ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
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(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

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豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




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(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


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ヴァルトビューネ2008と「トルコの奇跡」

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昨日は、シーズン末の毎年恒例、ベルリン・フィルのヴァルトビューネでのコンサートを聴いてきました。このコンサートについては別の場所にも書くつもりでいますが、ベネズエラの若手指揮者グスターボ・ドゥダメルの才能と、その恐いもの知らずの勢いが存分に感じられ、特にプログラム後半の盛り上がりは昨年を凌ぐほどでした。今回のテーマは南米の音楽。ほとんどが聴いたことがないながらも、いい曲ばかりだったので、YouTubeで見つけた昨日の演目を何曲かご紹介しましょう(演奏はドゥダメル指揮シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ他)。

Silvestre Revueltas - Sensemayá
Arturo Márquez - Danzón Nº 2
(プログラムの最後に演奏されたこの曲がとりわけ最高でした。哀愁漂うメロディーと日没時の風景が、美しく溶け合っていた!)

気になるアンコールですが、
1曲目は初めて聴いたタンゴの曲。ドゥダメルのアナウンスによると、今日92歳の誕生日を迎えるアルゼンチンタンゴの巨匠の作らしいですが、名前は失念。

2曲目は、《ウエストサイドストーリー》の「マンボ」。昨年のプロムスでのこの映像を観ていて、ドゥダメルはきっとアンコールでやるだろうなという気がしていたんです。のだめオケも仰天のここでのパフォーマンス。さすがにベルリン・フィルでは、ここまでやりませんでした(笑)。

最後は、おなじみ《ベルリンの風》で幕!最高の一夜でした。


さて、Sバーンの環状線での帰路、友達から電話がかかってきた。「トルコが大逆転でチェコに勝った!今クーダムがお祭り騒ぎで大変なことになってるって、テレビでもやっているよ」とのこと。まったく信じられないという思いと、「ああ、クロイツベルクで観たかった!」という気持ちが混じり合う。
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メーリングダムの駅に上がると、試合終了後1時間以上経っているのに、車のクラクションが絶え間なく鳴り続けていた。行き付けの駅前のケバブ屋のおじさんは、「最後の15分で立て続けに3点奪ったんだ。もう信じられないよ・・・」と興奮冷めやらぬ様子。野菜ケバブ(ここのはうまい)を山盛りに盛ってくれた上、飲み物はご馳走してくれた。

それにしても、決勝トーナメント進出がかかった試合に、チェコ相手に土壇場で3点決めて逆転するなんて、そんなことがあり得るんだろうか。今回のユーロは特別だという思いが、私の中でますます高まりつつある。今日はオーストリア対ドイツ。逆境に追い込まれたときのドイツは強いから、無難に勝ちそうな気はするけれど・・・

先ほどの素晴らしい音楽と、トルコ戦の興奮とで、なかなか心が静まらない。頭の中はまだ《ダンソン》の音楽が鳴り響いている。

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by berlinHbf | 2008-06-16 03:12 | ベルリン音楽日記 | Comments(12)

ベルリン・フィルがテンペルホーフ空港で演奏会

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先週の金曜日、フィルハーモニー火災事故の代替地として話題になった、テンペルホーフ空港(!)でのコンサートを聴いてきました。ベルリン・フィルは9月のベルリン音楽祭に、この空港内でシュトックハウゼンなどを演奏することになっていますが、今回の事故のお陰でいち早く実現することになったわけです。

さて、こちらが空港の正面入り口ですが、演奏会が行われたのはさすがにこの中ではありません。

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総面積では何と世界で3番目という(ちなみに、第1位はアメリカのペンタゴンだとか)巨大極まりないターミナルビルをぐるりと時計回りに歩いて行きます。

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Hangar2と呼ばれる格納庫の入り口にやって来ました。

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現在はもう飛行機の格納庫として使用されることはなく、イベントの会場(例えば映画賞の授賞式など)に使われることから、内部はそれ用に改装されています。「格納庫」と聞いて思い浮かべる、ホコリくさい感じはありません。

