ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
¥1,680
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(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

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豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
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ダイヤモンド社
(2009年発売)

地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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カテゴリ:ベルリンのいま( 143 )

10年分の感謝、ひとまずのお別れと新しいスタート!

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Mauerpark (2005-08)

8月1日をもちまして、ブログ『ベルリン中央駅』が丸10年を迎えました。この場を借りて、読んでくださった皆様に心より感謝申し上げます。10年間という歳月は、私の人生に当てはめるとほぼ4分の1の長さに相当するわけで、ベルリンという都市においても、個人的にも変化の大きかった時間を、この街に根を下ろしながらブログに綴ることができたのは、ありがたいことでした。

先日、このブログの最初のエントリー(2005年8月1日)を久々に読み直してみたら、当時の気持ちがよみがえってきました。日本に帰るべきか、ベルリンに残るべきかで個人的には悩んでいた時期でしたが、翌年のワールドカップドイツ大会を控え、町全体は高揚感に包まれていました。自分としてはまだベルリンにいたいという気持ちの方がずっと強く、ならばなぜ自分がベルリンに惹かれるのか、ブログに綴ってみてはどうかと思い、始めたのが当ブログでした。幸い、時間だけはたっぷりありました。

最初の3年間はかなり頻繁に更新したと思います。読者の方からいただくコメントにも触発されたからでもあり、単純に楽しかったからでもあります。少しずつですが、ブログを通して仕事をいただくようになりました。何の当てもないまま異国でフリーランスの身になった自分にとって、ブログは自分に希望を与えてくれる存在だったと言えるかもしれません。

10年を振り返ってみると、ブログを通して多くの出会いやお仕事に恵まれ、世界も広がりました。あのときベルリンに残ることを選んでよかったと思っています。

さて、今回の10周年に合わせて、開設以来初めてリニューアルすることになりました。これまでもいろいろな方からリニューアルやHP製作の勧めをいただいてきたのですが、重い腰が上がらなかったというのが正直なところで……。そんな折、イラストレーターの友人、高田ゲンキ美穂子さん夫妻にブログ10周年の話をしたら、この機会にやってみてはどうかとアドバイスを受け、彼らの心強いバックアップを頼りに新しくサイトを作ることにしました。こうしてできあがったのがこちら(http://berlinhbf.com)です。

ITに長けたイラストレーターのゲンキさんには、主にサイトのコンセプトやデザイン面で力になってくださいました。新しいURLの取得から1000以上ある記事の移し替え、全体のレイアウトまで、1人ではとうていできなかったであろう作業をスピーディーに進めてくださり、あっという間に形になってきました。そして、昨年このブログのトップ画像へのイラストを2回提供してくださった美穂子さんが、新サイトのタイトルのロゴを作ってくださいました。私の希望である駅やベルリンの街のモチーフをちりばめながらも、全体的にアナログテイストに仕上げてくださり(妻曰く「昭和の駄菓子屋さんの看板みたい」と^^)、このちょっと懐かしい雰囲気が気に入っています。写真もより大きいサイズでアップできますし、内容はこれからも変わらず、ベルリンの街歩きから、見たものや聴いたもの、育児のことまで、幅広く綴っていけたらと思っています。

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この写真、それから冒頭の写真は、ブログを始めた直後の2005年8月末の日曜日に壁公園Mauerparkで撮ったもので、この10年間のベルリンの変化を象徴するスナップとして選んでみました。最近たまたま見直してみて、驚きました。壁公園のしかも夏の日曜日、10年前はまだこんなに人がまばらだったのかと!

