ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005
by berlinHbf
中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。

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豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。

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前期(4〜9月)は水と緑の美しいドイツ第2の都市ハンブルクが舞台。テキストの読み物で「ハンザ都市を巡る」を連載中。5月号ではハンブルク(後編)を取り上げています。
ベルリン更新情報
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執筆、ガイド、コーディネートなどのご依頼、お問い合わせはこちらまで(これまでの出版・寄稿実績)→
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ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団の来日公演

1月にライプツィヒで取材した聖トーマス教会合唱団(トマーナコア)が間もなく来日するので、ここで紹介させていただきたいと思います。バッハが音楽監督(カントール)を務めていたトマーナコアは、今年誕生から800周年(!)を迎えます。今回のツアーはその一貫として行われるもので、演目はバッハの「マタイ受難曲」。私がライプツィヒを訪れた1月6日は、メモリアルイヤーのオープニングを飾る礼拝が行われ、その午後現在のカントール、ビラーさんにお話を伺うことができました。そのインタビューは、ジャパン・アーツの合唱団ブログでご覧いただけます。1日バッハに浸れた幸福な日でした。
ゲオルク・クリストフ・ビラーへのインタビュー
【その1】聖トーマス教会合唱団について
【その2】マタイ受難曲について





来日公演のプログラムで3ページの記事を書いておりますので、コンサートに行かれる機会がありましたら、ぜひお読みいただけたらと思います。
関連:
- 聖トーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団2012 ジャパン・アーツ
- ドキュメンタリー映画"Die Thomana"(2月16日よりドイツで一般公開が開始)
- バッハのモテット「聖霊はわれらが弱きを助けたもう」(トマーナコアの合唱で。コーバーさんがバッハのモテットで一番好きと言っていた曲で、最近の私のお気に入り)
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映画『Nuclear Nation』 (船橋淳監督)

●原発のある福島の双葉町から都心に避難してきた人々(埼玉の旧高校が避難所)、そして井戸川町長の春から秋までを追ったドキュメンタリー映画。突然故郷を追われて、見ず知らずの場所で送る避難生活がどういうものなのか、いろいろな報道で聞き知ることはあったけれど、こういう長いスパンでとらえた映像を見るのは初めてだったので、自分にとっても貴重な機会だった。
●避難所でのインタビューに答えるのは年配者の割合が高い。後で監督が語ったところによると、若い人の多くが早い時期に避難所を去っていったこと、たまたま撮影許可が出た大部屋に子供連れがいなかったことが理由だとか。故郷への思い、諦めや嘆きの言葉を語る人が多い中、90歳のおばあさんが「私はここでは死ねないわ」と努めて明るく語るシーンでは、観客の間から一瞬ほっとした空気が流れた。
●井戸川町長に関しては、政府や原発を抱える他の市町村との会議の場面が多く描かれる。出稼ぎ労働者ばかりだったこの町が、かつて原発を熱心に誘致したこと。そこで得た利益で一時は潤っていたが、やがて借金が膨らみ、(再び補助金が得られる)7号機、8号機の建設が間近に迫っていたこと。地方と東京との歪んだ関係性をいまさらながら思い知らされる。原発を抱える市町村の長による会議の場面では、海江田経産大臣と補佐官が冒頭で挨拶したものの、別の用があるからといってさっさと退散してしまう。そのとき場内からはため息がもれた。
●一時帰宅の場面も生々しく描かれた。長年住んだ故郷に、ものものしい防御服を来て、わずか2時間ばかりの帰宅を許された人々の気持ちはいかばかりのものか・・・本当に言葉にならない。
●日本在住の人にとってはすでに知っていることばかりかもしれないけれど、私はこの映画で初めて知ったことも多かった。何よりドイツの一般の人々に観てもらえたのはよかったと思う。彼らの多くにとって、ドイツのメディアの報道以外で、フクシマの事故や周辺の人々の実情を知るおそらく初めての機会だったのではと思うから。
●アメリカで学んだ船橋監督は流暢な英語を話すので、上映後のQ&Aも英語で。地元の人からは「放射能の高い地域で撮影する際はどのように身を守ったのか?」「エンディングロールで協力に東電の名前が入っていたが、あなた自身は東電に対してどういうスタンスなのか」なんていう質問もあった。その合間に、双葉町の井戸川町長のビデオメッセージが流された。ドイツ語の挨拶も交え、「もうこういうことは二度と起きてはならない。そのためにドイツの人たちとも連帯したい」と語られると、聴衆からは温かい反応も。エンディングの音楽は坂本龍一。鈴木治行によるフルートとピアノの音楽も東北の空気感を伝えるものだったと思う。明日(16日)13時15分からポツダム広場のCinestarにて最後の上映があるそうです。
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BKA劇場で聴く現代音楽

