ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
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(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

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地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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発掘の散歩術(45) -ナチスの「机上の殺戮者」の館-

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オラニエンブルクにあるかつての強制収容所監査部跡 (2014-02)

※ザクセンハウゼン強制収容所の一連のルポの最後に、最近ドイツニュースダイジェストの連載に取り上げた「強制収容所監査部」の記事を転載したいと思います。


フリードリヒシュトラーセ駅からSバーンに乗って約45分、列車は終点のオラニエンブルク駅に到着した。ここにやって来る旅行者の多くは、ザクセンハウゼン強制収容所跡の訪問が目的だ。バスの本数は少ないので、私は歩いて行くことにした。駅の北側から長く延びるベルナウアー通りを東に進むと、「統一通り(Str. der Einheit)」にぶつかる。ここを左に曲がれば強制収容所跡だが、さらに5分ほどまっすぐ歩くと、左手に大きな建物が広がった。「強制収容所のテロの中心」と記された看板が手前に立っている。


「強制収容所監査部(通称IKL)」。ドイツのすべての強制収容所を管理していた組織の建物が、ザクセンハウゼン強制収容所のすぐ隣に現存していることはあまり知られていない。

この日は土曜日で、入り口にはほかに誰もいなかった。やや不安になって扉を開けると、守衛のおじさんが「展示は上の階だよ」と淡々と教えてくれた。現在は税務署として使われている建物を上がって行くと、2階正面の一室が展示室になっていた。

1934年にベルリンで設立されたIKLは、その4年後にオラニエンブルクに移ってきた。それは隣のザクセンハウゼン強制収容所が、ナチスのモデル収容所の役割を担わされたことと関係がある。ナチス・ドイツの支配領域には32の強制収容所があったが、トップダウン式の管理機構が徹底していたナチス統治下では、各収容所がそれぞれ独自に決断を下していたわけではなかった。毎月、遠方からも含めて全収容所の指揮官がここに集まり、囚人の食料、衣服、処刑に関すること、果ては人体実験といった事柄までもが取り決められた。ホロコーストが本格化して以降、アウシュヴィッツで初めて投入された毒ガス「ツィクロンB」もIKLを通して輸送された。膨大な数のユダヤ人だけでなく、シンティやロマといった少数民族、ソ連兵をはじめとする戦争捕虜などが、ごく少数の支配者の手に操られ、無惨な死を遂げていった。

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展示されていたツィクロンBの空き缶

もっとも、「いかに効率良く人を殺すか」という任務に当たっていた“Schreibtischtäter“(机上の殺戮者)が「ごく普通の」人たちだったことは、最近日本でも公開され話題を呼んだ映画『ハンナ・アーレント』に登場するアドルフ・アイヒマン(ホロコーストで指揮的役割を担ったナチスの親衛隊員)を例に取れば分かるだろう。ブランデンブルク州の歴史記念施設の館長であるギュンター・モルシュ氏はこう説明する。「1941年8月末に行われた会議では、ソ連の戦争捕虜の殺害が議題になりました。ここに集まった各収容所の指揮官にザクセンハウゼンで考案した殺害方法が紹介され、実際に7〜9人の捕虜が銃殺されました。その後、彼らは笑いながら会議室に戻り、コーヒーやコニャックを飲みながら別の殺戮法について話し合ったのです」。

展示室にはツィクロンBの空き缶も置かれていたが、ここから指令された犯罪の規模を実感することなど到底できなかった。IKLの総督を務めたテオドール・アイケとリヒャルト・グリュックスは1945年までに死亡したが、ここで働いていた約100人の親衛隊員のうち、戦後有罪判決を受けたのはわずか2人だけだったという。かつて総督の執務室だった部屋には、この日、2月にしては穏やかな光が差し込んでいた。


Information
強制収容所監査部跡 
Insepektion der Konzentrationslager (IKL)

1938年から45年にかけて存在した、ナチスの強制収容所のシステム全体を管理した本部(建物の形からT棟と呼ばれる)。昨年10月から、IKL総督の執務室だった部屋で「強制収容所監査部 1938〜45 テロの構造」という常設展が行われている。ザクセンハウゼン強制収容所跡にほぼ面しているが、収容所跡の入り口へはそこから大回りする必要がある。説明は英独併記。

