ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

Amazonにてネット購入ができます。



『街歩きのドイツ語 』
¥1,575
三修社

豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
¥1,575
ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

ベルリン更新情報
2013/02/20 up

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Berlin no kaze
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大船渡を旅する(1) 碁石海岸-正徳寺-越喜来

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碁石海岸の穴通磯

5月17日
早朝7時過ぎ、大船渡の盛に着くと友人の諏訪賀一君が迎えに来てくれた。彼は大学のオーケストラで知り合った仲間(今もオーボエを吹いている)。大学卒業後、沖縄の病院に心理カウンセラーとして勤務していたが、東日本大震災後、「国境なき医師団」の支援プロジェクトで被災地に渡ったことが縁となり、昨年秋から巡回型カウンセラーとして大船渡市の小中学校に勤務している。私も被災地に行ってみたい気持ちは強かったのだが、前回の帰国時は叶わず。そんな中、旧友がいま単身赴任で大船渡に来ているということを知り、今回何とかして訪ねようと思ったのだった。

バスでの長旅で疲れは残っていたが、諏訪君のアパートでコーヒーをご馳走になりながらしばらく談笑していたら、すっかり生気がよみがえってくるのを感じた。震災時はこのアパートの1階が浸水したこと、彼が大船渡に来たときは家の目の前がまだ瓦礫の山だった話などを聞いた。

実は今回は母との2人旅である。妻はこの時期九州の祖母を訪ねるので、1人で行くつもりだったのだが、母も被災地に行く機会を前から狙っていたらしく、数日前になって突然「私も行く!」と言い出したのである。結果、いろいろ助かった面が多かった。第一に移動手段のこと。大船渡線は完全に寸断された状態、バスも非常に本数が少なく、車がないと移動は非常に厳しいということがわかった。私は今回国際免許を持っていないので、車を運転できる母がいなかったら大船渡の外に出ることさえままならなかっただろう。

仕事に出る諏訪君と別れ、われわれはレンタカーを借りて、碁石海岸に行った。穴通磯の自然美が素晴らしかった。雷岩が生み出す独特の水しぶきの音、そして今でも脳裏に残っているウミネコの鳴き声・・・

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陸前高田の広田湾を望む。右手の敷地にJR大船渡線が走っていた。

午後になって雲が増え、小雨が降る中、陸前高田の方に向かう。広田半島の付け根にある小友小学校、両替といった地区を通っているとき、思い当たるところがあり、千葉望さんの『共に在りて』(講談社)を開いてみた。冒頭の地図を見て、「やはりそうだったか」と思った。この本の舞台が、まさにこのあたりだったのだ。だとしたら、この近くにある千葉さんのご実家であり、震災後避難所となった正徳寺はどこだろうかと訪ねてみたくなった。地元の人に何度か道を聞き、それでも迷い続け、ようやく正徳寺にたどり着いたときには雷鳴が轟き始めた。私はお寺の場所が確認できただけでよかったのだが、母は「ここまで来たらお寺の方に挨拶したい」と言ってきかない。

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入り口から中に入ると、玄関で1人の女性が立っておられた。挨拶して聞いてみると、千葉さんの義理の妹にあたる寿子さんだった。いきなり訪ねて来た見ず知らずの者に対して大変親切に接してくださり、少し時間があるからと、避難所となった建物、立派な本堂を見せてくださった。震災当初は布団の手配もままならならず、それでも廊下までぎっしり避難してきた人が埋め尽くしていたそう。後に大船渡市が畳の張り替えのためにお金を出してくれたことからも、今回の震災でこのお寺の果たした役割の大きさが伺えた。いまの本堂は約200年前に建てられたものだという。大きな木が茂る境内を眺め渡し、畳のにおいのこめる部屋にいると、心がどこか落ち着くのを感じた。立派な厨房も備わり、体育館などの避難所生活に比べて、ここに避難した方は、いくらかの安心感を得られたのではないかと想像する。千葉さんも書かれているが、現代の都会の人には、何か起きたときにお寺に避難するという発想がそもそも希薄だ。陸前高田では古くからの地域社会のコミュニティーの場が機能したが、これが東京だったらどうなっていただろう。別れ際、寿子さんが「被災地のことは何でも伝えて欲しい」というようなことをおっしゃっていたのが強く印象に残った。