ベルリン市内を南北に走る地下鉄U6 のメーリングダム駅(Mehringdamm)周辺は、カレーソーセージの有名店Curry 36や人気のケバブ屋などが連なり、平日でも深夜まで人通りが絶えません。この界隈に面白い小劇場があると聞いて、先日足を運んできました。
駅から地上に出てすぐのメーリングダム34番地。建物の入り口に掲げられた看板に従って、中庭に続く道を進むと左手にドアがあり、エレベーターで上がった5階が劇場「BKA Theater」の入り口でした。
中に入ると目の前がバーになっており、その奥に舞台があります。いくつかの客席ごとにテーブルが置かれ、ろうそくが灯されていて、なかなか良い雰囲気。それにしても、クロイツベルクの雑踏の一歩入った奥にこんな劇場があったとは、新鮮な驚きでいっぱいでした。
このBKA劇場とは、Berliner Kabarett Anstalt(ベルリン・カバレット施設) の略。1988年創業の私営劇場で、その名の通り、カバレットやコメディー、シャンソンなど軽妙な大衆劇を上演しています。


この夜、私が聴いたのはハンガリー人によるデュオ。ツィンバロム(エニコ・ジンゼリ)とトロンボーン(アンドラーシュ・フェイェール)という組み合わせは極めて珍しいと思います。しかも、ジョルジュ・クルタークやクリスティアン・ヨストらを除けば、初めて聴く作曲家の作品(新作も含め)ばかり。しかし、内容は大変充実したものでした。ツィンバロムはハンガリーの民族楽器として知られていますが、この日は特殊奏法が駆使されたり、演奏者の歌と混じり合ったりと、古代メソポタミアに端を発するという「世界最古の楽器の1つ」の多彩な響きに浸ることができました。
チケットは当日券12ユーロ(割引8ユーロ)と割安。コンサートホールでのコンサートと違って、打ち解けた雰囲気の中、ビールを飲みながら音楽を楽しめるのも魅力でした。肩肘張らずに未知の音楽の世界に飛び込んでみたいという方に、ぜひお勧めしたいシリーズです。
www.unerhoerte-musik.de
(ドイツニュースダイジェスト 2月10日)
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完全凍結したリーツェンゼー






凍った湖を天然リンクにして遊んでいる人々の姿を見ると、ブリューゲルを始めとした16世紀フランドルの風俗画を思い出します。そういえば、ベルリンの絵画館にもこの時代の北国の情景を描いた絵がありましたね。

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発掘の散歩術(19) -シャルロッテの夢の館 グリュンダーツァイト博物館-

