ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

Amazonにてネット購入ができます。



『街歩きのドイツ語 』
¥1,575
三修社

豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
¥1,575
ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

ベルリン更新情報
2013/02/20 up

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執筆、ガイド、コーディネートなどのご依頼、お問い合わせはこちらまで(これまでの出版・寄稿実績)→
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タグ:日本(Japan) ( 112 ) タグの人気記事

山梨での週末

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横須賀の実家に1週間ほど滞在した後、先週末は山梨県に住む義理の両親のもとを訪ねた。義母は長男の出産時に3週間ほどベルリンまでヘルプに来てくれたが、義父は今回が孫と初対面。土曜日は天気がよかったので、河口湖に面した天上山(通称カチカチ山)のロープウェイに連れて行ってもらった。

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カチカチ山にロープウェイで上るのは、かれこれ25年ぶりだった。前回上ったときと山頂の設備も観光客の顔ぶれも大きく変わっていたけれど(外国からのお客さんが本当に増えた)、ここからの富士山の眺めはやはり感動的。

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昼食は富士吉田にある美也川といううどん屋へ。普通の民家のような座敷の席で、つるつるの吉田うどんをいただく。

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夜は甲府盆地の東南端にある「みたまの湯」という温泉に連れて行ってもらった。東日本と西日本を分けるファッサ・マグナの開口割れ目に位置する天然温泉だそうで、露天風呂からは甲府盆地を一望のもとに見渡せる。茶褐色の独特の湯は、数万年前の太古の植物から溶け出した天然有機物が混じったものだ。そんなことが書かれた浴場内の説明文を湯に浸かりながら読むと、自然の恵みと悠久の時の経過を感じずにはいられない。そして、家に戻って間もなく、今回の滞在中で2回目になる地震に遭遇したのだった。これもまた、普段のベルリンの生活では決して味わうことのない感覚・・・。

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帰りは石和温泉駅から「かいじ」に乗って東京へ。2年前にこの駅を利用したときは(写真は2013年4月の様子)、国鉄時代の面影を残す趣きのある駅舎だったのだが・・・

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いつの間にか近代的な駅舎に生まれ変わっていてびっくり。車窓からの新緑の風景を楽しみながら、新宿、品川と乗り換えて京急へ。生後4ヶ月半の息子にとって、ベルリンから成田への飛行機での移動ほどではないにせよ、3時間半の鉄道の旅も大移動だったはず。最後の方では電車の中でかなり豪快に泣き叫んだため、最寄りの駅に降り立ったときは、私たちも少々ぐったりとなってしまった・・・。

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今回の一時帰国では、いろいろな方々が息子に会いに来てくれたり、また面倒を見てくれたりする。普段とは違う人びとと触れ合うことで、この2週間で成長しているなと感じる一方、気持ちが昂ったためか夜なかなか寝付けないこともあった。猫という生き物に接するのも、そういえばこれが人生で初めてのはず。昨年秋にやって来たクルミちゃん(写真)の前に連れて行っても、最初の頃は決して目を合せようとしなかった息子だが、やんちゃな猫に少しずつ慣れてきているのかどうか。

by berlinHbf | 2015-06-02 00:54 | ニッポン再発見 | Comments(4)

エネルギー問題をテーマにした展覧会

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連邦外務省で行われた展覧会より

ベルリン市中心部のジャンダルメンマルクト広場やフンボルト大学などから近い連邦外務省では、定期的に展覧会が開催されています。10月16日から約1カ月間、Lichthofと呼ばれる入り口のホールで、日本の新進作家から成るグループ「団DANS」が、エネルギー問題をテーマにした展覧会を行いました。

麻生和子氏がオーガナイザーを務め、計11人の作家がそれぞれの作品を披露した今回の展覧会のタイトルは、「Thinking of ENERGY - from the experience of FUKUSHIMA」。団DANSはその趣旨をこう説明しています。

「津波によって引き起こされた福島の原子力発電所の事故は、日本に住む人だけでなく、世界中の人々に問題を提起しました。特に日本に住んでいる私たちにとって、今人々が求めている豊かな社会を実現するのにエネルギーは不可欠で、安い原子力エネルギーには誘惑を感じます。そして、今も将来においても原子力エネルギーを使い続けることには問題があると、皆が十分気付いているにもかかわらず、私たちは日々の生活を何も問題がないかのように(気付かぬふりをして)過ごしています」

