ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


by berlinHbf

プロフィールを見る

中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

Amazonにてネット購入ができます。



『街歩きのドイツ語 』
¥1,575
三修社

豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
¥1,575
ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

ベルリン更新情報
2013/02/20 up

ベルリン個人ガイドのご案内

執筆、ガイド、コーディネートなどのご依頼、お問い合わせはこちらまで(これまでの出版・寄稿実績)→
masatoberlin[AT]
yahoo.co.jp

ドイツ語ブログ
Berlin no kaze
1/18 up!「Schreiben auf deutsch über Japan」

※お願い
当ブログの写真や文章に関する、無断での転写・転用を禁じます。
© Copyright 2005-2015 Masato Nakamura. All Rights Reserved





検索

お気に入りブログ

ニューヨークの遊び方
foggyな読書
おやぢの部屋2
怠け者の備忘録
庭は夏の日ざかり
資料館の書庫から
Morios Tagebuch
Prost Familie!
田口ランディ Offic...
長坂道子「ときどき日記」
ほにゃく犬の字幕ほにゃく日記
まめびとの音楽手帳
blue in green
毎日ベルリン!
大栗博司のブログ
好きを仕事にする大人塾「...
Trans Europe...
ヤッホー!今日はどちらへ?
ドイツ木組みの家街道 -...
Sayako's Con...
こなな日記 Vol.2

外部リンク

<   2010年 04月 ( 15 )   > この月の画像一覧

ヴィルマースドルフのフォルクスパーク(2)

e0038811_20435516.jpg
ヴィルマースドルフのフォルクスパークは、東西に長く、全長約2.5キロにも及びます。今日は、公園のほぼ真ん中、ブンデスアレーに架かるモダンな吊り橋を渡って、西側へ歩いてみましょう。

e0038811_20443564.jpg
写真は4月頭のある夕方に撮ったもの。まだ春の気配を感じるには早かったですが、散歩をするには最適な気候でした。ジョギングをする人もちらほら。フォルクスパークの西側には、かなり大きな運動場もありました。

e0038811_20503068.jpg
ウーラント通りを越えると風景ががらっと変わり、Fennseeという細長い湖が続きます。これは、1903年に造られた人造湖だそうです。

e0038811_20445519.jpg
人造湖とはいえ、家のすぐ近くにこういう風景があるというのは、いいなあと思います。

e0038811_20524346.jpg
そろそろ戻ろうと、ヴィルマースドルフ墓地を横目に、U3+7のフェアベリナー広場(Fehrbelliner Platz)の方向に歩いて行くと、整然と、そしてどこか威圧的に構える建物が見えてきました。

e0038811_20455359.jpg
広場に沿って馬蹄形状に、この建物がどんと構えているのです。この迫力たるや・・・。旧テンペルホーフ空港の建物などと見比べると一目瞭然ですが、典型的なナチス様式の建築で、1930年代の広場の再開発に合わせて造られたものです。当時はNordstern-Versicherungという保険会社の本社ビルで、現在はベルリン市の管理機構に使われているとか。広場全体がナチス時代の建物で占められている例は、ベルリンでも珍しいといえるでしょう。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2010-04-30 15:49 | ベルリン発掘(西) | Comments(4)

ヴィルマースドルフのフォルクスパーク(1)

e0038811_757282.jpg
昨年まで住んでいたクロイツベルクには、徒歩5分の場所にクロイツベルク記念碑のあるヴィクトリアパークという大好きな公園がありましたが、新しく越して来たヴィルマースドルフ地区にも近所にフォルクスパーク(Volkspark Wilmersdorf)という東西に長い公園があります。快晴に恵まれた先週末、ブンデスアレーから公園内に入り、東に向かって散歩してみました。

e0038811_7574656.jpg
そこには、絵に描いたような幸せな光景が広がっていました。ピクニック気分で遊びに来ている人、水着姿で日光浴する人、1人で読書をする人、ボールで遊ぶ人々・・・。奥に進むごとに人口密集率が増していくかのよう。今年の冬は例年以上に長かったからなあ。春を待ちわびていた気持ちは、みんな一緒です。

e0038811_758463.jpg
さらに西へ歩き続けると、Ententeichという、その名の通りカモのいる小さな池が見えてきます。ここまで来るともうシェーネベルクで、ジョン・F・ケネディが有名な演説を残した市庁舎の塔が向こうに見えます(写真奥)。横に伸びる白い建物は、橋であると同時に地下鉄U4の地上駅で、建築的にも立派。ここからの眺めは素晴らしい!

