ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


by berlinHbf

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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

Amazonにてネット購入ができます。



『街歩きのドイツ語 』
¥1,575
三修社

豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
¥1,575
ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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消え去る共和国宮殿

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ベルリンの歴史的な建物がひとつなくなろうとしている。

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先日ご紹介したベーベル広場からウンター・デン・リンデンの通りに沿って東にさらに行くと、こういう風景が見えてくる。シュプレー川を渡って、左はネオ・バロック様式のベルリン大聖堂、右側が今回ご紹介する「共和国宮殿(Palast der Republik)」である。1976年に完成した巨大な箱型の宮殿は、いかにも社会主義時代に建てられたという感じのもので、隣の大聖堂と比べると、そのコントラストが一層際立つ。

実はこの宮殿のある場所には、戦前まで王宮があった。その王宮は、第2次世界大戦で大きな被害を受けたものの、修復は可能な範囲内だったという。ところが、時の東ドイツ政府は、これをプロイセン時代の権力の象徴だとして、1950年に爆破してしまったのだった。

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王宮の後釜として東ドイツ政府が建てたこの共和国宮殿には、2つの大きな意味合いがあった。ひとつは、東ドイツの最高国家権力機関である人民議会(Volkskammer)の会場という政治的な機能として(正面中央はメーデー行進の際、ホーネッカーを始めとする幹部のお立ち台となった)。そしてもうひとつは、人民が平等に楽しめる場として、様々な文化的施設が中に作られた。

子供の頃、この中に入ったことがあるという東ドイツ出身の友達に聞いてみたのだが、共和国宮殿の中にはレストラン、カフェ、ボーリング場、美術の展示、ディスコ、劇場、郵便局などが軒を並べ、ある意味西側でいうディズニーランドのようなものだったらしい。また地元民だけでなく、地方からやって来る観光客でも溢れかえり、レストランなどは数時間待ちも普通だったとか。私が撮ってきた現在の姿を見せたら、「昔を知っているだけに、悲しいものがあるね」とぼやいていた。

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そんな共和国宮殿も、壁崩壊後は、建設の際に使われたアスベストが人体に害を及ぼす危険性から閉鎖された。そして、宮殿を修復して新たな目的のために使うか、壊してかつての王宮を再建するかで、長い間激しい議論が交わされた結果、連邦議会はついに共和国宮殿の取り壊しを決定したのだった。

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共和国宮殿を取り壊して、新たに王宮を造るとなると当然莫大な費用がかかる。ただでさえお金がない今のベルリン、「そんな金は一体どこが出すのか」ということで、まだいろいろともめているようだが、いずれにしろ東ドイツの象徴のひとつだった共和国宮殿はもうじきなくなる。取り壊しの中止を求める声は、いまだに根強いものがあるようだが。

余命わずかの共和国宮殿ではあるが、それまでの間、アートパフォーマンスの場としてもたまに使われている。一番上の写真も、先週私が見てきたものだ。私はその時初めてあの中に入ったのだが、アスベスト除去作業のために内部は鉄骨がむき出しで、がらんとしており、かつての栄光は何も感じられなかった。先ほどの友達がこの中に入ったら、どういう感慨を抱くだろうか。

取り壊し工事は今年末から始まると言われている。それまでにベルリンを訪ねる機会のある方は、共和国宮殿の最後の姿を記憶にとどめておくのも、悪くないのではないだろうか。
by berlinHbf | 2005-08-31 01:25 | ベルリン発掘(東) | Comments(4)

Mauerparkの蚤の市

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昨日、アメリカから訪ねて来ている友達ら数人と、Mauerpark横の蚤の市を見てきました。Mauerparkとは、英語にするとWall Park。その名の通り、かつてベルリンの壁があった敷地内に造られた公園のことです。場所はU2のEberswalder Str.で降りて、Eberswalder Strasseを西に10分弱歩くと見えてきます。

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この公園も、蚤の市のあるこの通りも、戦前までは貨物駅の敷地でした。戦後、この一帯はさら地と化し、壁で分断するにはおそらく都合がよかったのでしょう。