インスタレーション、彫刻、絵画、写真など多彩な表現手段の作品が並ぶ中、私はある映像に引き込まれました。人通りが皆無な福島県双葉町で、除染服を着た男性が自らビデオを回しながら語っています。彼が卒業したと思われる学校の前では、校歌を歌い始めました。それは、悲痛というものを越えた叫びのようでした。

この作品を作った太湯雅晴さんが説明してくれました。ビデオを回していた男性は双葉町に住んでいた大沼勇治さん。町の商店街の入り口に掲げられ、後に原発推進の象徴にもなった「原子力 明るい未来のエネルギー」の標語の作者です(小学6年だった当時、学校の宿題として作ったと言います)。太湯さんは、大沼さんを取材した映像と、その裏側のネオン管で作った標語とで作品を構成しました。

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原発推進の標語をテーマに作品を制作した太湯雅晴さん

「あの標語は、地元住民と電力会社との一種の『共犯関係』で成り立っていました。大沼さん自身、後悔の念が強いようです。ただ、私はこの作品によって何らかの意見や答えを示すつもりはありません。原子力発電所を中心としながらも、一歩引いた視点から、その周辺で何が起きたのか、大沼さんの個人的な視点と体験を通して提示したかった」と語ります。

明快な答えの見付けにくいエネルギー問題を、アートという形で問い掛けた連邦外務省での展覧会。太湯さんに話を伺っている横でも、地元の訪問者が作品の前で立ち止まっては見入っていました。http://dandans.jp
ドイツニュースダイジェスト 11月21日)
by berlinHbf | 2014-11-22 13:13 | ベルリン文化生活 | Comments(0)

シンポジウム「文化政策による中小都市の再生」

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ベルリン日独センターで行われたシンポジウムの様子

この夏、日本に一時帰国して改めて感じたのが、東京からそれほど離れていない中規模都市の疲弊具合でした。私の出身地の神奈川県横須賀市は、2013年の人口減少数が全国で最も多かったそうで、少年時代に過ごした街角で子どもの姿をほとんど見掛けなくなったのを寂しく感じました。人口減少や高齢化、大都市への人口集中がこのまま続くと、40年には全国の約30%、実に523の地方自治体が消滅する危険があるというショッキングな推計(日本創世会議)も出ており、これから本格的に準備が始まる20年の東京五輪・パラリンピックという国家的行事の陰で、非常に危惧すべき問題です。

9月4日にベルリン日独センターで行われた国際シンポジウム「文化政策による中小都市の再生――ドイツ・中欧と日本の対話」は、共通の問題を抱える日本とドイツ、中欧の各都市からのパネリストや参加者が集まり、「都市の再生のため文化に何ができるか」を議論する意義深い機会となりました。

前半の趣旨説明では、ニッセイ基礎研究所の吉本光宏氏による徳島県神山町の事例報告が大きな注目を集めました。吉本氏によると、古くから林業を主要産業としていた神山町では過疎化や高齢化が急速に進み、人口はかつての3分の1以下の6000人にまで落ち込みました。しかし、1999年にNPO法人主宰の「アーティスト・イン・レジデンス」が始まると、国内外からやって来たアーティストと彼らをサポートする地元の高齢者との間で創造的な気風が生まれます。町の情報発信のサイトを立ち上げたところ、神山への移住需要が顕在化し、古民家や空き店舗を利用した「ワーク・イン・レジデンス」という仕組みにより、今度は働き手や起業家を「逆指名」していきました。すると、商店街の再生が進み、神山町の自然や人の魅力に惹かれてIT企業までもが次々と神山へ進出・起業するようになったというのです。このような地域再生が行政組織ではなく、主に高齢者の住民から成るNPO法人によって推進されていることに驚きました。

関連サイト:
神山町の情報発信サイト「イン神山

その後のパネルディスカッションでは、同志社大の河島伸子氏が「文化は経済のお荷物ではなく、文化こそが経済を助け、動かす」という文化・創造経済の視点で語り、神戸大の藤野一夫氏は「特に日本の場合、国土の70%を占める森という資源を見直し、文化政策とエネルギー政策を結び付ける形で地域の自立性を養うべきだ。人々が当事者として判断し、問題を解決していく、強くしたたかなコミュニティーを作ることが、日本やドイツの小さな地域や町が生き残っていく上で重要ではないか」と力説しました。