e0038811_7582243.jpg
地下鉄の橋を越える辺りから、公園の名前もルドルフ・ヴィルデ・パークと変わります。金の鹿の像が建つ噴水の前では、男の子が元気に遊んでいました。ついにベルリンにも春到来です。近々、フォルクスパークの西側の風景もご紹介したいと思います。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2010-04-29 01:30 | ベルリン発掘(西) | Comments(5)

東独製品を網羅したカタログ『ニセドイツ』(伸井太一著)

e0038811_20135153.jpg
先日、ミッテを歩いていたら、東の時代のこんな車に出会い、思わず写真を撮ってしまいました。トラバントは今や多くの人に知られていますが、この車の知名度は大分低いのでは。ヴァルトブルク(Wartburg)といって、東ドイツ時代はトラバントよりワンランク上だった「高級車」です。

e0038811_20213216.jpg
車に詳しくない私が、これを見てすぐに「ヴァルトブルクだ!」とわかったのも、昨年秋に出たこの本のお陰。『ニセドイツ ≒東ドイツ製品』(伸井太一著。社会評論社)というちょっと変わったタイトルの本で、Vol.1では、東ドイツの工業製品や都市のシンボル的なものを写真付きで紹介しています。車、バイク、鉄道、自転車、飛行機、カメラ、テレビ、集合住宅など、テーマは驚くほど多岐に渡ります。

e0038811_20214960.jpg
同時発売のVol.2では、生活用品がテーマ。こちらも食べ物から、歯磨き粉、トイレットペーパー、ファッション雑誌、ポルノ、テレビゲームに至るまで、よくここまで集めたものだと感心しました。ほとんど全てのページで駄洒落を織り込んだサブカル系の軽妙なタッチで書かれていますが、筆者の伸井太一さん(実は個人的にも存じ上げている方です)はドイツ現代史の専門家でもあるだけに、各項目の記述は執拗かつ正確です。

e0038811_20141152.jpg
冒頭のヴァルトブルクですが、『ニセドイツ』での次のページをめくったら、思わず「おお!」と声を上げてしまいました。4年前に北駅の前でたまたま見付け、あれは何だろうと気になっていた車の正体が突然わかったからです。やはりDDR時代のバルカス(Barkas)という名のワゴン車。一般的な輸送のみならず、秘密警察の輸送車としても使われていたことも知りました。

『ニセドイツ』は、前書きに書かれている通り「カタログ式の読み物」なので、私自身最初から最後まで読み通すというよりは、折に触れ眺めては「ほー」と驚き、時には呆れ、調べもの等にも活用させてもらっています。本の帯の言葉を借りると「勝手に東ドイツ国営企業カタログ」。今は亡き国家を知り、そこでの生活を(時に笑いながら)追体験できる貴重な2冊といえるでしょう。

伸井さんによると、現在第3弾の執筆中だそうで、完成を楽しみに待ちたいと思います。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2010-04-26 23:57 | ベルリンを「読む」 | Comments(4)

101回目の「サロメ」

●StaatsoperのR.シュトラウス「サロメ」(クプファー演出)は、1998年3月に私が初めてベルリンに来た時に観た演目。その時指揮をしたのが一昨年亡くなったホルスト・シュタインだったので、余計に懐かしい。今シーズンもプログラムに入っていて、アイスランドの火山噴火から2日後の公演を観た。

●開演前にアナウンス。予定の指揮者がスペインからベルリンに飛べないため、Julien Salemkourに急遽交代。歌手の中にはロシアからバスと鉄道を乗り継いで来た人もいたと紹介され、お客さんからは大きな拍手が。何はともあれ、この状況下で公演が実現しただけでもありがたかった。

●舞台の3分の1が見えない8ユーロの席だったけど、充実した公演だった。何といってもタイトルロールのアンゲラ・デノケ!以前観た「バラの騎士」のマルシャリン役の気品ある佇まいが印象に残っているが、役柄的に全くの正反対という以上のサロメも歌うとは。サロメに必要な妖艶さをしっかり出しながら、知的な部分でのコントロールもしっかり取れていて、オケとのバランスも最高だった。「7枚のヴェールの踊り」では本当に脱いでしまい、その体当たりの演技にもびっくり。

