ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


by berlinHbf

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

Amazonにてネット購入ができます。



『街歩きのドイツ語 』
¥1,575
三修社

豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
¥1,575
ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

ベルリン更新情報
2013/02/20 up

ベルリン個人ガイドのご案内

執筆、ガイド、コーディネートなどのご依頼、お問い合わせはこちらまで(これまでの出版・寄稿実績)→
masatoberlin[AT]
yahoo.co.jp

ドイツ語ブログ
Berlin no kaze
1/18 up!「Schreiben auf deutsch über Japan」

※お願い
当ブログの写真や文章に関する、無断での転写・転用を禁じます。
© Copyright 2005-2015 Masato Nakamura. All Rights Reserved





検索

フォロー中のブログ

ニューヨークの遊び方
foggyな読書
おやぢの部屋2
怠け者の備忘録
庭は夏の日ざかり
資料館の書庫から
Morios Tagebuch
Prost Familie!
田口ランディ Offic...
長坂道子「ときどき日記」
ほにゃく犬の字幕ほにゃく日記
まめびとの音楽手帳
blue in green
毎日ベルリン!
大栗博司のブログ
好きを仕事にする大人塾「...
Trans Europe...
ヤッホー!今日はどちらへ?
ドイツ木組みの家街道 -...
Sayako's Con...
こなな日記 Vol.2

外部リンク

タグ:アート(Kunst) ( 66 ) タグの人気記事

BZ Lexikon(112) 「緑の丸天井」

e0038811_78296.jpg
Photo: dpa

2006年はザクセン州の都ドレスデンが誕生してから800年という記念の年で、800年祭が盛大に祝われています。昨年はフラウエン教会が再建されて世界的な話題を呼びましたが、この9月1日、戦争終結から61年を経てまた一つドレスデンの至宝が甦りました。9月1日の紙面より。

Lexikon: Grünes Gewölbe(緑の丸天井)

Das Grüne Gewölbe ist die Schatzkammer im Dresdner Residenzschloß: Kurfürst August der Starke (1670 bis 1733) ließ die tresorartigen Zimmer um 1729 einbauen, um hier seine kostbare Sammlung zu zeigen. Es ist damit eines der ältesten Museen Europas. Ihren Namen verdankt die "Geheime Verwahrung", so der ursprüngliche Name, malachtgrünen Abfärbungen einzelner Bauteile. Im Februar 1945 zerstörten Bomben drei der acht Räume. Seit dem 7. September 2004 ist das Neue Grüne Gewölbe mit zehn Räumen im ersten Stock des Westflügels des Schlosses geöffnet. Heute wird das restaurierte und rekonstruierte Historische Grüne Gewölbe wieder eröffnet.

訳)「緑の丸天井」とは、ドレスデンのレジデンス城にある宝蔵のことである。すなわち、選帝侯アウグスト強王(1670-1733)が1729年頃、ここに貴重なコレクションを展示するため貴重品収納室風の部屋を組み込ませた。それゆえに、その宝蔵はヨーロッパ最古のミュージアムの一つである。「(緑の丸天井の)秘密の保管庫」という本来の名前は、いくつかの建築部分におけるマラカイトグリーンの染色に負うている。1945年2月の爆撃によって、8つの部屋のうち3つが破壊された。2004年9月7日以来、城の西翼の1階に10部屋を持つ「新しい緑の丸天井」がオープンしている。今日、修復・復元された歴史的な緑の丸天井が再オープンする。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2006-09-02 01:23 | BZ Lexikon (101-150) | Comments(0)

ハンブルク駅現代美術館でミもココロも涼む

e0038811_6342100.jpg
Hamburger Bahnhof - Museum für Gegenwart(7月27日)

