ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


by berlinHbf

プロフィールを見る

中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

Amazonにてネット購入ができます。



『街歩きのドイツ語 』
¥1,575
三修社

豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
¥1,575
ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

ベルリン更新情報
2013/02/20 up

ベルリン個人ガイドのご案内

執筆、ガイド、コーディネートなどのご依頼、お問い合わせはこちらまで(これまでの出版・寄稿実績)→
masatoberlin[AT]
yahoo.co.jp

ドイツ語ブログ
Berlin no kaze
1/18 up!「Schreiben auf deutsch über Japan」

※お願い
当ブログの写真や文章に関する、無断での転写・転用を禁じます。
© Copyright 2005-2015 Masato Nakamura. All Rights Reserved





検索

お気に入りブログ

ニューヨークの遊び方
foggyな読書
おやぢの部屋2
怠け者の備忘録
庭は夏の日ざかり
資料館の書庫から
Morios Tagebuch
Prost Familie!
田口ランディ Offic...
長坂道子「ときどき日記」
ほにゃく犬の字幕ほにゃく日記
まめびとの音楽手帳
blue in green
毎日ベルリン!
大栗博司のブログ
好きを仕事にする大人塾「...
Trans Europe...
ヤッホー!今日はどちらへ?
ドイツ木組みの家街道 -...
Sayako's Con...
こなな日記 Vol.2

外部リンク

<   2007年 02月 ( 28 )   > この月の画像一覧

「地下のベルリン」(河合純枝著)

e0038811_0152925.jpg

先日、ベルリンとピョンヤンの地下鉄の意外な接点についてお話したので、最近読んだベルリンの地下にまつわるある本をご紹介してみたい。「地下のベルリン」(河合純枝著。文藝春秋)という本である。

「ベルリンの地下世界」・・・
私は「地上のベルリン」なら隈なく歩いてみたいと思う人間だが、「地下のベルリン」となると、少々足がすくむ。評判を呼んでいる「地下ツアー」に参加するのならまだしも、何10年も人が足を踏み入れていないような地下空間に懐中電灯を持って入って行く勇気は私にはなさそうだ。はっきり言って気味が悪い。何しろベルリンの地下である。狂気、残酷、絶望、希望、挑戦といった人間のあらゆる感情が渦巻く魑魅魍魎とした世界というイメージがある。ベルリンには、今でもその存在が把握し切れていない地下空間がたくさんあるらしい。

著者の河合純枝さんという方は、そんなベルリンの地下に果敢にも下りていった。ソ連軍による「特殊収容所」という名の拷問室やSAの牢獄、シュタージの「銅の釜」なる場所、ヒトラーの地下壕、冷戦時代の巨大な核シェルター。ベルリンの地下世界というと、多くの人がまず想像するのはこういう負の歴史の場所ではないだろうか。実際すさまじい話が次々と出てきて圧倒される。

だが、この本で取り上げられているのは、そのようなおぞましい場所ばかりではない。地下世界に希望や夢、あこがれを託して人々が潜った場所もたくさん出てくるからだ。有名なところだと、東から西へ脱出するために掘られたベルナウアー通りの逃亡トンネルだろうか。そこまでドラマチックではないが、冷却装置がない時代のビール工場の地下貯蔵庫や圧縮空気の力で手紙を運ぶ気送郵便の話も、もう一つのベルリン史を見る思いだった。

e0038811_038596.jpg
庶民の生活誌も時に顔を覗かせる。先日、メヒティルトさんにクロイツベルクを案内してもらった時、多くのアパートにある半地下部分を指差しながら「昔はこういう場所に、石炭やジャガイモが売られていたのよ」と教えてくれたのだが、この本に出てくるベルリンに一軒だけ残るという(もっとも、今もあるのかどうかはわからないが)クロイツベルクの「薪・石炭商店」には、ぜひ一度訪ねてみたいと思った(地図も通りの名も記されていないのが少々残念だけれど)。

