ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
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(Amazon、全国各書店にて発売中)

本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

Amazonにてネット購入ができます。



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豊富なビジュアルとドイツ語フレーズを楽しめる1冊。基本のあいさつ表現から、街にまつわるドイツ語豆知識まで、ガイドブックとともに旅に役立つ会話集です。




『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド 』
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ダイヤモンド社
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地球の歩き方シリーズ初、待望のベルリンガイドブック誕生!比類なき歴史を抱えつつ、明日へ向かって日々進化し続ける首都ベルリン。「ドイツで最もドイツらしくない」といわれるこの町の知られざる魅力を、現地在住著者が12のエリアにわけて徹底紹介。


現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

ベルリン更新情報
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ベルリン個人ガイドのご案内

執筆、ガイド、コーディネートなどのご依頼、お問い合わせはこちらまで(これまでの出版・寄稿実績)→
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カテゴリ:ベルリン音楽日記( 149 )

ベルリン・フィル八重奏団の来日公演

今週末からベルリン・フィルの八重奏団が日本で短期間のツアーを行います。原発事故の影響で2人のメンバーが来日をキャンセルし、一時はツアーの開催も危ぶまれたそうなのですが、ヴァイオリンのラティツァ・ホンダ=ローゼンベルクさん(ベルリン芸大教授)とホルンのシュテファン・イェジェルスキさん(ベルリン・フィル)が代役を引き受けて予定通り来日が実現することになったという経緯があります。ご縁があって、私がベルリンを発つ前にこのお2人にインタビューをさせていただく機会がありました。彼らの音楽的なルーツから、震災後日本のためのチャリティーコンサートで感じたこと、今回の日本行きの想いまで、とても印象深いお話を伺うことができました。

シュテファン・イェジェルスキさん(ヴァイオリン)
ラティツァ・ホンダ=ローゼンベルクさん(ホルン)

現在ベルリンを公式訪問中の皇太子殿下が、震災後チャリティーコンサートなどを通してのドイツ側の支援に感謝の気持ちを述べられたというニュースを目にしましたが、来日演奏家のキャンセルが続く中で急遽出演を引き受けたこの2人の音楽家の話と重なるところあったので、ここで紹介させていただきました。27日のオペラシティでのコンサートは私も聴きに行くつもりです(ツアーの詳細はこちらより)。

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by berlinHbf | 2011-06-26 00:48 | ベルリン音楽日記 | Comments(5)

指揮者・山田和樹さんのドイツ・デビュー

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ベルリン放送交響楽団とのリハーサルで指示を飛ばす山田和樹さん ©Marco Borggreve

2月11日、ある日本人音楽家がベルリンでデビューを飾りました。指揮者の山田和樹さん(32歳)。2009年にブザンソン国際指揮者コンクールに優勝したことで躍進し、昨年はサイトウ・キネン・オーケストラやパリ管弦楽団などの著名なオーケストラを指揮して大きな成功を収めた、今最も注目を集めている若手指揮者の1人です。すでに欧州でも本格的に活動している山田さんですが、ドイツで指揮をするのは今回が初めてとのこと。その記念すべきデビュー公演に立ち会うことができました。

当夜の会場は東駅から徒歩5分の複合文化施設、ラディアルシステムV。テレビの司会などでも有名なカバレティストのヘルベルト・フォイヤーシュタインさんが進行役となってベルリン放送交響楽団が演奏する、ユニークな趣向のコンサートでした。

冒頭、まだどこか初々しさの残る山田さんがオッフェンバックの《青ひげ》序曲を颯爽と指揮すると、いきなりブラボーの声が飛び、会場は期待感に包まれます。フォイアーシュタインさんが、オペラにおける愛の形を政治風刺も交えながら語り、お客さんから笑いを誘ったかと思うと、山田さんはビゼーの《カルメン》や、R.シュトラウスの《バラの騎士》組曲、ショスタコーヴィチの《ムツェンスク郡のマクベス夫人》組曲を振って、日頃オペラを演奏することはほとんどないこのオーケストラから、きらきらした色合いとドラマチックな響きを引き出していました。後半は有名な《モルダウ》を含むスメタナの交響詩《わが祖国》から3曲ほかを指揮し、山田さんのことを知らないおそらくほとんどの聴衆の心にも、鮮やかな印象が残るコンサートだったと思います。