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こちらはこの7月頭に撮ったもの。現在はこのような賑わいが当たり前の光景になりました。

壁公園に限らず、通りを歩いていても、10年前に比べてベルリンに来る人が増えたのは確かに感じます。英語やスペイン語を街で聞く機会が格段に増えました。世界中からの旅行者、南欧からベルリンに移住する若者、ロマの人びと…。テレビや新聞を見ると、現在ヨーロッパを揺るがす難民の受け入れを巡るニュースに触れない日はないほどで、この辺りはメディアを通して知る情報に対して、まだ自分の体の感覚が付いていけていないところもあります。

さまざまな人を抱え込んで、この街はどこへ向かうのでしょう。歴史を振り返ると、ベルリンが人種と文化の坩堝と化した時代は確かにありました。ナチス時代、東西分断の時代を乗り越えてきたベルリン(そしてドイツ)は、過去の経験をどう生かすか、まさにいま試されているのではないかと思うときがあります。人当たりが多少ぶっきらぼうでも、多様性を重んじ、等身大の自分と他者を尊重し合える街であり続けられるのか。さほど裕福でない人にとっても、笑顔で心地よく過ごせる都市のままでいてくれるのか。

そんなベルリンの空の向こうに、私はやはり今大きく揺れている日本を見ています。

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エキサイトブログでの更新は今回がひとまず最後となります(完全な引っ越しが終わるまで、まだしばらくは残しておくつもりですが)。10年間本当にありがとうございました!新装オープンする『ベルリン中央駅』でもどうぞよろしくお願いいたします。
by berlinHbf | 2015-08-03 23:23 | ベルリンのいま | Comments(4)

Frohes Neues Jahr 2015!

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Tauentzienstr.にて(2014年12月26日)

新年あけましておめでとうございます。

昨年はいつになく時間が経つのが早く感じられました。特に9月から12月中旬まではこれまで経験したことがなかったほどめまぐるしい日々でしたが、お仕事に恵まれ、充実した年を送ることができたように思います。本業の執筆の方では、この秋は多くの方にインタビューする機会がありました。少しずつですが、自分が本当に書きたいテーマのお仕事もいただくようになり、今後もたゆまず努力していきたいと思っています。

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ベルリンは12月28日に初雪が降り、一面雪景色となりました。翌29日のシェーネベルク地区のアカーツィエン・シュトラーセの様子。

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大晦日にスーパーに行ったら、パンコーナーに行列ができていました。ドイツは地域差があって一概には言えないのですが、ベルリンではこの日にプファンクーヘンPfannkuchenと呼ばれる揚げパンを食べるのが伝統です。一番ポピュラーなのはジャム入りのものですが、昨日は卵入りリキュール(左)やチョコ入りなど、いろいろな種類のものが店頭に並んでいました。部屋の掃除を終えてから、私はリキュール入りのパンをほおばりました^^

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昨日は直前になっておもいがけずにベルリン・フィルのジルヴェスター・コンサートを聴けることになり、夕方妻とフィルハーモニーに足を運びました。同じプログラムの29日の演奏会を聴いたことは何度かありますが、31日のコンサートを聴くのはラトルが音楽監督に就任した2002年以来のこと。テレビ中継が入る大晦日の公演はやはり雰囲気が特別で、夢の中にいるようでした。ベルリン・フィルの第1ヴァイオリンの音のシャワーを間近に浴び、ラトルの表情を眺めつつ、メナヘム・プレスラーが弾く枯淡のピアノに酔いました。心から感動したので、また別の機会に感想を書きたいと思っています。

2015年は戦後70年。ベルリンに住む私にとっても、執筆の大きなテーマになるだろうと思います。早いもので、このブログも夏に10周年を迎えます。皆さまと世界の人びとにとって、幸せな1年となることを願いながら。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

by berlinHbf | 2015-01-01 20:28 | ベルリンのいま | Comments(4)

Frohe Weihnachten 2014

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今日12月26日はクリスマス休みの2日目。少し遅くなってしまいましたが、クリスマスの様子を何枚かお届けしたいと思います。

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1週間ほど前、知人のドイツ人家族のお宅へお邪魔しました。かれこれ10年以上いろいろお世話になっているフレンツェルさん夫妻。今年の夏にご主人が亡くなり、一番奥の椅子は空席のまま。それでも、奥さんのウラさんは、クリスマス直前に訪れた私たちを例年と同じように迎えてくださいました。