大雨が降りしきる中、陸前高田を車で少し見て回る。この2日後にも陸前高田を訪れたので、感じたことなどはそのときにでも。

夕方、諏訪君と落ち合い、この日の宿のあづま荘へ向かう。市内から車で30分ほど、三陸町の越喜来というところにある。すでに真っ暗になってしまい、近くまで来てからが少し大変だった。海沿いの小さな漁村とはいえ、こんなにも明かりが少ないものかと思った。ようやく看板を見つけたが、別の道に入ってしまったようで、急勾配の坂を上っていくと、カエルの大合唱に迎えられる中、森に突入。もちろん完全に真っ暗闇である。宮本常一の『失われた日本人』に出てくるような前近代の世界だと思った。節電、節電といいながらも、以前とそれほど変わっているようには思えない東京の光の洪水が一瞬脳裏によぎる。何という落差だろう。しかし、これがある意味、戦後日本の縮図なのだ。恐くなって下に降り、民宿のおじさんに電話すると、車で迎えに来てくれた。口数は少ないが、いかにも漁師という感じの朴訥ないいおじさんだった。津波で漁船を2隻失ったが、それだけで済んでまだ幸いだった、というようなことを言っていた。

夕食は期待通り、釣ったばかりの魚介が満載で、中でもイカの焼き物の濃厚な味わいが美味。隣に座っていた、北海道から被災地の復旧作業のために来ているおじさんたちとお話しする。翌朝7時過ぎに朝食に行ったら、彼らの車はもうなかった。現場で働く人たちの朝は早い。

(つづく)

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by berlinHbf | 2012-05-26 10:23 | ニッポン再発見 | Comments(2)

写真家 橋口譲二氏の講演会

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写真家橋口譲二さん。1989年にベルリンの中古カメラ店で購入したという愛機と

現在、ツォー駅裏手のベルリン写真美術館Museum für Photografieにて、「戦後日本の変容」展が開催されています(6月17日まで)。1945~64年という激動の時代を背景に、木村伊兵衛や土門拳、細江英公ら、戦後日本の写真界を代表する11名の写真家によるモノクロ写真123点で構成された興味深い展覧会です。

この展覧会の関連プログラムとして、日本の写真関係者による講演会が何回か開催され、私は4月末に行われた写真家・橋口譲二さんの講演会「カメラがとらえた、日本が幸福だった時代と17歳の今」を聴きに行きました。橋口さんは、80年代からベルリンとの縁が深く、昨年は旧東ベルリンのホーフ(中庭)をテーマにした写真集『Hof ベルリンの記憶』を発表しています。

展覧会のテーマに合わせて、講演会の前半は1949年生まれの橋口さんが自分の子ども時代を振り返るところから始まりました。鹿児島での小学校時代、生徒の半数は裸足で学校に通っていたこと、中学卒業後は大都市に集団就職するのが当たり前だった風潮などに触れ、「日本と言うとお金持ちの国というイメージがあるかもしれませんが、それはここ30年ぐらいのことです。当時の人々は自転車やテレビ、洗濯機など、皆小さな夢を持って生きていました。それがいつの間にか、『欲望』に変わっていったのです」と聴衆に語ります。

そして、日本全国多くの人のポートレートを撮影してきた橋口さんが、東北に住む2人の女性の写真を見せながら、庶民のささやかな生活を紹介します。「日本と言うとお米の国という印象をお持ちかもしれませんが、それもここ40年ぐらいのことです。米はもともと南の穀物。努力と改良を重ねて、東北や北海道でもお米が作れるようになったんです」と聞いて、私ははっとしました。橋口さんは静かに、しかし揺るぎない姿勢で戦後日本の文明について問うているように感じたのです。

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写真集『17歳―2001‐2006』(岩波書店)より 
© Hashiguchi Joji & JDZB


後半は、橋口さんが2000年代に撮った17歳の若者のポートレートを見せながら、彼らの声を朗読。子どもと大人の狭間で悩みながらも生きる、ごく普通の若者の姿が立ち上がります。最後にこんなことを話しました。「今の朗読を聞いて、皆さんの中には良くも悪くもいろいろな感情がわき起こったはずです。僕はその感情こそがアートだと考えています。お金がたくさんあれば、この美術館に飾られているヘルムート・ニュートンさんの写真を買うことができるでしょう。でも、皆さんのその感情は誰も買うことができません」

