ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
ダイヤモンド社
(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

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豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
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ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

ベルリン更新情報
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カテゴリ:ドイツから見た日本( 48 )

ドキュメンタリー映画『なみのこえ 気仙沼』@ベルリン日独センターのご案内

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直前のご案内になり恐縮ですが、明日11日(水)にベルリン日独センターにて、ドキュメンタリー映画『なみのこえ 気仙沼』が上映されます。昨年HKW(世界文化の家)のドキュメンタリー映画祭で上映された作品で、酒井耕監督が来伯しトークセッションに参加されるとのこと。震災から4年を迎える被災地の今の状況を知る良い機会だと思いますので、お時間とご興味がありましたら、ぜひご参加ください。


その後の日々…東日本大震災から4年を経て

ドキュメンタリー映画『なみのこえ 気仙沼』
監督: 酒井耕/濱口竜介 (2013年/日本語/109分)英語字幕付き
http://silentvoice.jp/naminokoe/

開催予定日: 2015-03-11(水)
会場: ベルリン日独センター


18時30分 上映会
20時30分 酒井耕監督によるトーク

**変更になる場合があります。

入場無料
お申し込みは、電話 (030) 839 07 123 またはメール kultur@jdzb.de までご連絡ください。
メールでのお申し込みの際は追って予約確認メールを差し上げます。

協賛: アルパイン株式会社 (Alpine Electronics (Europe) GmbH)
協力: 在ドイツ日本国大使館、独日協会ベルリン、絆・ベルリン
by berlinHbf | 2015-03-10 20:13 | ドイツから見た日本 | Comments(0)

「ジャパン・シンドローム」のシンポジウム

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HAU2で行われたシンポジウムの様子

5月20~29日、クロイツベルク地区にある劇場「ヘッベル・アム・ウーファー」(通称HAU)にて、「Japan Syndrome」と題した大規模な日本フェスティバルが開催されました。東北地方を中心に甚大な被害を及ぼした東日本大震災と福島の原発事故から3年。 日本の社会、そして芸術の文脈がどのようにこの大災害に呼応し、変容してきたのかを問い掛ける試みです。

演劇や音楽、インスタレーションなどの多彩なプログラムが並びましたが、その中から25日に行われた「安全地帯の崩壊? フクシマ以後の芸術と政治」と題するシンポジウムをご紹介したいと思います。

最初にキュレーターの相馬千秋氏が登壇し、「大震災は目に見える形においても、見えない形においても日本に大きな分断をもたらした。この困難な状況の中、私がアートを通して取り組んでいくべきは、単純に国家や原発に反逆することではなく、演劇的な方法で死者を埋葬し、鎮魂すること。そして今、国家によって作り出されようとしている新たな秩序を、ある種宙吊りにしたり、それに対して揺さぶりを掛けることだと思う」とスピーチしました。

シュテファニー・カープ(ドラマトゥルク)の司会の下、相馬、丸岡ひろみ(キュレーター)、高山明(演出家)、シュテフィ・リヒター(ライプツィヒ大学日本学教授)の各氏により行われたその後のトークセッションでは、日本社会を覆っている空気の変容を肌で感じてきた日本人の3氏を中心に、興味深い議論が交わされました。

最後の質疑応答で、あるドイツ人の聴衆が「なぜ日本人はもっと声を上げないのか。このような過酷な状況の中、芸術の側も政治を直接変えるような活動をすべきでは?」という問いを投げ掛けました。東日本大震災以降、ドイツ人と日本人の間に横たわるこのような現状認識の違いに戸惑い、答えに窮した経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

それに対して、高山氏はこう答えます。「過激になっている政治に対して、もっと過激になるべきなのかという問いに対しては、僕は全く逆に行くべきという立場。むしろ過激さから距離を取り、小さなものや弱いものと、または対立している人と、いかに友情を結べるかに賭けた方が良いのではないか。あるいは、熱狂するよりは熱狂する人をどのように自分と切り離して醒めた目で見られるのかという技法をアートや演劇の分野で見付ける方が、ひょっとしたら政治的な意味があるのではないかと思う」。

「時代や場所を超えられるのがアートの持つ力。今ここ、目の前にあるものに対してのみ有効な形ではなく、例えば過去と今とを繋ぐこと、まだ生まれていない未来のものに対して何か作用をもたらすことができないだろうか。そのようなビジョンを持って、津波や原発事故で直接的な被害を受けた東北地方と向き合っていきたい」(相馬氏)。

ドイツに住む私にとっても、今自分はここでどう生きるべきかを考えさせられる機会となりました。
ドイツニュースダイジェスト 6月20日)
by berlinHbf | 2014-06-22 00:36 | ドイツから見た日本 | Comments(2)