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ウラさんは可愛らしい小物や木の人形を集められていて、毎年少しずつ顔ぶれが変わっています。これは、チェコとの国境に近いハルツ地方のザイフェン(Seiffen)という村で作られたStriezelkinderという木の人形。貧しい子どもたちが自分で作ったおもちゃを売っている様子を描いたもので、このデザインの人形は1937年にパリの万国博覧会で金賞を獲得し、有名になったのだそうです。

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これもやはりザイフェンで作られたSeiffener Reiter(ザイフェンの騎手)という木の人形。

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これはRäuchermannといって、火を付けたお香を中に入れると、パイプの先から煙が出てくる人形ですね。

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ハルツ地方は鉱山の多い地域で、左の人形の頭には坑夫のマークが付いています。昔はこの人形を窓側に向けて、鉱山で働く男たちが家に帰って来るのを家族は待っていたのだそうです。クリスマスの人形から、昔の人びとの生活を想像するのもなかなか楽しいものです。

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この日はクリスマスのお菓子をたくさんいただきました^^。奥にはシュトレン、さらに隣に住むメヒティルトさんがケシの実を包んだケーキを焼いてきてくださいました。イヴの夜には、子どもと孫、総勢14人がウラさんのアパートにやって来るのだとか。いやいや、迎える側は準備が大変です^^;)

by berlinHbf | 2014-12-26 18:00 | ベルリンのいま | Comments(0)

第1アドヴェントはスウェーデン・マーケットへ

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この秋はかつてないほど忙しい日々を送っているせいか、明日からもう12月という時の流れの早さに唖然とします。これから長めの原稿のまとめに着手するため、あと2週間ぐらいは息が付けないのですが、第1アドヴェントの今日は気分転換を兼ねて近所のクリスマスマーケットに行ってきました。毎年スウェーデン教会(学校なども併設しています)で第1アドヴェントに行われるもので、今年も多くの人で賑わっていました。入り口で1ユーロの「入場料」を取られたのが昨年までと違うところ。

関連記事:
スウェーデン風味のクリスマス・バザー(2012-12-01)

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食べ物や雑貨の屋台を見た後、食堂で並んでいたら、突然照明が落とされ、スウェーデン人の女の子たちが歌を歌い始めました。真ん中の女性はろうそくを灯した冠を被っています。キリスト教の聖人ルチアを祝う聖ルチア祭の行列を初めて見ることができました。

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毎年ここで焼きたてのシナモンロール(1ユーロ)を食べるのが楽しみなんです^^)。ほかにも美味しそうな手作りのケーキがいろいろありました。

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2階に上がってみると、そこはスウェーデン教会のチャペルで、小さなパイプオルガンも備え付けられていました。窓の外を見ると、一際長い行列ができている屋台がありました。気になったので覗いてみたら、Elchwurst(ヘラジカのソーセージ)と。これもスウェーデンならではなのでしょうね。

by berlinHbf | 2014-11-30 23:17 | ベルリンのいま | Comments(2)

地下鉄の駅で見た夕日

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10月13日、地下鉄U2 Neu-Westend駅を上がったら、こんな夕日が広がっていた。2週間近く、撮影ロケの仕事に同行した最後の夜だっただけに、感動も大きかった。2枚目はオリンピア・シュタディオン方面。
by berlinHbf | 2014-10-17 17:39 | ベルリンのいま | Comments(2)

ベルリン、夏の終わりの日々

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Lustgarten (2014-08-28)

猛暑の日本から戻って2週間。ベルリンは予想外にいい天気が続いており、なんだかうれしいです。今回の一時帰国中に購入したソニーのコンパクトデジカメで撮った、最近の街の様子をいくつかご紹介したいと思います。

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最初の2枚は、建設が進むベルリン王宮(フンボルト・フォーラム)の様子。隣接する大聖堂の天蓋からは、こんな風に望めます。このペースで建設が進めば、ベルリンの新空港よりも早く完成するかも(?)。そういえば、ベルリンに戻った翌日、クラウス・ヴォーヴェライト市長が空港問題の責任を取って辞任を発表しました。私がベルリンに住んできた大部分の期間が、ヴォーヴェライト市長の任期と重なります。いろいろ批判もされましたが、マイノリティを大事にするヴォーヴェライト氏がこの街の市長だったことは、外国人の私にとって、何となく安心感がありました。