質疑応答では、橋口さんの写真家としての制作姿勢が、こんな言葉で明かされました。「今までに900人ぐらいのポートレートを撮ってきましたが、自分が撮った人はすべて作品に登場させています。人の存在は、比較できないからです。この世に生きる価値のない人はいません。人を選んでこなかったということを僕は誇りにしています」

「人の存在は比較できない」。口で言うのは簡単ですが、制作を通してその信念を実践し続けてきた橋口さんに、私は敬意の念を感じました。最後は拍手がなかなか鳴り止まず、会場が温かい雰囲気で満たされていました。
ドイツニュースダイジェスト 5月18日)

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by berlinHbf | 2012-05-23 16:50 | ベルリンの人々 | Comments(2)

日本滞在2012〜第2週目

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5月12日~13日
妻、そして義理の両親と一緒に長野へ温泉旅行
(1泊ながら盛りだくさんの旅となったので、後ほど写真も交えてアップしたいと思います)

5月14日
石和温泉駅から「あずさ」に乗り、東京へ。南青山のドイツ文化センターのOさんを訪ね、近くのお店でお昼をご一緒する。Oさんはツイッターを通じて知り合った方。東京のゲーテインスティトゥートの公式アカウントも担当されており、私のつぶやきをときどきリツイートしてくださっている。私がベルリンに住み始めた最初の頃、Oさんも交換留学で自由大学に留学されており、ベルリン愛(?)のようなものでつながっているのをうれしく思った。
東京のゲーテは昔1年ほど通っていたことがあったけれど、この日の再訪はかれこれ12年近くぶり。小さな公園を抜けて、茶色の建物が見えてきたときは懐かしい気持ちになった。Oさんと別れてから、上の階のドイツ観光局に立ち寄る。ドイツの各都市ごとの日本語パンフレットや地図がたくさん置かれていて(中には名前さえ知らないような街もあった)、どっさりもらって帰る。もう少し北ドイツの都市の情報が手に入ればなとも思ったけれど、ドイツを重点に旅行を考えている方は、一度訪れる価値はあるのではと思った。

5月15日
この日も朝から東京へ。朝、京急の最寄りの駅で、高校時代の同級生のEくんにまさかの再会。泉岳寺まで車内で久々にいろいろ話した。彼は芸大を出た作曲家でもあり、高校大学と何度もフルートとピアノで演奏した友達である(中でも学生時代、彼と何度も合わせをして演奏したユー(フランスのベルエポックの作曲家)のファンタジーは、いい思い出)。今は音楽とは接点のない仕事に就いているそうで、いいものを持っているのを知っているだけに、正直、もったいないなと思ってしまう。

早稲田で、少し前まで某新聞社のベルリン特派員だった記者の方に再会。当時から何かと私のことを気にかけ、また励ましてくださった方だ。キャンパス周辺をぶらぶら歩いた後、高田牧舎でカレーのランチを食べながら談笑。学生時代は一度しか入ったことのない店だが、手頃な値段の割に(学生にとってはやや高めだが)ずいぶん立派なランチでおいしかった。

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早稲田大学の本部キャンパス。政経学部の古い校舎が解体され、ぽっかり大きな空間ができていた。私の学生時代とは大分面影が変わったなあ。

午後、飯田橋の出版社で軽い打ち合わせの後、御成門の東京プリンスホテルのカフェでノンフィクションライターの千葉望さんにお会いした。実は千葉さんもツイッターでつながった方である。
昨年3月だったか、真ん中の弟がアエラの「現代の肖像」に掲載された樫本大進さんのルポルタージュをコピーして送ってくれた。その記事を書かれたのが千葉さんだった。数ヶ月後、千葉さんから突然ツイッターでメッセージをいただいた。「樫本さんの取材の際、『素顔のベルリン』を片手にベルリンを回り、とても楽しかったです」というような内容だったと思う。それがきっかけで千葉さんのツイートを拝見するようになり、あるとき、千葉さんが陸前高田に古くからあるお寺のご出身ということを知った。昨年9月、ベルリンで行われた東日本大震災のチャリティーコンサートがCD化され(樫本さんも出演していた)、それを千葉さんにお送りしたら、とても喜んでくださり、今年に入ってご著書の『共に在りて』を贈ってくださったのだった(しかも、私がハンザ都市を連載をしていると聞き、愛読書だというトーマス・マンの「ブッデンブローク家の人々」まで一緒に添えて!)。