●シュターツオーパーは来シーズンから大規模な改修工事に入ってしまうので、この古い演出の「サロメ」を観るのも最後かもしれない(プログラムによると、1979年6月のプレミエからこの日が101回目の公演)。改修後は、10ユーロ以下でオペラが観られる3.Rangの天井桟敷はどうなるのだろう。歩く度にギイギイ鳴る木の床とか、劇場内の独特のにおいとか、空調がないため聴衆の熱気でむんむんしてくるあの空気の悪さとか、劇場がきれいになる代わりにこういったものが失われるのを、少し寂しく思う。

Musikalische Leitung: Julien Salemkour
Inszenierung: Harry Kupfer
Bühnenbild und Kostüme: Wilfried Werz

Herodes: Reiner Goldberg
Herodias: Renate Behle
Salome: Angela Denoke
Jochanaan: James Rutherford
Narraboth: Marcel Reijans
Page: Andrea Bönig

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2010-04-24 20:50 | ベルリン音楽日記 | Comments(4)

ルール地方見聞録

e0038811_664254.jpg
今回の出張では写真はわずかしか撮っていないのですが、駆け足で振り返ってみたいと思います。まずこちらは、エッセンのツォルフェライン旧炭鉱跡 (Zeche Zollverein)。ご覧のように、バウハウスの影響を受けた建物のデザインから「世界一美しい炭鉱」などと呼ばれ、世界遺産にもなっています。昔の建物はほとんどそのまま残し、美術館、コンサート会場、夏はプール、冬はスケートリンク、などといった具合に再利用され、巨大な文化施設に生まれ変わっています。その規模たるや圧巻。入場は無料ですが、ある程度言葉がわかる方はガイドツアーに参加することをおすすめします。いくら建物のデザインはすぐれていても、炭鉱の労働条件は最悪だったそう。ドイツの高度成長を支えたルール地方、そこでの労働者がどういう環境で汗水を流していたのかが五感で伝わるようになっていて、感銘を受けました。

e0038811_67278.jpg
炭鉱に隣接したコークス工場。
2日間車を運転してくれたトルコ人のドライバーさんは、父親がやはりあの時代出稼ぎでドイツに来たそうで、この地域にまつわる話をいろいろ聞かせてくれました。ちなみに、彼の息子さんはU17のトルコ代表にも選ばれているサッカー選手。ひょっとしたらこれから有名になるかもしれないので、Tolga Erginerという名前を覚えておこうと思います。

e0038811_672132.jpg
ルール地方には、炭鉱時代のボタ山がいくつも残っていて、頂上にユニークなモニュメントを置いて人目を引いているものがあります。これはボットロップという町にあるTetraederなるもの。手前の人影と比べれば、どれほどの大きさかわかると思います(高さは50メートル!)。高所恐怖症の人でなくても、てっぺんまで上るには勇気がいりそう^^;)。時間が限られていたこともあって、私は遠慮しました。

e0038811_6134895.jpg
ボタ山からの眺め。ルール地方の風景は基本的にこんな感じです。地味でどこか殺伐としているという印象は否めません。トルコ人のドライバーさんは、「このルール地方がドイツを今のドイツにしたんだよ」と何度も言っていましたが、これもまた納得。中央の丸い筒のような建造物はオーバーハウゼンのガスタンクで、ヨーロッパでも最大級の規模。現在はアートスペースに生まれ変わっていて、„Sternstunden – Wunder des Sonnensystems"という太陽系をテーマにした展覧会は一見の価値があるものでした(月のインスタレーションがすごかった)。

e0038811_673770.jpg
やはり近年再開発されたデューイスブルクの内港(Innenhafen)。昔の倉庫を改装した古い部分と対岸の現代建築とのコントラストは、ベルリンをもどことなく想起させます。

e0038811_68266.jpg
デュッセルドルフ近郊のノイスという街のさらに外れにあるランゲン美術館。安藤忠雄の建築。かつてNATOのロケット基地だったという平原にぽつんと建っているのですが、ここは本当に行ってよかったです。月曜日もオープンしているのがありがたかった。

e0038811_68215.jpg
最後に訪れたフランクフルト・アム・マインは、ちょうどLuminaleという光の祭典が開催中で、街の多くの場所がアーティスティックなイルミネーションで彩られていました。旧市街のレーマー広場にて。

今回お世話になった方々は無事日本に飛べたのか、それがちょっと気がかりです。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2010-04-22 00:45 | ドイツ全般 | Comments(4)