開館:月〜金8:00〜18:00、土日12:00〜16:00
住所:Heinrich-Grüber-Platz, 16515 Oranienburg
電話番号:03301-810912
URL:www.stiftung-bg.de/gums


ザクセンハウゼン強制収容所跡 
Gedenkstätte und Museum Sachsenhausen

オラニエンブルク駅から徒歩20分の距離にある強制収容所跡。1936年に建てられ、首都の近くのモデル収容所として、ナチズムの強制収容所の中でも特別な役割を担っていた。施設内は極めて広く、ベルリンからの見学にはほぼ丸1日かかると見た方が良い。インフォメーションに日本語の案内書(1ユーロ)が置かれている。どちらの施設も入場無料。

開館:8:30〜18:00(3月15日〜10月14日)、8:30〜16:30(10月15日〜3月14日)。博物館、資料館は月曜定休。
住所:Str. der Nationen 22, 16515 Oranienburg
電話番号:03301-200-0
URL:www.stiftung-bg.de/gums

by berlinHbf | 2014-04-27 15:07 | ベルリン発掘(東) | Comments(0)

ザクセンハウゼン強制収容所跡を歩く(5) -収容所で見た夕日-

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Gedenkstätte und Museum Sachsenhausen (2014-02-22)

とびとびの連載になってしまったが、ザクセンハウゼン強制収容所の規模の一端をいくらかお伝えできただろうか。午前中にベルリンを出発しても、強制収容所の奥にあるクレマトリウムまで見学して、再び収容所の門に戻る頃には、大体もう夕方になっている。

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最後に訪れるのは、独房棟(Zellenbau)と小収容棟(Kleines Lager)と呼ばれるバラック跡だ。冬期の閉館時間は16時半。薄暗く人気の少ないバラックの中に入るのは、正直ちょっとこわい。

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こちらがゲシュタポと収容所の監獄だった独房棟の内部。壁によって周囲からは隔離された中に、かつて80の独房があった。反ナチのマルティン・ニーメラー牧師(1892-1984)など、特に影響力のある収容者もこの中に拘留していたという。

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 ここを抜けると、処刑台が当時のままの状態で残されている。壁によって外からは見えないこの場所で、残酷な虐待や殺害が密かに行われたのだった。

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そして小収容棟に属していたバラック38と39。1938年11月から42年10月までの間、ユダヤ人の収容者はすべてここに詰め込まれていた。

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ドイツ統一後の1992年、両方のバラックは反ユダヤ主義者によって放火されたそうで、特にバラック38の方には天井に焼け跡が生々しく残っている。そのためか、囚人のベッドがぎっしり置かれた部屋はガラス越しにしか見ることができない。

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 私が初めてここを訪れた2007年冬、小収容棟からA塔に戻るときの夕暮れの風景と凍てつくような寒さを思い出す。同じ年、アウシュヴィッツを訪れた際も、どういうわけか、とても美しい夕暮れを見たのだ。ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』(みすず書房)の中で、彼がアウシュヴィッツから別の収容所に貨物列車で輸送されたとき、隙間から見えたアルプスの山々の神々しい美しさに感動し、これだけ人間性を蹂躙されてなお、美に感動する精神が残っていたことに自分自身驚くという印象的な箇所がある。もしも自分が同じ立場に置かれたら、あの夕焼けを見て、何かを感じられるのだろうか・・・。

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上と同じ角度から(2014年2月)

5回に分けてザクセンハウゼン強制収容所の主要な場所をご紹介してきたが、医療殺人や人体実験なども行われた医療棟のバラック(Krankenrevierbaracken)や地下に死体安置場を備えた病理学棟(Pathologie mit Leichenkeller)までは書き切れなかった(もっとも、それについての展示を見るのも書くのも、相当なエネルギーが要りそうだ・・・)。収容所の一番奥にあるソ連時代の特設収容所跡には、まだ私も行ったことがない。とにかく、丸1日ですべてを見られる規模ではない。