この日のシンポジウムには東大や神戸大、同志社大、獨協大などの学生も多数参加。彼らはその後、ポーランドとの国境の町ゲルリッツに向かい、ツィッタウ・ゲルリッツ大学と共同のワークショップに取り組んだそうです。藤野氏が語るような「強くしたたかなコミュニティーを作る」ための芽がここから育つことを期待したいと思います。

by berlinHbf | 2014-09-19 20:25 | ベルリン文化生活 | Comments(3)

日本の夏2014

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ベルリンに戻って、テーゲル空港に降り立ったとき、ちょっと肌寒いほどのひんやりした空気が体を包みました。数日経って、こちらの生活に馴染んでくると、日本でのあの暑さが急速に記憶の背後に過ぎ去っていく感じがします。忘れないうちに、いくつか書き記しておきたいと思います。

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実家に帰って最初の1週間は、ベルリンで残してきた執筆作業に追われていました。そんな頃、地元の花火を2つ見ることができました。これは三浦海岸の花火大会。
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花火を見るのは本当に久々でした。知らぬ間に花火も進化していて、三浦のだとスイカや三浦大根を模したものまであって、大いに楽しみました。

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その後、3日間ほど山陽方面に旅行に行き、戻った頃はお盆休み。東京と茨城の親戚のお墓参りに行きました。海外に住んでいる自分にとっては、これもまた貴重な時間でした。これまでほとんど知らなかった家族の歴史に思いを馳せたり、叔父の幼少期の戦争体験を初めて聞いたり・・・。今回の滞在中、家族全員が揃った唯一の日でもありました。

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それにしても、子どもの頃から知る街が寂れているのを見るのは、ちょっと切ないものがあります。私の実家のある横須賀市も人口減の問題に直面しており、2013年には人口減少数が全国トップという不名誉な記録を作ってしまったとか・・・。

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妻の実家のある山梨にも何度か足を運ぶ機会がありました。山梨は盆地にあるため、経験したことのないような暑さには参りました。その一方、日本の夏の山河の青々とした美しさには目を見張りました。大きな入道雲も久々に見たなあ。

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勝沼にある「ぶどうの丘」からの眺め。残念ながら、富士山は今回一度も望めませんでした。

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後半は東京にも何度か出かけました。雨の日の渋谷駅ハチ公口。今回は友達にはあまり会えませんでしたが、仕事でつながりのある方々にご挨拶に伺えたのはよかったです。

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3週間ほどの間に美味しいものをたくさんいただきましたが、忘れられない味のひとつが、山梨のある温泉&鰻屋で食べたうな重。温泉に入った後に、いまや貴重になってしまったうな重を食する。もう言葉にならない美味しさでした^^

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相変わらず箱に収まるのが好きな実家のネコ、ミントくん(6年前の様子はこちらより)。また来年会えることを願って。

by berlinHbf | 2014-08-30 22:34 | ニッポン再発見 | Comments(0)

大津諏訪神社の御柱祭を見る

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今回の一時帰国の最後に、ちょっと特別なお祭りを見ることができました。実家から近い京急新大津駅近くの大津諏訪神社は、10年後に創建から1200年の節目を迎えます。10年後を見据えたプレ行事として、信州諏訪大社で7年に一度行われている有名なお祭り「御柱祭」が横須賀で実現することになったのでした。昨日8月23日(土)の夕方、諏訪神社に行ってみると、まさに祭りの最高潮を迎えており、気分が高揚します。

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諏訪市の山林から運ばれて来た長さ15メートルの巨大な樅(もみ)の大木を、近くの公園から神社の境内まで人力で曳く「里曳き」がちょうど行われていました。この週末のお祭りのために、準備段階から協力して来た本家の諏訪神社から190人もの氏子が駆けつけたそう。里曳きには地元の人々も参加し、声をかけながら、ゆっくりと鳥居をくぐるのに成功すると、大歓声が起こりました。

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無事に神社の境内に曳き付けると、木遣りが歌われ、さらにラッパ隊がファンファーレを奏でて、壮大な盛り上がりを見せました。この写真のちょうど中央に、「あれ、どこかで見たことのある顔だな」と思ったら、横須賀出身の衆議院議員、小泉進次郎さんでした。