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2枚の写真だけでは伝わりにくいと思いますが、この蚤の市は相当見ごたえがあります。売られているものはまさに玉石混合ですが、興味のある方は訪れてはいかがでしょう(毎週日曜日の8時から18時までやっているそう)。この界隈では他にArkonaplatzの蚤の市も有名なようで、そのうち観に行こうと思っています。ベルリンには私の知らない場所が、まだまだたくさんあるのです。
by berlinHbf | 2005-08-29 16:00 | ベルリン発掘(境界) | Comments(0)

ベルリンフィル 2005/2006シーズン開幕

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●今日はもうじき取り壊される「共和国宮殿」について書くつもりだったのだが、ベルリンフィルのシーズン開幕コンサートですごい演奏を聴いてしまったので、興奮冷めやらぬうちに少しだけ。

●開演20分前に会場に着いたのだが、なぜか辺りは妙に閑散としている。「あ、やってしまった」と思った。今日のコンサートは通常の20時開演ではなく、19時開演だったのだ。前半のR.シュトラウス「町人貴族」はまるまる聞き逃してしまう。

●残念ではあったが、今日のお目当ては後半のベートーヴェンだったので、すぐに気を立て直す。フィルハーモニーでベートーヴェンの第3交響曲「英雄(通称エロイカ)」を聴くのは、ワタシにとって特別の体験だ。エロイカはベートーヴェンが書いた9つのシンフォニーの中で、今も昔も一番好きな曲で、カラヤン&ベルリンフィル(1982年Live)という絶対的ともいえる基準が自分の中にできあがっている。当時15歳だったワタシは、テレビから録画したこの演奏のビデオを一時期本当に繰り返し見て、いつの日かこのホールでエロイカを生で聴くことを夢見ていたのだ。

●カラヤンの演奏ではコントラバス10本だったのに対して、サイモン・ラトルの編成は6本。いかにもこぢんまりしている。テンポの速い、スタイリッシュで軽い響きのベートーヴェンになるのではという危惧があったのだが、今日のラトルはすばらしかった。ラトルが指揮するテンポは、曲のどの場面においても曲想とぴったりはまっていて、不自然さは皆無。エロイカの魅力であるその雄大なスケール感というものが、この小さめの編成にして余すところなく表現されていたように思う。悲壮な2楽章の中間部とか、ゆっくりめのテンポでじわじわ盛り上がり、ヒロイックな終結部で幕を閉じる4楽章などは、曲への思い入れもあって、聴いていて感極まりそうになった。

この曲はフーガとか多声音楽の書法がたくさん使われているのだが、そういう箇所での、それぞれの声部がまさに生き物のように躍動する様といったら!今さらながら、ベルリンフィルとはなんとすごいオケなんだろうと思う。

昔より高くなってきたとはいえ、こんなものが16ユーロで聴けてしまうなんて・・ベルリンフィルの「英雄」をフィルハーモニーで聴くことができて、今日はちょっと興奮気味なのです。

Berliner Philharmoniker
Sir Simon Rattle CONDUCTOR
Richard Strauss Le Bourgeois gentilhomme
Brett Dean Testament, Music for 12 Violas
Ludwig van Beethoven Symphony No. 3 in E flat major »Eroica«

ラトル/ベートーヴェン:交響曲第1番&第3番/TOCE-55581ラトル/ベートーヴェン:交響曲第1番&第3番/TOCE-55581
¥2,500

by berlinHbf | 2005-08-28 03:52 | ベルリン音楽日記 | Comments(11)

新しくなったベーベル広場

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昨日、ひさびさにウンター・デン・リンデンを歩いていたら、ベーベル広場(Bebelplatz)がすっかりきれいになっていたので、少し写真を撮ってきました。

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これがベーベル広場。この広場の地下に駐車場を造るため、かれこれ1年以上も工事中でした。表面の石は完全に新たに敷き詰められたようです。正面の丸いドームは聖ヘトヴィヒ大聖堂、左側は州立歌劇場(オペラ座)です。もともとはフリードリヒ大王が設計したこの広場ですが、やはり有名なのはナチスによる焚書事件でしょう。1933年5月10日、「非ドイツ系」とされる書物約2万冊がここで焼かれたのです。この出来事を忘れないようにと、イスラエルのミハ・ウルマンによる、いわゆる「地中の図書館」が広場の中央に埋め込まれているのですが、これは必見です。