この日千葉さんは、着物姿で来られた。立ち居振る舞いまで気品があり、凛とした佇まいの方だった。関心のあるテーマが近いこともあって、2時間近く楽しくおしゃべりさせていただいた。千葉さんとお話ししていると、西洋の芸術や歴史に興味を持つのもいいけれど、日本の伝統文化や信仰、花鳥風月といったことへの自分の理解がいかに浅いかを痛感させられる。被災地を訪ねる前に、『共に在りて』という本に出会えたのはとてもよかった。震災後の知られざる一面を描いた作品として、ぜひ一読をお勧めしたい本です。

この日は沖縄の本土復帰40周年。

5月16日
午前中、横須賀三浦教育会館を訪ねる。小学校時代に音楽を教わった山本典子先生が、ここでリコーダーの趣味講座を開いていると母から聞き、飛び入りで参加させていただいたのだった。山本先生のことは、昨年ここでも少し書いたけれど、私に音楽の楽しさを(特にリコーダーのアンサンブルを通して)教えてくださった最初の先生。今日がコースの初回だったそうで、習いに来ていた10人ほどの皆さんと、やさしめのメロディーを一緒に吹かせていただいた。山本先生は、この春、横須賀の小学校を定年退職されたが、いまもさまざまな場でリコーダーを教えていらっしゃるそうで、快活な声は今も変わらない。先生の指揮のもと、シュメルツァーの「7本のリコーダーのためのソナタ」を吹いたことなどを思い出して、リコーダーアンサンブルが自分の音楽体験の1つの原点になっていることを改めて感じた。

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山本先生とはお昼もご一緒した。昨年夏、一緒にベルリンを訪ねて来たときの双子の孫娘の1人がベルリンをいたく気に入り、「早くベルリンに帰りたい」としょっちゅう話しているらしい。5歳の日本人の女の子がベルリンに「帰りたい」って・・・(笑)。ヴァルトビューネのコンサートに連れて行ったりしたけれど、よっぽど強烈な何かを彼女の心に残していったのだろうか。そんなわけで、今年もまた一緒にベルリンに来るかもしれないとのこと。

今日はこれから高速バス「けせんライナー」で岩手へ。車中にて、この数日間をざっと振り返ってみた。震災後、初めて訪れる被災地。自分の目で耳で心で、いろいろ感じてこれたらと思っている。

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早朝、バスは気仙沼、陸前高田を経由して、大船渡に到着。朝日を浴びた、陸前高田の津波を生き残ったあの1本の松が視界に入ると、私は自然と両手を合わせていた。

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「けせんライナー」の車窓より。陸前高田では、まだ至るところで瓦礫の山が。

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by berlinHbf | 2012-05-19 21:48 | ニッポン再発見 | Comments(3)

日本滞在2012〜第1週目

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横須賀佐島港

5月5日
海に面した佐島にある魚料理の店に行くが、どこも満員。駐車場には遠方からの車も多い。そうだ、日本のゴールデンウィークというのはこういうものだった。魚は諦めて、その近くのインドカレー屋に行ってみたらそこはガラガラだった。スタッフ全員がインド人なのだが、皆さん流暢な日本語を話す。20代半ばの女性の店員さんと話したら、この方がオーナーだそうでびっくり。シーフードカレーがおいしかったです。

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その後、佐島しらすの直売店、山茂丸へ。ここは地元タウン誌の記者をしている母が昔から知っているお店で、この日は釜揚げから冷却、パッキングまでの過程を見せていただいた。ここのしらすは最高においしいので、三浦半島に来られる際はぜひお立ち寄りを!こどもの日、帰りに和菓子屋で柏餅を買う。今も昔も私はみそあんが一番好き。

5月6日
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午前中、逗子の披露山公園と大崎公園へ。どちらも高台にあり、やや霞んでいたものの、ここから江ノ島方面の眺めはなかなかすばらしい。眼下には、逗子のビバリーヒルズと呼ばれているらしい超高級住宅街が広がり、その後歩いてみたが、道幅は日本の住宅地と思えないほど広いし、まあすごかった。