つい最近、来年秋での閉鎖が正式に決まったテンペルホーフ空港の地下に、「自動車で回らないとくたびれ切ってしまうほどの」空間があるなんて、地上世界を歩いているだけでは知る由もないだろう。そして、本当かとも思うが、空港の緑地帯に多くいるという「耳の聞こえないうさぎ」のエピソードにも悲哀を感じる。この前、壁の写真を撮りに行った「アルフレード・デープリン広場」の真下に、一度も使われたことなく使命を終えた地下鉄駅があったということも、私にはある意味驚愕の事実だった。

読み進めていくにつれて、「こんないわくつきの数々の場所に、河合さんは一体どうやって入ることができたのだろうか」という疑問が湧いてくる。その訳はあとがきで明かされるのだが、役所に申請書を書いてから実際に見せてもらうまで、やはり相当大変だったようだ。ある日、見知らぬ日本人女性から「どこどこの地下とその資料を見せてほしい」と言われて、まともに対応するドイツ人の役人がどれだけいるだろうか。「絶対に資料をいい加減なことに使わないと宣言させられ、サインもさせられた」うちはまだいいが、中にはどうしても見せてくれない場所もあったという。またある時は、長年閉ざされた地下空間に棲息しているバクテリアにやられ、1週間の入院生活を送るハメにもなる。

「ベルリンの地下」へ思いを寄せる河合さんの情熱と執念が生んだ一冊といえようか。現在廃刊中なのが残念だが、この街に関心のある方なら読んで決して損はない本だと思う。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2007-02-27 16:48 | ベルリンを「読む」 | Comments(11)

クロイツベルクのカフェ"Avril"

e0038811_22114817.jpg
「カフェ」というと、なんとなく大人のニオイがする。先日初めて足を運んだクロイツベルクの"Avril"というカフェも、そんな雰囲気がぴったりのシックなカフェだった。

e0038811_2212347.jpg
奥の部屋に場所を見つけ、ハイセ・ショコラーデ(ホットチョコレート)を飲みながらふと周囲を見渡すと、私はあることに気付いた。もう日が暮れた日曜日のこの時間にしては、小さな子供連れの若い夫婦が目立つのである。

e0038811_22121382.jpg
そこにも一組、向こうにも一組。珍しいカフェだなあと思って奥を覗いてみると・・・

e0038811_22122337.jpg
そこはこんなスペースになっていた^^)。
どうやらこのお店は、「子連れの家族にやさしいカフェ」のようです。

Avril
Graefestraße 83, Kreuzberg
U-Bhf. Kottbusser Tor, Schönleinstraße
Tel. 62 73 53 98

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2007-02-26 01:36 | ベルリン発掘(西) | Comments(10)

「シャリテー」 BZ Lexikon(157)

大分昔の記事ですが、ベルリンで最も有名な病院について書かれた記事を見つけたので、今日はそれを訳すことにします。2005年10月28日の紙面より。

Lexikon: Charité(シャリテー)

Die Berliner Charité (frz.: Nächstenliebe) ist Europas größtes Universitätsklinikum. Unter König Friedrich I. entstand 1710 ein Quarantäne-Haus für Pestkranke, das auch nach der Epidemie als Krankenhaus für Arme und Bedürftige genutzt wurde. Später diente das Haus als Garnisionslazarett und zur Ausbildung von Ärzten im Militärdienst. 1810 wurde die Berliner Universität gegründet, die zunächst unabhängige Unikliniken betrieb und deren erster Medizinischer Dekan Christoph Wilhelm Hufeland war. Da er gleichzeitig auch als Ausbilder in der Charité arbeitete, band er diese zunehmend in den Uni-Betrieb ein, bis schließlich Krankenhaus und Fakultät verschmolzen.