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オペラ座の向かい側は旧王立図書館(現フンボルト大学別館)。右側のウンター・デン・リンデンをはさんで、フンボルト大学の本館が広場と向かい合っている。

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ようやくひとつの工事が終わったと思ったら、休む間もなく次の工事が始まるのが今のベルリン。広場に面したウンター・デン・リンデンでは、この通りに沿った舗装工事が始まっています。

左側の州立歌劇場は、戦後の再建から今年でちょうど50年。その記念として、ダニエル・バレンボイム指揮の「パルジファル」が9月10日に上演されます。
by berlinHbf | 2005-08-26 11:23 | ベルリンのいま | Comments(2)

統計で見るベルリンの外国人

先週、「ある放火事件より-ベルリンと外国人-」で触れたが、今も昔もベルリンと外国人とは切っても切れない関係にある。では、この町には一体どれだけの外国人が住んでいるのか?手元に興味深い統計があるので、今日はこれをご紹介したいと思う。少し古くなるけれど、ベルリンの日刊紙 "Der Tagesspiegel" の2003年11月23日号掲載の資料から引用します。

1. トルコ (121696人)
2. ポーランド (31392人)
3. セルビア・モンテネグロ (26990人)
4. イタリア (12692人)
5. ロシア (12432人)
6. クロアチア (11964人)
7. アメリカ合衆国 (11408人)
8. ボスニア・ヘルツェゴヴィナ (10333人)
9. ギリシャ (10228人)
10.ベトナム (10177人)

1位はやはりというべきか、ダントツでトルコ人。2位のポーランドを大きく引き離している。大雑把に計算すると、ベルリンに住む外国人(約44万人)のうち、4人に1人がトルコ人ということになる。これはすごい数だ。ヨーロッパでは他にイタリア人やギリシャ人も多いが、これは60年代、壁ができて西ベルリンの労働力が不足した結果、トルコと並んで、これらの国から大量の労働力を雇い入れたことと関係があるように思われる(間違っていたらご指摘ください)。他に目立つのは、3,6,8位を占める旧ユーゴ諸国。あと、地理的に近いことから、ロシア人、ポーランド人も多い。いずれもドイツより貧しい国々だ。

アメリカと並んで、フランス人(9588人)とイギリス人(8461人)も多い。これは戦後、西ベルリンがこれら3国によって分割統治されていたことの名残であろう。

アジアからは、何となく中国人が一番多いのではと思ってしまうが、実はベトナム人。ベルリンのベトナム人について研究している社会学の人から、少し話を聞いたことがあるけれど、ベトナムが南北に分断された後、命からがらに社会主義の東ベルリンに逃げて来た人がたくさんいて、そのまま居ついてしまったのだという(でも詳しいことは不明)。ベルリンに住む外国人の多様性は、この町の複雑な歴史をそのまま反映している。

アジアからで他に多いのは、タイ人(5779人)と中国人(5346人)、あとイラン人も多い(5641人)。中東からで一番多いのはレバノン人(7806人)。日本人は2103人で、韓国人の2390人と数字の上では近い。ちなみに、日本人企業が集中するデュッセルドルフは5000人弱の日本人が住んでいるようだし、ロンドンやパリとは比べるまでもなく少ない。ベルリンは産業には乏しい町なのだ。

ベルリンの人口は約340万人。その中に192カ国からの約44万人の外国人がひしめき合いながら、なんとかやりくりしている。まさに世界の縮図のような町だなと思う。それでも、幸いなことに、この町に住んでいて治安が悪いと感じたことは今のところほとんどない。

追記:こういう多国籍のベルリンを舞台に、サイモン・ラトルとベルリンフィルが子供たちと展開したダンス・プロジェクトを記録した映画「ベルリンフィルと子供たち」はおすすめです(ライフログ参照)!