Japan Syndrome 20.–29.5.2014 @HAU 日本語プログラム

今日から29日まで、クロイツベルクのHAU(Hebbel am Ufer)にて「ジャパン・シンドローム─フクシマ以後の芸術と政治」と題した大規模な演劇・パフォーマンスのフェスティバルが開催されます。私の大学時代の友人や先輩も何人か関わっていて、最近続けて案内をもらいました。プログラムの日本語訳をいただいたので、以下にご紹介します。現地在住の日本人にとっても、さまざまな表現を通して現在の日本の状況を多角的に知る貴重な機会ではないかと思います。ぜひ足をお運びください!

ジャパン・シンドローム─フクシマ以後の芸術と政治 プログラム
5月20日(火)
時間未定 / HAU2(屋外)
田口行弘「オープンハウス:Confronting Comfort #2」

19時 オープニングイベント / HAU2
(入場無料)
高嶺格「ジャパン・シンドローム─ベルリン・バージョン♯3」
インスタレーション─21日〜29日まで毎日18時より開催

20時/ HAU2
岡田利規/チェルフィッチュ「現在地」
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕)[20€ / 15€ / 12 €]


5月21日(水)
18時 オープニングイベント / HAU1
「道程 3.11」(入場無料)
参加作家・作品
高山明「国民投票プロジェクト」(2011/2014)
藤井光「3.11 Art Documentation」(2011-継続中)
ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニ
  「Spirits Closing Their Eyes」(2013)
  「PET Bottle Shield」(2014)               
  「Contaminated Home」(2014)
鈴木光「Mr.S&ドラえもん」(2012)
インスタレーション─22日〜29日まで毎日17時より開催

19時/ HAU2
岡田利規/チェルフィッチュ「現在地」
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕)[20€ / 15€ / 12 €]

21時/ HAU1
工藤冬里&Maher Shalal Hash Baz
(マヘル・シャラル・ハシュ・バズ)
コンサート [15€]


5月22日(木)
17時30分 サロン3.11 / HAU1(入場無料)
藤井光
ステファン・バウアー(キュレーター)
トーク─ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

19時 / HAU3
村川拓也 「ツァイトゲーバー」(ヨーロッパ初演)
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕) [13€]

20時30分 / HAU1
藤井光 「プロジェクト FUKUSHIMA!」
ドキュメンタリー映画(日本、2012、90分)─日本語(英語字幕)
*会場ではNPO 法人プロジェクト FUKUSHIMA!のためのカンパを受け付けます(入場無料・カンパ制)

5月23日(金)
17時30分 サロン3.11 / HAU1(入場無料)
高嶺格
シュテフィ・リヒター(日本学者)
トーク─ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

19時 / HAU3
村川拓也 「ツァイトゲーバー」(ヨーロッパ初演)
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕) [13€]

20時30分 藤井光 「ASAHIZA」/ HAU1
ドキュメンタリー映画(日本、2013、74分)
              ─日本語(英語字幕)[5€]
上映終了後 藤井光と高山明によるアフタートーク
モデレーター:シュテフィ・リヒター
ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)


5月24日(土)
15時 サロン3.11 / Cuvry-Brache
オープンハウス(参加無料) 
「Dis-Cuvry-Confronting Comfort #1」
田口行弘&キアラ・チッチェレルロ&ルッツ・ヘンケ
(集合場所:Schlesische Str. / Ecke Cuvrystr.)

19時 / HAU3
村川拓也 「ツァイトゲーバー」(ヨーロッパ初演)
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕) [13€]

終演後 村川拓也とハンス=ティース・レーマン(演劇学者)によるアフタートーク
ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

20時30分/ HAU2
マンガという現象─日本のマンガと3.11
ジャクリーヌ・ベルント(マンガ研究者)
シュテフィ・リヒター
ドイツ語(日本語通訳あり)


5月25日(日)
18時 サロン3.11 / HAU1
原サチコ「ヒロシマサロン」
ドイツ語&日本語上演 [5€]

20時 / HAU2 (参加無料)
「安全地帯の崩壊? フクシマ以後の芸術と政治」
相馬千秋(キュレーター)
丸岡ひろみ(キュレーター)
高山明
シュテフィ・リヒター
モデレーター:シュテファニー・カープ(キュレーター)
ドイツ語&日本語(同時通訳あり)

5月26日(月)
17時30分 サロン3.11 / HAU1(入場無料)
小泉篤宏(サンガツ)
クリストフ・グルク(キュレーター)
トーク─ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