訳)フランス語で「隣人愛」を意味するベルリンの「シャリテー」は、ヨーロッパで最大の大学病院である。1710年、フリードリヒ1世のもとでペスト患者のための隔離施設が生まれ、それは疫病がはやった後、貧者や困窮者の病院としても使われた。その後、この施設は陸軍病院として兵役の立場にある医者を養成する場になった。1810年にベルリン大学が創立された当初は独立した大学病院として運営され、その最初の医学部長はクリストフ・ヴィルヘルム・フーフェラントだった。彼はシャリテーの教育者としても活動したため、次第に病院を大学の運営に組み込んでいき、最終的には病院と学部が合併した。


●昨日の午後、メヒティルトさんにクロイツベルクを2時間半にわたって案内していただき、全5回に及ぶインタビューがひとまず完結しました。本当に楽しかったのひとことです。メヒティルトさんと一緒に街を歩いたことで、街のディティールを見る視点を学びました。あとは私ががんばって紙面にまとめるだけです。これが大変なんですが^^;)

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2007-02-25 14:07 | BZ Lexikon (Berlin) | Comments(10)

レオシュ・ヤナーチェクの音楽 - ラトルの「シンフォニエッタ」 -

e0038811_19564092.jpg
Leoš Janáček(1854-1928)

チェコのクラシック音楽というと普通真っ先に名前が上がるのはドヴォルザークとスメタナだが、私はヤナーチェクの音楽により強い愛着を感じる。チェコの片田舎のモラビア地方出身のヤナーチェクの音楽には、先の2人のような西欧的な洗練さは見られない。民族色が濃く、ある意味アクが強いというか、とにかく非常に個性的な音楽を書いた人だということは確かだ。それゆえ彼の音楽はメジャーにはなりにくいのかもしれないが、一度その魅力に取りつかれてしまうとなかなかそこから逃れられなくなる。

私は高校生の時にヤナーチェクのヴァイオリンソナタを初めて聴いて以来(ベルリン・フィルの安永徹さんが私の地元でこの曲を弾いたのだった)、その不思議な魅力を感じていたのだが、大学時代にオケで「シンフォニエッタ」を実際に演奏し、さらにその同時期プラハ国民劇場の来日公演でオペラ「イェヌーファ」の衝撃的な舞台に接したことによって、ヤナーチェクの音楽への思いは決定的なものとなった。

ベルリンに来てから、私のヤナーチェク体験はさらに広がった。なんといっても、日本ではまずめったに上演することのない彼の数々のユニークなオペラを、ほぼ全作品生で観ることができたのが大きかった。「イェヌーファ」「利口な女狐の物語」「マクロプロス事件」「カーチャ・カバノヴァ」「死者の家から」などなど、そのうちのいくつかは生涯忘れないであろう感動をもたらしてくれた。ピアノ曲もいいし、他には2曲の弦楽四重奏曲が別格のすばらしさだ。後者は両方とも晩年の作品なのだが、特に第2番「ないしょの手紙」は70歳を越えた老人の書いた音楽とは思えないほど、狂おしいまでの情熱に溢れている。強い酒を飲みながら聴くのに相応しい音楽、といったらちょっとキザだろうか^^;)。この「ないしょの手紙」をはじめ、ヤナーチェクの代表作の多くは、ある特定の女性からインスピレーションを受けて書かれているのが興味深い。

ヤナーチェクについて語りだすと止まらなくなるのでこの辺で一旦やめるとして^^;)、今週ラトルとベルリン・フィルがヤナーチェクの代表作のひとつ「シンフォニエッタ」を取り上げるというので、私はその初日を聴きに出かけた。

e0038811_1424110.jpg

私がサイモン・ラトルに親しみを感じる理由の一つは、ベルリン・フィルの監督という超メジャーな立場にありながら、どちらかというとマイナーなヤナーチェクの音楽を比較的頻繁に取り上げてくれることである。一昨年はオペラ「イェヌーファ」を演奏会形式で取り上げたのだが、ベルリン・フィルがよくこの作品をやったと思う。