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ジャンボも収納できるような広さゆえ、私の席から舞台は遥か彼方。双眼鏡を持って来て正解でした。席はブロックごとに分かれていますが、ブロック内の移動は自由です。もともと売切れのコンサートだったとはいえ、これだけの空間がぎっしり埋まったのには驚きました。

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マイクを使っているゆえ、その独特の響きに慣れるまでにしばらくかかりましたが、後半の《幻想交響曲》は、音楽の巨大な性格とも相まってほぼ違和感なく堪能できました(ハイドンやモーツァルトのプログラムでなくてよかった・・・)。ハープは8本、《幻想》のためだけに造られた2台の鐘の響きも堪能できたし、5楽章でのザイファルト氏のEsクラリネットのソロは悪魔的と形容できるほどハマッていました。1楽章の出だしが小型飛行機の離陸と重なったことや、曲の途中で救急車のけたたましいサイレン音が聞こえてきたハプニングはありましたが、まあそこはご愛嬌^^;)。フィルハーモニーで聴いていたら、間違いなく打ちのめされる演奏だったであろうに、それだけはちょっと残念でした。

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終演後、これだけの人が一気に帰路につき始める様子は、なかなか圧巻でしたね。

それにしても、フィルハーモニーの火災という前代未聞の事故にも関わらず、アドミラルパラスト、ヴァルトビューネ、テンペルホーフ空港など、コンサートホールではないけれど、代替会場を見つけてちゃんと公演が行われ、しかもこれだけの人が集まる。これってなかなかすごいことだと思います。旧フィルハーモニーが空爆で破壊された後も、アドミラルパラストで演奏会が続けられた第二次大戦末期とか、比較対象としてはふさわしくないかもしれませんが、そういう状況も想起させます。いざとなれば音楽なんてどこでもできる。大切なのは、それを心から必要とする人がどれだけいるかどうか、ということなのでしょう。ドイツの音楽文化の底力を見た思いがしました。

さて、フィルハーモニーですが、今週月曜日のベルリン・ドイツ響のコンサートで操業を無事再開したそうです。

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by berlinHbf | 2008-06-05 00:56 | ベルリン音楽日記 | Comments(5)

テンペルホーフ空港の閉鎖が確実に

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4月最後の日曜日、テンペルホーフ空港の存続をめぐるベルリン史上初の市民投票が行われました。空港の存続を求めるグループの大々的なキャンペーンもあって、大きな注目を集めましたが、結果的に空港存続を求める票は、州憲法で決められている「ベルリン市全有権者の25%」という定数に達することなく、今年 10月末での閉港が決定的となりました。

今回の市民投票で興味深いのは、ベルリンの東西で結果が真二つに分かれたことです。旧西ベルリン全ての地区とミッテ地区では投票率は比較的高く、存続に賛成する人々の票が反対派を上回ったのに対し、旧東ベルリン地区にフリードリヒスハイン・クロイツベルク地区を加えた東側では軒並み投票率が低く、反対派の票の方が高かったのです。テンペルホーフ空港は、冷戦時代の1949年に「ベルリン空輸」の舞台になるなど、その歴史性から今でも思い入れを抱く人が少なくないそうですが、それはあくまで西側から見た話で、東と西とでは、人々の歴史の共有感覚も空港への関心度もまったく異なることが浮き彫りになりました。

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現在は利用客がまばらな空港本館

いずれにせよ、1923年にオープンし、「すべての空港の母(英国の建築家ノーマン・フォスター卿)」と呼ばれたテンペルホーフ空港は、ついにその役目を終えることになります。10月の閉鎖前には、市民のためのお別れイベントも企画されているそうです。

これから本格的に問題となるのは、市の中心部に出現する386ヘクタールという広大な土地の使い道です。ベルリン市は、敷地の大部分を緑地に変え、その周りに5000戸のアパートやオフィスビルなどを建てるプランを提示していますが、まだほとんどが白紙と言っていい段階。ナチス時代に建てられた巨大な空港本館をどのように再活用するかも含め、今後果てしない議論、コンペ、予算折衝などが繰り返されていくことでしょう。

ベルリンという未完の大都市にまたひとつ、長い道のりが待ち受けています。
ドイツニュースダイジェスト 5月23日)