その数日後、数年前から山田さんが拠点とするベルリンのご自宅でお話を伺いました。目まぐるしく動いた昨年、そしてクラシック音楽の今後にも話題が移ります。「つい最近、ナントのラ・フォル・ジュルネ音楽祭に出演する機会があったのですが、お客さんはいっぱいだし、すごい熱狂ぶりでした。でも、この中で日頃からコンサートに足を運ぶ人はどのぐらいいるのだろうかとも感じました。いかにしてファンやリピーターを増やすことができるか。それは自分のオリジナリティーをどこまで深められるかに掛かっていると思います」。

今年から来年にかけて、山田さんは首席客演指揮者への就任が決まったスイス・ロマンド管弦楽団のほか、パリ管弦楽団、ドレスデン・フィル、プラハ交響楽団、バーミンガム市交響楽団など、欧州の名門オーケストラへの客演が決まっています。今後の夢について聞いてみたところ、こんな答えが返ってきました。「オペラをやりたいですね。そして、いつかベルリン・フィルやウィーン・フィルを振ってみたい。できれば60、70歳になっても継続的に指揮できるような存在でいたいです」。

やさしい語り口調の中にも音楽への飽くなき情熱が垣間見える山田さん。今後の活躍に目が離せません。
ドイツニュースダイジェスト 3月18日)

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by berlinHbf | 2011-04-02 13:37 | ベルリン音楽日記 | Comments(4)

ベルリン・フィルから日本へのメッセージ

クラシック音楽ファンの方はすでにご覧になっているかもしれませんが、昨日ベルリン・フィルがYouTubeを通して被災した日本の皆さんにメッセージを送っています(こちらでご覧になれます)。1人目は流暢な日本語を話すことで知られる第1ヴァイオリンのゼバスティアン・ヘーシュさん、そして2人目が音楽監督のサイモン・ラトルさん。ヘーシュさんによる日本語のメッセージは、ほぼご自分で書いたものだそうで、日本語としては完璧ではないかもしれませんが、とても心に沁み入る内容と語り口だと思います。以下がそのメッセージです。


Skript der Videobotschaft von Sebastian Heesch,
1. Geiger der Berliner Philharmoniker

日本の皆様、こんにちは。ベルリン・フィルの一員として伝えたいことがあります。
1957 年の最初のカラヤン指揮者の日本への演奏旅行から、日本のお客さん、日本の国民と言っていいでしょうか、とベルリン・フィルの友情が出来て、深まって来ました。それ以来、沢山の演奏旅行が行なわれて、数え切れない日本人の観光客と音楽のファンがベルリンにいらして、多くの団員は個人的にも日本とかかわって、私たちに日本人の友達がたくさん出来ました。何十年も前から日本人の団員も何人かいます。あんなに遠いのに、日本は僕たちベルリン・フィルにとって親しい国、そして恋しい二つ目の故郷になりました。
そこで、その日本という、僕たちの世の中の一番誠実な親友は今あんな恐ろしい運命に遭いました。私たちは心から被災者のことを悲しんでいます。そして、生き残った方たち、生き残った日本、どうにか立ち直る力がみつかりますように、お祈りしています。