NHK「テレビでドイツ語」5月号

e0038811_8331683.jpg
NHK「テレビでドイツ語」5月号のテキストが発売になりました。私の連載「映画で歩くベルリン」の第2回目では、2月のベルリナーレと83年ぶりに復活上映されたフリッツ・ラング監督の無声映画『メトロポリス』について取り上げました。今回の取材で思い出深いのは、ブランデンブルク門の前で観た『メトロポリス』の野外上映。Freiluftkinoと言って、こちらでは夏になると野外での映画上映がよく行われるのですが、零下5度近くの中で2時間半の映画を観たのはさすがに初めての経験でした。あの夜の寒さは忘れられません^^;)。今月号もお読みいただけると幸いです。

最新号のトピック(NHK出版のHPより)
5月のテーマは「街に出よう」。蚤の市やスーパーマーケットで買い物したり、ベロタクシーと呼ばれる自転車タクシーに乗って街を見物したり。行ったつもりでベルリンの街歩きを楽しみながら、「これは何ですか?」「いくらですか?」「どこにありますか?」などの言い方を覚えましょう。情報コーナーもお楽しみに。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2010-04-20 23:57 | ドイツ語関連 | Comments(0)

デュッセルドルフでの午後

e0038811_17285740.jpg
アイスランドの火山噴火の空の影響が、予想外の広がりを見せていますね。私の周りでも影響を被っている人がちらほら出ています。先週アテンドの仕事でご一緒した方々は無事フランスにたどり着けたか、一昨日日本に帰るはずだったある先生は、今どこでどうされているのかな・・・。今更ながら、飛行機という文明の利器がないと現代社会が成り立たなくなっていることを痛感させられた今回の火山噴火でした。

e0038811_17291883.jpg
いろいろ気がかりではありますが、先週末のデュッセルドルフ滞在のことを少し。短い時間でしたが、お世話になっているドイツニュースダイジェストの編集部の方々にお会いした後、現在当地の大学で言語学を勉強している学部時代の友人と再会し、街を少し歩きました。写真は、Bilker Straße 15にある、シューマンが1852〜55年にかけて住んでいたアパート(参考ページ)。ロベルト、クララ夫妻が最後に一緒に住んだ家であり、ロベルトはその後精神病院に入れられることになります。先週、モザイクカルテットによるあの美しいシューマンの四重奏曲を聴いたばかりだったので、ここに足を運べてよかったです。

e0038811_1729409.jpg
そこからライン川へは徒歩で5分ほど。土曜日の午後だったので、川沿いの遊歩道は大変賑わっていました。特に市庁舎の前から伸びるBolker Str.の人の密集率はびっくりするほど。コスプレの若者もちらほら見かけました。

e0038811_17301979.jpg
オーバーカッセラー橋を越えると、もともとはプラネタリウムだったトーンハレというコンサートホール。その向こうにNRW Forumという美術館があり、その中のカフェに入りました。旧市街は日本の都市並みの混雑ぶりだったので、ようやくここで一息つくことができました。

(つづく)

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2010-04-18 11:58 | ドイツ全般 | Comments(6)

三島由紀夫の国際シンポジウム

e0038811_2491551.jpg
今年は、作家三島由紀夫の没後40年。この記念の年にあたり、ベルリン日独センターがベルリン・ブランデンブルク学術アカデミーとベルリン自由大学との共催で、国際シンポジウム『MISHIMA! その国際的インパクトと複合文化的源泉』を開催しました(3月18~20日)。

初日は、日本文学者のドナルド・キーン氏、写真家の細江英公氏、作家の平野啓一郎氏、小説家のボリス・アクーニン氏ら多彩なゲストが自身と三島との関わりについて語り、その後、パネルディスカッションに移りました。「キーンさんや細江さんなど、三島と親交のあった方々が個人的なエピソードを披露し、三島という人に対して少し親近感が沸いた」とは、この日参加した一般の方の感想でした。

e0038811_2262341.jpg
私が足を運んだ2日目は、ベルリン自由大学に会場を移し、よりアカデミックな内容で進行しました。林道郎氏(上智大学)の「三島の残像:森村―ターンブル―ウォール」、Hong Yun Pyo氏(高麗大学校)の「韓国における三島由紀夫の受容」、イルメラ・日地谷=キルシュネライト氏(ベルリン自由大学)の「世界の文学のなかの三島」など、三島文学の多様性や世界に与えたインパクト(さらにその問題点も含め)に焦点が当てられ、「Mishima」が現在に至るまで、文学のみならず映画や戯曲、オペラ、美術など様々な分野で人々を刺激し続けていることがわかりました。話の内容はところどころ難解でしたが、平野啓一郎さんがツイッター上で、「14歳の時にこれを読んでいなかったら、おそらく違った人生になっていたはず」と語っていた『金閣寺』を含め、この機会に改めて三島作品を読んでみたいと思いました。