この木曜日、久々にハンブルク駅現代美術館に足を運んで来た。その名前からも建物の外観からも想像できるように、ここは19世紀末までハンブルク行きの列車が発着するターミナル駅だった。建物を改築し、美術館として生まれ変わったのは1996年のこと。今回は今年で10周年を迎える、ベルリンでも異色のこのミュージアムをご紹介してみたい。

e0038811_6343149.jpg
ハンブルク駅現代美術館はベルリン中央駅から歩ける距離にある。私が意図して木曜日の午後に訪れたのは、毎週この日の14時から18時までは入場無料だからだ。これは知っておいて損はないだろう。ベルリンは相変わらず30度を越える日々で、この日も猛暑。が、汗をかきながら館内に入ると、別世界に来たかのような心地よさを感じる。冷房が程よく効いているせいもあるが、この美術館はまず空間としてすばらしい。もともと駅だった面影を残す広々とした本館は白を基調とし、窓から光がシャワーのように心地よく差し込んでくる。ここは私のベルリンの好きな場所の一つだ。

e0038811_6463926.jpg
e0038811_635547.jpg
e0038811_6353710.jpg
本館の後方からは、さらにRieckhallenという別館が延びているのだが、これがまた途方もなく広い。別館は地上階に加えて地下もある。

e0038811_646726.jpg
もともと何かの倉庫だったのではないかと思わせるような建物なのだが、この広大なスペースに贅沢なほどゆったりと作品が並んでいる(見張りの係員も身をもてあましているような感じ^^;)。ここにはFriedrich Christian Flickが収集した、いわゆるフリックコレクションが集められている。

e0038811_636140.jpg
ホール3ではRichard Jacksonというアーティストの特別展示をやっていた(8月13日まで)。

e0038811_640716.jpg
作品は3つしかないのだが、その中で面白かったのはこれ。一体何だと思いますか?

e0038811_6362885.jpg
格子に囲まれた狭い1本道をぐるりと回ると(一方通行なので、ご覧のように入り口で入場制限がある)、正方形の檻のようなその中に入ることができる。格子とその奥の壁に描かれているペインティングとが重なり合って、目を動かす度に色彩の表情が変わる不思議な空間。こんな感じに見えます↓

e0038811_6365395.jpg
e0038811_637197.jpg
e0038811_641232.jpg
解体中の共和国宮殿に関する写真展もあった。

e0038811_6412677.jpg
こちらはアンディ・ウォーフォルの間。奥の毛沢東の絵、デカい。

この美術館は現代美術を「鑑賞」するというよりも、広大な館内を散歩するような感覚で訪れるのがいいのではないかと思う。とにかく広いので、歩いているうちに実際さまよっているような気分にもなってくる。冷房が効いているのでこの時期でもおすすめだし、何よりもその空間自体に圧倒されるはずだ。

Hamburger Bahnhof - Museum für Gegenwart - Berlin
Invalidenstraße 50- 51 · 10557 Berlin
Telefon (+49 30) 397834-11
Fax (+49 30) 397834-13
開館時間:10時~18時(土曜日は11時~20時。日曜日は11時~18時。
月曜閉館)
料金:8ユーロ/学割4ユーロ(木曜日の14時~18時は入場無料)

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2006-07-29 02:01 | ベルリン文化生活 | Comments(9)

新ナショナルギャラリーの「メランコリー」展

e0038811_593072.jpg
メランコリー漂うベルリンの冬の空。Neue Nationalgalerieにて(2月24日)

ノイエ・ナツィオナールギャラリー(新ナショナルギャラリー)で開催中の「メランコリー 芸術における天才と狂気」という展覧会を先日観て来ました。これは、「メランコリー」という概念が、ヨーロッパにおいていかに芸術の源泉になったかを、古代ギリシャから現代までの300以上の絵画、彫刻、写真、ビデオアートなどの作品を観ながら辿ることができるという、圧巻ともいえる展覧会でした。
内容を少しご紹介してみましょう。

e0038811_137160.jpg
Deodato di Orlandi, Johannes der Täufer (13c)

