ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


by berlinHbf

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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

Amazonにてネット購入ができます。



『街歩きのドイツ語 』
¥1,575
三修社

豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
¥1,575
ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

ベルリン更新情報
2013/02/20 up

ベルリン個人ガイドのご案内

執筆、ガイド、コーディネートなどのご依頼、お問い合わせはこちらまで(これまでの出版・寄稿実績)→
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出版・寄稿実績

私のこれまでの主な仕事の実績を以下にまとめました。執筆依頼等につきましては、お気軽にお問い合わせください。連絡先:masatoberlin@yahoo.co.jp

著書
『素顔のベルリン』(ダイヤモンド社)
『ベルリンガイドブック 「素顔のベルリン」増補改訂版』(ダイヤモンド社)
『街歩きのドイツ語』(三修社)

執筆経験のある媒体
- ドイツニュースダイジェスト連載
- NHK「テレビでドイツ語」テキスト連載(NHK出版)
- AGORA(JAL会員誌)
- SKYWARD(JAL機内誌)
- 産経新聞夕刊文化欄
- 季刊誌「考える人」(新潮社)
- 「世界」(岩波書店)
- 家庭画報(世界文化社)
- ミセス(文化出版局)
- 音遊人(ヤマハ会員情報誌)
- MOSTLY CLASSIC(日本工業新聞社)
- 音楽の友(音楽之友社)
- 月刊ぶらあぼ
- ブダペスト祝祭管弦楽団、ベルリン放送交響楽団来日公演プログラムなど(ジャパン・アーツ)
- やさい畑(社団法人家の光協会)
- Coyote(スイッチ・パブリッシング)
- 留学ジャーナル
- わがまま歩き「ドイツ」(ブルーガイド)
- はまかぜ新聞(横須賀市近辺の地域情報紙)
など

コーディネート関連
- 日本経済新聞「アートレビュー」
- NHKサンデースポーツ 特集「ベルリンの奇跡」

※法人向けガイドは別ページをご参照ください。

by berlinHbf | 2011-10-31 11:01 | その他

新博物館に鳴り響くフルートの音色

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Neues Museum (2007-09)

●ペルガモン博物館で開催されている話題の特別展「ペルガモンー古代首都のパノラマ」を見てきました。このパノラマ展のことは今度改めて紹介するつもりですが、最近ペルガモン博物館とその発掘の歴史を改めて勉強する機会があり、古代世界についての興味が高まっているのを自分の中で感じます。博物館島といえば、9月末にここでちょっと素敵なコンサートを聴いたのを思い出しました。

ベルリン放送交響楽団が、ペルガモンの隣の新博物館でシーズン中に何度か室内楽コンサートを催しています。何より場として興味があったのと、今回はプログラムが特に魅力的だったので足を運んで来ました。入り口から階段を上って行くと、そこはGroße Treppenhalleという大きな吹き抜けのホールで、階段を上り切ったところがこの夜のコンサートの舞台。両脇の椅子はすでにいっぱいだったので、私はその上の階段に座ることにしました(冒頭の写真は、博物館がオープンする前の一般公開の時に撮ったものです)。

●この夜は、ベルリン放送響のフルートのメンバー3人を中心としたアンサンブル。バッハのカンタータ「アポロとパンの争い」のアリアの編曲を始め、ギリシャ神話の牧神「パン」を1つのテーマにしたプログラムが、古代美術を収める博物館として造られたこの空間でしかなしえない特別な音楽体験へと導いてくれました。Harald Genzmer作曲のアルト・フルートの「パン」は、副首席のルドルフ・デーブラー氏のふくよかで深みのある音色が素晴らしかったし、Johannes Wallmannのフルート・トリオのための曲では、3本のフルートが舞台とその上の階上の左右に分かれて演奏。特殊技法や奏者の発声も混じり合い、西洋的とも東洋的ともいえない不思議な音世界に浸りました。