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重さ4トンの立派な御柱には、直接触れることもできました。今日はここで祭りのハイライト、御柱を建てる「建御柱」が行われたので、きっと盛り上がったことでしょうね。

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横須賀で御柱祭が開催されたのは1987年以来、27年ぶりだそう。特別な日だけに、お祭りの後の境内は参拝客で賑わっていました。

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最後の式典での小泉進次郎さん。さすがによく目立つ方です。そこから左に向かって2人目は吉田雄人横須賀市長。私の高校の同級生でもあり、今回の滞在中に久々に面談する機会がありました。

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神輿のかけ声や山車の太鼓の音には、心揺さぶれるものがありました。ふと幼年時代の思い出が蘇ったり、夏の終わりを感じたりしながら(まだまだ暑いですけれども)、帰途につきました。

日本滞在中はほとんどブログを更新できませんでしたが、充実した時間を過ごすことができました。続きはまたベルリンに戻ってから綴りたいと思います。それではまた!

by berlinHbf | 2014-08-24 22:27 | ニッポン再発見 | Comments(1)

「ジャパン・シンドローム」のシンポジウム

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HAU2で行われたシンポジウムの様子

5月20~29日、クロイツベルク地区にある劇場「ヘッベル・アム・ウーファー」(通称HAU)にて、「Japan Syndrome」と題した大規模な日本フェスティバルが開催されました。東北地方を中心に甚大な被害を及ぼした東日本大震災と福島の原発事故から3年。 日本の社会、そして芸術の文脈がどのようにこの大災害に呼応し、変容してきたのかを問い掛ける試みです。

演劇や音楽、インスタレーションなどの多彩なプログラムが並びましたが、その中から25日に行われた「安全地帯の崩壊? フクシマ以後の芸術と政治」と題するシンポジウムをご紹介したいと思います。

最初にキュレーターの相馬千秋氏が登壇し、「大震災は目に見える形においても、見えない形においても日本に大きな分断をもたらした。この困難な状況の中、私がアートを通して取り組んでいくべきは、単純に国家や原発に反逆することではなく、演劇的な方法で死者を埋葬し、鎮魂すること。そして今、国家によって作り出されようとしている新たな秩序を、ある種宙吊りにしたり、それに対して揺さぶりを掛けることだと思う」とスピーチしました。

シュテファニー・カープ(ドラマトゥルク)の司会の下、相馬、丸岡ひろみ(キュレーター)、高山明(演出家)、シュテフィ・リヒター(ライプツィヒ大学日本学教授)の各氏により行われたその後のトークセッションでは、日本社会を覆っている空気の変容を肌で感じてきた日本人の3氏を中心に、興味深い議論が交わされました。

最後の質疑応答で、あるドイツ人の聴衆が「なぜ日本人はもっと声を上げないのか。このような過酷な状況の中、芸術の側も政治を直接変えるような活動をすべきでは?」という問いを投げ掛けました。東日本大震災以降、ドイツ人と日本人の間に横たわるこのような現状認識の違いに戸惑い、答えに窮した経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

それに対して、高山氏はこう答えます。「過激になっている政治に対して、もっと過激になるべきなのかという問いに対しては、僕は全く逆に行くべきという立場。むしろ過激さから距離を取り、小さなものや弱いものと、または対立している人と、いかに友情を結べるかに賭けた方が良いのではないか。あるいは、熱狂するよりは熱狂する人をどのように自分と切り離して醒めた目で見られるのかという技法をアートや演劇の分野で見付ける方が、ひょっとしたら政治的な意味があるのではないかと思う」。

「時代や場所を超えられるのがアートの持つ力。今ここ、目の前にあるものに対してのみ有効な形ではなく、例えば過去と今とを繋ぐこと、まだ生まれていない未来のものに対して何か作用をもたらすことができないだろうか。そのようなビジョンを持って、津波や原発事故で直接的な被害を受けた東北地方と向き合っていきたい」(相馬氏)。

ドイツに住む私にとっても、今自分はここでどう生きるべきかを考えさせられる機会となりました。
ドイツニュースダイジェスト 6月20日)
by berlinHbf | 2014-06-22 00:36 | ドイツから見た日本 | Comments(2)

Japan Syndrome 20.–29.5.2014 @HAU 日本語プログラム

今日から29日まで、クロイツベルクのHAU(Hebbel am Ufer)にて「ジャパン・シンドローム─フクシマ以後の芸術と政治」と題した大規模な演劇・パフォーマンスのフェスティバルが開催されます。私の大学時代の友人や先輩も何人か関わっていて、最近続けて案内をもらいました。プログラムの日本語訳をいただいたので、以下にご紹介します。現地在住の日本人にとっても、さまざまな表現を通して現在の日本の状況を多角的に知る貴重な機会ではないかと思います。ぜひ足をお運びください!