メランコリーという言葉は、「黒い肝汁(Melas cholé)」意味する古代ギリシャ語が起源です。紀元前400年頃、ヒッポクラテスが始めた体液病理学によると、メランコリックな気質の人というのは、血液に黒い肝汁が余分に流れ込んでいるからだと説明されていました。憂鬱気質の人は立派な病気とされていたのです。その理論によると、人間の性格も「多血質・肝汁質・憂鬱質・粘液質」の4つに分類され、憂鬱質の要素は「土(元素)、秋(季節)、成人(人生の中で)、午後(一日の中で)」でした。

e0038811_6164858.jpg
Geertgen tot Sint Jans, Johannes der Täufer in der Einöde (1480-1485)

そんなわけで、メランコリーであるということはネガティブに見られることが多かったようなのですが、一方でその逆の見方も古代から存在していました。つまり、「メランコリーは天才の創造の源泉である」という考えです。「哲学、政治、詩、芸術において、卓越した業績を残した人間は、どうして揃いも揃ってメランコリックなのだろうか?」という紀元前4世紀のアリストテレスの言葉が紹介されていました。

中世においては、メランコリーは「修道士の病気」として知られ、7つの罪のひとつでさえあったそうです。このコーナーでは絵画だけでなく、中世の医学書や神学書なども展示されていました。こうもりの剥製なども置いてあって、ちょっと恐かったですが^^;)。

e0038811_1393398.jpg
「メランコリー」というタイトルで、おそらく最も有名な芸術作品はこれではないでしょうか。デューラーの「メランコリア1」という銅版画ですが、思いのほか小さい作品でした。モデルの男性はデューラー自身といわれています。これも、「メランコリー=孤高の天才」という系譜に属する作品と見ていいのでしょう。

e0038811_6152210.jpg
さて、こちらも「メランコリア」というタイトルのクラナッハの作品。これはメランコリーと当時盛んだった錬金術とが結び付いた作品だそう。クラナッハ作品に出てくる女性特有の挑発的な目が印象的ですが、この絵にはいろいろなアレゴリーが隠されているようです。

e0038811_6142877.jpg
これは17世紀、ドメニコ・フェッティの「メランコリア」。この時期、メランコリーは死と結び付けられ、無常観(Vergänglichkeit)の色の濃い作品が多く登場します。しばしば画面に登場する、されこうべ、ろうそく、砂時計はいずれもそのシンボルです。

この展覧会では、「メランコリーの響き」というメランコリーと音楽を結び付けたコーナーもありました。憂鬱性をまぎらわすのに、音楽には古くから重要な癒し効果があるとされていたんですね。ちなみに、音楽療法という概念は旧約聖書のサムエル記にすでに出てくるんだそうです。

1628年に血液循環が発見されたことにより、「メランコリックな人間は体液が黒いからだ」という考えはもはや意味をなさなくなりますが、「メランコリーは芸術における創造の源泉」、「天才と狂気は紙一重」という古代からの考えは、18,19世紀の芸術美学に強い影響を及ぼします。今回の展覧会でも、19世紀の作品にとりわけゆったりしたスペースが割かれていたのには頷けました。まずは左右対称に並ぶ、C.D.フリードリヒの大きな画面の2作品に圧倒されます。メランコリーは自然と結び付いていくのです。

e0038811_6174545.jpg
Casper David Friedrich, Adtei im Eichwald (1809-1810)

e0038811_618740.jpg
Casper David Friedrich, Mondaufgang am Meer (1822)

e0038811_146349.jpg
静謐感漂うアーノルド・ベックリン(Arnold Böcklin)の「死の島」。この時代からは、ゴッホ、ムンク、ピカソをはじめとした名作が目白押し。有名な、ロダンの「考える人」も登場します。

e0038811_4352772.jpg
Vincent van Gogh, L'Arlésienne: Madame Joseph-Michel Ginoux (1888 or 1889)