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中でも感動したのは、ドビュッシーの「シリンクス」(パンの笛)でしょうか。パンのエピソードが舞台上から読み上げられた後、首席のシャーフ氏がこの位置からあのどこか物悲しいメロディーを奏でます。天井から降り注いでくる、たゆたうような艶やかな調べは、残響豊かな空間の効果もあってまさに絶品でした。最後は、同じドビュッシーの晩年の傑作「フルートとヴィオラとハープのためのソナタ」。無限のファンタジーをはらみ、聴く度に幻想の森の中をさまよっているような気持ちになる音楽です。フィナーレの音楽は疾走しているかのようで、聴いていて気分は高まってくるのだけど、汗をかくというよりは体の中にいつも風が吹き抜けている、そんな感じでしょうか。オーケストラの中で聴くフルートもいいけれど、もっと根源的な、笛の音が持つちからを感じさせてくれるコンサートでした。

Do 29.09.2011 | 20:30 Uhr
Neues Museum Berlin | Kammerkonzert
Ulf-Dieter Schaaff | Flöte
Rudolf Döbler | Flöte
Markus Schreiter | Flöte
Gernot Adrion | Viola
Magdalena Zimmerer | Harfe
Mitglieder des Rundfunk-Sinfonieorchesters Berlin

Johann Sebastian Bach
"Der Streit zwischen Phoebus und Pan" - Kantate BWV 201, Arie Nr. 9, bearbeitet für Altflöte, Viola und Harfe
Harald Genzmer
"Pan" für Altflöte solo
Claude Debussy
"Bilitis - Six Epigraphes Antiques" für Flöte und Harfe,
daraus drei Sätze
Johannes Wallmann
"Schilf in Händen" - Musik im Raum für Flötentrio
Claude Debussy
"Syrinx" für Flöte solo
Johann Sebastian Bach
"Der Streit zwischen Phoebus und Pan" - Kantate BWV 201, Arie Nr. 13, bearbeitet für zwei Flöten, Altflöte und Harfe
Claude Debussy
Sonate für Flöte, Viola und Harfe

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by berlinHbf | 2011-10-30 13:08 | ベルリン音楽日記 | Comments(2)

記憶の鉄路をたどる(4) - ドイツ技術博物館の保存鉄道 -

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ベルリンの乗り物の歩みを一望」で紹介したドイツ技術博物館の車庫の一般公開を見た後、同博物館の保存鉄道というのに乗る機会がありました。これがなかなか楽しい体験だったのでご紹介したいと思います。17時半の閉館の少し前、車庫の横に行ってみると、小さなホームの横にディーゼル機関車に率いられた古めかしい客車が横たわっていました。車庫から博物館まで1,2キロぐらい(?)、かつて終着駅アンハルター駅に向かう線路はほとんど全て撤去されましたが、その一部が保存されていたのでした。

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技術博物館の保存鉄道の存在は知っていましたが、こんなところが発着点になっていたとは。ちょっとわくわくした気分になってくると、やがて列車は静かに動き出しました。

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クロイツベルクの見慣れた風景が、古い客車のボックス席に揺られていると、時代が一気にさかのぼった気分になります。博物館のHPの記事によると、この客車は1937年にブレスラウ(現ポーランドのヴロツワフ)で製造されたものだとか。すごくゆったりしていて、普段乗るSバーンとは気分も全然違います。

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鉄橋の墓場 - 天使の降りた場所(14) -」で以前書いたヨーク橋を越えると、最近公園に生まれ変わったばかりのグライスドライエックの操車場跡に差し掛かります。私がここを散策してから約3年、随分きれいに整備されたものです。

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雨で歩く人などほとんどいないのに、ちゃんと踏切係の人も立っていました。「記憶の鉄路をたどる(3) - グライスドライエックの貨物駅跡(下) -」で私がうろうろしたのはこの辺りでしょう。また改めて散策に訪れたいと思いました。

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発車して10分も経たない頃でしょうか、博物館の手前で列車は停車しました。ここが終着点です。

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周辺には蒸気機関車のターンテーブルなど、貴重な産業遺産が錆び付きながらも保存されていました。