Skript der Videobotschaft von Sir Simon Rattle

私たち音楽家は、何かを言いたい時には、普通は音楽そのものに語らせるものです。しかし時には、言葉でしか表現できないこともあります。今ヘーシュさんが言ったように、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は、団員のひとりひとりが、日本に長く深いつながりを持っています。この数日間、私たちは被災地の状況を目にしましたが、惨状に非常に心を痛めています。近い将来に、より具体的にお力になれるよう、努力してゆくつもりですが、まずここで、「私たちが日本に想いを馳せている」ということを、お伝えさせてください。この厳しい状況において、皆様はひとりではありません。私たちの音楽が、皆様に少しでも慰めを与えますよう、そして今年11月には、日本で再びお会いできますよう、心から祈っております。その日まで、私自身、そして団員全員より、精神的な支援と、深い愛情をお送りいたします。

---------------------------------
なお、昨日から18日までのベルリン・フィルの定期演奏会(ハイティンク指揮)では、日本への追悼の印として、冒頭にルトスワフスキの「弦楽のための葬送音楽」が奏でられるそうです。

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by berlinHbf | 2011-03-17 15:02 | ベルリン音楽日記 | Comments(7)

ベルリン・フィルメンバーのチャリティーコンサート(3/19)

フィルハーモニーで働く知人より、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)主催のチャリティーコンサート(「日本のためのコンサート」)の案内をいただきました。

日時と場所:
3月19日(土)の22時30分からカイザー・ヴィルヘルム記念教会にて。

出演:
アルブレヒト・マイヤー(オーボエ)、ベルリン・フィル12人のチェリストたち、コリヤ・ブラッハー(ヴァイオリン)、コンチェルト・メランテ、ドロテー・ミールズ(ソプラノ)。

曲目:バッハ、ヴェルディ、ラベル、ペルト他。

入場は無料で、チャリティーを募るとのことです。

以下ドイツ語の案内を貼り付けます。最後の„Japanhilfe“の下に書かれているのは、IPPNWの震災募金の口座情報です。

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Mitglieder der Berliner Philharmoniker
Ein Konzert für Japan

Samstag, 19. März 22:30 in der Kaiser-Wilhelm-Gedächtnis-Kirche-Berlin


Begrüßung: Prof. Wolfgang Huber, Bischof aD (angefragt)

Albrecht Mayer, Oboe - Die 12 Cellisten der Berliner Philharmoniker - Kolja Blacher, Violine - Concerto Melante und Dorothee Mields, Sopran

Werke von Bach, Verdi, Ravel, Pärt u.a.

Eine Veranstaltung von IPPNW-Concerts (Internationale Ärzte für die Verhütung des Atomkrieges) und der Gemeinde der Kaiser-Wilhelm-Gedächtnis-Kirche-Berlin

Eintritt frei, Spenden erbeten.

IPPNW
„Japanhilfe“
Kontonummer 222 22 55
BLZ 100 205 00 bei der Bank für Sozialwirtschaft

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by berlinHbf | 2011-03-16 00:06 | ベルリン音楽日記 | Comments(0)

ポツダムで聴くフリードリヒ大王の音色

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Nikolaisaal Potsdam

ベルリンでクラシックのコンサートに行くとなると、どうしてもフィルハーモニーかコンツェルトハウスが中心になる。もちろん教会のコンサートもたくさんあるし、時にはクラブが会場になることもある。でも、考えてみたら、ベルリン広しといえども本格的なコンサートホールとなるとこの2つしかない。大変贅沢な悩みではあるのだが、たまには違う場所で音楽を聴いてみたくなる。そんな時にこんなコンサートを見つけた。カンマーアカデミー・ポツダムのシンフォニーコンサートで、指揮がピノック、フルート独奏がベルリン・フィルのパユというもの。そうだ、ポツダムへ行こう!