ベルリンの周辺でこれほど気が滅入る場所もないけれど、それでも何かを感じるべき場として、一度は訪問されることをお勧めしたい。やはりアウシュヴィッツの生還者であるイタリア人のプリーモ・レーヴィが、『アウシュヴィッツは終わらない』(朝日選書)の中で記しているように。
ナチの憎悪には合理性が欠けている。それは私たちの心にはない憎悪だ。人間を超えたものだ。ファシズムという有害な幹から生まれた有毒な果実なのだが、ファシズムの枠の外に出た、ファシズムを超えたものだ。だから私たちには理解できない。だがどこから生まれたか知り、監視の目を光らすことはできる。またそうすべきである。理解は不可能でも、知ることは必要だ。なぜなら一度起きたことはもう一度起こりうるからだ。良心が再度誘惑を受けて、曇らされることがありうるからだ。私たちの良心でさえも。

最後にもう一つ、レーヴィの体験記の中から、彼が後年若い読者に向けて書いた一節を引用したい。これはいまの時代に当てはめても考えることのできる箴言ではないだろうか。
彼ら(ナチスの信者たち)は何の変哲も無い普通の人だった。怪物もいないわけではなかったが、危険になるほど多くはなかった。普通の人間のほうがずっと危険だった。何も言わずに、すぐに信じて従う職員たち、たとえば、アイヒマン、アウシュヴィッツの所長だったヘス、トレブリンカの所長だったシュタングル、20年後にアルジェリアで虐殺を行ったフランスの軍人たち、30年後にヴェトナムで虐殺を行ったアメリカの軍人たち、のような人々だ。
だから、理性以外の手段を用いて信じさせようとするものに、カリスマ的な頭領に、不信の目をむける必要がある。他人に自分の判断や意思を委ねるのは、慎重になすべきである。予言者を本物か偽物か見分けるのは難しいから、予言者はみな疑ってかかったほうがいい。啓示された真実は、たとえその単純さと輝かしさが心を高揚させ、その上、ただでもらえるから便利であろうとも、捨ててしまうほうがいい。もっと熱狂を呼び起こさない、地味な、別の真実で満足するほうがいい。近道をしようなどとは考えずに、研究と、討論と、理性的な議論を重ねることで、少しずつ、苦労して獲得されるような真実、確認でき、証明できるような真実で満足すべきなのだ。
『アウシュヴィッツは終わらない あるイタリア人生存者の考察』(プリーモ・レーヴィ著。朝日選書)のP245より

by berlinHbf | 2014-04-25 15:41 | ベルリン発掘(東) | Comments(4)

東京の本屋がベルリンに

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クロイツベルクの書店「Motto Berlin」に並んだ日本の書籍

3月末から2週間、「ベルリンの街に東京の本屋がやって来た!」をコンセプトに、東京の独立系書店5店が選んだ日本のアートブックと文房具がクロイツベルク地区の書店で展示販売されました。


地下鉄U1のSchlesisches Tor駅から徒歩3分。大通りから中庭に抜けると、アートブックを中心に扱う書店「Motto Berlin」が構えています。今回のイベントを企画したのは、ベルリン在住の原田潤さん。東京の大学を卒業後、グラフィックデザインを学び、現在は本とデザインにまつわる活動をしている彼に、そもそもなぜ日本の本をベルリンに紹介しようと思ったのか聞いてみました。

「一昨年、フランクフルトの書籍見本市で日本の本が紹介されている様子を見たのですが、僕らが楽しんでいる東京の本屋の雰囲気とずいぶん違うなと感じたのです。自分がやってきたことを生かして、日本の面白いものをドイツの人々に媒介できないかと思いました」。

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今回のイベントを企画した原田潤さん

店内に並ぶ書籍は、日本語を解さなくても楽しめる写真集など、70タイトル以上のビジュアルブックやバイリンガル表記の本が中心。2014年の木村伊兵衛賞を受賞した写真家・森栄喜さんの最新刊や、2012年にカッセルの現代美術の国際展「ドクメンタ」に出展した大竹伸朗さんの作品集のほか、戦後間もない時代の九州の街角を収めた井上孝治さんの写真集『想い出の街』といった古書まで、独自の視点で選ばれた幅広い年代の本が並びます。中学生の頃から神保町の古書店に通っていたという原田さんは、「古書を混ぜることで、時間軸に奥行きが出てくるんです」と、本への愛情を込めて語ってくれます。「デジタル書籍が増える中で、本の身体性というものを考えていきたい」との想いから、装丁やパッケージがユニークな本も何冊か置かれていました。