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一時期はすっぽり工事用の覆いが被さっていたカイザー・ヴィルヘルム記念教会も、ようやくここまで顔を見せるようになってきました。2010年から始まってもうかれこれ4年、ようやくこの11月に修復工事が完了する予定だそうです。

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8月末、久々にブランデンブルク門を訪れたら、パリ広場の前に新しいパネルが設置されていました。今年9月1日が第2次世界大戦の開戦から75年ということで(大戦は、ドイツがポーランドを侵攻したことにより始まりました)、Vernichtungskrieg in Polen(ポーランド掃討戦)に焦点を当てたもの。その横には、ドイツ語、ポーランド語、英語の3つの言語で無料の解説書が置かれていたのが印象に残りました。今回の一時帰国で、久々に広島・長崎の原爆の日や終戦記念日の前後を日本で過ごし、さまざまな報道に接しましたが、日本とドイツの過去の歴史の伝え方の違いに、改めていろいろ考えさせられた次第です。

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8月末のある日、ベルリン中央駅を利用したら、駅の真ん中のスペースに特設ステージが設けられ、現代音楽の音楽祭が開かれていました。もちろん入場無料です。時間の関係でリハーサル風景を見ただけですが、こういう開放的な文化イベントに接すると、「ベルリンに帰ってきたなあ」という気持ちを強くします。

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そして、ベルリン・フィルハーモニーでも2014/15シーズンが始まりました。私が最初に聴いたのは、ティーレマン指揮ドレスデン・シュターツカペレ。久々にフィルハーモニーの空間で音楽に浸り、充実した演奏と相まって、胸が熱くなる時間を過ごしました。開演前に立ち寄ったのが、9月2日にフィルハーモニーの前で除幕されたばかりの新しい記念碑。ナチス時代、ティーアガルテン通り4番地だったこの場所で、多くの人々がナチの安楽死政策の犠牲になりました。来年で終戦から70年になるいまも、このような身近な場所で、批判的な視点をもって過去の歴史と対峙する作業が続けられています。

by berlinHbf | 2014-09-08 18:34 | ベルリンのいま | Comments(1)

発掘の散歩術(43) -ベルリンでスタートアップ!-

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ベータハウス地上階にあるカフェの様子

ベルリン関連のニュースで、少し前くらいから「スタートアップ」という言葉を頻繁に耳にするようになった。IT系ベンチャー起業の拠点として、欧州の中で今ベルリンが注目されているのだそうだ。

と、言葉を並べてみても、ピンとくる方は少ないかもしれない。1990年代、ベルリンの壁崩壊後の混沌とした雰囲気や極めて安価な家賃でアトリエを借りられるとの理由から、世界中のアーティストがこぞってベルリンにやって来た時期があった。それと同じようなことが今、IT分野でも起こっていると考えれば分かりやすいだろうか。当時に比べると家賃はかなり上がったものの、パリやロンドンに比べると生活費は依然として安い。ベルリンでは英語も比較的通じるし、プログラミングやデザインの技能があれば、ITベンチャー事業の立ち上げには元手があまり掛からない。ゆえに、EU諸国や米国の若者たちが夢を求めてベルリンに集まって来るというわけである。

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もともと工場だった建物をリノベーションして造られたベータハウス

そんな中、今注目されているのがコワーキングスペースだ。先日、ベルリンでもこの分野で最大級の「ベータハウス」を訪れた。場所は、近年再開発が進んだ地下鉄U8モーリッツ広場駅近く。一度は通り過ぎてしまったほど目立たない外観だが、中へ入ると空気は一変する。