それにしても、腕を曲げて、手を頭にやるポーズがやはり多いですね。これはヨーロッパ特有なのか?例えば、日本の絵画で、こういうポーズを描いた人物画は、あまり思い浮かばないのですが。

e0038811_1465758.jpg
Frank von Stuck, Luzifer (um 1890)

この時代のメランコリックな絵を観ていると、マーラーの音楽でも聴きたくなってきます。この前書いたR.シュトラウスのオペラ「ばらの騎士」も、私の中ではまさにメランコリーな作品。

実はこの「メランコリー」展、絵画だけでなく、メランコリーをテーマにした映画やコンサートなどの付属プログラムも充実しているのです。例えば映画だと、タルコフスキーの「ノスタルジア」やジャン・コクトーの「オルフェオ」、最近のものだと、「ロスト・イン・トランスレーション」や「花様年華」といった作品が上演されます。このラインナップには、うーん納得という感じです。

e0038811_1473025.jpg
やがて時代は20世紀へ。これはベルリン生まれのアメリカ人画家、ゲオルゲ・グロッス(Georg Grosz)のDer Liebeskranke(恋の病)という作品。このあたりまでくると、どこがメランコリーでどこが狂気なのだかわからなくなってきますが、これが20世紀というものなのでしょうか。

書き疲れてきたので最後は駆け足になってしまいましたが(後ほど少し書き足します)、メランコリーに彩られてきたヨーロッパのアートの歴史をたっぷり眺めることができる、文句なしにおすすめの展覧会です。5月7日までなので、機会のある方はお早めにどうぞ。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2006-04-18 23:01 | ベルリン文化生活 | Comments(12)

ボーデ博物館の修復工事終了!(2)

e0038811_7191791.jpg
前回に続いて、最近修復工事が終わったボーデ博物館の内部の様子をお伝えします。ボーデ博物館がオープンしたのは1904年のこと。当時の名称は「カイザー・フリードリヒ博物館」でした。現在の名前は、ヴィルヘルム・フォン・ボーデ(Wilhelm von Bode、1845-1929)という、20世紀初頭にベルリンの博物館の館長を務めていた人物に因んでいます。

e0038811_7205676.jpg
正面の建物2階の光を差し込む窓。このデザインがとても気に入りました。

e0038811_7214252.jpg
e0038811_7273220.jpg
おもしろいと思ったのが、各部屋の入り口のドア。美術史の様々な時代様式に基づいていて、デザインがどれも違うんです。

e0038811_728037.jpg
e0038811_9341212.jpg
e0038811_7284927.jpg
e0038811_7321236.jpg
こちらはある部屋の天井のフレスコ画。戦争で破壊され、完全にオリジナルのまま復元されたといいます。その技術は本当にすばらしい。

e0038811_7364882.jpg
博物館の内部は広い。本当に広いです。今回ほぼ全ての部屋を観て回りましたが、再び出口に戻る頃にはくたくたになっていました。部屋が空っぽの状態でこれなので、展示物が置かれるようになった時、全部観るのに一体どのくらいの時間がかかるのでしょうね。

e0038811_7395019.jpg
ボーデ博物館が来年の夏に再オープンすることで、この博物館島にある5つの博物館のうち、修復工事が終了していないのは新博物館(Neues Museum)だけとなります。こちらの再館予定は2009年。この町が東西に分断されていたこととも関係がありますが、一度戦争で失ったものを元に戻すのには、途方もない時間がかかるものだということを実感します。ともあれ、ボーデ博物館の再館は本当に楽しみです。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2005-12-09 01:10 | ベルリン文化生活 | Comments(2)