追記:ラトル&ベルリン・フィルがテンペルホーフ空港に登場!
フィルハーモニー火災事故の影響で、今週29日からのラトル指揮ベルリン・フィルの演奏会が、何とテンペルホーフ空港の格納庫(Hangar2)で行われることになりました(関連記事)。プログラムはベルリオーズの《幻想交響曲》と《クレオパトラの死》。この格納庫は2500人収容可能で、近年はイベントの会場に使われることがありますが、ベルリン・フィルが演奏するのはおそらく初めてでしょう。秋に閉港されるテンペルホーフ空港にとっては、思わぬ「オマージュ」の舞台が用意されることになりました。

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by berlinHbf | 2008-05-26 00:36 | ベルリン発掘(西) | Comments(11)

ミシェル・シュヴァルベが語るカラヤン - 「音楽の友」6月号 -

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現在発売中の音楽の友誌6月号の「カラヤンの世紀」という連載に、ミシェル・シュヴァルベ氏のインタビュー(前編)を寄稿させていただきました。シュヴァルベ氏については、以前カラヤンを支えた名コンサートマスターでもご紹介しましたが、今回は一段突っ込んだ内容になっています。

最近フィルハーモニーの火災事故について何度もお伝えしてきましたが、1963年10月15日のフィルハーモニーの柿落とし公演で、コンマスを務めているのもシュヴァルベ氏。こんな偉大な音楽家に直接話を伺えるというのは、すばらしい体験でした。一読いただけるとうれしく思います。後編は7月号に掲載される予定です。

参考:
カラヤンを支えた名コンサートマスター
ベルリンフィルの3人のコンサートマスター

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by berlinHbf | 2008-05-24 14:14 | ベルリン音楽日記 | Comments(0)

フィルハーモニーを救ったハンス・シャロウン

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昨夜、ベルリン工科大学(TU Berlin)で構造工学を研究している友人の増渕基さんが、フィルハーモニー内部の貴重な写真をメールで送ってくれました。それは、数ヶ月前、彼が研究室の研修でフィルハーモニーの屋根裏に入ったときの写真。増渕さんといえば、昨年ベルリン中央駅の鋼材落下事故のときも、生々しい現場の写真を寄せてくれましたが、さすが専門家というべきか、今回も火災現場の写真を掲載させてもらえることになりました。

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フィルハーモニー舞台上の天井の、さらにその上がどうなっているかなんて、考えたこともなかったです。では、増渕さんの案内と共に中に潜入してみましょう。

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「1980年代、施工不良と老朽化が原因で、オーケストラのリハーサル直前にPodium(舞台)の上に屋根の一部が落下するというセンセーショナルな事故が起き、現在の屋内屋根は1988年に架けかえられものだそうです。音響効果や外観を重視し、形状はオリジナルのものから全く変えずに構造だけ変更しています」

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「外側の鉄筋コンクリート製の屋根から、屋根裏空間と屋内屋根が鋼材によって吊られています。写真に見える束になっているスチールがその引張材です。この階段状になっている狭い屋根裏空間に、照明、スポットライト、マイク、スピーカー、滑車装置などが設置されているそうです」

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2枚目の写真を上から眺めると、こんな風に見えるんですね。すごい眺めだ・・・。

「ニュースを聞く限り、火災は外側の屋根だったようなので、建物自体の構造にはそこまで影響がないと思います。ただ、楽器には至らなくても屋根裏の機械類には相当な水がかかったのでは・・・。早く復旧すると良いですね」

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ところで、今朝の朝刊にこんな図が掲載されていました。火災が発生したのは屋根下の①の地点。天井部分はこのように傾斜になっているため、消火活動の際の水や泡は、坂を下って③の地点にある排水孔を通って流れ出ていました。つまり、屋根部分にも独自の排水システムが整備されていたわけで、大ホールのブロックCにいくらか水が流れ出た以外は、全くの無傷だったのです。フィルハーモニーの管理責任者、フランク・ケルステン氏は、「天才的な建築構造を生み出したシャロウンに、感謝しなければならないだろう」と語っています。

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by berlinHbf | 2008-05-23 00:03 | ベルリン音のある街 | Comments(6)