ジャパン・シンドローム─フクシマ以後の芸術と政治 プログラム
5月20日(火)
時間未定 / HAU2(屋外)
田口行弘「オープンハウス:Confronting Comfort #2」

19時 オープニングイベント / HAU2
(入場無料)
高嶺格「ジャパン・シンドローム─ベルリン・バージョン♯3」
インスタレーション─21日〜29日まで毎日18時より開催

20時/ HAU2
岡田利規/チェルフィッチュ「現在地」
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕)[20€ / 15€ / 12 €]


5月21日(水)
18時 オープニングイベント / HAU1
「道程 3.11」(入場無料)
参加作家・作品
高山明「国民投票プロジェクト」(2011/2014)
藤井光「3.11 Art Documentation」(2011-継続中)
ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニ
  「Spirits Closing Their Eyes」(2013)
  「PET Bottle Shield」(2014)               
  「Contaminated Home」(2014)
鈴木光「Mr.S&ドラえもん」(2012)
インスタレーション─22日〜29日まで毎日17時より開催

19時/ HAU2
岡田利規/チェルフィッチュ「現在地」
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕)[20€ / 15€ / 12 €]

21時/ HAU1
工藤冬里&Maher Shalal Hash Baz
(マヘル・シャラル・ハシュ・バズ)
コンサート [15€]


5月22日(木)
17時30分 サロン3.11 / HAU1(入場無料)
藤井光
ステファン・バウアー(キュレーター)
トーク─ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

19時 / HAU3
村川拓也 「ツァイトゲーバー」(ヨーロッパ初演)
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕) [13€]

20時30分 / HAU1
藤井光 「プロジェクト FUKUSHIMA!」
ドキュメンタリー映画(日本、2012、90分)─日本語(英語字幕)
*会場ではNPO 法人プロジェクト FUKUSHIMA!のためのカンパを受け付けます(入場無料・カンパ制)

5月23日(金)
17時30分 サロン3.11 / HAU1(入場無料)
高嶺格
シュテフィ・リヒター(日本学者)
トーク─ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

19時 / HAU3
村川拓也 「ツァイトゲーバー」(ヨーロッパ初演)
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕) [13€]

20時30分 藤井光 「ASAHIZA」/ HAU1
ドキュメンタリー映画(日本、2013、74分)
              ─日本語(英語字幕)[5€]
上映終了後 藤井光と高山明によるアフタートーク
モデレーター:シュテフィ・リヒター
ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)


5月24日(土)
15時 サロン3.11 / Cuvry-Brache
オープンハウス(参加無料) 
「Dis-Cuvry-Confronting Comfort #1」
田口行弘&キアラ・チッチェレルロ&ルッツ・ヘンケ
(集合場所:Schlesische Str. / Ecke Cuvrystr.)

19時 / HAU3
村川拓也 「ツァイトゲーバー」(ヨーロッパ初演)
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕) [13€]

終演後 村川拓也とハンス=ティース・レーマン(演劇学者)によるアフタートーク
ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

20時30分/ HAU2
マンガという現象─日本のマンガと3.11
ジャクリーヌ・ベルント(マンガ研究者)
シュテフィ・リヒター
ドイツ語(日本語通訳あり)


5月25日(日)
18時 サロン3.11 / HAU1
原サチコ「ヒロシマサロン」
ドイツ語&日本語上演 [5€]

20時 / HAU2 (参加無料)
「安全地帯の崩壊? フクシマ以後の芸術と政治」
相馬千秋(キュレーター)
丸岡ひろみ(キュレーター)
高山明
シュテフィ・リヒター
モデレーター:シュテファニー・カープ(キュレーター)
ドイツ語&日本語(同時通訳あり)