20時 / HAU2
ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニ
「3.11後の生きものの記録」
(ドイツ&日本、2014、29分) [8€]

上映終了後 岡田利規&ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニによるアフタートーク
モデレーター:エルケ・ブア(ジャーナリスト)
ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

黒澤明「生きものの記録」
(日本、1955、103分)日本語(ドイツ語字幕)


5月27日(火)
18時 サロン3.11 / HAU2(屋外)(入場無料)
オープンハウス
「Dis-Cuvry-Confronting Comfort #2」
田口行弘&キアラ・チッチェレルロ&ルッツ・ヘンケ

20時 / HAU1
サンガツ
コンサート [15€]

5月28日(水)
17時30分 サロン3.11 / HAU1(入場無料)
都築響一
クリストフ・グルク(キュレーター)
トーク─ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

20時 / HAU2
岡田利規/チェルフィッチュ
「スーパープレミアムソフトWバニラリッチ」
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕)[20€ / 15€ / 12 €]


5月29日(木)
17時30分 サロン3.11 / HAU1(入場無料)
岡田利規
ペーター・ラウデンバッハ(ジャーナリスト)
トーク─ドイツ語&日本語(ドイツ語通訳あり)

20時 / HAU2
岡田利規/チェルフィッチュ
「スーパープレミアムソフトWバニラリッチ」
演劇─日本語上演(英語・ドイツ語字幕)[20€ / 15€ / 12 €]

22時 / HAU2
都築響一による深夜のレクチャーパフォーマンス
英語上演 [5€]

*公演チケットはインターネット(www.hebbel-am-ufer.de)およびHAU 2窓口にて発売しております。(営業時間:月曜日〜土曜日の15時〜19時)
*各種割引および3公演のセット券[40€]もご用意しております。
*当日券は公演当日、開演1時間前より各劇場にて発売いたします。

■「ジャパン・シンドローム」に関するお問い合わせ
チケット窓口 +49 (0)30-259 004-27 (ドイツ語・英語)
制作担当直通 +49 (0)30-259 004-283 (ドイツ語・英語・日本語)

Hebbel am Ufer Berlin www.hebbel-am-ufer.de
HAU 1: Stresemannstr. 29 / 10963 Berlin
HAU 2 : Hallesches Ufer 32 / 10963 Berlin
HAU 3 : Tempelhofer Ufer 10 / 10963 Berlin

by berlinHbf | 2014-05-20 21:03 | ドイツから見た日本 | Comments(0)

映画『FORMA』坂本あゆみ監督インタビュー

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映画『FORMA』の坂本あゆみ監督(右)と谷中史幸プロデューサー

坂本あゆみ監督にお会いしたのは、今年2月のベルリン国際映画祭の期間中でした。それまでこの監督のことは全く存じ上げていなかったのですが、たまたまあるベルリン在住の知人がこの映画の関係者とお知り合いで、私にインタビューの仲介をしてくださったのでした。そんな不思議なご縁で、坂本監督の初監督作品である『FORMA』を観に行ったのですが、今回のベルリナーレで観た映画の中で(もっとも、そんなに多い数ではないけれど)もっとも強い印象に刻まれた作品となりました。約2時間半という長丁場を一切音楽を使わずに描いているにも関わらず、緊張感を途切らさずに観ることができましたし、やがて悲劇へと至る主人公の女性2人を「多面的」に描くその手法にも唸らされ、終演後は深い、そして複雑な余韻が残りました。坂本監督はこの映画を約6年の歳月をかけて完成させたそうで、じっくり考えて納得のいくものを作り上げていくその姿勢には、私自身刺激を受けました。

つい数日前、『FORMA』が第38回香港国際映画祭でもスペシャル・メンション(特別)賞を受賞したという朗報が入り、先月ドイツニュースダイジェストに掲載されたインタビュー記事を改めてここでご紹介しようと思いました。日本では8月16日(土)より渋谷のユーロスペース他にて公開されることが決まったとのこと。機会がありましたら、この注目すべき映画監督のデビュー作をぜひご覧いただきたいと思います。
by berlinHbf | 2014-04-08 23:00 | ドイツから見た日本 | Comments(0)

ベルリン・東京友好都市提携20周年

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中根駐独大使、ディープゲン元ベルリン市長らによって、式典の最後に執り行われた鏡開き