ポツダムへはSバーンでも行けるが、30分に1本出ている赤のレギオナールバーンの2階席に乗ると、少しは旅行気分が味わえる。とはいえ、ポツダムへの距離感はなかなか微妙なものがあり、ツォー駅からわずか19分でポツダム中央駅に着いてしまう。1時間ぐらい乗れれば、もう少しゆっくり本を読んだり、寝たりということができるのになあと思うが、わずか20分で全く違う雰囲気の街に来たという実感を持てるのだから、やはりポツダムは魅力的。

中央駅からトラムに乗ってアルター・マルクトへ。当夜の会場であるニコライザールは、この広場の前のニコライ教会のことかと思っていたが、そうではなく、ここから徒歩5分ぐらいのWilhelm-Staab-Str.という通りにある。背の低い古典主義様式の建物が壮麗にずらりと並ぶ中の一角に、コンサートを聴きに来た客が次々に入って行くが、一見してここがコンサートホールとは思えない。中庭を抜けた奥にもう1つ建物が面していて、そこがホワイエになっている。お客さんの年齢層はベルリンに比べるとかなり高めか。ベルが鳴って人の流れに沿ってさらに奥へと行くと、まるでポツダムのアインシュタイン塔の曲線を思い起こさせる、どこか表現主義的な(?)斬新なホールが姿を現した。入り口からこの内装は想像できなかったから、新しいホールとの出会いは面白い。

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この夜はプログラムがまた魅力的。最初と最後にハイドンの序曲と交響曲「オックスフォード」が置かれ、その間にカール・フィリップ・エマヌエル・バッハの短いシンフォニア、そしてベンダとクヴァンツのフルート協奏曲が並ぶ。つまり、フリードリヒ大王のチェンバロ奏者、ヴァイオリンの名手(コンサートマスター)、フルート教師という、大王の側近にいた音楽家の作品を続けて聴けるという趣向。実はほぼ同じプログラムのコンサートがベルリンでもあったのだが、フリードリヒ大王の宮廷文化に憧れを抱く私としては、ぜひともポツダムで聴いてみたかった。

全曲に渡って、ピノックが立ってチェンバロを弾きながら指示を飛ばす室内オケの躍動的な響きが素晴らしい。特に、パユが吹いた2曲のフルート協奏曲は圧巻だった。ベンダのホ短調の協奏曲は冒頭から強い表現意欲を感じる作品で、この時代に生まれたフルート音楽の水準の高さを再認識したし、クヴァンツの協奏曲は上品な中にどこかユーモアも感じられて、大王のくつろいだ姿が見え隠れする。パユのフルートの音の空間の広がり方は今更ながらすごいと思う。極小のピアニッシュモ1つ取っても、その響きの豊かさでオーケストラと完全に渡り合っている感じ。そして彼の楽器を口に付ける時のあの「自然さ」は何なのだろう。少なくとも「楽器を構える」という感じじゃないんだよなあ。ちなみに、ニコライザールの休憩時のチャイムはフリードリヒ大王が創案したあの「音楽の捧げもの」(大バッハ)の冒頭のメロディーで、思わず微笑んでしまった。

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かなり大きなホールだったのに、このユニークな構造ゆえ、どこかの邸宅での私的コンサートを楽しんだかのような錯覚を覚える。通りに出ると、人気のない暗闇の向こうからカッポカッポと馬車の音が聞こえてくるような趣。ベルリンでのコンサートとはまた違う余韻を味わいつつ、ナウエン門の下にある「カフェ・ハイダー」で遅い夕食。たまには違う場所で音楽を聴くのもいいものである。来年はフリードリヒ大王の生誕300周年。ポツダムで「音楽のささげもの」でも聴けたら最高だろうなあ。

Sa, 19.02.2011 19:30 
Nikolaisaal - Potsdam

Joseph Haydn
Ouvertüre zu "Orfeo ed Euridice ossia L'anima del filosofo"
Carl Philipp Emanuel Bach
Sinfonie D-Dur Wq 183 Nr. 1
Franz Benda
Flötenkonzert e-Moll
Johann Joachim Quantz
Flötenkonzert G-Dur
Joseph Haydn
Sinfonie Nr. 92 G-Dur “Oxford”

Emmanuel Pahud Flöte
Trevor Pinnock Dirigent
Kammerakademie Potsdam

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by berlinHbf | 2011-02-28 23:54 | ベルリン音楽日記 | Comments(9)

