ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

Amazonにてネット購入ができます。



『街歩きのドイツ語 』
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豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
¥1,575
ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

ベルリン更新情報
2013/02/20 up

ベルリン個人ガイドのご案内

執筆、ガイド、コーディネートなどのご依頼、お問い合わせはこちらまで(これまでの出版・寄稿実績)→
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カテゴリ:ベルリン文化生活( 74 )

コンテンポラリーダンスと古楽の出会い

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対談後、聴衆から拍手を受けるサシャ・ヴァルツ氏と鈴木雅明氏
©Shinji Minegishi

11月16日、ベルリン日独センターの「対話サロン」にて、異色の対談が実現しました。オーケストラ・合唱団のバッハ・コレギウム・ジャパンの音楽監督で、この6月に日本人として初めてライプツィヒ市より「バッハ・メダル」を受賞した鈴木雅明氏と、革新的なダンス作品を世に送り出し、近年はオペラの分野にも進出している振付家のサシャ・ヴァルツ氏。実はこの日初対面という2人の対談には多くのファンが詰め掛け、会場はほぼ満員となりました。

同センターの河内彰子文化部長が司会を務めた対談では、まず2人の芸術家が古楽、舞踊に目覚めたきっかけについて語られました。最先端のアートを学びたくて、2人が留学先として選んだのは、偶然にも同じアムステルダムだったとか。

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サシャ・ヴァルツ氏
©Shinji Minegishi

        
数年前、初めて古楽アンサンブルと共演し、「そこに開かれた即興の要素」を感じたというヴァルツ氏に対し、鈴木氏はこう反応します。「ヴァルツさんの作品で、たくさんのダンサーの体がまとわり付くように反応しているのを見て、対位法的なラインのようなものを感じました。作曲家個人の思いに縛られている19世紀以降のロマン派音楽と違い、古楽では音楽そのものが自由を求めていて、自然な音の形を表現することがとても大切。それを舞踊という目に見える形で表現されているように感じたんです」。

古楽とコンテンポラリーダンス。相反するようでいて、実は意外と近いところにあるようです。話題は、芸術における身体コミュニケーションへと移ります。

「演奏において絶対的に重要なのは呼吸。呼吸を通して、体の動きが自然なものとなるからです。日本語で言う『気』は、呼吸と一体なのです」(鈴木氏)。「演じる側と聴衆の間に、私もそのようなエネルギーの流れを感じることがあります」(ヴァルツ氏)。「オーケストラを指揮している最中、何の合図もしていないのに、あるメンバーの方を見て、その人とふと目が合う瞬間がある。このような気の交流は最高に楽しい」(鈴木氏)

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鈴木雅明氏
©Shinji Minegishi


最後の質疑応答では、鈴木氏が長年取り組んできたバッハの話が印象に残りました。「僕は信仰心からバッハの音楽に入ったのではなく、彼の音楽に捕らえられ、やりたいことを一生懸命やってきただけ。18世紀半ばまで、音楽というのは芸術ではなく、ある目的のために機能すべき職人芸だったんです。だから、バッハの音楽は今日においても芸術作品として鑑賞するだけでなく、慰められたり、励まされたり日常的に役に立てられるもの。いわば、毎日食べて栄養になるお米と同じ。決して高級レストランの食事というわけではありません(笑)」。

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この日の対談は日独の同時通訳付きで行われた
©Shinji Minegishi


対談中、「もし(ヴァルツ氏のレパートリー作品である)『ディドとエネアス』を日本で上演することがあったら、僕らが伴奏しますよ」という鈴木氏の突然の提案に対し、ヴァルツ氏が「それは良いアイデアですね!」と返す場面がありました。2人の芸術家の自由な精神が言葉の端々に感じられた対談。近い将来、夢の共演は本当に実現するのかもしれません。
ドイツニュースダイジェスト 12月21日)
by berlinHbf | 2012-12-21 17:06 | ベルリン文化生活 | Comments(2)