2月21日、ベルリン市と東京都の友好都市提携20周年の記念式典が赤の市庁舎の大ホールにて開催され、日本とドイツの関係者が多数参加しました。

ベルリンと東京は近代都市として発展した後、第2次世界大戦で甚大な被害を受け、そこから復興を遂げてきた共通の歩みを持っています。その過程で両都市の交流が育まれ、1994年5月14日、鈴木俊一都知事(当時)がベルリン市を訪問した際、エーベルハルト・ディープゲン市長(当時)との間で友好都市関係を締結する共同宣言に調印したのでした。近年では、クンストラウム・クロイツベルク/ベタニエンとトーキョーワンダーサイトの間でアーティストのレジデンス交流が始まるなど、芸術分野での両市の交換も盛んになっています。

式典では、ベルリン市を代表してヘラ・ドゥンガー=レーパー次官が「ベルリンと東京は大都市に共通の問題も抱えているが、共に多様性に満ちた魅力ある都市であり続けていきたい」と挨拶。中根猛駐ドイツ大使は、その祝辞の中で2020年の東京オリンピック/パラリンピックに触れ、今年、東京とベルリンの両都市のマラソン大会で行われる市民ランナー同士の交流を紹介しました。2月末に開催された東京マラソンでは、前年のベルリンマラソンで好成績を収めたドイツの市民ランナーが2人招待され、逆に9月28日のベルリンマラソンには東京からのランナーが招かれるそうです。ベルリン市が、東京大会の次の2024年夏季五輪に立候補するかどうかも、今注目されています。

その後、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のコンサートマスターを務めるヴァイオリニストの日下紗矢子さんと、ベルリン在住のピアニスト福間洸太朗さんという2人の音楽家の共演により、細川俊夫さん編曲の「五木の子守唄」、R・シュトラウスのヴァイオリンソナタが奏でられ、大喝采を浴びました。

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日下紗矢子さんのヴァイオリンと福間洸太朗さんのピアノによる共演

式後のレセプションでは寿司やカレーソーセージなどが振る舞われ、私は外交官や企業人として東京に縁の深いドイツ人の方々と歓談することができました。彼らが流暢な日本語で東京や日本への強い思い入れを語る様子を見て嬉しく思うと同時に、東京もベルリンも、外から来る人々を温かく迎える世界都市であり続けてほしいと強く感じた次第です。

今年は友好都市20周年を記念した多くの行事がベルリンで行われます。スポーツから音楽、講演会、落語などの古典芸能、学術交流に至るまでプログラムは多岐に渡ります。詳細はwww.berlin.de/senatskanzleiにてご確認ください。
ドイツニュースダイジェスト 3月21日)
by berlinHbf | 2014-03-21 11:25 | ドイツから見た日本 | Comments(0)

震災3周年の日に大船渡を想う

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東日本大震災から3周年の昨日、ベルリンの日本大使館の前で小さな祈念行事が行われるというので、足を運んできました。主催の「絆・ベルリン」はこれまで数度に渡って岩手県大船渡市を中心にボランティア活動を行ってきたNPO法人。キャンドルを灯して、地震が起きた時刻に黙祷。犠牲者の方々に哀悼の気持ちを表し、復興を祈念しました。

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家に戻ってから、一昨年の5月に大船渡や陸前高田を訪ねたときの写真を久々に眺めながら、当時を振り返っていました。ブログの旅行記は、被災地のことを書くことの難しさを実感する機会もあって、最終日だけ書かないまま時間が過ぎ去っていました。もう2年近く経ってしまいましたが、あの旅でお世話になった方々を想いながら、綴ってみたいと想います。

2012年5月20日(日)、泊めてもらった大学時代の友人に連れられて、仮設の飲食店街で昼食。その後、市内のリアスホールという文化会館へ行く。大ホールでは確かお笑い芸人によるモノマネショーが行われていたが、私たちは貸スタジオの方へ。もともと友人とは大学時代のオーケストラで知り合い、彼はオーボエ、私はフルートを吹いていた。2人ともまだ細々と演奏活動を続けていて、友人は休みの日にここに来ては楽器を吹いているのだそうだ。この日は1時間半ぐらい、コピーして持ってきたバッハの譜面を何曲か吹いて遊んだ。一緒に吹くのはかれこれ大学生以来だったから、なかなか新鮮な時間だった。

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心理カウンセラーとして地元の学校で仕事をしている友人は、日頃の激務もあって一旦アパートに戻る。私は少しでも大船渡の街を歩きたいと思い、そこから港の方に向かって散策することにした。途中、JR大船渡線のレールとぶつかる。大船渡の盛から北に延びる三陸鉄道がドラマ「あまちゃん」などの影響で脚光を浴びたとのとは対照的に、大船渡線の盛-気仙沼間は復旧の目処がまったく立っていないという。最近の記事をいくつか読むと、復旧に向けた話し合いが持たれているようではあるが、費用やルート変更などの多くの問題が積み重なっている。