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地上階はカフェになっており、ゆったりとしたスペースの中でPCに向かって作業している人の姿が見られる。建物の1階から5階には、アトリエ、大小様々のオフィス、ワークショップが行われるイベントスペースなどが備わっている。照明のデザインが面白い。壁や机には木材が多用され、居心地は良さそうだ。もちろん全館Wi-Fi完備。1カ月の利用料は159ユーロで、別料金で郵便の受け取りサービスもある。プログラマーやデザイナー、建築家、ジャーナリストといった職種の人がちょっとしたオフィスを構えることを考えれば、魅力的な条件かもしれない。掲示板には、フリーランサーの名刺やスタートアップの人材募集といったチラシがそこかしこに貼られていた。コワーキングスペースは、仕事の情報交換やスカウティングの場としても機能しているというわけだ。

かつてベルリンの壁が建っていたベルナウアー通りの一角では、欧州におけるITの大規模なハブとなる建物「Factory」の建設が進んでいる。その工房は、米グーグル社が100万ユーロ(約1億4000万円)の投資をしたことでも話題になった。もっとも、プラス面の話題だけではない。家賃が急激に高騰している現在のベルリン。IT関係者の流入による物価上昇に伴い、活発な不動産投機が追い討ちを掛けて、今後家賃がさらに上がる可能性もある。そうなると、ITのハブは東欧方面に移っていくかもしれない。

ベルリンのITシーンの面白さに惹かれ、2012年にこの街に移住してきたフリーランス・イラストレーターの高田ゲンキさんは、「シリコンバレーに代表される北米のストイックな文化とベルリン特有の緩い空気が、今後どのように混ざり合っていくのか興味深い」と語る。2014年もベルリンのITシーンは流動的であり続けるだろう。多種多様な人と文化の融合に、今後も注目していきたい。
ドイツニュースダイジェスト 2月7日)


Information
ベータハウス 
Betahaus


2009年にオープンしたクロイツベルク地区のコワーキングスペース。興味のある方には、毎週火曜17:00と木曜の11:30に行われる無料の見学ツアー(英語)がお勧め。情報交換のための朝食会も定期的に開催。ベルリンのスタートアップの分布を示したマップ(http://berlinstartupmap.com)を参照すれば、この街における現在の活況を実感できる。

オープン: 月~金8:00~20:00
住所: Prinzessinnenstr. 19-20, 10969 Berlin
URL: http://betahaus.de


ザンクト・オーバーホルツ 
St. Oberholz


地下鉄U8ローゼンターラー広場駅の目の前に位置し、ベルリンではWi-Fi無料カフェの先駆けとして知られる。天井の高い1階と2階では常にPCで作業する人で賑わっており、まさにコワーキングな雰囲気。2011年からは、その上階にあるオフィス、アパートメントを貸し出すサービスも行っている。

営業: 月~木8:00~24:00、金土8:00~翌3:00、日9:00~24:00
住所: Rosenthaler Str. 72a, 10119 Berlin
電話番号: 030-2408 5586
URL: www.sanktoberholz.de
by berlinHbf | 2014-02-09 23:53 | ベルリンのいま | Comments(2)

Frohes Neues Jahr 2014!

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Pariser Platz (2013-12-31)

新年あけましておめでとうございます。
晴天に恵まれた大晦日のベルリンの様子を何枚かお届けします。昨日は5度以下まで気温は下がりましたが、今冬はまだほとんど雪が降っていません。ブランデンブルク門周辺はジルベスター・パーティーを前に、いつになく多くの人で賑わっていました。

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夜は佐渡裕さん指揮ベルリン・ドイツ交響楽団(DSO)のコンサートを聴きました。DSOは大晦日の昼夜2回のジルベスター・コンサートをドイツのサーカス団Roncalliと共演するのを恒例としていて、今回が10周年なのだとか。ドヴォルザーク、バーンスタイン、ハチャトリアン、ホルスト、ヨハン・シュトラウス、ドビュッシー……。さまざまな音楽に合わせて、サーカス芸が繰り広げられるのですが、これが本当に楽しい。一言でサーカスと言っても、超絶技巧のジャグリングから、ピエロによる余興、本物の鳥やポニーが演じるもの、中国雑技団のような青年が輪っかに次々に飛び込んでいく芸等々、内容は実に多彩。ドビュッシーの「月の光」に音楽に乗って、棒につかまった男の人が腕力だけで無重力状態のような体勢を演じる芸には誰もが息をのみました。もっとも、芸と演奏の終わりのタイミングをピッタリ合わせるのがなかなか難しく、音楽が終わったのにポニーがまだグルグル回り続けていたということはありましたが(笑)、相手が動物ですからこれはご愛嬌。佐渡さんの指揮は躍動感といい意味での野性味にあふれ、もう一人昔からファンだったメゾソプラノのアンネ・ゾフィー・フォン・オッターの歌が、この夜を一層華やかなものにしていました。オペラのアリアでの素晴らしさはもちろん、ガーシュインの「They Can't Take That Away From Me」などで見せた芸達者ぶりも圧巻!ほかのお客さんと一緒に驚き、感動し、笑いながら今年最後のコンサートを締めくくることができたのは幸せでした。