5月26日(月)
17時30分 サロン3.11 / HAU1(入場無料)
小泉篤宏(サンガツ)
クリストフ・グルク(キュレーター)
トーク─ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

20時 / HAU2
ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニ
「3.11後の生きものの記録」
(ドイツ&日本、2014、29分) [8€]

上映終了後 岡田利規&ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニによるアフタートーク
モデレーター:エルケ・ブア(ジャーナリスト)
ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

黒澤明「生きものの記録」
(日本、1955、103分)日本語(ドイツ語字幕)


5月27日(火)
18時 サロン3.11 / HAU2(屋外)(入場無料)
オープンハウス
「Dis-Cuvry-Confronting Comfort #2」
田口行弘&キアラ・チッチェレルロ&ルッツ・ヘンケ

20時 / HAU1
サンガツ
コンサート [15€]

5月28日(水)
17時30分 サロン3.11 / HAU1(入場無料)
都築響一
クリストフ・グルク(キュレーター)
トーク─ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

20時 / HAU2
岡田利規/チェルフィッチュ
「スーパープレミアムソフトWバニラリッチ」
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕)[20€ / 15€ / 12 €]


5月29日(木)
17時30分 サロン3.11 / HAU1(入場無料)
岡田利規
ペーター・ラウデンバッハ(ジャーナリスト)
トーク─ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

20時 / HAU2
岡田利規/チェルフィッチュ
「スーパープレミアムソフトWバニラリッチ」
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕)[20€ / 15€ / 12 €]

22時 / HAU2
都築響一による深夜のレクチャーパフォーマンス
英語上演 [5€]

*公演チケットはインターネット(www.hebbel-am-ufer.de)およびHAU 2窓口にて発売しております。(営業時間:月曜日〜土曜日の15時〜19時)
*各種割引および3公演のセット券[40€]もご用意しております。
*当日券は公演当日、開演1時間前より各劇場にて発売いたします。

■「ジャパン・シンドローム」に関するお問い合わせ
チケット窓口 +49 (0)30-259 004-27 (ドイツ語・英語)
制作担当直通 +49 (0)30-259 004-283 (ドイツ語・英語・日本語)

Hebbel am Ufer Berlin www.hebbel-am-ufer.de
HAU 1: Stresemannstr. 29 / 10963 Berlin
HAU 2 : Hallesches Ufer 32 / 10963 Berlin
HAU 3 : Tempelhofer Ufer 10 / 10963 Berlin

by berlinHbf | 2014-05-20 21:03 | ドイツから見た日本 | Comments(0)

東京の本屋がベルリンに

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クロイツベルクの書店「Motto Berlin」に並んだ日本の書籍

3月末から2週間、「ベルリンの街に東京の本屋がやって来た!」をコンセプトに、東京の独立系書店5店が選んだ日本のアートブックと文房具がクロイツベルク地区の書店で展示販売されました。


地下鉄U1のSchlesisches Tor駅から徒歩3分。大通りから中庭に抜けると、アートブックを中心に扱う書店「Motto Berlin」が構えています。今回のイベントを企画したのは、ベルリン在住の原田潤さん。東京の大学を卒業後、グラフィックデザインを学び、現在は本とデザインにまつわる活動をしている彼に、そもそもなぜ日本の本をベルリンに紹介しようと思ったのか聞いてみました。

「一昨年、フランクフルトの書籍見本市で日本の本が紹介されている様子を見たのですが、僕らが楽しんでいる東京の本屋の雰囲気とずいぶん違うなと感じたのです。自分がやってきたことを生かして、日本の面白いものをドイツの人々に媒介できないかと思いました」。

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今回のイベントを企画した原田潤さん

店内に並ぶ書籍は、日本語を解さなくても楽しめる写真集など、70タイトル以上のビジュアルブックやバイリンガル表記の本が中心。2014年の木村伊兵衛賞を受賞した写真家・森栄喜さんの最新刊や、2012年にカッセルの現代美術の国際展「ドクメンタ」に出展した大竹伸朗さんの作品集のほか、戦後間もない時代の九州の街角を収めた井上孝治さんの写真集『想い出の街』といった古書まで、独自の視点で選ばれた幅広い年代の本が並びます。中学生の頃から神保町の古書店に通っていたという原田さんは、「古書を混ぜることで、時間軸に奥行きが出てくるんです」と、本への愛情を込めて語ってくれます。「デジタル書籍が増える中で、本の身体性というものを考えていきたい」との想いから、装丁やパッケージがユニークな本も何冊か置かれていました。