火災から一夜明けて

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フィルハーモニーの火災事故から一夜明け、ドイツの日刊紙はほぼ例外なくこのことを一面で大きく取り上げていました。被害の状況や気になる今後などについては、ブログ「クラシックおっかけ日記」さんが詳しく書かれているので、よかったらご参照を。これから建物の復旧作業が待ち受けていますが、被害は予想以上に小さく済んだようで、あの場所に思い入れを抱く者としては少し安心しました。週末に予定されていたアッバードの3回のコンサートは、1回にまとめて24日にヴァルトビューネ野外音楽堂で行われることになったようです。

ところで、平成中村座のベルリン公演は、昨夜大成功の中で千秋楽を終えました。終演後に中村勘三郎さんと少し会話ができて、もう大感激^^)。これから小さな記事を1本書くつもりです。

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by berlinHbf | 2008-05-22 02:27 | ベルリンのいま | Comments(5)

フィルハーモニーで火災発生

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20日14時25分頃、打楽器奏者の友達から電話がかかってきた。
「マサトさん知ってる?フィルハーモニーから火の手が上がって、今大変なことになっているよ。あの煙の様子を見ると、フィルハーモニーはもうしばらく使えないんじゃないかな」。私はとにかく驚き、居ても立ってもいられない気分になり、すぐに現場に駆けつけることにした。

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ポツダム広場までは普段と変わらない光景だったが、フィルハーモニーの大ホールは確かに大きな煙が上がっていた。その場にいた何人かに声をかけてみたが、皆火事が起きているということ以外はよくわからないようだ。

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この日は午前中にクラウディオ・アッバード指揮のリハーサルが行われていたようで、ベルリン・フィルの団員も事態を心配そうに見守っている。

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室内楽ホール側には、多くのマスコミ人が集まっていた。テレビやラジオの生中継が、至るところで始まる。

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ベルリン・フィル楽団員代表のリーゲルバウアー氏は落ち着いており、話の内容から、ホールが完全に消失というような最悪の事態でないことはうかがい知れた。アッバードとのコンサートは予定通り行われるものの、アリーナなど別の会場になるだろうとも。右隣にフルートのパユ氏の姿も見える。

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消防局のプレス担当氏。火災の原因はまだわかっていないが、屋根の部分で発生したこと。人的被害はなく、高価な楽器類は安全な場所に保護されていることなどが、発表された。

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15時58分。火災から2時間近く経ったが、煙の勢いは留まるところを知らない。火災元にたどり着くため、消防隊員が屋根をこじ開けようとしている様子が見える。煙の勢いからして、内部からは近づけない模様。

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家に戻ってネットのニュースをチェックしたら、火災はホールの絶縁層の溶接工事から発生したのではないかと書かれていた。消火作業が完全に終わるのは、水曜日になる見込みだそうだ。幸いなことに、大ホールは浸水していないという。

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それにしても、フィルハーモニーでこんなことが起こりえるとは・・・。ベルリンの音楽の殿堂が、できるだけ早く元の状態に戻ることを願うばかりです。

追記:22時40分のラジオニュースで、ようやく消火活動が終わったことが伝えられました。

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by berlinHbf | 2008-05-20 20:04 | ベルリン音楽日記 | Comments(22)

ハイティンク&ベルリン・フィルのバレエ《プルチネルラ》

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4月に渋谷のタワレコで見つけ、最近繰り返し楽しんでいるCD。これはいい。ストラヴィンスキーの《春の祭典》《火の鳥》《ペトルーシュカ》の3大バレエの他に、《プルチネルラ》の全曲版まで入って2枚組み1500円。さらに演奏はハイティンク指揮ベルリン・フィルという文句ない組み合わせ。タワレコで出しているシリーズの中の1枚らしい。

《プルチネルラ》は昨年自分でも演奏する機会があって大好きになったのだが、録音の数が意外に少ない。人に薦められたヴァント指揮NDRのCDは廃盤中らしく見つからなかったが、このハイティンク盤は十分に満足させてくれるものだった。オケの編成が比較的小さいということもあるのだろうが、1つ1つの音の粒立ちのよさが、さすがに尋常ではない。オーボエを吹いているのはシェレンベルガーだろうか。フルートは間違いなくアンドレアス・ブラウの音だ。「ガヴォット」でのホルンやファゴットも交えた掛け合いなど、本当に聴かせるなあ。