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博物館の裏口から中に入って、展示物を横目に出口へ向かいます。できればこの先にあったかつての大終着駅、アンハルター駅まで乗っていたかったけれど、あとは想像で。それでも、往年のベルリンがほのかに感じられた旅でした。

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by berlinHbf | 2011-10-28 18:24 | ベルリン発掘(西) | Comments(5)

10年目の出会いと別れ

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少し前になりますが、ベルリンでずっとお世話になっているドイツ人の家族と出会ってからちょうど10年が経ち、この夏にお祝いの食事会をしました。私がまだベルリンに来て間もない2001年初頭、語学学校で知り合った日本人の友達がこのアパートに住んでいた関係で、私を含めたアジア人4人がたまたまお邪魔したことから付き合いが始まりました。それが、フレンツェルさん夫妻(ウリさんとウラさん)、そしてこのアパートの大家のメヒティルトさん。彼らとの出会いについてはこちらなどでご紹介したことがありますが、最初の頃はほぼ毎週、現在でも月に1度はお会いし、お互いの近況から日本と韓国、ドイツのあれこれまでとめどもなくおしゃべりするという関係が続いてきました(ドイツの季節ごとのお菓子や時には食事付き!)。ベルリンでの生活を振り返ってみても、これほど息の長く、かつ密な付き合いは他になかなかなく、私にとって大事な人たちです。

この日、フレンツェルさんのお宅にお邪魔したら、テーブルの上はご覧のようにセッティングされていました。わざわざシェーネベルクのパーティー用品店でこの旗を買ってきてくださったらしく、愉快な配慮にうれしくなりました。この時は、私たちの方からの感謝の気持ちを込めて、日本料理と韓国料理をごちそうしました。

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真ん中に写っているメヒティルトさんは、以前何回かに渡ってインタビュー記事をお届けしました(詳しくはタグのInterviewを)。メヒティルトさんは少し前に還暦を迎え、フレンツェルさん夫妻のお2人も70歳を超えました。当然自分たちもその分歳を取っているわけで、10年という時間の経過を実感します。出会いの節目あれば別れもあり、左端の韓国人のYくんは今年Landschaftsplanungで博士号を取り、つい数日前に奥さんのOちゃんと韓国に完全帰国しました。馴染みの友達がいなくなり寂しくなりますが、彼らの今後の活躍を願いたいと思います。

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そういえば、ドイツのヴルフ連邦大統領が日独交流150周年を記念して、今日から日本を1週間近く訪問するそうですね。私たちの交流は本当にささやかなものですが、メンバーが少しずつ変わりながらも今後も末永く続くことを願っています。

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by berlinHbf | 2011-10-22 23:57 | ベルリンの人々 | Comments(0)

ベルリンの乗り物の歩みを一望

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9月の毎週日曜日、クロイツベルクにあるドイツ技術博物館(Deutsches Technikmuseum)でちょっと珍しい一般公開日があるというので、足を運んで来ました。

この日公開されたのは、同博物館が管理しているDepot と呼ばれる車庫。ここにベルリン交通局が所有する13台のバス、14両の路面電車、4両の地下鉄などが保存されているのです。

博物館と車庫とは1.5キロほど離れており、博物館に行くとシャトルバスが待ち受けていました。1960〜70年代のオールドタイプのバス。当時の制服を着た車掌さんが、切符を売りに車内を見回りにやって来ると、童心をくすぐられる思いがします。やがて到着したのは、橋のたもとにあるレンガ造りの車庫の前。通りからは目の届きにくい場所にあるのですが、中に入ってそのスケールに圧倒されました。

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歴史的なバスや車、路面電車などが所狭しと並ぶ様は圧巻

かつてドイツ帝国鉄道の高速気動車の車庫だった巨大なホールに、ありとあらゆる乗り物がぎっしりと並んでいます。最初期の自動車や馬車鉄道に始まり、乗用車、トラック、タクシー、クリーム色が美しい種々のバス、S バーン、地下鉄、路面電車に至るまで、さながらベルリンの交通史を駆け抜けるかのようでした。