書籍に加えて展示されていたのが、日本発の文房具。ライフやツバメノート、印刷加工連といった日本の高い職人技術を感じさせる美しい紙文具、使いやすい筆記具や机周りの小物など、こちらも思わず欲しくなってしまうものばかり。

今回のイベントは、フィンランドのヘルシンキに次いでベルリンが2都市目の開催で、原田さんは「日本の出版物やものづくりに対するヨーロッパの人々の関心の高さを感じています。今後もドイツやヨーロッパの他都市で紹介していけたら」と意欲を語ります。

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「Motto Berlin」の"副店長"Tinte(写真提供:原田潤さん)

「Motto Berlin」は、アートブックに興味のある方にはお勧めの書店です。ひょっとしたら入り口で、店主が飼っている黒猫の「Tinte」(=「インク」の意)が迎えてくれるかもしれません。
www.mottodistribution.com

MOTTO BERLIN
Skalitzer Str. 68, im Hinterhof
10997 Berlin
U1 Schlesiches Tor
Ph: +49 (0)30 48816407
Fax: +49 (0)30 75442120
Open Monday – Saturday: 12h-20h

by berlinHbf | 2014-04-17 12:40 | ベルリンを「読む」 | Comments(1)

ベルリン・東京友好都市提携20周年

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中根駐独大使、ディープゲン元ベルリン市長らによって、式典の最後に執り行われた鏡開き

2月21日、ベルリン市と東京都の友好都市提携20周年の記念式典が赤の市庁舎の大ホールにて開催され、日本とドイツの関係者が多数参加しました。

ベルリンと東京は近代都市として発展した後、第2次世界大戦で甚大な被害を受け、そこから復興を遂げてきた共通の歩みを持っています。その過程で両都市の交流が育まれ、1994年5月14日、鈴木俊一都知事(当時)がベルリン市を訪問した際、エーベルハルト・ディープゲン市長(当時)との間で友好都市関係を締結する共同宣言に調印したのでした。近年では、クンストラウム・クロイツベルク/ベタニエンとトーキョーワンダーサイトの間でアーティストのレジデンス交流が始まるなど、芸術分野での両市の交換も盛んになっています。

式典では、ベルリン市を代表してヘラ・ドゥンガー=レーパー次官が「ベルリンと東京は大都市に共通の問題も抱えているが、共に多様性に満ちた魅力ある都市であり続けていきたい」と挨拶。中根猛駐ドイツ大使は、その祝辞の中で2020年の東京オリンピック/パラリンピックに触れ、今年、東京とベルリンの両都市のマラソン大会で行われる市民ランナー同士の交流を紹介しました。2月末に開催された東京マラソンでは、前年のベルリンマラソンで好成績を収めたドイツの市民ランナーが2人招待され、逆に9月28日のベルリンマラソンには東京からのランナーが招かれるそうです。ベルリン市が、東京大会の次の2024年夏季五輪に立候補するかどうかも、今注目されています。

その後、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のコンサートマスターを務めるヴァイオリニストの日下紗矢子さんと、ベルリン在住のピアニスト福間洸太朗さんという2人の音楽家の共演により、細川俊夫さん編曲の「五木の子守唄」、R・シュトラウスのヴァイオリンソナタが奏でられ、大喝采を浴びました。

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日下紗矢子さんのヴァイオリンと福間洸太朗さんのピアノによる共演

式後のレセプションでは寿司やカレーソーセージなどが振る舞われ、私は外交官や企業人として東京に縁の深いドイツ人の方々と歓談することができました。彼らが流暢な日本語で東京や日本への強い思い入れを語る様子を見て嬉しく思うと同時に、東京もベルリンも、外から来る人々を温かく迎える世界都市であり続けてほしいと強く感じた次第です。

今年は友好都市20周年を記念した多くの行事がベルリンで行われます。スポーツから音楽、講演会、落語などの古典芸能、学術交流に至るまでプログラムは多岐に渡ります。詳細はwww.berlin.de/senatskanzleiにてご確認ください。
ドイツニュースダイジェスト 3月21日)
by berlinHbf | 2014-03-21 11:25 | ドイツから見た日本 | Comments(0)