この「シンフォニエッタ」は彼の十八番の一曲らしく、若い頃から頻繁に取り組んでおり、バービンガム市響とはCDも出している。そういうわけで私の期待は膨らんだのだが、前半の2曲を終えて(すいませんがこちらの感想は省略します^^;)、ラトルが珍しく指揮棒を持たずに颯爽と冒頭のファンファーレを振り始めた瞬間から、私の期待は確信へと変わった。とにかく見ていて楽しくなってしまうほど、ラトルがこの曲へのめり込んでいるのがわかる。もちろん全曲暗譜。人は、自分が心から好きでしかも隅々まで把握しているものに取り組む時、こういう表情になるのかなあと思ったほどだった。3年前にチャールズ・マッケラスの指揮で聴いた時は、より巨視的なスケールで描いた演奏だったと記憶しているが(そちらもすばらしかった)、ラトルの演奏では細部へのこだわりも徹底しており、ヤナーチェク特有のあのしつこい動機が無限のニュアンスをたたえて響く。金管楽器の輝かしさ、木管の超絶技巧とおどけっぷり、モラビアの自然を感じさせる弦楽器の弱音等々。めったにやらない曲なのに、オケの反応のよさも光っていた。これほどの「シンフォニエッタ」は、もうそうそう聴けないかもしれない。一緒に聴いた友達と語りながら、感謝の気持ちいっぱいで帰途についた◎◎◎

Berliner Philharmoniker
Sir Simon Rattle Dirigent

Antonín Dvořák
Symphonie Nr. 7 d-Moll op. 70
Thomas Adès
Tevót (Uraufführung)
Leoš Janáček
Sinfonietta op. 60

ラトル/ヤナーチェク:シンフォニエッタ/TOCE-13381ラトル/ヤナーチェク:シンフォニエッタ/TOCE-13381
¥1,300


人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2007-02-23 18:42 | ベルリン音楽日記 | Comments(6)

「マハディ軍」 BZ Lexikon(156)

2月16日の紙面より。

Lexikon: Mahdi-Armee(マハディ軍)

Die Miliz des irakischen Schiitenführers Muktada al-Sadr heißt Mahdi-Armee. Das US-Verteidigungsministerium bezeichnete sie im Dezember als die derzeit gefählichste irakische Miliz. Die je nach Schätzung 10 000 bis 60 000 Kämpfer sollen hunderte sunnitische Zivilisten ermordet haben. Al-Sadr stammt aus einer einflussreichen Familie und kämpft für einen schiitischen Staat im Irak. Mit seiner Armee hat er sich zweimal offen gegen die USA erhoben. Er kontrolliert den Stadtteil Sadr City in Bagdad.

訳)イラクのシーア派指導者ムクタダ・サドル師の民兵をマハディ軍と呼ぶ。12月に、アメリカの防衛省はマハディ軍を現在最も危険なイラクの民兵団と名指した。推定1万人から6万人のこの兵士は、数100人ものスンニ派の市民を殺害したといわれている。サドル師は影響力の大きい家系の出身で、シーア派国家イラクの樹立のために闘っている。彼は自分の軍隊と共に2度に渡ってアメリカに蜂起し、バグダッドのSadr Cityの一角を支配している。

(参考)
[バグダッド 15日 ロイター] イラクのタラバニ大統領は15日、シーア派の強硬派指導者ムクタダ・サドル師が、米軍の支援を受けたバグダッド治安回復作戦の確実な成功のため、同師率いるマハディ軍の一部民兵にイラクからの出国を要請していたとの考えを示した。
 大統領は、「マハディ軍活動員の多くが出国を要請されたと考えている。サドル師は、バグダッドでの治安回復作戦が実行しやすくなるよう、出国を要請したと思う」と述べたが、活動員が意味するところについては明らかにしなかった。また、サドル師の所在は知らないと述べた。
 米軍は先に、サドル師はイランにいるとの見解を示したが、側近らは、サドル師はイラクにいるとしている。

●クリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」が、昨日ベルリンでも封切られたそうです。最新号のTip誌では"Herausragend"(卓越した)の3つ星の評価がついていましたし、私もぜひ観るつもりでいます。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2007-02-23 18:13 | BZ Lexikon (151-200) | Comments(0)

クロイツベルクの街角より 1988年

e0038811_0311385.jpg
クロイツベルクの街角にて(1988年夏。メヒティルトさん所蔵の写真より)