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ほかではなかなか見られない貴重な乗り物も多くありました。例えば、戦前のベルリンを映した映画によく出てくるボンネットバスや、オペル社の流線型バス、ソ連の国賓用リムジンカー、東独の最高指導者ホーネッカーが狩猟用に使った車、等々。

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私が特に感銘を受けたのは、ある1両の路面電車(写真右)。車内に入ってみると、案内役のおじいさんが「1927年生まれの84歳だよ」というこの電車について説明してくれました。これは1967年10月、シュパンダウとツォー駅を結ぶ西ベルリン最後のトラムの路線が廃止された際走った車両なのだとか。天井には長いロープが張られており、それを引っ張ると「チンチン」という何とも小気味のいい音が鳴ります。当時はこうして降りる際の合図を出したのだそうです。こんな些細なところからも、昔のベルリーナーの生活を感じ取ることができました。

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西ベルリンで最後まで走り続けた路面電車の車内。本文で触れた天井のロープも見える

その日見かけた多くの子どもたちのように楽しんでいるうちに、閉館の時間が近付いてきました。車庫の脇に行くと、技術博物館までを結ぶ特別列車が待ち受けていました。戦前は貨物の操車場だった広大な場所に、1本だけ保存用に残された線路の上をゴトンゴトンと音を立てながらゆっくり走る客車。昔の人々が乗り物に託した夢や希望に思いを馳せつつ、雨の振りしきる博物館の裏手に戻って来たのでした。来年も9月に開催予定だそうです。
www.sdtb.de
ドイツニュースダイジェスト 10月14日)

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by berlinHbf | 2011-10-17 15:16 | ベルリンあれこれ | Comments(5)

コリーンの修道院を訪ねて(3)

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この日コリーンにやって来たのは、修道院跡を見学するためでも、廃墟の美に感じ入るためでもなく、ここで音楽を聴くためだった。東独時代からすでに半世紀近く、毎年夏に「コリーンの音楽の夏」(Chriner Musiksommer)という音楽祭がこの修道院跡を舞台に開催されているのである。8月28日の午後、今夏の締めくくりのコンサートがここで行われたのだった。

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入り口から中に入ると、広々とした芝生が広がる。中世の修道院跡をどのように使ってコンサートが行われるのか、楽しみだった。

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この日ここで演奏したのは、目下来日公演中のマレク・ヤノフスキ指揮ベルリン放送交響楽団(ちなみに、今回の来日公演のプログラムに寄稿させていただいています)。この音楽祭、ベルリン放送響以外にも、コンツェルトハウス管弦楽団やフランクフルト・オーダーのブランデンブルク州立歌劇場管など、旧東独の有名な楽団が毎年登場している。「コリーンの音楽の夏」の存在は知っていたが、まさかこんな場所が舞台だとはちょっとびっくり。

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私はリハーサルを聴くために少し早めにやって来て、首席フルートのシャーフさんにお話を伺ったりしているうちに、芝生のある中庭には多くの人が集まっていた。奥に見える建物が修道院付属の教会。ここがコンサートの舞台になっている。

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こちらが教会の内部。この日はベートーヴェンの「英雄」が演奏されたのだが、さすがに編成はかなり縮小されていた。中庭の芝生にシートを敷いて聴いている人たちからは、舞台は全く見えないのだけれど、それでも冒頭の写真のように皆さんパンや手作りのケーキ、ワインなどを持参して、思い思いに音楽を楽しんでいた。この点は、ヴァルトビューネのピクニックコンサートと同じだ。

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休憩時間中、修道院の中をぐるっと回ってみたが、内部は博物館にもなっていて、また改めてゆっくり訪れたいと思った。

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コンサートが終わると、通りに面してシャトルバスが待ち受けていて、コリーンの駅まで今度はわずか10分足らずで運んでくれた。おそらく多くの人は車で来ているのだろうが、(最初に書いたように)天気がよければ、駅から山を越えこの修道院まで歩いて来るのもなかなかいいものである。ベルリンから気軽に来れて、「中世」を感じられる場所としても貴重だと思う。

http://www.kloster-chorin.com

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by berlinHbf | 2011-10-14 10:54 | ドイツ全般 | Comments(0)