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今日の一枚はこれ。当ブログでも何回か出てきたテレビ塔です。展望台のところに光が反射して、十字に見えますが、これはそのように意図して設計されたものだとか。その手前はベルリンで2番目に古い教会、マリーエン・キルヒェ。
by berlinHbf | 2005-08-24 18:16 | ベルリンのいま | Comments(7)

ノイルピーン 0-4 FCバイエルン@オリンピックスタジアム   ドイツ杯一回戦

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先週末、ブンデスリーガはお休みで、代わりにドイツ杯(DFB Pokal)の一回戦が各地で行われた。ドイツ杯とは、ブンデスリーグと平行して行われるトーナメント方式のカップ戦で、プロチームだけでなく、前のシーズンに好成績を出していれば、地域リーグのアマチュアチームでも参加できる。そういう意味では、日本の天皇杯に似ていると言っていいだろう。

7月10日に一回戦の組み合わせ抽選が行われたのだが、このときちょっとした「事件」が起こった。ベルリンから北西に約80キロ離れたノイルピーンという小さな町にある地域リーグ所属のアマチュアチーム(MSV Neuruppin)が、ドイツ王者のFCバイエルン・ミュンヘンと戦う権利を得たのである。

ブランデンブルク州にある人口3万2千人のこの町にとって、これは間違いなく大事件だった。カーン、バラック、マカーイ、ルシオなど、各国の代表選手をずらりと揃えたバイエルンは、間違いなく現在世界最強のクラブチームのひとつだ。そういう別世界のプロチームに、おらが町のアマチュアチームが対戦することになったのだから。

この組み合わせが決まった3分後には、早くもチケットの問い合わせについてのメールがクラブ側に届いたという。週末までにその数は3000にも膨れ上がり、クラブの電話はひっきりなしに鳴り続けた。この試合は当初、ノイルピーンの小さなスタジアムで行われる予定だったのだが、安全面と集客面を考慮した結果、7万4千人収容のベルリンのオリンピックスタジアムで開催されることになった。ノイルピーンからは、20台のバスと2台のソーセージの屋台を従えて、応援に駆けつけるという。

こういう話を事前に知っていた私は、この試合を観に行かないわけには行かない。バイエルン戦はただでさえチケットが入手困難のため、まだ生で試合を観た事がなかったし、この組み合わせ自体もおもしろい。昨日は天気にも恵まれて、最高のサッカー日和となった。

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オリンピックスタジアムは、1936年のベルリン・オリンピックに合わせて造られた。ヒトラーの趣味に沿って、古代ローマのアリーナ風に設計されたのは有名な話。このスタジアムの横には、かの「前畑がんばれ」の舞台となった水泳プールが隣接されている。約4年かけて行われた屋根の取り付け工事は、昨年終了した。

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この写真では豆粒ぐらいにしか見えないが、手前のゴールを守っているのは、かのGKオリバー・カーン。客席とフィールドとの距離が遠いのがこのスタジアムの難点といえる。

私は11ユーロの一番安い券を買って入場。もちろんバイエルン側ではなく、ノイルピーン側に席を構える。
さて、肝心の試合だが、前半はノイルピーンが大健闘。バイエルン相手に1点しか許さなかったのだから。ノイルピーンから駆けつけた応援団(「サポーター」よりもこの言葉の方が似合う)は熱狂的な声援を繰り広げる。敵のボールを奪い返したり、キーパーがナイスセービングをしたりすると、ここぞとばかり盛大な拍手が送られる。

ここまでしぶとく守っていたノイルピーンだったが、後半に入るとさすがに地力の差が出た。メーメット・ショルが2点を決めて、結局4対0でバイエルンの勝利で終わる。しかし、4点差だったら、ノイルピーンにとっては健闘のうちに入るだろう。もし1点を返してくれていたら、もうなにも言うことはなかったけれど。

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試合後、ノイルピーンの選手が応援団のもとにやって来る。まるで試合に勝ったかのように、万歳の大合唱。順当に敗れはしたけれど、選手も応援した人も満足しているようだった。私も十分楽しんだ。チームの若いGKはオリバー・カーンとユニフォームを交換できて、本当にうれしそうだった。

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ワールドカップ・ドイツ大会の決勝戦は、来年の7月9日ここで行われる。
by berlinHbf | 2005-08-22 15:32 | サッカーWM2006他 | Comments(2)

ベルリン大パノラマ - エルンスト・ロイター広場より(1) -

初めての町を訪れたら、まず高いところに上って町を俯瞰したいと思う人は少なくないと思う。しかし、超高層ビルも巨大なカテドラルもないベルリン。どこに行けば町を一望できるだろうか。まず思い浮かぶのが、テレビ塔や戦勝記念塔ジーゲスゾイレあたりだろう。天気がよければ、ポツダム広場からほど近いところに乗り場のある気球Hi-Flyerもおすすめである。だが、「ベルリンB級ガイド」と称するからには、もう少し別のところを紹介したい。