先日、これまでも何回かお話してきたメヒティルト.Tさんへ4回目のインタビューをしてきました。今回も興味深いお話をたくさん聞きましたが、なかでも面白かったのは1988年の夏に、彼女がクロイツベルクの壁に沿って歩いた話とその時の写真です。上の写真をちょっとご覧ください。メヒティルトさんは1949年にクロイツベルクで生まれたのですが、その生家のアパートはぎりぎりでこの壁の向こう、つまり東側に入ってしまいました。画面左側に見張り台が見えますね。そしてその横の大きな木の下に、三角形状の小さな野菜園が確認できると思います。この野菜園の話が大変面白かったです(いつかお話します)。私が興味津々で聞いていたら、「この野菜園はまだあるのよ。私も長いことこの辺を歩いていないし、今度一緒に見に行きましょうか」と、今週末メヒティルトさん直々の案内でクロイツベルクを散歩することになりました。実はこの辺りは先月友達と歩いたばかりなんですが、生粋のベルリーナーと歩いたら、また違った街の顔が見えてきそうな気がします。インタビューは4回でほぼ終わったのですが、思わぬオマケが付くことになりました。

このインタビューの内容は、3月にまとめてアップしようと思っています。貴重な写真や資料も満載なので、どうぞお楽しみに。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2007-02-21 17:09 | ベルリンの人々 | Comments(0)

「カスピ海」 BZ Lexikon(155)

2月19日の紙面より。

Lexikon: Kaspisches Meer(カスピ海)

Das Kaspische Meer ist der größte Salzwasser-See der Erde. Unter dem Seeboden befinden sich insbesondere bei Baku sehr große Reserven an Erdöl und Erdgas. Geologen vermuten zwischen 15 und 50 Milliarden Barrel Erdöl auf dem Boden und an den Küsten des Kaspischen Meeres. Optimistische Schätzungen lauten auf bis zu 100 Milliarden Barrel. Für die Rohstoffe interessierten sich die Weltmächte seit jeher – Briten, die Sowjetunion. Für Hitlers Armee war Baku ein zentrales Eroberungsziel. Gestern besuchte Außenminister Frank-Walter Steinmeier die Hauptstadt Aserbaidschans. Das Land, das Wachstumsraten um 20 Prozent aufweist, sucht Kontakt zur deutschen Wirtschaft.

訳)カスピ海は地球最大の塩湖である。湖底の下には(特にバクーにおいて)石油と天然ガスの最大級の埋蔵がある。地質学者は、カスピ海の湖底と沿岸に150億から500億バレルの石油があると推定している。楽観的な推定によると最大1000億バレルにも達する。この原料にイギリスやソ連といった列強は以前から関心を示してきた。ヒトラーの軍隊にとって、バクーは中心的な占領の標的だった。昨日、外相フランク=ヴァルター・シュタインマイヤーは、このアゼルバイジャンの首都を訪問した。20%の経済成長を示すこの国は、ドイツ経済との接点を探している。

●昨夜はチャンピョンズリーグの決勝トーナメント1回戦。久々にサッカーを見ようと思ってテレビを付けたものの、バイエルンが出るというのにどこのチャンネルでもやっていません(有料放送は別ですが)。少し前まではSat1やRTLで(少なくともドイツのチームが出る時は)見られたんですが、これも加熱するサッカービジネスの影響でしょうか。悲しいことです。

●前にも少し書きましたが、この1週間は中欧・北欧音楽のいいコンサートが続きます。今、その「予習」としてシベリウスの交響曲第7番を聴き比べていますが、意外にすばらしいのがザンデルリンク指揮ベルリン響のCD。序章の妖しいまでの美しさにはゾクゾクきます。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2007-02-21 15:25 | BZ Lexikon (151-200) | Comments(0)

「金猪年」 BZ Lexikon(154)

最近はこのコーナーがほぼ毎日新聞に載るようになり、マメに訳さないとたまっていく一方です。全部訳すヒマはないですが、興味深いテーマはできるだけここに掲載したいと思います。少し前になりますが、2月12日の紙面より。

Lexikon: Goldenes Schwein(金猪年)

Heute beginnt in China das Jahr des Schweins. Das verheißt ohnehin Glück, aber die astrologischen Verhältnisse für 2007 verkünden Besonderes – ein Jahr des Goldenen Schweins bricht an. Viele Chinesen lassen sich – genauer, ihrem Nachwuchs – das nicht entgehen. Allein Peking erwartet 170 000 Geburten, 50 000 über dem Durchschnitt. Ein ähnliches Phänomen trat 2000 auf, im Jahr des Drachens: Die Geburtenrate stieg erheblich an. Drachen als himmlische Kreaturen verheißen Kraft und – ebenfalls Glück. 1999, im Jahr des Hasen, registrierte man besonders viele Hochzeiten. 2003, im Jahr des Schafs, wurden sehr wenige Babys geboren. Ergo: Auch in China steuert die Regierung nicht alles.