指揮者佐渡裕との対話サロン@ベルリン日独センターのご案内

ベルリン日独センターの文化部の方より、興味深い新企画「対話サロン」のご案内をいただきました。第1回のゲストは来週コンツェルトハウス管弦楽団を指揮する佐渡裕さんだそうです!日独の同時通訳も付きますので、ドイツ人の(もちろんそれ以外でも)知人友人もお誘い合わせの上、ぜひお越しください。

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指揮者佐渡裕との対話サロン

日時:2012年3月28日(水) 19時30分開始
会場:ベルリン日独センター
入場料:無料
日独同時通訳付き


この度、ベルリン日独センターにて新企画「対話サロン」を開催いたします。この「対話サロン」はベルリン在住もしくはベルリンに短期滞在中の日本人芸術家とドイツ人芸術家の交流を目的とした企画です。

日本人芸術家(特に日本を拠点とする)は、一般のドイツ人やドイツ人芸術家と交流する機会になかなか巡り合えないとよく言われます。過密スケジュールや言語の壁がそのようなチャンスを少なくしている可能性もあるでしょう。本「対話サロン」は、そのような日本人芸術家たちにドイツ人芸術家との相互交流の機会を提供する催しです。

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佐渡裕氏 © Yuji Hori

新企画第1回目の「対話サロン」には、日本においてはもちろん、ドイツでもその名が広く知れ渡っている日本人指揮者の佐渡裕氏をお招きします。佐渡氏は2011年5月、近年では恩師小沢征爾氏以来となる、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演で指揮されました。また今年度は、3月29日から3夜連続、ベルリン・ コンツェルトハウス管弦楽団を指揮されます。
佐渡氏の対話のお相手は、ベルリン・コーミッシェ・オーパー(Komische Oper Berlin)のオーケストラ・マネジャーであるアンドレアス・モーリッツ氏です。 両ゲストに音楽、各国における音楽観念、また最新プロジェクト等に関する様々なお話を伺えることでしょう。司会進行はベルリン日独センター文化部の河内彰子が担当いたします。

なお、会場の座席数に限りがございますため、参加をご希望の方は、事前に以下の連絡先に参加のお申込みをお願い申し上げます。

Eメール: kultur@jdzb.de
電話受付 (Herr Buchczik, ドイツ語) : 030-83907-123

当日のプログラム詳細等は、ベルリン日独センターのホームページをご参照くだ さい。
www.jdzb.de

多くの方のご来場を心よりお待ち申し上げております。

ベルリン日独センター
文化部
Saargemünderstr. 2
14195 Berlin
Tel.: (030) 839 07 0
Fax: (030) 839 07 220

Einladung zum Gesprächssalon
**************************************

Sehr geehrte Damen und Herren,

hiermit möchten wir Ihnen
unser neues Veranstaltungsformat
vorstellen:
Einen Gesprächssalon mit in Berlin
ansässigen bzw. gastierenden
japanischen und deutschen Künstlern.

**************************************
Der erste Gesprächssalon des JDZB findet statt

am Mittwoch, den 28. März 2012 (19:30 Uhr)

SADO Yutaka im Gespräch mit Andreas MORITZ

Moderation: KAWAUCHI Akiko
**************************************

Als Gast auf japanischer Seite konnte der in Japan
bekannte Dirigent SADO Yutaka, der im Mai 2011
bei den Berliner Philharmonikern debütierte und nun
Ende März das Konzerthausorchester
Berlin dirigieren wird, gewonnen werden.
Als deutscher Gesprächspartner wurde
der Orchestermanager der Komischen Oper
Berlin, Andreas MORITZ, eingeladen.

An diesem Abend sollen Themen, wie Musik,
das Musikverständnis in den verschiedenen Ländern
sowie über aktuelle Projekte der Gäste zur Sprache kommen.

Die gesamte Veranstaltung wird deutsch-japanisch simultan gedolmetscht.

**************************************

Wir bitten um Anmeldung telefonisch unter 030-839 07-123
oder per E-Mail (kultur@jdzb.de)
(Anmeldungen per E-Mail erst gültig nach unserer Bestätigung)
Falls Sie verhindert sein sollten, bitten wir um Benachrichtigung,
damit wir die Plätze weitervergeben können.


