンスは最高だったのですが……。
ドイツニュースダイジェスト 9月4日)

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by berlinHbf | 2009-09-03 11:21 | ベルリン発掘(全般) | Comments(4)

前代未聞のSバーンの大混乱

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S-Bahnhof Friedrichstraße (2009-07-24)

80年近い歴史を持つベルリンのSバーンが、かつてない大混乱に陥っています。東京に例えると、山手線や中央線をはじめ、JRの近郊電車が数週間にわたってほぼ麻痺状態になるという、普通は考えられない状況です。

事の発端は5月1日にカウルスドルフ駅で起きたSバーンの脱線事故でした。幸い大きな事故ではなかったものの、ある車輪円盤に見つかった50ミリの亀裂が事故の原因だったことがわかり、鉄道連邦庁は車輪検査の周期を短くするよう命じました。Sバーン側はその要求に応じましたが、実際は要求された規模の検査を行っていないことが6月末に発覚。同庁から、検査が実施されていない車両を運行から外すよう命じられました。その頃からSバーンのダイヤが大幅に乱れ、街は大混乱に陥ったのです。

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脱線事故で今回の騒動の発端となったSバーンの481型

Sバーンの経営側は7月20日から2週間半にわたって、8つの路線と19の駅の営業を休止し、緊急ダイヤを実施することに決めました。その中には、ツォー駅から中央駅を経て東駅まで続く大動脈やシェーネフェルト空港行きの路線も含まれているというから、これは一大事。運休中の路線では、姉妹会社であるドイツ鉄道のレギオナル・バーン(地域鉄道)やバスによる代替輸送が実施されました。

今あるSバーン632両のうち、安全基準を満たしている車両は4分の1だけとのこと。車軸を超音波で調査し、場合によってはそれを交換する作業が急ピッチで進められていますが、同社は車軸を扱っていた工場を数年前に解体、その際に従業員も解雇したため、修理工の人員が足りていないという不都合も重なりました。

しかし、8月3日、現場の必死の作業もあって、当初の予定より早くこの状況に終止符が打たれました。通常ダイヤより本数は少ないものの、現在はほぼすべての路線で運行が再開しています。ベルリンでは、8月15日から23日まで「世界陸上」という一大イベントが控え、世界中から大勢の関係者や見物客がやって来るだけに、ひとまず安堵した関係者は多かったことでしょう。

とはいえ、通常の状態に戻るのはまだ当分先のことです。Sバーン社長のブーフナー氏は、最近のインタビューの中で、Sバーンが通常ダイヤに戻るのは12月と約束していますが、懐疑的な見方もあります。これからベルリンに来られる方には、Sバーンのサイト(www.s-bahn-berlin.de)などで最新の情報をチェックされておくと良いかもしれません。
ドイツニュースダイジェスト 8月14日)

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by berlinHbf | 2009-08-12 21:19 | ベルリン発掘(全般) | Comments(6)

祝U55開業@ブンデスターク駅

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U-Bahnhof Bundestag (2009-08-08)

首相官邸の真下を通ることから、「首相線」(Kanzler-Linie)という呼び名が定着しているこのU55ですが、ヴォーヴェライト市長は開業に際して、この線を"Linie der Einheit"(統一線)と呼びました。ブランデンブルク門の下を通る新線というのは、東西分断時代は考えられなかったからです。実際、U55はドイツ再統一後に開業した最初の地下鉄線ということになります。

さて、超満員の電車に揺られること2分弱、真新しいブンデスターク(連邦議会)駅に到着しました。

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実はここに来るのは初めてではありません。そう、昨年5月の地下鉄駅の「魔笛」で一度ご紹介しましたね。このベンチの上で、パパゲーノやタミーノがひょうきんに演じていたのを思い出しました。それにしても、暑い一日でしたが、駅の内部はひんやりとしていい気持ち。モニュメンタルな柱と相まって、本当に神殿のような地下鉄駅です。

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地上に上がると、目の前が首相官邸、そして向かいのパウル・レーベ議員会館。ここも大勢の人で賑わっていました。

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ここまで来たら、もう一度地下に戻らずに、歩いた方が早いんじゃないかと思うほど中央駅とは目と鼻の先なのですが(笑)、今日はおめでたい日なので最後まで付き合うことにしました。では出発進行!

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by berlinHbf | 2009-08-11 15:33 | ベルリン中央駅 | Comments(2)

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