角田鋼亮さんの卒業演奏会を聴く

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2月になると大学の冬学期も終わりに近づき、私の周りでも日本に完全帰国する友達がちらほら出てきましたが、その1人、指揮者角田鋼亮さん(HPはこちら)の卒業演奏会を最近聴いてきました(角田さんと知り合ったのはかれこれ5年ぐらい前で、その間このブログでも何度かご紹介してきました。下記参照)。彼はハンス・アイスラー音楽大学でディプロームを取得した後、国家演奏家資格課程(Konzertexamen)でさらなる研鑽を積み、この度コンツェルトハウスでの卒業演奏会(兼卒業試験)を迎えたわけです。

関連記事:
指揮者角田鋼亮さんインタビュー(1)(2) (2008.01)

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毎年2月に行われる卒業演奏会(Absolventenkonzert)に出演する学生は、コンツェルトハウス管弦楽団という一流のプロオーケストラと共演する機会が得られます。演奏されたのは、ブリテン、コルンゴルト、ショパン、チャイコフスキー。出演者のプロフィールを読むと、1980年前後に生まれた人が多く、国籍はフランス、ブルガリア、中国、ロシア、日本とさまざま。ドイツの音大なのにドイツ人が1人もいないというのには、何とも不思議な気がします。

この日は夕方にもう1つ用事があり、私は後半から聴くことになりました。かなり腕の立つ奏者でも、ステージマナーがまだどこかぎこちなかったりということはあるのですが、オーケストラの人たちはそんな若い音楽家の門出を温かく送ろうとしているのが、よく感じられました。

トリを飾った角田さんの指揮するチャイコフスキー作曲の幻想序曲『ハムレット』は、素晴らしかったと思います。曲全体を把握した丁寧な指揮ぶりは相変わらずで、十分にドラマチックでありながら、伝統的にロシア音楽に強いこのオーケストラから深みのある音色を引き出していたように感じました。

本人から本番後の写真撮影を頼まれ、掲載許可もいただいたので、あと何枚かその時の様子をご紹介します。

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見事なオーボエのソロを披露した奏者を立たせる場面。

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最後はオーケストラ側からも拍手を受ける。

審査員は、師のクリスティアン・エーヴァルト氏の他、ヴァイオリニストのコリヤ・ブラッハー氏やホルニストのノイネッカー氏など、そうそうたる顔ぶれだったそうですが、結果、最優秀の成績で、ドイツ国家演奏家資格を取得することになったとのこと。素晴らしいことですが、角田さんのTwitterにはこう書かれていました。「とはいえ全く浮かれていられず、『学生』という身分に終止符を打つことになるわけで、一層責任を持って一つ一つの音楽・仕事に向き合っていきたいと思います」。

角田さんと知り合ってから、指揮者という職業の一端を垣間見させてもらう機会がいろいろあったわけですが、印象に残っている彼の言葉の1つが、「どのオーケストラであっても、最初のリハーサルの前夜は緊張で寝られないことが多い。例えどんなに曲の事を勉強していても」というもの。そういえば、最近読んだ佐渡裕さんのインタビューでも、似たような言葉に出会いました。「僕らの仕事は1回ごとに新しいものを創っていく連続なので、根拠のない自信はもてないです」(Skyward誌。2010年8月号より)。

棒1本で世界を渡って行く指揮者という仕事の魅力、そしてその厳しい世界に思いが至ります。実際、例えばこのコンツェルトハウス管弦楽団の定期演奏会に客演指揮者として呼ばれるのは、相当大変なことなのだと想像しますが、現在30歳の角田さんのプロの指揮者人生はまだ始まったばかり。定年のない指揮者の世界では、彼はあと半世紀ぐらい(!)は振り続けることになるわけで、時間をかけてじっくり音楽を熟成させていってほしいと願っています。日本でもヨーロッパでも、またいつか角田さんの創る音楽に耳を傾けるのが楽しみです。まずは、卒業おめでとう!