Mit freundlichen Grüßen,

Ihr Japanisch-Deutsches Zentrum Berlin
Kulturabteilung
Saargemünder Straße 2 • 14195 Berlin • www.jdzb.de
Tel: +49 (0)30 839 07-123 • Fax: -220

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by berlinHbf | 2012-03-24 08:31 | ベルリン文化生活 | Comments(0)

映画『Nuclear Nation』 (船橋淳監督)

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●今年のベルリナーレでは特に時事性の高いテーマとして、昨年の「アラブの春」、そして311関連のドキュメンタリー映画が3本上映される。先週土曜日、ベルリナーレで船橋淳監督の『Nuclear Nation』を観た。ツォー駅近くの会場のDelphiは超満員といえる入り。中に入ったら一番前か後ろしか空いていなくて、結局前から2列目の席で2時間半ずっと上を向いて観ることになった。

●原発のある福島の双葉町から都心に避難してきた人々(埼玉の旧高校が避難所)、そして井戸川町長の春から秋までを追ったドキュメンタリー映画。突然故郷を追われて、見ず知らずの場所で送る避難生活がどういうものなのか、いろいろな報道で聞き知ることはあったけれど、こういう長いスパンでとらえた映像を見るのは初めてだったので、自分にとっても貴重な機会だった。

●避難所でのインタビューに答えるのは年配者の割合が高い。後で監督が語ったところによると、若い人の多くが早い時期に避難所を去っていったこと、たまたま撮影許可が出た大部屋に子供連れがいなかったことが理由だとか。故郷への思い、諦めや嘆きの言葉を語る人が多い中、90歳のおばあさんが「私はここでは死ねないわ」と努めて明るく語るシーンでは、観客の間から一瞬ほっとした空気が流れた。

●井戸川町長に関しては、政府や原発を抱える他の市町村との会議の場面が多く描かれる。出稼ぎ労働者ばかりだったこの町が、かつて原発を熱心に誘致したこと。そこで得た利益で一時は潤っていたが、やがて借金が膨らみ、(再び補助金が得られる)7号機、8号機の建設が間近に迫っていたこと。地方と東京との歪んだ関係性をいまさらながら思い知らされる。原発を抱える市町村の長による会議の場面では、海江田経産大臣と補佐官が冒頭で挨拶したものの、別の用があるからといってさっさと退散してしまう。そのとき場内からはため息がもれた。

●一時帰宅の場面も生々しく描かれた。長年住んだ故郷に、ものものしい防御服を来て、わずか2時間ばかりの帰宅を許された人々の気持ちはいかばかりのものか・・・本当に言葉にならない。

●日本在住の人にとってはすでに知っていることばかりかもしれないけれど、私はこの映画で初めて知ったことも多かった。何よりドイツの一般の人々に観てもらえたのはよかったと思う。彼らの多くにとって、ドイツのメディアの報道以外で、フクシマの事故や周辺の人々の実情を知るおそらく初めての機会だったのではと思うから。

●アメリカで学んだ船橋監督は流暢な英語を話すので、上映後のQ&Aも英語で。地元の人からは「放射能の高い地域で撮影する際はどのように身を守ったのか?」「エンディングロールで協力に東電の名前が入っていたが、あなた自身は東電に対してどういうスタンスなのか」なんていう質問もあった。その合間に、双葉町の井戸川町長のビデオメッセージが流された。ドイツ語の挨拶も交え、「もうこういうことは二度と起きてはならない。そのためにドイツの人たちとも連帯したい」と語られると、聴衆からは温かい反応も。エンディングの音楽は坂本龍一。鈴木治行によるフルートとピアノの音楽も東北の空気感を伝えるものだったと思う。明日(16日)13時15分からポツダム広場のCinestarにて最後の上映があるそうです。

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by berlinHbf | 2012-02-16 02:14 | ベルリン文化生活 | Comments(0)