ボーデ博物館の修復工事終了!(1)

e0038811_962661.jpg
先週の月曜日、5年半に及ぶボーデ博物館の修復工事がついに終わり、先週末一般公開されました。ボーデ博物館とは、ベルリンの博物館島(Museumsinsel)の一番北側に位置する写真の博物館のことです。第2次世界大戦で甚大な被害を被り、長らく閉鎖されていました(この写真は10月に撮影したもの)。

e0038811_97493.jpg
3日間に及ぶ、無料の一般公開は大盛況。私は最終日の日曜日の午後に観に行きましたが、ご覧の通り長い行列ができていました。戦後60年目にしての完全修復、ということで、ベルリンの人々にとっては特別の意味合いがあるのかもしれません(後方に写っているのは、ペルガモン博物館)。

e0038811_973699.jpg
長い行列から開放され、ようやく中に入ってみると、あれれ・・
そうです。修復作業は終わりましたが、彫刻やビザンティン美術が中心の博物館として再オープンするのは、2006年の夏から。まだ展示物は置かれておらず、内部はご覧の通り空っぽの状態なのです。とはいえこれは、歴史ある博物館の内部をじっくり観察できる貴重な機会でした。

e0038811_9135983.jpg
ボーデ博物館の歴史や修復作業の過程を解説したパネルを熱心に眺める人たち。観光客はほぼ皆無で、ほとんどが地元の人々という感じでした。

e0038811_911845.jpg
圧巻は博物館の南側にある、Kleine Kuppelhalleと呼ばれるドーム状の部屋。何もかもが真っ白です。その鮮やかさには本当に圧倒されました。

e0038811_9113627.jpg
多くの人々がこの前で立ち止まり、感嘆の声を上げていたのも、当然と言うべきでしょう。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2005-12-06 02:22 | ベルリン文化生活 | Comments(7)

ペルガモン博物館と再び共和国宮殿

e0038811_70538.jpg
共和国宮殿の「お立ち台」よりブランデンブルク門方面を望む(9月28日18時32分)。

大学時代の先輩から紹介されたあるお客さんがベルリンを訪れ、昨日の午後、町をご案内した。待ち合わせ場所は博物館島にあるペルガモン博物館。私がこの博物館を訪れるのは3回目だが、毎度のことながらそのスケールに圧倒される。ここは日本語によるオーディオガイド(無料)があるので、非常に助かるのだが、全ての説明を聞こうと思ったら丸一日はかかるだろう。そのぐらいの規模だ。

この建物の一角で、「ヘルクラネウムの最後のとき(Die letzten Stunden von Herculaneum)」という特別展がたまたま行われていたのだが、これがとりわけ面白かった。Herculaneumとはイタリア名でエルコラーノ(Ercolano)。ポンペイほど有名ではないが、紀元後79年のヴェスーヴィオ火山の大噴火で、町ごと一瞬にして埋まってしまったナポリ近郊の町である。私は昨年、母親とポンペイを訪れたので、これらの展示物は身近に感じることができた。

灰に埋もれ忘れ去られたこの町が発掘されたのは、1709年になってから。ポンペイより少し早かったとことになる。今回、そこから発掘された彫刻、モザイク画、調度品、アクセサリーなどが並べられたが、イタリア以外でそれらが展示されるのは初めてだという。噴火で町が崩壊する様子を再現した3D映像の他、遊びのためのサイコロや酸化したパンなんていう生活感がにじみ出たものも置いてあった。そして1982年になって初めて発見されたという、折り重なるように横たわる人の死体。わけのわからないまま一瞬のうちに死んでいった人々の恐怖が、時を越えて生々しいばかりに伝わってくる。

そのペルガモン博物館から程近い場所に、以前ご紹介した(こちらを参照)共和国宮殿(Palast der Repblik)がそびえているのだが、ちょうど現代アートの展示会をやっていたので、これも観ることになった。この中に入ることは、それだけでひとつの体験だ。ほとんど廃墟ではあるのだが、何ともいえない雰囲気が中の空間を支配している。オーラがあるというか。本当に今年末で壊されることになってしまうのだろうか・・

e0038811_9172546.jpg
e0038811_715367.jpg
e0038811_722152.jpg
(この写真のみ9月20日撮影)