書籍に加えて展示されていたのが、日本発の文房具。ライフやツバメノート、印刷加工連といった日本の高い職人技術を感じさせる美しい紙文具、使いやすい筆記具や机周りの小物など、こちらも思わず欲しくなってしまうものばかり。

今回のイベントは、フィンランドのヘルシンキに次いでベルリンが2都市目の開催で、原田さんは「日本の出版物やものづくりに対するヨーロッパの人々の関心の高さを感じています。今後もドイツやヨーロッパの他都市で紹介していけたら」と意欲を語ります。

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「Motto Berlin」の"副店長"Tinte(写真提供:原田潤さん)

「Motto Berlin」は、アートブックに興味のある方にはお勧めの書店です。ひょっとしたら入り口で、店主が飼っている黒猫の「Tinte」(=「インク」の意)が迎えてくれるかもしれません。
www.mottodistribution.com

MOTTO BERLIN
Skalitzer Str. 68, im Hinterhof
10997 Berlin
U1 Schlesiches Tor
Ph: +49 (0)30 48816407
Fax: +49 (0)30 75442120
Open Monday – Saturday: 12h-20h

by berlinHbf | 2014-04-17 12:40 | ベルリンを「読む」 | Comments(1)

ユニクロ・ベルリン店初訪問!

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11日(金)に「ユニクロ」のドイツの1号店がオープンし、大きな話題を集めました。さすがの私もちょっと気になって、翌土曜日の夕方に様子を見に行ってきました。

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オープン直後だったことを差し引いても、何だかとても不思議な光景でした。まず、店内がとても広い。地下から2階まで、「売り場面積はおよそ2700平方メートルと、ヨーロッパにあるユニクロの店舗の中で最大」(NHKニュース)というだけのことはあると思いました。そして、それに応じてスタッフの数も多い(日本人スタッフも結構いらっしゃいました)。これは日本では当たり前のことですが、ドイツでは珍しいのです。デパートでも家電量販店でもブティックでも、何か聞きたいことがあるときに、人を捕まえるのが難しいことが少なくない。親切な店員も中にはいますが、「どーせまたつっけんどんな対応をされるんじゃないか」と内心ビクビクしている自分もどこかにいる^^;)。ところが、ユニクロでは、まず入り口に挨拶専門(?)のおねえさんがいて(おそらくこの週末だけでしょうが)、1人1人に声をかけてくれるんですね。私が店内にいた15分ぐらいの間に、一体何度「はっろー!グーテン・ターク!ヘァツリッヒ・ヴィルコメン!(ようこそ)」の声があちこちから聞こえてきたことか。私はいくばくかの恥ずかしさとこそばゆい気持ちで、店内にいる間、若干にやにやしていたかもしれません^^;)

こういう日本のおもてなし文化がベルリンのプロイセン的気質と今後どのように融合していくのか、とても興味があるところ。これは皮肉じゃなくてそう思います。
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場所はタウエンツィエン通りとニュルンベルガー通りの角という一等地。少し前までナイキのお店だったところ。

日本とのお値段の比較は厳密にはできませんが、全体的に日本よりは高めとはいえ、そこまで大きな開きはないとは言えそうです。現在の為替の関係もあるでしょう。ともあれ、土曜日のユニクロは大賑わいでした。クーダムでも帰りの地下鉄でも、ユニクロの紙袋を持ったドイツの人を何度も見かけたのは、やはり不思議な気がしました。

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ユニクロの欧州最大店 ドイツに開店
NHK動画ニュースより 4月12日 4時00分

大手衣料品チェーンの「ユニクロ」は、売り場面積がヨーロッパで最大となるドイツでの1号店を首都ベルリンに開き、倹約家が多く販売競争が激しいと言われるドイツの市場で、売り上げを伸ばせるか注目されます。