ペルガモン博物館のパノラマ展

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巨大なガスタンクを思わせるパノラマ展の仮設会場

ペルガモン博物館の歴史は1864/65年冬、ドイツ人技師カール・フーマンがトルコのベルガマを初めて訪れた時にさかのぼります。彼は、古代都市の廃墟の大理石が雨風にさらされ、また地元民による遺跡の略奪が横行していたことに衝撃を受けたそうです。やがてフーマンがベルリン博物館の館長アレクサンダー・コンツェの支援を得て、さらにトルコ政府から発掘権を獲得したところで、1878年から3期に及ぶ大規模な発掘作業が始まりました。中でも、数世紀もの間、人々から忘れ去られていた大祭壇や、ギリシャ神話の神々と巨人族との戦いを描いたフリーズはまさに世紀の大発見で、ベルリンに運ばれた後、同博物館に再構築されたことは誰もが知るところです。この前に立つと、大祭壇の威容とヘレニズム芸術の極致を示すフリーズの彫刻の美しさはもちろん、古代文化の発掘と復元に捧げた人々の熱意に圧倒される思いがします。

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パノラマ展内部のイメージ図 © asisi

2011年秋、全く新しい形で古代ペルガモンが私たちの前に立ち現れました。現在、博物館の中庭に高さ27.5メートルの円柱の塔が立っており、これが特別展「ペルガモン―古代首都のパノラマ」の会場です。階段を上って行くと、天辺が展望台になっており、眼前に広がる360度の古代ペルガモンの大パノラマに息を呑みました。

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仮設のやぐらから撮影した現在のペルガモンのパノラマ © asisi

このプロジェクトの総責任者は、建築家で芸術家のヤデガール・アッシジです。アッシジはトルコのベルガマに足を運び、丘の上のペルガモン遺跡を一望できるポイントにやぐらを建て、無数の写真を撮影。現実の風景をベースに、過去に発掘された遺跡や最新の考古学研究に基づいて1つひとつのディテールをはめ込んでいきました。また、別に撮影された群衆シーンもパノラマ上にデジタル加工。その結果、西暦125年4月8日、ローマ皇帝のハドリアヌスが訪問したペルガモンの1日の様子が、この上なくリアルに再現されることになったのです。

パノラマ台から眺めると、あの壮麗な建築群がいかに厳しい地形の上に建てられていたかを実感できます。目の前にアテナ神殿がそびえ、その左の円形劇場では群衆がハドリアヌス帝を待ち受けています。右手には、かの大祭壇が! 大理石のレリーフが当時はいかにカラフルだったのかも分かりました。背景から流れてくる街の雑音や人々の歓声といったサウンド効果も、古代ペルガモンにいる気分を高めてくれます。

本館で開催中のもう1つの特別展や常設展を併せて見学すれば、古代都市を一層スリリングに感じられるでしょう。2012年9月30日まで開催。
www.pergamon-panorama.de
ドイツニュースダイジェスト 11月18日)

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ペルガモンの大祭壇

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by berlinHbf | 2011-11-20 11:39 | ベルリン文化生活 | Comments(4)

タイトル画像に末宗美香子作「ベルリンに跳ねる○○?!」

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怒濤の5月が終わりに近づき、ようやくブログを更新する余裕が少し出てきたので、このタイミングでブログのタイトル画像を変えることにしました。実は、昨年秋にHotel Bogotaでの展覧会で何度かご紹介したアーティストの末宗美香子さんが、このブログのタイトル画像用に新作を描いてくださったのです!以下は作家ご本人からのメッセージです。
イメージは「ベルリンに跳ねる○○?!」でしょうか。。。ご想像にお任せします。描き込まれている文字TOTTOは赤い子の名前。あとの言葉はこの子のつぶやきのようなものです(読みにくくあえて描いてます)。(最近は登場人物に名前をつけています)。

艶のある紙に絵の具+カラースプレーやカーボン紙等をつかって描いています。絵画用ではなくエナメル質の光沢のある紙なのですが、普通の水彩紙と全くことなる描き心地で、出てくる形や線の変化にも影響がありました。なかなか面白い素材です。
末宗さんには、「ベルリン」をテーマにした絵の製作をお願いしていたのですが、人物を描きながらもこの町の躍動感が伝わってくる素敵な作品を描いてくださり、私自身大変喜んでいます。末宗さん、本当にありがとうございました!