e0038811_22652100.jpg
「三島とラシーヌ」というテーマで講演をしたドナルド・キーン氏

余談になりますが、休憩時間中にドナルド・キーンさんと少しだけお話しすることができました。ベルリンに来られるのは3度目とのことで、最初の訪問は何と1931年、9歳の時だったとか!貿易商だった父親に頼み込んで、ヨーロッパ周遊のお供をさせてもらったのだそうです。「アメリカは国土が広く、それ自体が多様でしょう。周りの人は『なぜわざわざ外国に行って外国語を勉強する必要があるのだ』と反対しましたが、私はどうしても外国で同世代の子どもたちとコミュニケーションを図りたかったのです」。2年前に文化勲章を授章された現在87歳のキーンさんですが、熱く語るその姿に異文化への好奇心の原点を見る思いがしました。
ドイツニュースダイジェスト 4月16日)

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2010-04-15 19:50 | ドイツから見た日本 | Comments(5)

ルール2010から戻って

e0038811_7133024.jpg
数日間の出張を終えて、ベルリンに戻ってきました。今回行って来たのは、エッセンを中心としたルール地方。このかつての炭鉱地帯は今年欧州文化都市(RUHR 2010)に選ばれています。日本の某市で街作りや都市の活性化に携わっている方々がこの地域を視察することになり、そのアテンドをするという仕事でした。

10日は少し早めにベルリンを出て、昼過ぎにデュッセルドルフ着(写真は行きのICEの車内でもらったチョコレート)。短い時間でしたが、日頃お世話になっているドイツニュースダイジェストの編集部の方や現地在住の大学時代の友人にも会うことができたのはよかったです。

それにしてもびっくりしたのは、ベルリンでしか会ったことがない日本人の知人に立て続けに遭遇したこと。デュッセルの中央駅で以前ベルリンに住んでいた知人にばったり会い、さらにインマーマン通りのラーメン屋で行列に並んでいたら、ヴォルフスブルク在住の友人「クニさん」にいきなり後ろから声をかけられ唖然。クニさんは、昨年『素顔のベルリン』の出版記念パーティーをオーガナイズしてくれた方で、ベルギーへの出張帰りだったそう。インマーマン通りでは日本人の駐在員と思われる方があちこちで挨拶しているのを見かけましたが、これはやはりデュッセルドルフならではの光景でした。ニュースダイジェストの方によると、現在デュッセルドルフに在留届を出している日本人は、(曖昧な記憶ですが)7600人ぐらいだとか。それでも最盛期は約16000人の日本人が住んでいたそうです。ちなみに、ベルリン在住の日本人は2500人ぐらい?

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2010-04-14 00:50 | ドイツ全般 | Comments(6)

ちゃりんこ旅日記(5) - 九州での日々 -

e0038811_1302031.jpg
全長4km、100万本の松並木。唐津の『虹の松原』

無事に九州の門司に上陸し、ツール・ド・西日本は後半戦を迎えた。ここからは反時計回りに九州を一周する。

3日後、長崎県の佐世保に着いて驚いたのは、その地形や風土に対して。海、坂の多さ、巨大な造船所、そして…米軍基地。「あれ?横須賀?」と思うくらい雰囲気が横須賀に似ている。そのせいか居心地がいい。初めて訪れるのに、何だか親近感を感じる土地だった。

長崎で一泊し、有明海を左手に見ながら島原へ。ずいぶん人で賑わっていると思ったら、偶然にも今日は島原の花火大会があるらしい。スーパーで買ったトマトをかじりながら、特等席で花火を見た。心地よい爆発音は鮮やかな色彩と共に、ぼくの疲れを吹き飛ばした。貧乏生活だが、こんなに贅沢なことはない。

e0038811_130398.jpg
島原では武家屋敷を見学

次の日、天草諸島を縦断した。夕方ラーメン屋に入ると、おじさんに「悪いな、今日はもう店閉めちまったんだ」と言われた。仕方なく出発しようとすると、店からおじさんが出てきた。「お前さん、どこから来た」「横須賀です」「…ちょっと待ってろ」そう言って、ぼくにチョコレートとカボスを手渡してくれた。「疲れたときはそれが効くだろ。気ぃつけてけよ!」ぼくは何もしていないのに、どうしてこんなにも優しいんだろうか。