その後、落合シェフ(私は知りませんでしたが、有名な方みたいですね)のグランブルーというレストランで、GW限定のお昼のバイキング。すごい人気のお店みたいで、9時に電話しても海に面したテラスの席しか取れなかったのだとか。が、行ってみたら運よく屋内の席で食事することができた。ウニパスタというのが絶品。後で、テラスに出てみたら、ここでゆっくり食事することなど不可能というほどの強風が吹き荒れていた。思えば、ちょうどこの時間帯、茨城であの恐ろしい竜巻が猛威を振るったのだった。夜テレビで見たときは、唖然とするほかなかった。こんなことが日本で起こるなんて・・・。

夕方横浜に行き、数年前にブログを通じて知り合った写真家の大洲大作さんに会う。この6月22日からベルリンのgalery sonで個展INVISIBLESCAPESを開くことになり、ささやかながらお手伝いをさせてもらっている。大洲さんは海や光をテーマに写真を撮られているのだが、海沿いを歩いてときどき出会う原子力発電所に引っかかりを感じ、以前から強い問題意識を持ってきた方でもある。今度の個展でも、この3月大洲さんが福島で撮影してきた写真も展示される予定だ。「フクシマ」がテーマに絡んでくると、大洲さんが見せたいと思うものと、ドイツのギャラリー側が期待するものとの間には、どうしても食い違いが出てくる。「フクシマ」を全面に出すとなると、どうしても写真が説明調というか、報道写真としての要素が高くなるのは否めない。そこの辺のバランスで大洲さんも悩んでおられるようだったが、多くの人に見に来てもらえる個展になればと願うばかり。詳細はこの場でもまたご連絡します。

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横浜の老舗「勝烈庵」でいただいたおいしいトンカツとほくほくの海老フライ

5月7日
高校と浪人時代にフルートを習っていたS先生に12年ぶりに再会。日ノ出町のご自宅にお邪魔して、フルートのデュエットを楽しんだ後、横浜駅ベイシェラトンのレストランでランチをご馳走になった。先生との再会は、お嬢さんがツイッターで私を見つけ、メッセージをくれたのがきっかけだった、という・・・。S先生は、育ち盛りの息子さんが2人いることに加え、ご両親の介護もあって、本当に毎日お忙しそうだったけれど、フルートは今も教えられていて、見せてくれた発表会の写真からは楽しそうな様子が伝わってきた。ベルリンにもいつか遊びに来てほしいな。

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レストランからの眺め。横浜駅とベイブリッジの方を望む。

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日ノ出町駅前。私が生まれる前からあった駅前の不二家などが3月で閉店し、これから大規模な再開発事業が始まるらしい。

5月9日
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母の昔からの友人を訪ねて葉山へ。お目当てのカレー屋が閉まっていたので、御用邸の近くにある魚竹という昔ながらの食堂へ行く。海藻を練り込んだ緑の麺と魚介のスープで作った葉山ラーメンが、なかなかおいしかった。

5月10日
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この日は東京。最初に渋谷のNHKへ。昨年ある番組の準備でお世話になったディレクターのHさんとランチをご一緒した。電話でやり取りしたことしかなかったのだが、同世代ということもあり、とても話しやすい方。竜巻の取材で、2日間徹夜状態だったとか。突如大雨が降ったので、Sさんにビニール傘をお借りして、近くのNHK出版へ。「テレビでドイツ語」の連載でお世話になっているここの編集部の方とは気心が知れており、今回も楽しい時間を過ごすことができた。少し時間が空いたので、ここぞとばかりタワーレコードへ。平日なので閑散としていたけれど、品揃えはDussmanよりも豊富だし、店員のPOPには情熱がこもっている。ここ数年、秋葉原の石丸をはじめ、日本に帰ったときはよく立ち寄っていた大型クラシックCDの店がいくつも消えてしまったけれど、ここはなくならないでほしいと思う。クレンペラーのメンデルスゾーン、ヴァントの「プルチネッラ」、細川俊夫さんのフルート作品集などを購入。夜は、弟の知人の編集者と麹町で会食。普段そうなかなか接点を持てない方なので、弟が紹介してくれたのはありがたかった。

5月11日
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「かいじ」からの車窓

午後、飯田橋の出版社で打ち合わせ。夕方、新宿駅から特急かいじで妻の実家のある山梨へ。特に八王子を過ぎて、山間部に入ってからの変化に富んだ眺めは、平坦な北ドイツでは決して味わえないもの。毎回のことながらわくわくした。
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これから大きくなるぶどう(巨峰)の房