《プルチネルラ》はストラヴィンスキーの新古典主義時代の作品なので、3大バレエに比べると革命的要素は少ないけれど、私はこの曲の遊戯性に惹かれる。何度聴いても幸せな気分にしてくれる音楽。今週末、この《プルチネルラ》を初めてバレエで観る予定なので、楽しみだ。

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by berlinHbf | 2008-05-07 23:49 | ベルリン音楽日記 | Comments(6)

フィルハーモニーのカラヤン展

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先週からフィルハーモニーのホワイエで、今年生誕100周年のカラヤンとベルリン・フィルの歩みをテーマにした展示会が開かれています。「音楽に縦線は必要ない。流れなければならないのだ」という言葉は、カラヤンの音楽美学を集約したものと言えるのかもしれません。

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そのオープニングの小さなセレモニーに参加してきました。準備に携わったドラマトゥルクのグルーネヴァルト氏が、最初に挨拶(中央はベルリン・フィルのインテンダント、ローゼンベルク氏)。カラヤン時代のオーケストラのメンバーと思われる人々もいて、全体的に年齢層は高めという印象。貫禄のある白髪の紳士が自分の目の前にいたので、話しかけてみたら、カラヤンの写真を長年撮り続けたラインハルト・フリードリヒ氏だったので驚きました。

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簡素な展示内容ながら、1938年にカラヤンが初めてベルリン・フィルを振ったときから、89年の死に至るまでの歩みが、今まであまり公にならなかった写真も交えてセンスよくまとめらえているように思いました。それにしても、カラヤンの写真というのは、思わず見入ってしまう何かがあります。

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「重要な演奏旅行」というコーナーでは、1955年のアメリカ旅行や、69年のプラハ―モスクワ―レニングラード旅行などと並んで、57年の初の日本ツアーのことも紹介されていました。これはそのときの様子を伝えたAsahi Evening Newsの記事。当時ベルリン・フィルのメンバーは2機に分かれて、テンペルホーフ空港を発ち、1機はアラスカ経由で29時間、もう1機はローマとバンコク経由で40時間かけて日本にたどり着いたというから、まさに隔世の感がします。

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以前こちらで紹介したミシェル・シュヴァルベ氏の写真も見かけました。背後には、昨年亡くなったロストロポーヴィチの姿も。R.シュトラウス「ドン・キホーテ」の録音風景。

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89年4月24日、ベルリン・フィル音楽監督の辞任の意向を伝える西ベルリン市文化大臣宛てのカラヤンの手紙。自分の体調が思わしくないことを伝え、さらに行政側への不信感を滲ませるぶっきら棒な文面は、あのカラヤン&ベルリン・フィルの最後にしては似つかわしくないというか、ある種の悲しさを感じてしまいます。この展示会は6月末まで開催。

ところで、ベルリン・フィルの往年のティンパニ奏者にして作曲家、さらに「フルトヴェングラーかカラヤンか」の著書で知られるヴェルナー・テーリヒェン氏が4月末に86歳で亡くなったそうです。あの時代を生きた人たちが、次第に少なくなりつつあるのを実感しました。ご冥福をお祈りします。

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by berlinHbf | 2008-05-02 13:47 | ベルリン音楽日記 | Comments(4)

ベルリンフィルの3人のコンサートマスター

先日、ベルリン・フィルの往年のコンサートマスター、ミシェル・シュヴァルベさんのインタビュー記事を掲載しましたが、私のブログを以前から熱心に読んでくださっているla_vera_storiaさんが「ベルリンフィルの3人のコンサートマスター」というタイトルの回想録を寄稿してくださいました。とても興味深い内容だったので、ご本人の了解を得て、ここに掲載させていただくことにしました。長い文章ですが、興味のある方はぜひご覧ください。
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ベルリンフィルの3人のコンサートマスター(la_vera_storiaさん寄稿)