比較的暖かい冬とはいえ、長時間の散策にはまだ厳しい季節。こんな時は屋内で過ごすに限る。1月のある水曜日、私の中でのとっておきの博物館に行ってみようと思い立った。それが、ベルリンの東の外れ、ヘラースドルフ地区にあるグリュンダーツァイト博物館。
1870年から翌年にかけての普仏戦争に勝利したプロイセンは、フランスから膨大な賠償金を獲得し、空前の好景気に湧いた。グリュンダーツァイトとは、「泡沫会社乱立時代」などと日本語で訳される、いわばバブル期である。工業化に伴い、多くの大企業が設立されたのもこの時代で、街にはゴテゴテと装飾豊かな建物が次々に建てられた。1880年から1900年頃までの住居や家具など生活文化をコレクションしたのが、この博物館だ。
緑に囲まれた昔の農場の邸宅が博物館になっていた。受付で「日本のメディアの取材で」と言ったら、館長のモニカ・シュルツ=プッシュさんが直々に案内してくれた。ドアを開けて最初に入ったのがガルテンザールという部屋。高い天井にガス灯のシャンデリア、得もいえぬ風格の漂う掛け時計に細かい彫刻を施された美しい木の戸棚、壁には皇帝ヴィルヘルム1世の肖像画が……。アンティークの家具に特別の関心がなくても、この部屋を満たす豊かな雰囲気には誰もが感じ入るのではないだろうか。博物館といっても、展示物に説明が書かれているわけではなく、すべてが「そのまま」の状態で置かれているので、今も誰かが住んでいるかのような気配さえ感じられる。


グリュンダーツァイト博物館では目だけでなく、耳をも楽しませてくれる。大きな金属の円盤をはめて鳴らすポリフォン社のディスクオルゴール、さまざまな楽器の音色を出す回転式自動楽器「オーケストリオン」、エジソンが発明した蝋管蓄音機。こういうものを1つひとつ聞かせてくれたのだが、電気テクノロジーが台頭する前に生み出されたこれらの機械からは、素朴でやさしい音が聴こえてきた。
それにしても、これだけのコレクションを一体誰がどうやって集めたのだろう。モニカさんが博物館を創設した人物、シャルロッテ・フォン・マールスドルフのことを話してくれた。「シャルロッテは男性でしたが、女性の心を持っていました」。どういうことかというと、彼は異性装者で、1990年代に出版された自伝「アイ・アム・マイ・オウン・ワイフ」が大きな反響を呼び、やがて演劇化され、世界的に知られるようになったのだそうだ。

(ドイツニュースダイジェスト 2月3日)
関連記事:
(グリュンダーツァイト博物館でエジソン製の蝋管蓄音機を聞かせてもらったばかりだったので、余計感慨深いニュースでした)
鉄血宰相ビスマルクの肉声発見、初めて甦る
【ベルリン=三好範英】19世紀のドイツ統一を導いた鉄血宰相ビスマルク(1815~98年)の肉声を録音した蓄音機のロウ管が米国で発見された。
再生された声は小さく、しわがれているが、鉄血宰相の肉声が120年余りの時を隔て、初めてよみがえった。
2日付フランクフルターアルゲマイネ紙などによると、「肉声」が発見されたのは米ニュージャージー州で保存されている発明王エジソン(1847~1931年)の実験棟内で、木箱の中にロウ管が残っていた。
ビスマルクの肉声録音を巡っては、エジソンの助手が1889年、蓄音機の宣伝のために万博開催中のパリを訪れた際、ドイツにも足を延ばし、同年10月に独北部ハンブルク近郊のビスマルクの自宅で録音したとの記録は残っていた。ただ、録音したロウ管の所在が不明だった。
今回、発見されたロウ管を調べた研究者が録音内容から「ビスマルクの肉声」と断定した。録音は75秒で、74歳のビスマルクはドイツ語の歌に加え、フランス国歌なども歌っている。現存する唯一の肉声とされ、ビルト紙は「驚きの発見」と伝えた。
(2012年2月3日07時28分 読売新聞)
Information
グリュンダーツァイト博物館
Gründerzeitmuseum
東独時代の1960年、シャルロッテ・フォン・マールスドルフことローター・ベルフェルデによってオープンした博物館。このテーマではヨーロッパ最大級のコレクションを誇る。2002年にシャルロッテが死去した後は、友の会により運営されている。S5のMahlsdorf駅から62番トラムに乗り、Alt-Mahlsdorfで下車。基本はガイド付きによる見学で、 希望により英語対応も可能とのこと。
住所: Hultschiner Damm 333, 12623 Berlin
電話番号:(030)567 83 29
開館:水日10:00~18:00
URL:www.gruenderzeitmuseum.de
シャミッソー広場
Chamissoplatz
グリュンダーツァイトの生きた姿を見たいという方にお勧めしたいのが、クロイツベルクの西側シャミッソー広場周辺だ。戦争の被害を受けなかったため、1890年代に建てられた街並みがほぼそのまま残るベルリンでも希有な場所。堂々たる偉容のアパートから街灯、バルコニーの装飾まで見どころは多く、それ自体が博物館のよう。
住所:Chamissoplatz, 10965 Berlin
関連記事:
「オールド・ベルリン」が残る界隈(2) (2005-12-20)
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ネルソンス&ベルリン・フィルのR.シュトラウス