※末宗美香子さんの作品は、現在もHotel Bogotaにて展示されています。
関連記事:
末宗美香子展のオープニング (2010-12-27)

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by berlinHbf | 2011-05-30 11:30 | ベルリン文化生活 | Comments(5)

末宗美香子展のオープニング

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少し時間が経ってしまいましたが、先月30日、Hotel Bogotaで行われた、末宗美香子さんの展覧会のオープニングの様子をお伝えしたいと思います。

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18時半から朝食ルームで、独日協会のシュミットさん、Bogotaのオーナーのリスマンさん、日本大使館の菅谷さんが挨拶されました。最後にピアノとヴァイオリンの演奏も。

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その後、来場者は吹き抜けのLichthofがある階に上がり、末宗さんの作品と対面することになります。製作段階からその様子を見てきた者としては、感慨もひとしおでした(製作中の様子はこちらより)。壁に固定されている絵もあれば、屋根からつり下げられている絵もあり、人間のような、動物のような独特なキャラクター。どこかユーモアのあるものから、ちょっとおっかないものまで、全てが渾然一体となってひとつの世界を形作っていました。

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オープニングとしては大盛況だったと思います。ブログの記事を読んで来てくださった方もいて、うれしかったです。末宗さんのご両親や横須賀市在住のお友達も見えていて、面白い出会いもありました。

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天井から吊るされた作品は、風に吹かれてゆっくりと回転します。それがどこか踊っているように見えて、自分まで末宗さんの世界の「住人」になったような気分も楽しみました。

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「Mori wo kakenuke tadoritsuku」と題されたこの絵を見て、思わず「《魔笛》のパパゲーノみたい」と言った人がいたそうです(末宗さんは特にそういう意図はなかったようですが)。絵は春頃まで展示される予定です。ホテル・ボゴタの宿泊客でなくても、日中はいつでも見学可能なので、どうぞお気軽にお立ち寄りください。

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by berlinHbf | 2010-12-27 23:57 | ベルリン文化生活 | Comments(0)

ホテル・ボゴタの末宗美香子さん

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今年初頭にご紹介する機会のあったホテル・ボゴタには、Lichthofと呼ばれる吹き抜けのホールがあります。しばらく前から、写真家の橋口譲二さんとホテルのオーナーのリスマンさんのアイデアで、このリヒトホーフに日本人アーティストの作品が定期的に展示されています。

関連記事:
橋口譲二さんが案内するホテル・ボゴタ (2010-1-27)

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ちょうど今、画家の末宗美香子さんが、11月30日のオープニングに向けて作品を製作中というので、その様子を見に行ってきました。末宗さんは神奈川県在住の作家で、約2ヶ月間プレンツラウアー・ベルクに住みながら、ほぼ毎日ホテル・ボゴタに通って絵を描いている日々だそうです。

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末宗さんが描く絵はやさしい色合いの水彩画。基本的に人物をモチーフにしているのですが、近くに寄ってよく見てみると人間のようであり、どこか動物のようだったり。初めて見るのに、一方でどこか懐かしさも覚えます。彼女の絵は、子供が描く絵から影響を受けているそうですが、そのことにつながる気がします。タイトルがまたユニーク。アルファベットで書いてあるので一見英語かと思うのですが、例えば手前の絵は"MORI WO KAKENUKE TADORITSUKU"、その奥の絵は"SHUPPATSU NO JUMBI WA MOUSUDENI DEKITAKAI?"という題名が付いていて、そこからまた想像力が喚起されます。

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こちらの絵のタイトルは、"NAKISUGITA WATASHI WA MOU WARAUSHIKA NAINODESU"。

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最終的には全部で15作品ぐらいになる予定で、この吹き抜けに吊らされる予定だそう。これらのユニークな作品たちを、ホテルのいろいろな階から眺めるのはとても楽しいだろうと思います。末宗さんの展覧会のオープニングは、11月30日の18時半からホテル・ボゴタで開催されます。お時間がありましたら、ぜひ足をお運びください。

Hotel Bogota Berlin
Schlüterstr. 45
D-10707 Berlin
Tel. +49(0)30-881 50 01
Fax +49(0)30-883 58 87

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by berlinHbf | 2010-11-15 15:46 | ベルリン文化生活 | Comments(6)