その後、バスでブランデンブルク門へ。日が沈む直前、そこから程近いホロコースト記念碑も訪れる。一緒に見て回った方は、ここには強い印象を受けたご様子。まだ2日目だが、ベルリンのことを気に入ってもらえたようだ。日没寸前の石碑群は、またいつもと違う色合いを放っていた。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2005-09-29 02:23 | ベルリンのいま | Comments(4)

カテゴリ

Deutsch
ベルリン中央駅
ベルリンのいま
ベルリン個人ガイド
ベルリン発掘(西)
ベルリン発掘(東)
ベルリン発掘(境界)
ベルリン発掘(全般)
ベルリン思い出話
ベルリンの人々
ベルリン音楽日記
ベルリン文化生活
ベルリン子育て日記
ベルリンを「観る」
ベルリンを「読む」
ベルリンあれこれ
ベルリン天使の降りた場所
ベルリン音のある街
ベルリンクイズ100
ベルリンリンク集
ドイツ全般
ドイツから見た日本
サッカーWM2006他
欧州を感じる旅
- 2005ウクライナ紀行
ドイツ語関連
ニッポン再発見
その他
BZ Lexikon (Berlin)
BZ Lexikon (1-50)
BZ Lexikon (51-100)
BZ Lexikon (101-150)
BZ Lexikon (151-200)

タグ

(113)
(112)
(111)
(107)
(105)
(97)
(96)
(87)
(86)
(78)
(73)
(67)
(66)
(64)
(58)
(55)
(54)
(46)
(42)
(40)

以前の記事

2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
more...

最新のコメント

山根正次のサインが「玄洋..
by 浦辺登 at 10:25
コメントありがとうござい..
by berlinHbf at 04:46
今、NHKBSで「ベルリ..
by 流れ星 at 01:14
Yozakuraさん ..
by berlinHbf at 02:26
Masatoさま  肝..
by Yozakura at 12:34
Masatoさま  未..
by Yozakura at 12:26
kokhavさん こち..
by berlinHbf at 06:13
長い間、ありがとうござい..
by kokhav at 22:30
焼きそうせいじさん 大..
by berlinHbf at 05:57
年に1回の日本での授業に..
by 焼きそうせいじ at 19:31
ヒガシモンさん 詳細な..
by berlinHbf at 17:02
kokhavさん >み..
by berlinHbf at 16:49
冬風さん コメントあり..
by berlinHbf at 16:46
続き…今回ドイツ宛へ物を..
by ヒガシモン at 15:44
マサトさん>ご返信ありが..
by ヒガシモン at 15:20
おかえりなさいませ。 ..
by kokhav at 23:31
ベルリンからの長旅お疲れ..
by 冬風 at 20:21
ヒガシモンさん こうい..
by berlinHbf at 18:51
軒国彦さん はじめまし..
by berlinHbf at 18:48
桑原さん ご丁寧なコメ..
by berlinHbf at 17:49

ブログパーツ

※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません

最新の記事

10年分の感謝、ひとまずのお..
at 2015-08-03 23:23
上棟式を迎えたベルリン王宮
at 2015-07-18 22:29
指揮者キリル・ペトレンコのこと
at 2015-07-13 23:09
発掘の散歩術(60) - 番..
at 2015-07-08 14:18
ポツダムの新庭園へ!
at 2015-07-04 10:49
発掘の散歩術(59) - 7..
at 2015-06-13 16:43
マルティン・グロピウス・バウ..
at 2015-06-08 10:18
山梨での週末
at 2015-06-02 00:54
長男誕生3、4ヶ月目 - 日..
at 2015-05-23 21:39
旧カール・マルクス書店が文学..
at 2015-05-17 14:12
ドイツニュースダイジェストの..
at 2015-05-10 15:00
発掘の散歩術(58) - S..
at 2015-05-10 13:48
変わりゆくツォー駅周辺
at 2015-05-01 18:52
「西ベルリン」の回顧展
at 2015-04-20 21:23
NHK『テレビでドイツ語』新..
at 2015-04-10 17:01

記事ランキング