震災3周年の日に大船渡を想う

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東日本大震災から3周年の昨日、ベルリンの日本大使館の前で小さな祈念行事が行われるというので、足を運んできました。主催の「絆・ベルリン」はこれまで数度に渡って岩手県大船渡市を中心にボランティア活動を行ってきたNPO法人。キャンドルを灯して、地震が起きた時刻に黙祷。犠牲者の方々に哀悼の気持ちを表し、復興を祈念しました。

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家に戻ってから、一昨年の5月に大船渡や陸前高田を訪ねたときの写真を久々に眺めながら、当時を振り返っていました。ブログの旅行記は、被災地のことを書くことの難しさを実感する機会もあって、最終日だけ書かないまま時間が過ぎ去っていました。もう2年近く経ってしまいましたが、あの旅でお世話になった方々を想いながら、綴ってみたいと想います。

2012年5月20日(日)、泊めてもらった大学時代の友人に連れられて、仮設の飲食店街で昼食。その後、市内のリアスホールという文化会館へ行く。大ホールでは確かお笑い芸人によるモノマネショーが行われていたが、私たちは貸スタジオの方へ。もともと友人とは大学時代のオーケストラで知り合い、彼はオーボエ、私はフルートを吹いていた。2人ともまだ細々と演奏活動を続けていて、友人は休みの日にここに来ては楽器を吹いているのだそうだ。この日は1時間半ぐらい、コピーして持ってきたバッハの譜面を何曲か吹いて遊んだ。一緒に吹くのはかれこれ大学生以来だったから、なかなか新鮮な時間だった。

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心理カウンセラーとして地元の学校で仕事をしている友人は、日頃の激務もあって一旦アパートに戻る。私は少しでも大船渡の街を歩きたいと思い、そこから港の方に向かって散策することにした。途中、JR大船渡線のレールとぶつかる。大船渡の盛から北に延びる三陸鉄道がドラマ「あまちゃん」などの影響で脚光を浴びたとのとは対照的に、大船渡線の盛-気仙沼間は復旧の目処がまったく立っていないという。最近の記事をいくつか読むと、復旧に向けた話し合いが持たれているようではあるが、費用やルート変更などの多くの問題が積み重なっている。

関連記事:
時論公論 「震災2年半 足踏みする鉄道復旧」(NHK)

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「かもめの玉子」で有名なさいとう製菓の本社だった建物。震災直後、社長がこの高台から撮影した津波の映像が忘れられない。市内にさいとう製菓の仮設店舗があり、そこでお土産を買って帰ることに。

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港から太平洋セメントの工場を望む。

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リアスホールが結構賑わっていたのに対して、私が歩いた道沿いで人とすれ違うことはほとんどなく、周囲は静寂が支配していた。

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大船渡駅があったところ。仮設の飲食店街はこの近くにある。

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あのときお世話になった方々やその前日の運動会で出会った人々はいまどうしているかなと思う。夜、「やまちゃん」という居酒屋でおいしいちらし寿司を食べてから、友人に見送られ東京行きの夜行バスに乗り込む。少し寝て、どのぐらい経った後だろうか。目が覚めて窓の外を見たら、陸路にいるにも関わらず目の前に巨大な船がどんと横たわっている。私は突然SF映画の世界に紛れ込んだような超現実的な感覚に襲われたが、すぐに正気に戻った。テレビや写真で何度も見た、気仙沼市鹿折に打ち上げられた第18共徳丸に間違いなかった。今どうなっているのかと思って調べてみたら、昨年夏からの撤去作業が終わり、すでに4ヶ月が経ったそうだ。

関連記事:
消えた「震災の記憶」客足まばらに 宮城県・気仙沼 打ち上げられた第18共徳丸

昨日の祈念行事の最後に、「絆・ベルリン」の福澤啓臣さんが「これからも息長く被災地を支援していきましょう」と呼びかけた。数は減ってきたけれども、「絆・ベルリン」や柏木博子さんが主催する震災孤児を支援するNPO"KIBOU"などは、被災地の支援を今も継続的に行っている。距離は大分離れているが、ベルリンとこの風景とはどこかでつながっていると思いたい。そして、いつかまた大船渡や陸前高田をゆっくり訪ねたいと思う。
by berlinHbf | 2014-03-13 00:21 | ドイツから見た日本 | Comments(1)

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