コリーンの修道院を訪ねて(2)

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ベルリン中央駅から電車で40分、さらにChorinの駅から山を越えてたどり着いた中世のシトー修道院。実際はそれほどの距離ではないにせよ、ベルリンからはるばるやって来たという気持ちを強く起こさせてくれる場所だった。こちらが西側のファサード。北ドイツ特有の堂々たるレンガ造りゴシック様式だ。

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修道院付属の教会を東側から眺めるとこんな感じ。インフォメーションで入手した案内書には、修道院の歴史がこんな風に説明されていた。1258年、アスカーニエン家の辺境伯ヨハヒム1世とオットー3世は、今のポツダムの南にあるレーニン修道院に対して、Parteinseeという湖に浮かぶ島にマリーエンゼーという姉妹修道院を建てる基金を出した。15年後、マリーエンゼー修道院は現在のコリーンに移動。レーニン修道院の土台をモデルに、ゴシック様式の新しいシトー会修道院が造られた。完成したのは1300年頃。つまり、ベルリンが都市としての産声を上げたばかりの時代ということになる。

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宗教改革後の1542年、修道院は世俗化。その後は農業施設として利用されたそうだ。30年戦争で一部が焼け、建物は徐々に朽ちてゆく。だが、19世紀、シンケルや文豪フォンターネの時代になってこの廃墟の修道院に再び光が当てられた。ドイツの国民意識が高まり、また廃墟に美を見出す時代の風潮に適ったためだろう。コリーン修道院跡は国民記念碑に指定され、プロイセン王家によって修復が進められていった。

これはかつての水車小屋の跡だという。確かにここでは至るところで、絵画的な美しさに出会うことができる。

(つづく)

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by berlinHbf | 2011-10-13 11:42 | ドイツ全般 | Comments(0)

発掘の散歩術(15) -ケーペニックともう1つの「キーツ」-

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Köpenick - Kietz (2011-09-20)

ベルリン中央駅から東にSバーンで30分ほど、シュプレー川とダーメ川がちょうど交わる地点に位置するケーペニックは、ベルリン在住の人も「観光」目的で一度は訪れる価値のある町だ。ここには中世の城塞都市だった頃の面影がいまだ濃厚に残っており、シュパンダウと並んで、ベルリンよりも古い歴史を持つ。先日、赤煉瓦の市庁舎を中心とした旧市街の散策を楽しんだ後、ケーペニック宮殿がある南側の島を初めて訪れてみた。すでに7世紀頃からスラブ人がここに城塞を構えていたというケーペニックの原点の地である。

バロック様式の宮殿は比較的最近修復されたばかりで、内部も大変美しく見応えがあったが、こちらが心配になってしまうほどの閑散ぶりである。訪問者よりも、各階の職員の方が多いほど。せっかく素晴らしいロケーションにあるのだから、もう少し人を呼べないものかと思う。

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ケーペニック王宮の庭園からダーメ川と「キーツ」の方面を望む

宮殿の裏手は英国風の庭園になっており、湖と見紛うほど川幅の広いダーメ川が眼前に迫る。水のある風景は、やはりどこか心を広々とした気分にさせてくれる。東側の対岸を望むと、背の低い民家が並び、ボートや小舟が浮かんでいた。実は、ここを訪ねることが今回のケーペニック行きのもう1つの目的だった。

当連載の第1回目のタイトルが「『キーツ』の原点を訪ねて」だったのを覚えておられるだろうか。「スラブ人の漁村集落」を元々の意味とする「キーツ」。それが地名として残っている場所がケーペニックにもあるという。ケーペニック宮殿から徒歩5分、ダーメ川の東岸に延びる「キーツ(Kietz)」という通りである。