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by berlinHbf | 2012-05-11 17:35 | ニッポン再発見 | Comments(2)

発掘の散歩術(22) - ブリッツ庭園のチューリップ -

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開花を控えたブリッツ庭園のチューリップ

4月半ばに入ってもなかなか気温が上がらない今年のベルリンだが、せっかくだから春らしいものを紹介したい。桜はそろそろ散ってしまったようだし、ほかに何があるだろう。そんなことをドイツ人の知人にふと漏らしたら、「ブリッツ庭園のチューリップはどう? 本当に素晴らしいから、一度行ってみるといいわ」と思いがけぬ一声。早速その数日後、ノイケルン地区の南側にあるブリッツ庭園を訪ねてみることにした。

Sバーンのヘルマンシュトラーセ駅からM44のバスに15分ほど揺られていると、右手に大きな風車 が見えてきた。メインの入り口から入場料を払って中に入る際、受付の人から「トゥリパーン(チューリップの博覧会の名前)は来週からよ」と教えられ、少しがっかりしてしまう。案内には「4月中旬~5月中旬の開催」と書かれていたが、まだ少し早かったようだ。でも、まずはチューリップの花壇を目指してみることにした。

ブリッツ庭園は、これまでご紹介してきたマルツァーンの世界庭園やシェーネベルク自然公園と同様、ベルリン市によって運営されているだけあって、樹木も花壇もきれいに整えられていた。とはいえ、90へクタールという広さゆえ、 チューリップ庭園までの距離感がつかめない。どのくらい歩くのだろうかと思っていたところ、近くに小さなホームを見付けた。そこで待つこと数分、狭い線路の向こうから汽笛を鳴らしながら、かわいらしいトロッコ列車がゴトゴトとやって来た。1985年の庭園創設時から走っている保存鉄道だ。約50分掛けて公園内を1周することができ(乗車券は3.50ユーロ。子どもは2ユーロ)、1駅だと1ユーロで乗車できる。大勢の家族連れに混じって乗ってみた。爽やかな向かい風を心地良く浴びているうちに、チューリップ庭園の近くまで連れて行ってくれた。

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庭園内を約30分おきに走る保存鉄道。往年の貴重な車両も運行中

湖に面したカレンダー広場から北東の出口までずっと続くチューリップは、やはりまだ開花していないものが多かった。それでも種類によっては、黄色、オレンジ、赤、紫などの鮮やかな花の色合いを楽しませてくれたし、これだけの数のチューリップが一斉に開花したところを想像すると、それだけで心はときめく。奥の方に行くと、人の名札が埋め込まれた花壇のスペースがあった。個人や団体がスポンサーとなって、花壇の特定の一角を買うことができるのだそうだ(広さに応じて、100~1000ユーロまでのカテゴリーに分かれる)。 自分が名親(Pate)となって咲かせるチューリップは、さらに格別なものに違いない。

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ブリッツ庭園は、丸1日いても十分に楽しめる。いくつもの丘があり、湖があり、種々の庭園やユニークな橋にも事欠かない。帰り際、羊が放し飼いされた場所を通ると、子羊の愛らしさに目が奪われ、なかなかその場から離れられなかった。

満開のチューリップの様子はお届けできなかったけれど、チューリップのシーズンは5月下旬までとのこと。機会があればぜひご自分の目で、チューリップのお花見を堪能していただきたい。
ドイツニュースダイジェスト 5月4日)


Information
ブリッツ庭園
Britzer Garten


1985年、西ドイツ政府主催の庭園博覧会に際して造られた庭園。当時、東ドイツと境を接した西ベルリンの南側の住民に新しい公園を提供するというのが目的だった。入場料は2ユーロ(春のチューリップ、5~6月のツツジ、8~10月のダリアなど、特別期間中は3ユーロ)。夏の野外コンサー トや花火などのお祭り行事も。

住所:Buckower Damm 146, 12349 Berlin
電話番号:(030)700 906 80
オープン:毎日9:00~日没
URL:www.britzer-garten.de


カフェ・アム・ゼー
Café am See


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カレンダー広場のItalo-Bistroやヴァッサーシュピール広場のMilchbarなど、ブリッツ庭園では飲食の施設も充実している。中でも大きな湖に面したCafé am Seeは、まるで「風の谷のナウシカ」に出てくるような建物の外観が特徴。日祝日はビュッフェが用意され、ときどき白鳥も寄ってくる湖を眺めながらの食事・休憩は楽しい。