ユニクロのドイツ1号店は、ベルリン中心部の、ファッションブランドの店舗が数多くある大通りに設けられ、売り場面積はおよそ2700平方メートルと、ヨーロッパにあるユニクロの店舗の中で最大です。
開店初日の11日は、店の外に長い行列を作っていたおよそ500人の客が、オープンとともに店内に入り、ジャケットや肌着といった日本でも販売されている商品を次々に買い求めていました。
ドイツ人の女性は「ヨーロッパ風のデザインと違いがあって、買い物をしていてわくわくします」と話していました。
ユニクロがヨーロッパで出店するのは、イギリス、フランス、ロシアに次いでドイツが4か国目で、今後、ベルリンの1号店を拠点に、ドイツの主要都市へと事業を拡大していく方針です。
ただ、ヨーロッパ経済をけん引するドイツには、すでに欧米の大手衣料品チェーンが数多くの店舗を構えており、倹約家が多く販売競争が激しいと言われるドイツの市場で売り上げを伸ばせるか注目されます。

by berlinHbf | 2014-04-13 22:39 | ベルリン発掘(西) | Comments(5)

レオニダス・カヴァコスが弾くブラームス

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© Daniel Regan

しばらく音楽会から足が遠ざかっていた。先週は体調を崩したり、気持ちにやや余裕がなかったせいもある。机の上で作業しながら、好きな音楽をかけたり、よくかけているKulturradioから流れてくる音楽に耳を傾けるのももちろん楽しい。が、この数週間に聴いた音楽の記憶が吹っ飛んでしまうような2つの実演に接してしまった。記憶の新しいところから10日のベルリン・ドイツ交響楽団の演奏会から書いておきたい。

この演奏会、実はある知人が用事で行けなくなり、私にお声をかけてくださったのだった。ブロックAの前から4列目という、特にヴァイオリンのカヴァコスを聴くには最高の席だった。黒一色のスーツを着たカヴァコスと若手指揮者のダーヴィド・アフカムが登場。カヴァコスは長髪に眼鏡という出で立ちが特徴的だ。ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、あの雄大な序章が鳴り始めたときから、心の中が充実感で満たされる思いがする。カヴァコスはオーケストラの方を向いており、表情は伺えないが、彼の内なる緊張感がじわじわ高まり、聴き手にまである種の気が伝わってくるのは、今回の特等席ならでは^^。そこへ、ヴァイオリンのソロが勢いよく切り裂く。

協奏曲の演奏で特に肝心なのは、当然ながら最初にソロが入ってくる部分だろう。ここでオケとソリストの両者がうまくかみ合い、互いを高め合う予感のようなものが生まれれば、聴き手にある一定以上の感動は約束される。その点、この夜のカヴァコスは最初の数分の技巧的なソロで、聴き手を虜にしてしまったといえるかもしれない。少なくとも私は彼の奏でる音楽にずっと釘付けの状態だった。体温のある美しい音色、左手の技術の確かさはもちろんなのだが、彼の場合、よほど弾く姿勢がいいのか(もちろんそればかりではないだろうが)、どんな箇所でも体の芯がぶれず、音楽が求心力を失うことがない。カヴァコスという人は、物事をある形の中に冷静に収めようとする面と、感情を自然な形で表に出そうとするロマンチックな側面とが、高い次元でとてもバランスよく融合しているように感じられるのだ。

長さをまったく感じさせなかった1楽章。2楽章のオーボエのメロディーを受け継いで音楽がゆっくり膨れ上がっていくところも感動的だった。フィナーレではジプシーのリズムが弾ける。冒頭のリズムが繰り返される過程で、カヴァコスはさりげなく遊びの装飾も加え、一段と血沸き肉踊る音楽となってゆく。高校生のときから好きな曲だが、ソリストとオーケストラががっぷりに組んでの、このようなゾクゾクするような時間を体験したことは今までなかった。

私がカヴァコスを初めて聴いたのは、2003年5月の彼のベルリン・フィルとのデビュー公演だった。オール・シベリウスのプログラムで、ヴァイオリン協奏曲のほか、ベルグルントが交響曲の第6と第7番を振ったのだ。録音が残っていたら、改めてじっくり聴き直したい想い出の演奏会である。私は舞台左サイドの階段の踊り場で立って聴いていたのだが、すぐ隣の貴賓席を見たら、往年のベルリン・フィルの名コンサートマスターだったシュヴァルベさんがいらした。カヴァコスの演奏を身を乗り出すように聴き入り、演奏が終わると、歓声を上げて拍手を送っていたのをよく覚えている。私自身、初めてカヴァコスを聴いたこのとき、はっと揺り動かされる瞬間が何度かあった。その後、彼はベルリン・フィルにソリストとして定期的に呼ばれるようになり、数年前はアーティスト・イン・レジデンスも務めた。日本ではまだそれほどの知名度はないようだが、現代最高のヴァイオリニストの一人なのは間違いない。古典、現代問わず、今後も聴き続けていきたい音楽家だ。