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漁村集落の面影を今に伝えるケーペニックの「キーツ」

1240年、ドイツのアスカーニエン家が新しい城塞を建てると、それまでそこに拠点を構えていたスラブ人は追われ、一部が近くに漁村集落を形成するようになったという。実際、この「キーツ」の中に入ってすぐ、どこか心が和んでくるのを感じた。平屋、せいぜい2階建ての背の低い古い家屋が多く並び、19世紀末以降の高さが統一されたアパートが整然と並ぶ住宅街とは、明らかに趣を異にしているからだ。窓枠にかわいらしい装飾が見られたり、入り口のドアの上に魚の形を模した真鍮板が飾られていたりして、1つひとつの建物に個性が感じられる。とはいえ、通りの長さはせいぜい250メートルぐらい。あくまで漁村のスケールである。17世紀の30年戦争で部分的に被害を受けたものの、このキーツの規模は何世紀もの間大きく変化することはなかったという。1743年の時点で、ここには31軒の住居があり、同通りの27番地や19番地の建物はその当時に造られたもの。通り全体が貴重な文化遺産でもある。

興味深いのは、このキーツでは19世紀末まで自治が営まれていたことだ。これは、キーツごとに独自のミニコミ紙が作られていたり、地域のお祭りが行われたりする現代のベルリンのキーツの精神と、どこか重なり合うような気がした。
ドイツニュースダイジェスト 10月7日)


Information
シュロスプラッツ・ブラウエライ・ケーペニック
Schlossplatzbrauerei-Coepenick

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宮殿前広場にある「ドイツ最小の醸造所」。ガラス張りの小さな建物の前には常に人が集まっている。ヘレス、ドゥンケルのほか、フルーティーでぴりっとした味わいのキルシュ・チリビア、薫製の味が独特なラオホビアなど、どれも新鮮で美味しい。昼間は広場に食べ物の屋台が出ており、外のベンチで飲食することもできる。

開館:月~日12:00~
住所:Schloßplatz Köpenick, 12555 Berlin
電話番号:(030)420 968 76
www.brauhaus-coepenick.de


ケーペニック宮殿
Schloss Köpenick

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現在のバロック様式の宮殿は、初代プロイセン王のフリードリヒ1世がまだ公子だった17世紀後半に建設された。現在はプロイセン文化財団が運営する工芸博物館になっている。ルネサンスからロココまでの遺産を収めたベルリンのもう一つの「博物館島」でもある。庭園に面したカフェSchlosscaféは、水辺への眺めもよく、一休みするには最適。

営業:火~日10:00~18:00
住所:Schloßinsel 1, 12557 Berlin
電話番号:(030)266 42 42 42
www.smb.museum

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by berlinHbf | 2011-10-11 23:57 | ベルリン発掘(東) | Comments(0)

コリーンの修道院を訪ねて(1)

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Bahnhof Chorin (2011-08-28)

最近、ブランデンブルク州を紹介したDumont社の詳細なガイドブックを書店で見付けたので購入した。この本、ドイツ語版ながらなかなかおすすめできる内容なのだが、巻頭のBrandenburg 10 Highlightsというのにコリーンの修道院(Kloster Chorin)が選ばれていた。8月末に訪れたばかりの場所だったので、うれしくなり、ぜひここでご紹介したいと思った。

ベルリンに住んでいても、「コリーン」と聞いたところでピンとこない方は多いと思う。ベルリンの北80キロ、ブランデンブルク州のバルニム(Barnim)という群にある村だ。ベルリン中央駅からレギオナールバーン(RE)に乗って40分ほどの距離にある。

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ベルリンからそれほどの距離でも時間でもないのだが、観光案内所付属の趣のある駅から通りに出ると、そこにはびっくりするほどのどかな風景が広がっていた。駅から修道院跡までは徒歩で25分ほどかかるらしい。案内表示がちゃんと付いているというので何も調べずにやって来たが、無事たどり着けるだろうか。

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Dorfkrug(村の酒場)という看板が掲げられた民家を見つけた。そばに近寄って見ると、1729-1942と書かれていたので、その時代に酒場だったということだろう。大都市ベルリンでも、ちょっと外に出るともうこんな感じなのだ。