(Anmerkungen)
verheißen; proohezeien, voraussagen
entgehen; von einer Gefahr oder unangenehmen Situation nicht betroffen werden

訳)今日、中国で猪年が始まる。猪はどのみち幸福を約束するが、2007年の占星術の事情は特別なことを表している。つまり金猪年の幕開けである。多くの中国人は彼らの後継ぎを作る機会を逃さないだろう。北京だけで17万の子供の誕生が見込まれており、これは平均よりも5万人多い。似たような現象は2000年の辰年でも見られ、出生率がかなり上昇した。天の生き物である辰は、力と同様に幸福を約束する。兎年の1999年はとりわけ多くの結婚式が記録された。羊年の2003年は、新生児の数は非常に少なかった。ゆえにこう言うことができる:中国政府とてすべてを制御できるわけではない。

●Viele Chinesen lassen sich – genauer, ihrem Nachwuchs – das nicht entgehen. の訳がちょっと自信ないです。

●先週末2晩続けてオケの本番がありました。「1945年~49年のドイツとイスラエルの音楽」という非常に地味なテーマの演奏会だったのですが、日曜日はお客さんも結構入り、何といってもフィルハーモニーの室内楽ホールで吹くのは初めてだったので、楽しかったです。R.シュトラウスの「4つの最後の歌」の他、Ernst Peppingという今回初めて聞いたドイツ人作曲家の交響曲第3番などを演奏しました。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2007-02-21 15:07 | BZ Lexikon (151-200) | Comments(2)

ベルリン発 某国行き

e0038811_20463070.jpg
Berliner Zeitung(2006年10月21日の紙面より)

しばらく前の話になるが、ある日新聞の文芸欄を見ていたら1枚の写真が私の目に留まった。それがベルリンの地下鉄だということは、内装から一目でわかった。だが、よく見ると何かが微妙に違う。まず、ベルリンの地下鉄には必ずある、語学学校や家具屋の広告がここでは一切見られない。また、これもベルリンの地下鉄でしょっちゅう見かける落書きやガラス窓の引っかき傷がないのも不思議だ。いぶかしげな目でこちらを見つめる少女を始めとして、乗客は全員アジア人。国際色豊かなベルリンでも、こういう場面にはそうそう出くわさない。さらに向こうの車両を覗き見てもわかるが、車内はかなり閑散としている。ここは一体どこだろうと思いながら、正面のドアの上に掲げられているその国の歴代の支配者の写真が目に入った瞬間、私は「あー!」と思った。

これはベルリンの地下鉄ではなかった。何と北朝鮮の首都の下を走る地下鉄なのである。この記事は、フランスの写真家Philippe Chancelがまとめた"Nordkorea"という写真集の紹介文である。それにしても、ベルリンの地下鉄が、一体なぜピョンヤンを走っているのだろう? その記事によるとこういうことだった。1999年に、"Dora"と呼ばれるタイプの西ベルリン製の使い古された車両108両が、北朝鮮に売られたのだという。なぜ西ドイツの地下鉄が選ばれたのかはわからないが、使い古された車両とはいえ、例えばソ連製のものよりはずっと物持ちがいいであろうことは想像がつく。

e0038811_2115460.jpg
外観の写真を見ると塗装は変わっているものの、内装はほぼそのままの状態だ(写真はWikipediaより)。ただ、両者の間には違いもある。例えば、ベルリンの地下鉄は極めて浅い深さの中を走っているが、平壌の地下鉄は核シェルターの目的も兼ねているため、地下100メートルの深さの所に作られているという。これはモスクワやキエフなど、旧共産圏の地下鉄と共通するものだろう。