長身でなかなかハンサムな若手指揮者アフカムは、ショスタコーヴィチも好演した。もっとも、この夜私にとってはブラームスの印象が強すぎて、他がややかすんでしまった感は否めない。

DAVID AFKHAM
Leonidas Kavakos Violine
Deutsches Symphonie-Orchester Berlin


Anton Webern
Sechs Stücke für Orchester op. 6 (1928) 
Johannes Brahms
Violinkonzert D-Dur 
Dmitri Schostakowitsch
Symphonie Nr. 15 A-Dur

by berlinHbf | 2014-04-12 23:57 | ベルリン音楽日記 | Comments(3)

映画『FORMA』坂本あゆみ監督インタビュー

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映画『FORMA』の坂本あゆみ監督(右)と谷中史幸プロデューサー

坂本あゆみ監督にお会いしたのは、今年2月のベルリン国際映画祭の期間中でした。それまでこの監督のことは全く存じ上げていなかったのですが、たまたまあるベルリン在住の知人がこの映画の関係者とお知り合いで、私にインタビューの仲介をしてくださったのでした。そんな不思議なご縁で、坂本監督の初監督作品である『FORMA』を観に行ったのですが、今回のベルリナーレで観た映画の中で(もっとも、そんなに多い数ではないけれど)もっとも強い印象に刻まれた作品となりました。約2時間半という長丁場を一切音楽を使わずに描いているにも関わらず、緊張感を途切らさずに観ることができましたし、やがて悲劇へと至る主人公の女性2人を「多面的」に描くその手法にも唸らされ、終演後は深い、そして複雑な余韻が残りました。坂本監督はこの映画を約6年の歳月をかけて完成させたそうで、じっくり考えて納得のいくものを作り上げていくその姿勢には、私自身刺激を受けました。

つい数日前、『FORMA』が第38回香港国際映画祭でもスペシャル・メンション(特別)賞を受賞したという朗報が入り、先月ドイツニュースダイジェストに掲載されたインタビュー記事を改めてここでご紹介しようと思いました。日本では8月16日(土)より渋谷のユーロスペース他にて公開されることが決まったとのこと。機会がありましたら、この注目すべき映画監督のデビュー作をぜひご覧いただきたいと思います。
by berlinHbf | 2014-04-08 23:00 | ドイツから見た日本 | Comments(0)

クロイツベルクのカフェChapter One

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しばらくブログをお休みしていました。今週は疲れがたまったのか、数年ぶりにダウンしてしまいました^^;)。しばらく安静にしていなければなりませんでしたが、周りの方の看護のおかげで、ほぼ回復しました。まあ、近所のお医者さんに久々に会って近況報告もできたし、体のことを考える上ではいい機会になったと思うようにします。そうこうするうちに、ベルリンではアイ・ウェイウェイの大規模な展覧会が始まったり、ツォー駅近くにBikini-Hausがオープンしたりといろいろな動きがあり、街にも早くまた出たいもの。

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今日はクロイツベルクのカフェを一つご紹介します。U7のGneisenaustr.駅から徒歩5分のところにあるChapter Oneという小さなカフェ。私が以前住んでいたクロイツベルク西側の界隈にあり、さらに歩くとマルクトハレのある広場にぶつかります。さほど目立たない外観のカフェですが、とても香り豊かなコーヒーを出してくれます。ご覧の通り、カプチーノのラテアートにもうっとり。

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周りを見ていると、地元の人がやって来て1杯飲んでは出て行き、また次の客が入ってテイクアウトしていったり、結構回転が速い。店内にトイレはないので、ゆっくりくつろげる感じではないけれども、味は本格的。こういうカフェが今ベルリンでは増えている気がします。

Chapter One
Mittenwalderstr. 30
10961 Berlin
火〜土9:00〜18:00
日11:00〜18:00

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近所のプラーク広場でも春の気配を感じられるようになってきました。
皆さん、どうぞよい週末を!
by berlinHbf | 2014-04-05 13:07 | ベルリン発掘(西) | Comments(0)

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