住所:Mohriner Allee 145, 12347 Berlin
電話番号:(030)703 60 87
営業:毎日10:00~
URL:www.tafelrunde-berlin.de/cafeamseee

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by berlinHbf | 2012-05-09 00:03 | ベルリン発掘(西) | Comments(0)

横須賀の海に還って

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日本でゴールデンウィークを過ごすのは12年ぶりのことでした。いつもの一時帰国時では、兄弟3人が実家に揃うことはなかなかないのですが、今回は連休中だったので最初から揃い、珍しく3人でドライブに行ってきました。

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向かった先は三崎口から近い、ビーチバムというレストラン(ホテルにもなっています)。ここに行くのは2度目なのですが、海に面したロケーションが素晴らしく、テラスの雰囲気もあってなんだか横須賀の海にいるのではないみたいです。もっともかなりの強風で、ゆったりくつろぐというわけにはいきませんでしたが。

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帰りは、野比の海岸沿いを通って。

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7歳までこの海岸のすぐそばに住んでいたのですが、あの頃と明らかに変わったなと感じるのは、砂浜がどんどんなくなってきていること。「山間部から海岸に供給される土砂の減少、海岸線の開発や構造物の投入、温暖化による海面上昇など」(タウンニュース「止まるか海岸浸食」より)いろいろな要因が絡んでいるそうですが・・・。今後どうなるのだろう。

ちなみに、現在のトップ画像で使っているのは、バルト海に面したヴァルネミュンデの海岸の様子。少しでもいいから横須賀の海に豊かな砂浜を分けて欲しい・・・。

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by berlinHbf | 2012-05-07 23:57 | ニッポン再発見 | Comments(2)

日本に帰ってきました!

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Flughafen Tegel (2012-05-02)

約1年ぶりに日本に帰って来ました。

今回は約1ヶ月間の一時帰国だけれど、そのうち半分ちょっとは旅の日々になる予定。震災後初めて東北に行き、韓国も訪れ、さらには家族との温泉旅行など、かなり欲張ったスケジュールを立ててしまった。残りの日程の間で、お世話になっている出版社を訪問したり、友達に会ったりしたいところだけれど、果たしてどこまでできるかどうか。

移動中はどうなるかわからないけれど、この滞在中、できる限りブログも更新してみたい。ここ1、2年、ブログに加えて、twitterやfacebookも始め、そちらの方でも貴重な出会いや再会があったのは確かだが、私にはあれもこれも器用にはできなくて、結局どれも中途半端になっているという気持ちが自分の中にある。この1ヶ月は移動が多い分、日々感じることもきっと多いだろう。ここは、字数やアクセス方法に制限がないブログのよさに立ち返って(記録性にもやはり優れているし)、今回はブログを中心に綴っていきたいと考えた次第。この「ベルリン中央駅」は私に物を書くことの楽しさを教えてくれた場であることは確かなので、このまま廃らせてしまうのはなんだか申し訳ない気もしているのだ。ベルリンに戻ってからゆっくり調べながら書こう、などと思っても、結局そんな暇はなく、旅の記憶は薄れていく一方・・・ということをこれまで何度も経験してきたので、今回は多少短くても、その日、その場で感じた率直な印象をなるべく時間を置かずに綴るということをやってみたい。

とはいえ、向こうの仕事もいくつか持ち込んでいるので、結局ロクに更新できなかったらごめんなさい^^;。とにかく1ヶ月の貴重な時間を楽しみながら綴っていけたらと思っています。

写真は、閉港までついに1ヶ月を切ったテーゲル空港。ここから飛ぶのも今回が最後でした。

〈おまけ〉
ベルリンを出る直前にコーミッシェ・オーパーで観た《ホフマン物語》がとてもよかった。もともとE.T.A.ホフマンという人には興味あったのだけど、今度本屋さんでホフマンの小説を探してみよう。あと、オッテンザマー(何とまろやかで広がりのある音色!)とベルリン・フィルのブラームス・アンサンブルによるブラームスのクラリネット五重奏曲(4/24)。この1ヶ月ほとんどコンサートに行けなかったけれど、幸せな気分にさせてくれたのはこの2つかなあ。

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by berlinHbf | 2012-05-03 16:51 | ニッポン再発見 | Comments(4)

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