それにしても、普段ベルリンの地下鉄を利用している人間にとっては奇妙なこの写真を見ていると、いろいろな空想が湧いてくる。例えば・・・
ベルリンのある週末の夜、パーティーでぐでんぐでんに酔っぱらった「私」は、いつものように地下鉄に乗って家に帰ろうとしていた。車内は閑散としている。そろそろ降りる駅だと思った頃、知らぬ間に2人の男に両脇を取り囲まれ、「私」はいつの間にか眠り込んでしまった。

目が覚めると、「私」は同じ地下鉄に乗っていた。だが、何かおかしい。同じ列車のはずなのに、周りの顔ぶれがいつもと違うのだ。列車がある駅に到着する。さて、降りようと「私」は立ち上がったが、そこはいつも利用するベルリンの○○駅ではなくて、平壌の「楽園駅」だった・・・(「楽園駅」は平壌に実際にある駅名)。

「私」は注射を打たれ、昏睡状態のまま北朝鮮に拉致されていたのだった。
ベルリンの地下鉄はお世辞にもきれいとはいえない。車両によっては落書きもひどいし、ガラス窓への引っかき傷のような悪質なイタズラは、何とかならないものかと思う。だが、金正日の写真が全車両に掲げられている地下鉄に、毎回乗らなければならない人々のことを思うと、このくらいは我慢すべきか・・・

e0038811_20464450.jpg
こちらはベルリンの地下鉄。広告や窓の引っかき傷にご注目を。

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2007-02-19 13:19 | ベルリンを「観る」 | Comments(20)

才気爆発! ラトルのハイドン

e0038811_1027883.jpg

ハイドンの音楽はある意味ポップだと思います。

極端なところがなく、音楽はいつも快活で大らか。モーツァルトのように時に美に溺れることもなく、いつもいい意味での常識の範囲内にとどまっています。それでいて、人を驚かそうとする意外性とユーモアに満ちていて、ハイドンと一緒にお酒を飲んだら楽しそうです。

今月フィルハーモニーではハイドンの音楽が集中的に取り上げられ、私はサイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルの演奏で、オラトリオ「天地創造」と88番から90番までのシンフォニー3曲をまとめた演奏会の2晩を聴くことができました。今回はその後者を取り上げます。ラトルが指揮するハイドンは何回か聴いたことがありますが、なぜかハイドンに限ってはこれまで一度もハズレがありません。複雑な現代音楽も得意とするこのイギリス人がハイドンを振ると、本当に明晰で生き生きとした音楽になるんです。

まずは88番ト長調。「V字」という変てこな愛称が付いていますが、これは私の大好きな曲のひとつ。非常に素朴でシンプルなシンフォニーですが、音楽としての質が高く、何回聴いても飽きません。私はちょっと気分が優れない時にこの曲を聴くと、心なしか気分がすっとします。この日の演奏の中ではこれが一番よかったかも。古楽器奏法も取り入れた3楽章の中間部は、クールかつ立体的に音が重なっていましたし、続く2人が追いかけごっこをしているようなフィナーレもめくるめく音楽になっていました。

次の89番へ長調はどちらかというと地味な印象が拭えませんが、舞踏風のフィナーレは楽しい。ラトルは弦楽器にグリッサンドをかけさせた上に独特の間合いを付けて、その部分をかなり強調していました。

さて、メインの90番ハ長調。これまた素敵な曲です。主役はフルートとオーボエでしょうか。弦楽器の上を駆け巡るパッセージが多く出てくるんですが、ブラウとケリーという2人の名手はそこに自由に装飾を加え、生き生きと表現していました。この曲は、実は終楽章にちょっとした仕掛けがあります。普通は曲の最後にしかでてこない終結音を途中で2回も使っているため、ハイドンの企みにひっかかったお客さんは曲が終わったと思い込んで、そこで拍手をしてしまうんです(笑)。ラトルも指揮棒を一旦は下ろすのですが、ニコッと笑いながら、ひょうひょうと曲を再開。お客さんは爆笑です。こんなことが2回も続いて今度こそ曲が終わると、もちろん大喝采に包まれました。いやー、ハイドンだけのプログラムでここまで沸くなんて。