おまけに、ラーメンを食べられなかったおかげで、最高の時間帯で天草の夕陽を見ることができた。何かに導かれているように自分の行く先々で幸運な出来事が起こる。偶然なのか、必然なのか。そんなことを考えながら、ぼくは鹿児島へと向かうフェリーに乗った。

(つづく)

「ちゃりんこ旅日記」のバックナンバーは、下のTagsの「旅(Reise)」でご覧いただけます。

作者である弟のブログはこちらより:夢!冒険!ちゃいにっき!

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2010-04-13 18:39 | ニッポン再発見 | Comments(0)

カテゴリ

Deutsch
ベルリン中央駅
ベルリンのいま
ベルリン個人ガイド
ベルリン発掘(西)
ベルリン発掘(東)
ベルリン発掘(境界)
ベルリン発掘(全般)
ベルリン思い出話
ベルリンの人々
ベルリン音楽日記
ベルリン文化生活
ベルリン子育て日記
ベルリンを「観る」
ベルリンを「読む」
ベルリンあれこれ
ベルリン天使の降りた場所
ベルリン音のある街
ベルリンクイズ100
ベルリンリンク集
ドイツ全般
ドイツから見た日本
サッカーWM2006他
欧州を感じる旅
- 2005ウクライナ紀行
ドイツ語関連
ニッポン再発見
その他
BZ Lexikon (Berlin)
BZ Lexikon (1-50)
BZ Lexikon (51-100)
BZ Lexikon (101-150)
BZ Lexikon (151-200)

タグ

(113)
(112)
(111)
(107)
(105)
(97)
(96)
(87)
(86)
(78)
(73)
(67)
(66)
(64)
(58)
(55)
(54)
(46)
(42)
(40)

以前の記事

2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
more...

最新のコメント

山根正次のサインが「玄洋..
by 浦辺登 at 10:25
コメントありがとうござい..
by berlinHbf at 04:46
今、NHKBSで「ベルリ..
by 流れ星 at 01:14
Yozakuraさん ..
by berlinHbf at 02:26
Masatoさま  肝..
by Yozakura at 12:34
Masatoさま  未..
by Yozakura at 12:26
kokhavさん こち..
by berlinHbf at 06:13
長い間、ありがとうござい..
by kokhav at 22:30
焼きそうせいじさん 大..
by berlinHbf at 05:57
年に1回の日本での授業に..
by 焼きそうせいじ at 19:31
ヒガシモンさん 詳細な..
by berlinHbf at 17:02
kokhavさん >み..
by berlinHbf at 16:49
冬風さん コメントあり..
by berlinHbf at 16:46
続き…今回ドイツ宛へ物を..
by ヒガシモン at 15:44
マサトさん>ご返信ありが..
by ヒガシモン at 15:20
おかえりなさいませ。 ..
by kokhav at 23:31
ベルリンからの長旅お疲れ..
by 冬風 at 20:21
ヒガシモンさん こうい..
by berlinHbf at 18:51
軒国彦さん はじめまし..
by berlinHbf at 18:48
桑原さん ご丁寧なコメ..
by berlinHbf at 17:49

ブログパーツ

※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません

最新の記事

10年分の感謝、ひとまずのお..
at 2015-08-03 23:23
上棟式を迎えたベルリン王宮
at 2015-07-18 22:29
指揮者キリル・ペトレンコのこと
at 2015-07-13 23:09
発掘の散歩術(60) - 番..
at 2015-07-08 14:18
ポツダムの新庭園へ!
at 2015-07-04 10:49
発掘の散歩術(59) - 7..
at 2015-06-13 16:43
マルティン・グロピウス・バウ..
at 2015-06-08 10:18
山梨での週末
at 2015-06-02 00:54
長男誕生3、4ヶ月目 - 日..
at 2015-05-23 21:39
旧カール・マルクス書店が文学..
at 2015-05-17 14:12
ドイツニュースダイジェストの..
at 2015-05-10 15:00
発掘の散歩術(58) - S..
at 2015-05-10 13:48
変わりゆくツォー駅周辺
at 2015-05-01 18:52
「西ベルリン」の回顧展
at 2015-04-20 21:23
NHK『テレビでドイツ語』新..
at 2015-04-10 17:01

記事ランキング