関連記事:
時論公論 「震災2年半 足踏みする鉄道復旧」(NHK)

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「かもめの玉子」で有名なさいとう製菓の本社だった建物。震災直後、社長がこの高台から撮影した津波の映像が忘れられない。市内にさいとう製菓の仮設店舗があり、そこでお土産を買って帰ることに。

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港から太平洋セメントの工場を望む。

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リアスホールが結構賑わっていたのに対して、私が歩いた道沿いで人とすれ違うことはほとんどなく、周囲は静寂が支配していた。

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大船渡駅があったところ。仮設の飲食店街はこの近くにある。

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あのときお世話になった方々やその前日の運動会で出会った人々はいまどうしているかなと思う。夜、「やまちゃん」という居酒屋でおいしいちらし寿司を食べてから、友人に見送られ東京行きの夜行バスに乗り込む。少し寝て、どのぐらい経った後だろうか。目が覚めて窓の外を見たら、陸路にいるにも関わらず目の前に巨大な船がどんと横たわっている。私は突然SF映画の世界に紛れ込んだような超現実的な感覚に襲われたが、すぐに正気に戻った。テレビや写真で何度も見た、気仙沼市鹿折に打ち上げられた第18共徳丸に間違いなかった。今どうなっているのかと思って調べてみたら、昨年夏からの撤去作業が終わり、すでに4ヶ月が経ったそうだ。

関連記事:
消えた「震災の記憶」客足まばらに 宮城県・気仙沼 打ち上げられた第18共徳丸

昨日の祈念行事の最後に、「絆・ベルリン」の福澤啓臣さんが「これからも息長く被災地を支援していきましょう」と呼びかけた。数は減ってきたけれども、「絆・ベルリン」や柏木博子さんが主催する震災孤児を支援するNPO"KIBOU"などは、被災地の支援を今も継続的に行っている。距離は大分離れているが、ベルリンとこの風景とはどこかでつながっていると思いたい。そして、いつかまた大船渡や陸前高田をゆっくり訪ねたいと思う。
by berlinHbf | 2014-03-13 00:21 | ドイツから見た日本 | Comments(1)

東日本大震災3周年関連イベント@ベルリン

東日本大震災からまもなく3周年を迎えます。被災地で生きる人々や原発の問題は常日頃から自分の問題として考え続けなければと思いますが、被災地のいまに想いを寄せ、周りの人々と連帯するいい機会です。ベルリンで開催される関連行事をここでいくつかご紹介したいと思います。

みどりの1kWhさんの東日本大震災3周年関連イベント リンク集
べるりんねっと789さんのベルリンカレンダーなどにも関連情報が載っていますので、ぜひご参照ください。

- 展覧会「Distant Observations. Fukushima in Berlin」
日時:3月8日〜4月27日12:00〜19:00(3月7日(金)のオープニングイベントのみ19:00〜)
場所:Kunstraum Kreuzberg/Bethanien (Mariannenplatz 2, 10997 Berlin)
福島原発事故をテーマにした25組のアーティストのグループ展。オープニングの日はAzusa Kunoによるパフォーマンス「We don't have to be Fernando Pessoa」が披露される。
入場無料
http://www.kunstraumkreuzberg.de/start.html


- 風車デモ “Kazaguruma-Demo”gegen Atomkraft in Berlin
日時:3月8日(土)13:00〜
場所:ブランデンブルク門前

私たちSayonara Nukes Berlinは、Anti-Atom Berlin、 Arbeitsgemeinschaft Schacht KONRAD e.V.、 NaturFreunde Berlin e.V. の3つの団体と協同し、日本の福島から始まるさようなら原発集会に連帯するため、ベルリンでも反原発デモを行います。

私たちは、原子力のもたらす命への不安に怯える事無く生きる権利を持っています。自然エネルギーへの早期転換を願うと共に、世界各地のデモ行動の同一化を目指し、ベルリンでのデモのテーマは風車に決まりました。福島第一原子力発電所の大惨事から、3年が経とうとしています。日本政府は、正しい道を歩んでいると云えるのでしょうか。また世界各地では、未来を見据えたエネルギーへの適切な進路は取られているのでしょうか。

私たち市民の声を届けるために、みなさんの希望の風車を回しましょう。

⋆ブランデンブルグ門(Platz des 18.März am Brandenbruger Tor)に集合後、日本大使館前までデモ行進します。
⋆ブランデンブルグ門では、Mad World Dance (Bodypoet kazuma glen)による風刺劇や、Greenpeaceソーラードラムス等のパフォーマンスが予定されています。
⋆風車を持ってご参加ください。鳴り物、プラカート大歓迎。