ベルリン300年の知の歩み

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リヒトホーフに置かれている、書庫を模した巨大インスタレーション
Regalinstallation im Lichthof Foto: © Roman März


2010年、ベルリンは「学術年」(Wissenschaftsjahr)を祝っています。というのも、今年から来年にかけて、ベルリンの歴史ある学術機関が軒並み記念の年を迎えるからです。例えば、国立図書館の創設350周年、欧州最大の大学病院「シャリテ」は300周年、フンボルト大学と自然史博物館が200周年、マックス・プランク協会とベルリン植物園が100周年といった具合です。現在、ベルリンは200以上の研究機関、約20万人もの学生や研究者を抱えていると言いますから、この記念年の副題通り「知の首都」と呼ぶことができるでしょう。

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少し前までポツダム広場に設置されていた「ベルリン学術年」のインフォボックス。ドイツ語で「学問」を意味する“Wissenschaft”の頭文字Wがシンボルマーク

先日、この学術年のハイライトを飾る展覧会、マルティン・グロピウス・バウで開催中の「WeltWissen(世界を知る)」に足を運んできました。

まず、吹き抜けホールの書庫を模した巨大なインスタレーションに目を奪われます。それぞれの棚にはベルリン生まれの展示品が置かれ、解説付きの望遠鏡で覗き込むという仕組みです。そこからは、1710年から現在に至るまでのベルリンにおける学術の歩みを年代別に展示した部屋が続きます。例えば、200年以上も昔のものとは思えない生々しい動物のホルマリン漬け、哲学者ヘーゲルがフンボルト大学での講義のためにしたためた原稿、物理学者ヴェルナー・フォン・ジーメンスが制作した炭素アーク灯など、多くがその実物と共に展示されているので、誰でも楽しめると思います(説明はすべて独英表記)。

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私が特に感動したのは、最後の部屋に置かれていたベートーヴェンの第9交響曲の2冊の直筆の総譜。なぜ2冊あるのかというと、第2次世界大戦の末期、もともと何巻かに分かれていた直筆譜が東西に散らばってしまい、1997年に全巻が再びベルリン国立図書館に収蔵されるまで、56年もの歳月を待たなければならなかったためです。まさに、「ベルリンの壁」崩壊以降の展示室に置かれるにふさわしい至宝でした。

これで終わりかと思いきや、「知への道」と題したもう半分の展示が残っていました。こちらはテーマ別に部屋が分けられ、展示の仕方にもさらに工夫が凝らされていて面白かったです。例えば、「計算」という部屋ではコンラート・ツーゼによる世界最初のコンピューターが、「旅」という部屋では探検家アレクサンダー・フォン・フンボルトの世界旅行の軌跡が示されます。また、アインシュタイン、哲学者ライプニッツやベンヤミン、建築家のシャロウンらが独自の理論や建築を生み出す元となった草稿やスケッチを展示する部屋もあり、天才たちの思考と想像の現場に居合わせたかのようで、いくら眺めていても飽きることがありませんでした。同展は来年1月9日まで開催されています。www.weltwissen-berlin.de
ドイツニュースダイジェスト 11月12日)


追記:
初めて生で見たベートーヴェンの第9のスコア。1つは1楽章(?)、もう1つは4楽章のコーダのページがめくられており、音楽が目の前に立ち上がってくるかのようで、気持ちが高ぶりました。意外に周りのドイツ人は淡々としていて、ゆっくり眺めることができたのもよかったです。その隣の部屋の、ライプニッツやヴァルター・ベンヤミンの過剰なまでに細かい字でぎっしり書かれた思考の軌跡、アインシュタインの相対性理論の草稿や、シャロウンによるフィルハーモニーのスケッチなど、ここだけでも訪れる価値はあると思いました。

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by berlinHbf | 2010-11-11 23:46 | ベルリン文化生活 | Comments(4)

マルティン・グロピウス・バウのオラファー・エリアソン展

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現在、ポツダム広場からほど近いマルティン・グロピウス・バウ(Martin-Gropius-Bau)にて、オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)のベルリン初の大規模な個展「Innen Stadt Außen」(内-都市-外)が開催されており、大きな話題を呼んでいます。