ベルリン中央駅さんのブログで、ベルリンフィルの元コンサートマスターのミシェル・シュヴァルベ氏へのインタビュー記事が出たのを非常に興味深く読みました。

華やかなりし自己のキャリアの全盛時代を、カラヤンという指揮者の下で演奏できた喜びを誇りをもって語っている...そういう印象でした。それは、かつてのベルリンフィルのティンパニ奏者だったヴェルナー・テーリヒェンや、ウィーンフィルの楽団長だったオットー・シュトラッサーの語る亡きフルトヴェングラーへの賛辞とはまた違った意味で興味深かったですね。

70年代初頭よりこのオーケストラに頻繁に接してきた私にとっては、やはり依然としてベルリンフィルハーモニー管弦楽団(以下、BPOと略記)の第一コンサートマスターといえば、ミシェル・シュヴァルベ(以下、MS)トーマス・ブランディス(以下、TB)、そしてレオン・シュピーラー(以下、LS)の3人が非常に印象深いです。80年代に入ってから以降の安永徹さん(以下、TY)ダニエル・スタブラヴァ(以下、DS)のお二人も親しみを感じます。 その後にコンサートマスターになった方々は....少なくとも私にとっては印象が薄く、もうどうでもよいような存在です。最初に名前を出した3人が第一コンサートマスターだった時代、これこそ私にとってのBPOは「仰ぎ見る存在」だったわけです。
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MS、TB、LSの3人体制だった時代、カラヤンの指揮するコンサートでは常に第一ヴァイオリンの第1プルトにはこの3人のうち2人が座っていました。 組み合わせは3通りで、(MS+TB)、(MS+LS)、(TB+LS)ということになります。これはあくまでも私の記憶ですが、(MS+TB)、(MS+LS)の組み合わせでは、第1プルトの表(客席側)は常にMSだったはずです。一方、(TB+LS)の時は、表は2人が交互に座っていたと思います(カラヤン以外の指揮者の場合で第1プルトに第1コンサートマスターが常に2人座っていたコンサート...これは私の記憶ですが、ヨッフム、ベーム、ジュリーニの3人ではなかったでしょうか)。このお三方とも実に堂々としていました。その中でもひときわ威厳があったのはミシェル・シュヴァルベでした。オーケストラのメンバーを起立させ、そして彼はメンバーを代表して一人で聴衆に一礼するわけですが、それはもうこの人が指揮者であってもおかしくないというほどの仰々しいほどの貫禄でした。この人がいると、会場の雰囲気も違って感じたほどでしたね(TBやLSよりも出番の回数は非常に少ないようでしたが、そのことがかえってMSの威厳をより強く感じさせた原因なのかもしれません)。このMSのコンサートマスターとしての存在を見ていると、「このコンサートは日常生活の延長なのではなく、それを超えた特別のものなのだ」ということを無言で示しているようなものでした。それだけではなく、ステージでのMSを見ているとMSは他のメンバーより一段高い地位にいるという印象も受けましたし、多分MSもそれを自覚して振舞っているように思えました。

さて、この3人ですが(あくまでも私個人の印象)、「音」そして「音楽」ともに「BPO臭」が最も薄かったのは、意外なことになんとMSだったように思います(これは同じように実演を聴かれた多くの方の意見を聞いてみたい気もします)。反対に、最も「BPO臭」が濃かったのはトーマス・ブランディス(TB)でした。LSはこの中間よりややTB寄りでした。こういう比較というのも、オーケストラ作品でソロの部分があった箇所での比較になります。TBには「強さ」、「濃さ」、「粘り」が存分にありました。こういう要素はMSには希薄でしたが、一方でMSにはTBにはあまり感じない「柔軟性」、「しなやかさ」がありました。ですから、カラヤンがブラームスの第1交響曲とかシュトラウスの「英雄の生涯」を指揮するときには常にMSがコンサートマスターだった(単にMSに対する信頼感だけではなく、つまりそれらの曲のソロ部分ではカラヤンはTBの音ではなくMSの音を求めていた)といえるのかもしれません。マーラーの第9交響曲などの場合も同様のケースだったかもしれません。カラヤンはブラームスの第1交響曲の第2楽章や「英雄の生涯」のソロの箇所では、私の見た限りではいっさいMSに視線を送ったのを私は見たことがありません。それは完全にMSを信頼していたからでしょう。一方カラヤンがウィーンフィルを指揮したとき、コンサートマスターのヘッツェル氏やキュッヒル氏がソロの箇所があるときは、この2人が弾く際に彼らに視線を落とすのはよく見ました。MSとTBの比較に非常に近いのは、オーボエのシェレンベルガーとローター=コッホとの比較だろうと思います。後者は「強靭さ」、「濃さ」、「粘り」がありました。つまりTBの音楽に近いわけです。一方で前者は「柔軟性」「しなやかさ」そして「透明」で「嫌味のない」音楽でした。