 <風車の作り方>
●風車をめぐる冒険①
http://sayonara-nukes-berlin.org/?p=507
●風車をめぐる冒険②
http://sayonara-nukes-berlin.org/?p=667

また、8日のデモに合わせ、私たちは日本政府に、国際社会において日本が安全で持続可能な未来を築けるよう、原子力事業からの撤廃、汚染地域からの移住の支援など、深刻化する重要課題への対応を求める公開書簡を提出します。この書簡には、ドイツに在住する学者、文化人をはじめとする著名人、環境保護団体らの賛同を募っています。これらは提出後にHPにて公開されます。


- 3月11日の祈念日にキャンドルを
東日本大震災の日が回ってきます。被災地では破壊の爪痕は大分見えなくなりましたが、まだたくさんの方が仮設住宅に住み、復興は思い通りに進んでいません。そして福島の状況は解決にはほど遠いです。大震災を風化させないように3月11日に日本大使館前でキャンドルを点します。そして大震災をしのび、復興を祈念します。ぜひご参加ください。

集合時間: 3月11日14時。
黙祷:   3月11日14時42分
集合場所: 在独日本大使館(Hiroshimastr. 10)
主催:「絆・ベルリン」
ブリギッテ・ブローゼ、フランク・ブローゼ、福澤啓臣


- バザー Hoffung Berlin-Japan
希望 ベルリン-日本

日時:3月16日12:00〜18:00
場所:Philipp-Melanchthon-Kirche
Hertastr. 11, 12051 Berlin

お寿司、おにぎり、ケーキなど、盛りだくさんのバザーです。収益金は 東日本大震災被災地復興のため、フライヤーに明記されている機関に送付されます。
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by berlinHbf | 2014-03-07 11:57 | ドイツから見た日本 | Comments(0)

岩手県被災地内の高校生がベルリンへ

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「翼」プロジェクトでベルリンを訪れた岩手県の高校生たち

この夏、岩手県の高校生5人がベルリンの高校生と交流しました。主催したのはNPOの「絆・ベルリン」。2011年3月の東日本大震災後、ベルリン在住のドイツ人と日本人によって組織されたこの団体は、同年秋から今年5月まで、岩手県大船渡市を中心に陸前高田市や大槌町などで計4回のボランティア活動を行ってきました。

「最初のボランティア活動で大船渡高校の生徒たちと交流したとき、彼らから『地域復興のために役立ちたい。そのために、外国の人たちと交流をして見聞を広めたい』という話が出ました。そこで彼らをドイツに招待し、同じ年代のドイツの若者と交流して少しでもドイツの社会を知ってもらえれば、何かの役に立つだろうと考えたのです。具体的に動き出すまでに時間は掛かりましたが、幸い日本側の窓口となるNPO『遠野まごころネット』、助成金を出してくださるロベルト・ボッシュ財団との共催という形で交流プロジェクト『翼』が実現することになりました」と、代表の福澤啓臣さん(ベルリン自由大学元准教授)。

今回ベルリンを訪れたのは、面接で選ばれた被災地の久慈、宮古、釜石、大船渡の高校生5人。彼らはドイツ人家庭でのホームステイやドイツの高校生との交流を通して、9日間にわたり現地の実際の生活や社会を学びました。

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ワークキャンプの様子

8月10日、福澤さんのお宅で行われたワークキャンプにお邪魔すると、日独の生徒が1人ずつ、食文化やスポーツ、グリム童話、音楽などのテーマで発表し、それについて討論している最中でした。ドイツ側の参加者はベルリンのカニジウス校や自由大学で日本語を学ぶ若者で、日本語を共通語として活発な意見交換が行われました。
 
参加者の声をご紹介しましょう。宮古高校2年の阿部美月さん:「初めての海外で緊張しましたが、毎日とても充実しています。ベルリンは都会なのに自然が多く、地元の岩手に近い感覚がありますね。カニジウス校の日本語の授業を見学する機会があったのですが、日本と違って生徒主体で行われているのがすごいなと思いました。将来海外で日本語を教えたいという夢があり、いつかまたドイツに来たいです」

久慈東高校1年の山根省吾君:「現地の生徒の前で震災時の様子や被災地の話をしたら、皆さん真剣に耳を傾けてくれました。ベルリンは至る所で歴史に触れ合える街ですね。大好きなサッカーも本場で体験してみたいです」