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こちらが会場のTempodrom。本当にサーカス小屋のような外観をしています。19時から始まったコンサート。会場を出るのは22時近くになっていて、爆竹の爆音に内心ビクビクしながらも何とか無事帰宅。ブランデンブルク門前のカウントダウンはテレビで見ました。

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エーベルト通りに刻まれた壁の跡

2014年はどんな年にあたるのかと思ってちょっと調べてみたところ、まずベルリンの壁崩壊・平和革命から25周年(ほんの少し前に壁崩壊20周年だったのに早い!)。ドイツ関係ではそれ以外に、リヒャルト・シュトラウス生誕150周年、カール・フィリップ・エマニュエル・バッハの生誕300周年、あと小さいところだとベルリン−東京姉妹都市提携20周年というのもあります。第一次世界大戦の開戦から100周年というのも、振り返る機会がきっと用意されるだろうと思います。こういう時代だからこそ、平和の意義を考えながらじっくり伝えていきたいです。

私がフリーのライターになってからちょうど5年が過ぎ、そろそろ駆け出しの時期は終わったなと最近実感します。今年はもう一度初心に返り、日々の仕事だけでなく、時間をかけて作品として残していきたい仕事、どちらも1つ1つ大切に取り組んでいきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い致します。
by berlinHbf | 2014-01-01 21:22 | ベルリンのいま | Comments(5)

ベルリンのクリスマス2013

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Domäne Dahlem (2013-12-21)

今年はなかなかクリスマス気分を味わう機会がなかったのですが、本番間近の頃になってようやくいくつかのクリスマスマーケットを巡ることができました。第4アドヴェントの土曜日に訪れたのは、地下鉄U3ダーレム・ドルフ駅近くのドメーネ・ダーレム。ここは以前、農村生活を味わえる場所として紹介したことがありますが、やって来たのは久々でした。

関連記事:
発掘の散歩術(9) -ドメーネ・ダーレムで体感する農村生活- (2011-04-28)

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ドメーネ・ダーレムでは第1から第4アドヴェントまでの週末、クリスマスマーケットが行われていました。入り口で入場料2ユーロを取られますが、ここのマーケットは商業色が薄く、手作りのものやオーガニック食品を扱った屋台が多く並んでいます。

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屋台で買って食べたジャガイモはここで栽培されたものだそうで、小ぶりながら濃い味わいがしました。定番のグリューワインを飲もうと思ったら、果実酒の屋台があったので、試してみることに。コケモモから作られたというホットワイン。今年のクリスマスは幸い比較的温暖で、金管アンサンブルによるクリスマスソングを座って聞いていても寒さが苦になりません。

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こちらは過去に何度かご紹介したポツダム広場のショッピングモールArkaden内の豪華なツリー。久々に行ったら、地下のスーパーKaisersがReweに変わっていたり(!)、出口前の昔よく使っていた写真屋がなくなっていたりといくつかの変化を感じました。

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Arkadenの入り口に置かれていたピラミッド。

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今日25日は、今年再オープンになったベルクグリューン美術館を訪れた後、目の前のシャルロッテンブルク宮殿のマーケットへ。小雨がぱらついていましたが、かなりの人手でした。