デンマーク・コペンハーゲン生まれのアイスランド人作家エリアソンは、光、影、色、霧といった要素を通して、人間の知覚に新たな角度から訴えかける大規模な作品を発表してきたことで知られています。今年3月まで開催されていた金沢21世紀美術館での個展「あなたが出会うとき」などで、その作品をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

オープニングの4月28日は、作家自らの希望で入場無料となったため、多くの人が殺到。私もこの日に足を運んでみました。会場の前に来ると、窓から煙のようなものがもくもくと出ていて、「一体何だろう」と思わされます。

「私がまだアカデミーの学生だった1988年、現在とは反対側の入り口から初めてこのマルティン・グロピウス・バウの中に入った。(ベルリンの)壁はそれまで何度も見たことがあったけれど、この窓から壁とその緩衝地帯を眺めて、反対側がどれほど遠いかを実感した。視覚の演出が、置かれた環境を先鋭化させたからだ」(Tip誌のインタビューより)

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かつて目の前にベルリンの壁が立ちはだかっていたマルティン・グロピウス・バウ

94年からベルリンに在住するエリアソンは、この個展を「ベルリンと深く関係した非常に個人的な展覧会」と語っており、ベルリンという都市との関わりから生まれた作品がいくつも並んでいます。入り口近くの床には「ベルリンの歩道」という名の花崗岩が置いてあり、博物館の内と外の境界がなくなるかのような感覚を覚えます。また、展覧会と同じタイトルを冠したビデオ作品は、巨大な鏡をワゴン車に設置し、走る車とその鏡を通して写る風景をカメラが追いかけるというものなのですが、2つの現実の重なり合う様が面白かったです。博物館の中庭に設置された「Mikroskop」というインスタレーションは、まさに圧巻。「Round rainbow」や「Water pendulum」といった光、影、水を生かした作品も、多くの人がしばし立ち止まって見入っていました。

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中庭に設置された鏡のインスタレーション「Mikroskop」© 2010 Olafur Eliasson

正面の窓から出ている煙らしきものの謎は、最後の部屋で解き明かされることになります。部屋の中を歩きながら、夢の中をさまよっているような不思議な気分を味わいました。現代アートの展覧会で、1つ1つの作品がこれほど記憶に残るのも珍しい体験で、普段見慣れた街を新鮮な感覚で捉え直してみたい気持ちになりました。8月9日まで開催。
www.gropiusbau.de
ドイツニュースダイジェスト 6月18日)

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by berlinHbf | 2010-06-17 00:41 | ベルリン文化生活 | Comments(6)

ドイツ歴史博物館「権力は示す 統治戦略としてのアート」展

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●ドイツ歴史博物館(DHM)の特別展「権力は示す 統治戦略としてのアート」(Macht zeigen - Kunst als Herrschaftsstrategie)を見てきました。権力の中枢にいるドイツの政治家や企業のトップが、アートを自分の統治戦略としてどのように使っているかということを追いかけた展示。

●ドイツでの「権力と芸術」の関わりというと、どうしてもナチス時代の負の側面を思い出してしまうが、展示の大半は現代に関するもの。ドイツの歴代首相の執務室やそこに飾られている絵を紹介したり、メルケル首相が自ら普段の仕事場を紹介している映像など、特に興味深かったですね。

●前首相のシュレーダーが現代美術のよき理解者だったり、現外相のヴェスターヴェレが熱心なアートコレクターだったりと、意外な側面も知ることとなる。首相官邸の中に飾られているMarkus Lüpertzの彫像やJörg Immendorffのポートレートなど、シュレーダー氏の個人的な親交から生まれたものだったのだと改めて実感。

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●ケーラー大統領の仕事机の後ろに飾られているWalter Stöhrerの作品など、毎日見るにはちょっと奇抜すぎやしないか、とも感じたけれど、現代のドイツの政治家や企業人は、仕事場に現代アートをなかなかセンスよく取り入れ、自分のイメージ向上にもある種巧みに「演出」しているなと思った。6月13日まで。

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by berlinHbf | 2010-04-08 13:39 | ベルリン文化生活 | Comments(6)

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