大学の建物なのであまり声を大にして紹介するわけにはいかないのだが、ベルリン工科大学(Technische Universitaet Berlin)のビルの最上階からの眺めはすばらしい。

場所はわかりやすい。ツォー駅から地下鉄の2番線で西へ1駅、Ernst-Reuter-Platzで降りて出口を出ると、目の前に大きなビルがそびえている。周囲には他にこれといって高い建物はないので、すぐにわかるはずだ。エレベーターで一気に20階まで上ると、そこが大学関係者用のカンティーネになっている。飲み物などの他、14時半までは食事を取ることもできる。いわゆる普通のドイツ料理なのだが、意外といける(もちろん土日は閉まっています)。
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私のデジカメはズームが効かないので、この写真でガイドするのはちょっとつらいものがあるけれど・・・手前から奥への大きな通りは「6月17日通り」で、その先に戦勝記念塔が立っているのがおわかりいただけるだろうか。そこをさらにまっすぐ行くと、ブランデンブルク門にぶつかる。画面の左右いっぱいに拡がる広大な森は「ティーアガルテン」。緑の多さもベルリンの特色のひとつ。戦勝記念塔の左上に見えるのは、テレビ塔でございます。他にベルリン大聖堂や赤の市庁舎も実際にここに来るとよく見えるのだが、この写真では残念ながら厳しい。画面中央ほぼど真ん中にある白の三角屋根は、富士山をモチーフにした「ソニーセンター」。この一角がポツダム広場です。その右上に浮かんでいる玉は、先ほど紹介した気球Hi-Flyer。
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前の写真の右側の続き。手前から奥への通りは「ハルデンベルガー通り」。まっすぐ行くとツォー駅にぶつかります。ツォーとは動物園のこと。実際、写真左に見える森は動物園になっていて、子供でなくても楽しめる。この写真で何より注目していただきたいのは、画面の中央ど真ん中。崩れかけた教会のようなものが見えるが、これが「カイザー・ヴィルヘルム記念教会」。皇帝ヴィルヘルム1世を記念して建てられた教会で、第2次世界大戦で破壊されたそのままの状態で残されている(写真はいずれも8月18日撮影)。
by berlinHbf | 2005-08-21 01:20 | ベルリン発掘(西) | Comments(0)

ある放火事件より-ベルリンと外国人-

1週間前、私がBBCの街頭インタビューを受けたことを書いたのだが、覚えておられるだろうか(8月10日参照)。あの時Integrationについて聞かれた理由が、後になって新聞を読んだりしていくうちにわかってきたので、そのことについて書いてみたい。これはベルリンが抱える大きな問題と関わっていると思うからである。

先週の月曜から火曜にかけての夜、ベルリンのMoabitという地区で、数十年来といわれる規模の放火事件があった。Moabit地区は低所得の外国人が多く住むことで知られる。事件の起きたアパートの住人の多くも外国人だった。

月曜日の深夜、何者かがアパートの入り口の階段付近にある乳母車に火を付けたらしい。たちまち煙と有害ガスが階段をつたって上の方に昇っていった。このような場合、玄関のドアさえしっかり閉めておけさえすれば、まず一番安全なのは自分の部屋の中である。だから、消防士たちは住人に向かってメガホンで階段の方に行くなと指示をしたらしい。ところが、消防署長の話によると、住人の多くはドイツ語がよくわからなくて、その指示が理解できなかった。パニック状態になって、階段の方に逃げようとした住人は、そこで煙に巻き込まれてしまったというのである。結果的に9人の死者を出す大惨事になってしまった。犠牲になったのは、ポーランドとコソボからの2つの家族で、子供も多く混じっていた。

消防署長の上の発言から、「死者の数が増えたのは、住人のドイツ語力の不足のためだったのか、そうでないのか」ということで議論になったのだが、その中で、あるCDU(キリスト教民主同盟)の政治家が次のような発言をして大きな波紋を呼んだ。