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ここでの今年の目玉は、ドイツ人の知人もお勧めのクリッペ(キリスト降誕を情景を描いたうまやの模型)。樹齢200年近くのナラの木から作られた立派なもの。キリストを取り巻く人々も等身大(!)で忠実に描かれており、確かにこれは素晴らしい見物でした。

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食べ物でおいしかったのは、サーモンをグリルにしてサラダと一緒に挟んだパン。やわらなくジューシーなサーモンでした。シャルロッテンブルク地区はロシア系住民も多いので、心なしかスラブ系の言葉を頻繁に耳にした気もします。

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日本ではもうお正月への準備が始まっているのでしょうが、ドイツでは明日26日までがクリスマス休暇です。Frohe Weihnachten!
by berlinHbf | 2013-12-25 22:25 | ベルリンのいま | Comments(0)

「水晶の夜」事件から75年

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Tauentzienstr. (2013-11-08)

昨日の夕方、クーダムから伸びるタウエンツィエン通りを歩いていたら、いくつもの商店のショーウィンドウに、割れたガラスをモチーフにした透明のシールが貼られているのに気付きました。

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このことを今日ブログで紹介しようと思っていたのですが、早速時事通信が報じていました。

反ユダヤ暴動を再現=「水晶の夜」から75年―ドイツ
時事通信 11月9日(土)16時25分配信
 【ベルリン時事】ドイツでナチス政権下の1938年に反ユダヤ主義暴動「水晶の夜」が発生してから75年となる9日、ベルリン中心部の商店や飲食店のショーウインドーに、ガラスが割れたように見える粘着シートが貼り付けられた。惨状を再現することで、市民が一丸となって差別や偏見に立ち向かう姿勢を示すのが狙いで、国内最大の高級デパート「カーデーウェー」など約140店が参加した。
 38年11月にフランス滞在中のユダヤ人青年が在仏ドイツ大使館の書記官を殺害したのをきっかけに、ナチス支持者が9日夜から10日にかけ、ドイツ全土でユダヤ人商店を襲撃し、シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)を焼き打ちした。割れたガラスが月明かりに照らされてきらめいた様子から、事件は「水晶の夜」と呼ばれる。事件後、ユダヤ人約3万人が強制収容所に送られた。
 粘着シートが貼られたのは、ベルリンの中でも特に被害が大きかったクーダム通りやアレクサンダー広場など3地区の店舗。主催団体の担当者は「恐ろしい時代に対する若い世代の関心と理解を深めたい」と話す。 

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これは先月、ベルリン大聖堂の前の様子。いずれも、2013年のベルリン市のイヤーズ・テーマ「破壊された多様性」として行われているもので、「水晶の夜」75周年の今週末は特に多くの行事が行われるようです。

関連記事:
「破壊された多様性」について考える年 (2013-05-26)

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今、地下鉄の駅でよくこのような大きなポスターを見かけます。"Vielfalt ist Freiheit"(多様性とは自由)と書かれています。ポスターの情報によると、今日の15時「赤の市庁舎」前からスタートして「つまづきの石」を掃除しながら散歩するという行事が行われます。明日10日の17時からはブランデンブルク門前でも大きなイベントが行われるそう(若者たちが作った映画の紹介、インゲ・ドイッチュクローンさんら生存者の証言、ヴァイオリンのダニエル・ホープの演奏など)。詳しくはこちらにて。

関連記事:
アウシュヴィッツへの旅(5)-「つまずきの石」ドキュメント(上)- (2008-02-22) 
アウシュヴィッツへの旅(6)-「つまずきの石」ドキュメント(下)- (2008-02-27)

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久々に歩いたクーダム。かれこれ3年以上修復工事中だったカイザー・ヴィルヘルム記念教会の屋根部分が、ようやく顔を覗かせています。

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昨夜はコンツェルトハウスで、バーンスタインとマーラーの演奏会を聴きました(奇しくも両方ユダヤ系の作曲家ですね)。ジャンダルメンマルクトの広場では、大きなクリスマスツリーの上でイルミネーションの取り付け作業が行われていました。
by berlinHbf | 2013-11-09 12:23 | ベルリンのいま | Comments(0)

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