「翼」プロジェクトでは2017年まで計5年間、毎年5人の高校生がドイツに招待されます。「『絆・ベルリン』のボランティア活動が一区切り付き、今後は『翼』のような息の長い復興支援活動を続けていきたい」と語る福澤さん。若い世代による実りある交流が蓄積されることを願いたいと思います。
www.kizuna-in-berlin.de
ドイツニュースダイジェスト 9月6日)
by berlinHbf | 2013-09-06 00:29 | ドイツから見た日本 | Comments(0)

空襲を伝えるドイツの都市(まち) ──ドレスデン・ベルリン・ハンブルク展のご案内

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東京都江東区にて (2012-05)

3月10日は1945年の東京大空襲の日。個人的な関わりで言えば、東京大空襲のことは書物などを通じてもちろん知ってはいましたが、わずか一夜で10万人もが亡くなったこの大空襲がどれほど悲惨なものだったかを真に感じたのは、昨年日本の空襲体験者の方々とベルリンで交流したときだったかもしれません。8歳で東京大空襲を経験した二瓶治代さんから伺った話は、拙ブログでもご紹介しました。

関連記事:
日独の大空襲の記憶を伝える (2012-03-30)

昨年、東京・大阪から日本の空襲体験者がドレスデン、ベルリン、ハンブルクを訪れた交流の成果が、特別展という形で現在「東京大空襲・戦災資料センター」で開催されています。同センター主任研究員の山本唯人さんや『ニセドイツ』の著者でもある歴史学の柳原伸洋さん、ドイツ文学の本田雅也さんなど、私の知人友人が関わっていることもあり、ぜひご紹介させていただきたいと思います。今週はドイツからのゲストを交え、「空襲体験をどう継承するか」というテーマで大阪と東京で講演会も行われるそうですので、こちらもご興味がありましたらぜひご参加ください。特別展は4月7日まで開催されています。


2013年 第1回 特別展
空襲を伝えるドイツの都市(まち)
──ドレスデン・ベルリン・ハンブルク
主催・場所:東京大空襲・戦災資料センター
共同企画・制作:和・ピースリング
制作協力:木戸衛一(大阪大学准教授)・柳原伸洋(東海大学講師)
協力:大阪空襲訴訟を支援する会・NPO法人日独平和フォーラム
期間:2013年 2月16日(土)~4月7日(日)
開館:水~日曜日(月・火曜日は休館)
開館時間:12:00~16:00
入館協力費:一般 300円/中高校生 200円/小学生以下 無料

【開催趣旨】
 2012年2月、東京・大阪から日本の空襲体験者や市民が、ドイツの空襲被災都市・ドレスデン、ベルリン、ハンブルクを訪れました。
 ドイツでは、ベルリンの壁崩壊後、大規模な都市再開発が進められる一方、街並みのなかに、戦争や空襲の記憶を残していく取り組みが行われています。また、統一後のドイツ社会では、経済格差を背景に、排外的な思想に引き寄せられる若者や、加害の事実を無視し、自国の被害のみを喧伝する活動も見られます。それに対して、自国の加害をふまえつつも、空襲を忘れないための行動やかつての交戦国と和解する取り組みが、多くの市民によって開始されています。
 こうした、ドイツ市民や社会のあり方は、アジアで生きるわたしたちにも、ヒントを与えてくれることでしょう。
 本展では、今回の旅で得られた写真や映像、市民との交流の記録を通して、ドイツにおける空襲被災都市の現在の姿を紹介し、未来に向けて、空襲体験をどのように継承していけるか考えます。

[関連企画]講演会
空襲体験をどう継承するか
──ドイツ・ドレスデンからゲストを招いて
ゲスト:マティアス・ノイツナー氏 (「1945年2月13日」協会代表)
▼大阪:3月13日(水)13:30
 会場:大阪市立中央会館ホール
   地下鉄堺筋線・長堀鶴見緑地線「長堀橋」下車 徒歩6分
   大阪市中央区島之内2-12-31 電話 06-6211-0630)
▼東京: 3月16日(土)14:00
 会場:東京大空襲・戦災資料センター
 発言:早乙女勝元ほか
ゲスト・プロフィール
マティアス・ノイツナー……1960年生まれ。1987年、ドレスデン空襲の証言記録・継承団体を設立。ドレスデン空襲の死者数調査委員を務めた。

ケストナーファンのみなさん、大歓迎!
●親子企画
3月23日(土) 14:00
ケストナーを知っていますか?
 ──ドレスデン生まれの作家、ケストナーの作品を楽しむ
講演『エーミールと探偵たち』を追いかけて
  本田雅也(ドイツ文学・児童文学研究)
朗読『わたしが子どもだったころ』ほか
場所:東京大空襲・戦災資料センター