MSとTBの違いは、彼らが室内楽のメンバーとして演奏する場合にもっとはっきり出てきたように思いました。MSが参加した場合は、とりたててBPOの影を感じるといったことはなかったように思いましたが(もっとも、私がそれを実演で聴く機会はたった一度だけでしたが)、TBが主宰していた四重奏団は何度も聴きましたがそれはもうリーダーのTB以下、メンバーは完全に小型BPOの音がしていました。私が好きだったのはTBがコンサートマスターの表側で登場した場合でした。そしてこの場合にチェロの首席にオトマール・ボルヴィツキー(以下、OB)が座ろうものなら、その夜は本当に白熱的な演奏が100%約束されたようなものでした。TBとOBの視線の頻繁なやりとり、呼吸の見事さ、そしてお互いに掛け合いでもするかのように大きく体を動かしてオーケストラを引っ張っていくときの気合は凄かったです。OBというのは、私に言わせれば「ミスターBPO」とでも言うべき人で演奏中の気迫が外に発散してきて、それはもう凄いものでした。TBとの相性もよかったようでしたしね。一方、MSがコンサートマスターの場合は、MSとOBの「掛け合い」というものはほとんど感じませんでした。ただ、OBの気迫がそれによってさほど弱められたりはしていないようには見えましたが。

レオン・シュピーラー(LS)については、「対比の鮮やかさ」と「性格的表現」にその特徴があるように思いました。ですから、「ティルオイレンシュピーゲル」などのソロの部分などでは実に見事でした。LSはTBやMSがBPOを去ったあと、実質上はBPOのコンサートマスターのリーダー格でした。カラヤンの指揮でそれまではMSが弾いていたソロを彼が弾くようになりました。やはりカラヤンは新顔のコンサートマスターの安永さん(TY)やスタブラヴァ(DS)よりも、古顔のLSにソロを託したのでしょうか。LSはそれに見事に応えていたように思いました。MSが定年でBPOを去った後にカラヤンは再び「英雄の生涯」をプログラムで取り上げますが、この時は当初は安永さんが第1プルトの表(つまりソロ)を引くことになっていたものの確か直前でLSに変更になりました。ですから、80年代の映像・録音ではLSがソロを弾いています。ここらあたりの事情は微妙ですね。理由は上記のようなことではないでしょうか。

ミシェル・シュヴァルベ(MS)がカラヤンを敬愛していたのと同様に、カラヤン及びシュトレーゼマンもMSに全幅の信頼をよせていたこと、これはもう間違いない事実と思われます。 ....ただしかし、どうも私の心の中で一点のシミのように感じなくもない点があります。それは、BPOとあのカラヤンの関係が一時的に悪化した時代ですが、確かカラヤンの指揮のコンサートでMSの「BPO引退記念」に彼がコンチェルトを弾くプログラムが(作曲者を思い出せません、メンデルスゾーンだったかな?)が発表されていましたが、カラヤンとBPOの関係悪化でカラヤンが事前にキャンセルした時がありました。カラヤンの「代役」は小沢征爾さんでした。ところが「代役指揮者」が発表されるや否やMSは直後にキャンセルしてしまった...そういうことがありました。今にして考えてみますと(これは憶測の域を出ませんが)、MSはベルリンの聴衆やBPOよりも「カラヤンの側」を選択した...そういうことだったのかもしれません。それぐらいカラヤンを敬愛していたということでしょうけれども、それが正しい行動だったのかどうかについては議論がなくもないでしょう。おっと、これはあくまで「憶測」を前提にした話ですので、軽率には言えますまい。

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by berlinHbf | 2008-02-20 19:45 | ベルリン音楽日記 | Comments(8)

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