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5分も歩けば、もう集落は終わる。「え、山を越えるの?」。

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いつの間にか本当に山道に入っていた。道しるべはしっかり付いているので、確かに迷うことはなさそうだが、少し不安な気分にもなる。一度だけ犬を連れた地元のおばさんとすれ違ったので、聞いてみると、「もう少し行くと小川を渡るから、そこを進んで今度は左に曲がって。もうすぐよ」と親切に教えてくれた。

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件の小川を越えてさらに行くと…

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急に視界が開けてきた!この先が修道院跡だ。右手の遠くに車の音が聞こえるので、大きな道路があるのだろう。車を使えばここまでスムーズに来られるだろうが、山を越えてこの修道院跡まで歩いて来るのはなかなか得難い経験だった。

(つづく)

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by berlinHbf | 2011-10-06 23:35 | ドイツ全般 | Comments(0)

コーミッシェ・オーパーの「利口な女狐の物語」新演出

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© Monika Rittershaus

●コーミッシェ・オーパーで「利口な女狐の物語」のプレミエを観てきました。今シーズンでインテンダントの任期が終わるアンドレアス・ホモキの演出。指揮はアレクサンダー・ヴェルデニコフでした。1956年にヴァルター・フェルゼンシュタインによって演出された名プロダクション以来、この作品が同劇場で上演されるのは半世紀ぶりだそうです。

●幕が開くといきなり森番が1人でたたずんでおり、序曲が始まると、いきなり彼の若かりし頃の(?)結婚式の場面になります。どうやら、森番がこれまでの自分の人生を回顧するという設定の演出だったようです。幕が上がってすぐ、コオロギとキリギリスがバレエ音楽を奏でる場面がありますが、2役とも人間の姿。「あれ、動物が出てこないなあ」と思った矢先、舞台が転換してほとんど同じ小屋の舞台装置の上に、今度は動物のマスクをかぶった歌い手がずらりと並んでいるのです。それはメルヘン的というよりは、プログラムに抜粋が載せられていたカフカの「変身」を想起させるような、どこかグロテスクな世界でした。

●少なくともこのオペラの演出の1つの方向性である、「動物がたくさん登場し、子供でも楽しめるメルヘン調の演出」にする意図はホモキにはなかったようです。Verwandlung(変身、転換)というのが1つのキーワードと言えるでしょうか。動物の世界の出来事を全て人間の世界に置き換えており、4面の舞台装置を使って人間界と動物界が頻繁に行き来します。面白かったのは、あなぐま役を兼ねる神父の他、校長に雄鳥役もやらせていたこと。森番、神父、校長が最初から最後まで何度も登場し、自然の悠久さよりも、人生の「苦み」を強調した舞台だったように思います。その中心にいるのがやはり女狐で、男たちを惑わすセクシーな存在として描かれていました。

●全体的に音楽と歌い手たちの動作の連動性は見事でした。いかに緻密に稽古を重ねられてきたことがよくわかります。一方で、間奏音楽に至るまで情報を詰め込み過ぎて、観ていてどうも落ち着かない気分だったのも否めません。ヤナーチェクのオペラの多くは1時間半程度と短く、1幕も30分程度。舞台展開もスピーディーです。元々が動物を主人公にしたオペラなので、限られた時間の中であれもこれも人間界に置き換えようとすると、どうしてもどこか「説明調」になってしまうのです。第2幕の終盤の女狐と雄狐のラブシーンなど、音楽的に重要な部分で肝心の音楽に浸らせてくれない、と感じたこともありました。このオペラの魅力と同時に演出の難しさも感じた次第です。それでも、見どころの多い舞台だったことは確かで、第3幕のクライマックスの音楽ではいつもながら鳥肌が立ちましたね。今夜からシラー劇場で始まる新演出の「死者の家から」も、大変楽しみにしているところです。

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by berlinHbf | 2011-10-03 18:15 | ベルリン音楽日記 | Comments(3)

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