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ところで、昨年5月に一時帰国した際に、東京大空襲・戦災資料センターを訪問し、二瓶さんと再会することができました。その帰り道、ぶらぶら散歩しながら、猿江恩賜公園内にあるこの野球のグランドの前を通りました。なぜここに立ち寄ったかというと、東京大空襲の直後、錦糸公園と並んで、もっとも多く犠牲者の遺体が積まれたのが今の野球場の辺りだと二瓶さんから伺っていたからです(戦災資料センターのデータでは13242体と)。すぐ近くにティアラ江東という音楽ホールがあり、学生時代、このグランドを横目に何度も歩いていたのに私は何も知らなかった。身近な場所に恐ろしい事実が隠されていたことに、余計衝撃を受けたのでした。写真を眺めながら、68年前の犠牲者に哀悼の意を表したいと思います。そうこう書いているうちに、大震災から2年の日になりました。今日は心に刻む日です。
by berlinHbf | 2013-03-11 01:03 | ドイツから見た日本 | Comments(4)

震災孤児のためのチャリティーコンサート

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1月30日に行われたチャリティーコンサートで、見事な演奏を披露したピアノトリオ“Take 3”

2011年3月の東日本大震災では、東北地方で240人の子どもが両親を、1400人弱の子どもが片方の親を亡くしました。昨年秋、このような震災孤児を支援するNPO法人“KIBOU”がベルリンに発足。1月末、この法人が主宰するチャリティーコンサートに足を運ぶ機会がありました。

この夜登場したのは、エーブン・ユー(ピアノ)、ユージン・ナカムラ(ヴァイオリン)、ノルベルト・アンガー(チェロ)の若手3人からなるピアノトリオ“Take 3”。メインに選ばれたベートーヴェンのピアノトリオ《幽霊》の2楽章が始まると、みるみるうちに照明が落とされ、舞台中央でほのかに灯されたロウソクが、作品名にふさわしい幽玄な雰囲気を作り出しました。このユニークな演出の後、フィナーレでは一転して、音楽家たちが体を揺さぶりながらのエネルギッシュな演奏を披露。客席を埋めた聴衆からは、盛大な拍手が送られました。

“KIBOU”を主宰するベルリン在住の柏木博子さんに、話を伺いました。柏木さんはデュッセルドルフのドイチェ・オーパー・アム・ラインなど、長年ドイツのオペラ劇場で活躍したソプラノ歌手。震災によってこれだけ多くの孤児が生まれたことに衝撃を受け、また昨年春初めて被災地を訪れた際に案内してくれた地元の記者が、涙ながらに現状を伝える姿を前に「何かしなければ」と思ったそうです。

そんなとき、柏木さんは「子どもの村東北」が仙台市に作られる計画を耳にします。「子どもの村」とは、親を亡くしたり、事情があって実の親と暮らせない子どもたちを、孤児院のように集団で養育するのではなく、「村」の敷地の中で里親やほかの子どもたち数人と共同で生活させることで、家庭に近い環境で育てるというもの。もともとSOS-Kinderdorfとして第2次世界大戦後のオーストリアで誕生し、現在は世界133カ国で活動しています。

「以前ドイツの『子どもの村』を支援していたこともあり、これは素晴らしいアイデアだと思いました。設立資金の援助をしたい気持ちと、若手の音楽家に演奏の場を提供したいというかねてからの想いが結び付いて、NPO法人にしようと決意したんです」(柏木さん)

ドイツでNPOを作るには煩雑な手続きが必要とされますが、専門知識を持つ友人の助けにより、わずか1カ月の準備期間で設立。活動の趣旨に共感したベルリン・フィルやシュターツカペレのメンバーをはじめとする優秀な音楽家が、無償で演奏を引き受けてくれることになりました。

「ギブ・アンド・テイクの関係を大事に、来てくださる方に募金をお願いするだけでなく、音楽的にも質の高いものを提供したかった。多くの方々の支援でここまでくることができましたが、目的は『子どもの村』を作ることだけではなく、その先にもあります。今後も継続してコンサートを開催していきたいと思います」と語る柏木さん。

震災2周年直前の3月6日(水)、ポツダム広場近くのマタイ教会(St. Matthäus-Kirche)で行われるコンサートでは、ベルリン・フィルの若手メンバーからなるカルテットがシューベルトの「死と乙女」などを演奏。また、仙台の河北新報の提供により、被災地の今を伝える写真パネルが会場に展示される予定です。詳細はwww.fk-kibou.orgより。
ドイツニュースダイジェスト 3月1日)
by berlinHbf | 2013-02-28 12:07 | ドイツから見た日本 | Comments(2)

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