「今回のこの事故は、ドイツに住む外国人にとって、ドイツ語の知識がいかに重要なものであるかを悲劇的に証明した。ドイツ語を学ぶつもりのない人間は、この国の物質的な支援を受ける資格はない。」
「ドイツに住むつもりであれば、まずドイツ語を学べ」、これはCDUの政治家にたまに見られる発言ではあるものの、今回は時期が時期だっただけに、多くの非難を浴びることになった。結果的にこの政治家は、「被害にあった家族や親戚への配慮がなかった」と謝罪したのであるが、「外国人のあなたがドイツに来て生活するということはどういうことですか。」と私がBBCにインタビューされたのも、そういう背景があったゆえのことなのだった。

ドイツにいる日本人の多くは、会社の駐在などを除くと、音楽とか歴史、法律など、つまりドイツの何かについて学びに来ている人が圧倒的に多い。だから、ドイツに来たらまずドイツ語を勉強する、それが当たり前だと思える。あまり勉強しない人でも、心のどこかでドイツ語をもっと勉強しなくちゃと思っている。

だが、それはベルリンに住む44万人全ての外国人にとっての共通の事情ではない。ベルリンの外国人の多くは、トルコ人であったり、旧ユーゴからの避難民であったり、イスラム諸国からであったり、あるいはドイツよりも貧しい東ヨーロッパ諸国からの人たちである。彼らは家族ごとベルリンに移住し、ひとつの地区に固まって住んでいることが多い。そのような人たちにとっては、まずは生きることが先決で、別にドイツの文化や言葉を学ぶためにベルリンに来たわけではないだろう。トルコ人など、とことんドイツ語が上手な人がいる一方で、何年も住んでいるのにドイツ語がほとんどできない人もいるらしい。イスラム圏からの人たちは、イスラム教の文化、風習を頑なに守ろうとするから、ドイツ社会に溶け込むという意識は少ない。「外国人のゲットー化」と呼んで、そういう閉鎖的な環境がひょっとしたらテロの温床になっているのではないかと危惧する人たちもいる。

このようなマルチ・カルチャーはベルリンの魅力のひとつだが、さまざまな問題点もあるし、上のCDUの政治家に見られるように、「ドイツ」としての共通の基盤みたいなものが崩れると、嘆かわしく思っている保守派の人たちも少なくないはずだ。ベルリンはただでさえ、失業率が高いという事情もある。

ところで、数日前に放火犯が捕まったのだが、なんと同じアパートに住む12歳の少年とのことで、事件の衝撃性は一層増すことになった。
by berlinHbf | 2005-08-19 15:00 | ベルリンのいま | Comments(8)

Countdown WM オランダ 2-2 ドイツ@親善試合 ほか

●今日はサッカーの一日。まずは横浜で行われた日本対イラン戦だが、これはもちろんネットで結果を確認しただけである。前の仕事の関係で、5月にハンブルクでイラン代表のマハダビキア選手にインタビューする機会があり、その時彼はこの試合について「8月までにお互いにW杯出場を決めていて、Bチーム同士で戦えたらいいね。」なんてことを言っていたのだが、まさにその通りになった。マハダビキアは本当に好感の持てる人だった。今はHSVで控えに回っているようだけど、陰ながら応援しております(→Mahdavikia)。試合は2対1で日本が快勝したようだ。

●夜は20時半からオランダ対ドイツの親善試合をARDで観る。6月のコンフェデ杯では着実な成果を示したドイツ代表だが、超えそうでなかなか超えられないひとつの壁がある。それは「ドイツは強豪国には勝てない」というもので、フランス、ブラジル、イタリアといったクラスとの試合にはかれこれ5年近くも勝ちに見放されているのだ。今日の相手は宿命のライバル、オランダだけにドイツがどういうサッカーを展開するのか興味あるところ。しかし試合が始まると、オランダが圧倒し、ドイツは何もできない。初めて見たRobben(チェルシー)という選手の個人技はスゴかった。オランダは狭いスペースによくパスを通す。後半早々オランダが2点目を決めたところで、勝負あったかに見えたが、そこからドイツに火が付き、結局同点にまで持ち込んだのだから、大したものだ。しかし、自力の差は明らか。コンフェデ杯でブレイクしたシュバインシュタイガーとポドルスキーのフレッシュコンビがいなかったせいだろうか。今日のドイツは、少し前までの「じみーなドイツ」に逆戻りしている印象を受けた。