何かと主義主張に凝り固まって極端に走りがちな世界の政治指導者には、パパ・ハイドンの精神を見習ってほしいものです。

Berliner Philharmoniker
Sir Simon Rattle Dirigent

Joseph Haydn
Symphonie Nr. 88 G-Dur
Symphonie Nr. 89 F-Dur
Symphonie Nr. 90 C-Dur

人気blogランキングへ
by berlinHbf | 2007-02-17 02:37 | ベルリン音楽日記 | Comments(7)

カテゴリ

Deutsch
ベルリン中央駅
ベルリンのいま
ベルリン個人ガイド
ベルリン発掘(西)
ベルリン発掘(東)
ベルリン発掘(境界)
ベルリン発掘(全般)
ベルリン思い出話
ベルリンの人々
ベルリン音楽日記
ベルリン文化生活
ベルリン子育て日記
ベルリンを「観る」
ベルリンを「読む」
ベルリンあれこれ
ベルリン天使の降りた場所
ベルリン音のある街
ベルリンクイズ100
ベルリンリンク集
ドイツ全般
ドイツから見た日本
サッカーWM2006他
欧州を感じる旅
- 2005ウクライナ紀行
ドイツ語関連
ニッポン再発見
その他
BZ Lexikon (Berlin)
BZ Lexikon (1-50)
BZ Lexikon (51-100)
BZ Lexikon (101-150)
BZ Lexikon (151-200)

タグ

(113)
(112)
(111)
(107)
(105)
(97)
(96)
(87)
(86)
(78)
(73)
(67)
(66)
(64)
(58)
(55)
(54)
(46)
(42)
(40)

以前の記事

2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
more...

最新のコメント

山根正次のサインが「玄洋..
by 浦辺登 at 10:25
コメントありがとうござい..
by berlinHbf at 04:46
今、NHKBSで「ベルリ..
by 流れ星 at 01:14
Yozakuraさん ..
by berlinHbf at 02:26
Masatoさま  肝..
by Yozakura at 12:34
Masatoさま  未..
by Yozakura at 12:26
kokhavさん こち..
by berlinHbf at 06:13
長い間、ありがとうござい..
by kokhav at 22:30
焼きそうせいじさん 大..
by berlinHbf at 05:57
年に1回の日本での授業に..
by 焼きそうせいじ at 19:31
ヒガシモンさん 詳細な..
by berlinHbf at 17:02
kokhavさん >み..
by berlinHbf at 16:49
冬風さん コメントあり..
by berlinHbf at 16:46
続き…今回ドイツ宛へ物を..
by ヒガシモン at 15:44
マサトさん>ご返信ありが..
by ヒガシモン at 15:20
おかえりなさいませ。 ..
by kokhav at 23:31
ベルリンからの長旅お疲れ..
by 冬風 at 20:21
ヒガシモンさん こうい..
by berlinHbf at 18:51
軒国彦さん はじめまし..
by berlinHbf at 18:48
桑原さん ご丁寧なコメ..
by berlinHbf at 17:49

ブログパーツ

※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません

最新の記事

10年分の感謝、ひとまずのお..
at 2015-08-03 23:23
上棟式を迎えたベルリン王宮
at 2015-07-18 22:29
指揮者キリル・ペトレンコのこと
at 2015-07-13 23:09
発掘の散歩術(60) - 番..
at 2015-07-08 14:18
ポツダムの新庭園へ!
at 2015-07-04 10:49
発掘の散歩術(59) - 7..
at 2015-06-13 16:43
マルティン・グロピウス・バウ..
at 2015-06-08 10:18
山梨での週末
at 2015-06-02 00:54
長男誕生3、4ヶ月目 - 日..
at 2015-05-23 21:39
旧カール・マルクス書店が文学..
at 2015-05-17 14:12
ドイツニュースダイジェストの..
at 2015-05-10 15:00
発掘の散歩術(58) - S..
at 2015-05-10 13:48
変わりゆくツォー駅周辺
at 2015-05-01 18:52
「西ベルリン」の回顧展
at 2015-04-20 21:23
NHK『テレビでドイツ語』新..
at 2015-04-10 17:01

記事ランキング