●日本の皆さんもニュース等でご存知だと思うけれど、中・東欧では先週から極寒の日が続いていて、昨日も最低気温−13度ぐらいまで下がった。手袋はもちろん耳元までかぶる帽子はもはや必須。午後、手袋なしで歩いてみたけれど、5分も経つともう耐えられなくなる。こうも寒いとどうしても家にこもりがちになるが、幸い天気はいいし、身を切るような寒さの中コンサートに行くのは結構好きである。
●当夜はアンドリス・ネルソンス指揮のベルリン・フィル。2007年6月にベルリン・ドイツオペラのオケのコンサートで初めて彼を聴き、強烈なインパクト受けてからもうすぐ早5年。その間の躍進ぶりは目覚ましく、いつの間にかバイロイト音楽祭やベルリン・フィルの定期にも呼ばれるような存在になっている。ベルリン・フィルを振るのも今シーズンすでに2回目だとか。
●前半はブラームスのヴァイオリン協奏曲。ソロはベルリン・フィルのコンマスのブラウンシュタイン。こういう曲をそのオケのコンマスが務めてコンサートが成り立つのはやはりすごいこと。冒頭の序章で、彼は第1と第2ヴァイオリンの間に入って一緒にオーケストラパートも弾いていた。その後も、長い間奏のときは一歩下がってこの場所に戻り、周りの音に耳を傾けるなど、いつもの仲間と室内楽を楽しんでいるような、そんな趣さえあった。もちろんソリストとしての腕も見事だったけれど、改めてブラウンシュタインのヴァイオリンをじっくり聴いて、彼の音や節回しに潜む独特の哀愁味を感じた。最近彼が出したソロアルバムを視聴したときも(「自分のルーツと深くつながった小品ばかりを選んだ」と語っている)同じ印象を受けていたが、それがユダヤ人としての素性と関係しているかどうかはわからない。でも、20世紀の大ヴァイオリニストの系譜につながるような、渋みやくすんだ音色を聴き取ることができたのは興味深かった。
●後半はシュトラウスの「英雄の生涯」。要のヴァイオリンソロを樫本大進さんが弾いたのだが、これがもうあまりに見事で感嘆。「英雄の生涯」はベルリン・フィルの他の2人のコンマスのソロでも聴いたことがあるけれど、樫本さんの音は一段ときめ細やかでまろやかな美しさをたたえ、往年のミシェル・シュヴァルベもかくやと思わせるほど巧みだった。ネルソンスの指揮も素晴らしい。演奏中、絶えず何をしたくてたまらない小動物のように動き回るのだが、横の流れを大事にしているため、音楽のうねりが途切れることがない。内側からの充実を伴った、ふっくらと肉感的で丸い響きが生まれてくるのである。こんなにオペラティックで感興豊かな「英雄の生涯」は初めてで、彼の棒でシュトラウスのオペラを聴いてみたくなる!
●それにしても、ブラウンシュタインのブラームスに大進さんのシュトラウスと、コンチェルトを2曲分聴いたような気分が残った。これがオーケストラのコンサートマスターによる演奏なのだから、いまさらながらベルリン・フィルのずば抜けた能力を思い知らされる。ただ、華やかなプログラムにしては、客席にはちらほら空席が目立った。ポディウムの舞台席が用意されていなかったのも少々意外。
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