●オランダ対ドイツ戦とほぼ平行して、Eurosportではフランス対コートジボワール戦を中継。時々チャンネルを切り替えて観たが、あのジダンが代表に復帰した!それも自らゴールまで決めて。

●23時からはEurosportで同夜行われたワールドカップの欧州予選と親善試合のハイライトが放送されるが、結局これも観てしまう^^;)。今、スウェーデン対チェコ戦をやっていて白熱している模様。しかし、サッカーってどうしてこんなにおもしろいのだろうか・・・これからの欧州予選も見逃せそうにない。

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ハンブルガーSVの本拠地のスタジアム。来年のワールドカップでも会場のひとつになります。ちなみにタイトルのWM(ヴェーエム)とは Weltmeisterschaft の略で、「ワールドカップ」の意味を表す略語として、ドイツではよく使われます。
by berlinHbf | 2005-08-18 00:58 | サッカーWM2006他 | Comments(0)

ベルリンは地味?

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久々に美しい夕暮れに出会いました(S-Bahn Warschauer Strasseにて。遠くに見えるのはベルリンのシンボル、テレビ塔。8月16日20時49分)。

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Am Oberbaumにて。8月16日21時03分

●来年のワールドカップで注目を集めつつあるとはいえ、ベルリンは日本人観光客にとって、ヨーロッパの中ではいまだ地味な都市なのではないだろうか。パリやロンドン、ローマのガイドブックならいくらでもあるのに、ベルリンだけに的を絞った日本語のガイドブックは存在しないというのが、そのことを端的に物語っている(ベルリンとドレスデンを組み合わせたものなら1冊あるようだが。旺文社)。ベルリン・フィルを本拠地で聴きたいとか、お目当ての劇場があるとか、この町の現代建築をたくさん観たいというような目的のある人は、ネットで調べたり、専門のガイドを駆使して、この町にやって来るだろう。そういう人たちは問題ない。

だが、特にこれといった目的はないけれど、ベルリンになんとなく興味を持っている人たちだって多くいるはずだ。その場合は、一般的な旅行ガイドにある程度は頼らざるを得ないわけだが、残念ながら、どれも内容があまりにお粗末だと言わざるを得ない。試しに「ドイツ」というタイトルのガイドブックをどれか選んでぱらぱらめくってみると、まずドイツの首都だというのに、ベルリンに割り当てられるページ数が少ない(そりゃ、ロマンチック街道の方が人気があるのはわかるけど・・)。そして、紹介されるのはどれも通り一遍のスポットばかり。読者の投稿がそのまま記事になっているものまである。これだけ見たら、「ベルリンは2、3日あれば、まあ一通りは周れそうだな。」と読んだ人が思ったとしても不思議ではないだろう。

ベルリンのことをもっと多くの人に知ってもらいたいと考える人間にとって、これはあまりに悲しい現実だ。私は先週末、大きな本屋に行って、ベルリンのガイドブックをいろいろ漁ってみた。ドイツ語で書かれたものをここで紹介するわけにはいかない。実際、これはというものも見つからなかった。内容がよくても重いものは、私の基準ではいい旅行用ガイドブックには属さないのだ。次に英語版を見てみる。いくつか立ち読みしたが、これだ。やっぱりこれになってしまう。

Lonely Planet 社の"Berlin"。私が調べた中では、この本がダントツによい。まずコンパクトで軽い。ベルリンについての一般的な情報や、歴史、建築、文化面についての解説が充実している。町の案内は地区別にまとめられているのだが、ここまで詳細なガイドは今のところ他に知らない。それでいて、情報が多過ぎてごちゃごちゃしているという印象がない。所々にポイントもまとめられている。もちろん英語で書かれているのだが、英語が苦手な私でも時々辞書に頼りながらなんとか読める。日本でもネットで普通に買えるようだし(ライフログ参照)、ある程度ベルリンに重点を置いて旅行をしたいという方には、強くおすすめしたいと思う。私は5年前の版を持っていたのだが、この間内容もかなり変わっているし、結局またこれを買ってしまった。

知られているようであまり知られていないベルリン。この本も時々参考にさせてもらいながら、これから少しづつ、ベルリンの魅力と私のおすすめスポットを紹介していきたいと思っています。
by berlinHbf | 2005-08-17 02:07 | ベルリンのいま | Comments(0)

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