Absolventenkonzert der Hochschule für Musik »Hanns Eisler« Berlin
Konzerthausorchester Berlin
Adrian Pavlov
Rustam Samedov
Jiannan Sima
Kosuke Tsunoda

Guillaume François Tenor
Alec Frank-Gemmill Horn
Zhijiong Wang Violine
Nadeshda Tselouikina Klavier

Benjamin Britten Serenade für Tenor, Horn und Streichorchester op. 31
Erich Wolfgang Korngold Konzert für Violine und Orchester D-Dur op. 35
Fryderyk Chopin Rondo à la Krakowiak für Klavier und Orchester F-Dur op.14
Fryderyk Chopin Variationen über »La ci darem la mano« für Klavier und Orchester op. 2
Pjotr Tschaikowsky »Hamlet« Fantasie-Ouvertüre nach Shakespeare op. 67

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by berlinHbf | 2011-02-06 22:21 | ベルリン音楽日記 | Comments(2)

ベルリン放送響で聴くヤナーチェク2曲

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ベルリン放送交響楽団の演奏で、レオシュ・ヤナーチェクの作品を2曲聴く機会があった。

まず、昨年11月20日に聴いた〈グラゴル・ミサ〉。指揮は音楽監督のヤノフスキ。このミサ曲はベルリンでもめったに演奏されることがない。2000年9月にラトルがベルリン・フィルを指揮したのと(私がベルリンに来る直前で聴けなかった)、2003年春にギーレンがベルリン響を振ったのと(これは聴いたがあまり印象に残っていない)、他にあったかないか。実は学生時代に、あるアマチュアオケでこのミサ曲を演奏したことがあるのだが、独特のアクの強さ(?)が耳から離れず、〈シンフォニエッタ〉に比べてその時もあまり深くのめり込めなかった。でも、そうそう実演に触れることのできない曲だからと、チェコ文化を研究している友達と今回聴きに行ってみたら、これが実に素晴らしかった。

まず冒頭、荘厳なファンファーレではなく、快速でエネルギー全開の「イントラーダ」(通常は一番最後にくる)で始まったものだから、椅子から転げ落ちそうになった。プログラムをよく見ると、1926/27の初稿版とある。これは初めて聴くものだった。「グロリア」もCDで聞き慣れている音楽に比べて、響きの生々しさにおいて際立っている。印象的だったのは、「クレド」の中間部に出てくるクラリネット3本のソロ(ソリ?)で、バンダとして舞台後方の客席の場所から演奏させていたことだ。この部分の歌詞を読むと、「主はわれら人類のため、またわれらの救いのために天よりくだり」とあり、ヤナーチェクはまさに天上からの響きをイメージしてあのメロディーを書いたのだろうと納得した。そういう叙情的な部分も素敵だったのだが、このミサ曲全体にみなぎる荒々しさ、そしてはち切れんばかりの生命力は一体どう表現したらいいのだろう。ヤノフスキ&ベルリン放送響は、昨年のベートーヴェン・チクルスで見せた好調さを持続し、私のこの曲に対するイメージを刷新してくれた。同放送合唱団のマッシブでありながら透明感のあるコーラスも万全。最後2曲のあのかっこいいオルガンソロ、そして冒頭にも奏でられた「イントラーダ」には本当に興奮した。ヤノフスキはすごい形相で追い込みをかけるし、金管群はもうノリノリ状態(笑)。この日の演奏は、DeutschlandradioによりCD化されるそうなので、改めてじっくり聴き直すのが楽しみでならない。

MAREK JANOWSKI
Aga Mikolaj | Sopran
Iris Vermillion | Alt
Stuart Neill | Tenor
Arutjun Kotchinian | Bass
Iveta Apkalna | Orgel
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
Rundfunkchor Berlin

Paul Hindemith
Sinfonie "Mathis der Maler"
Leoš Janáček
Glagolitische Messe für Soli, Chor, Orgel und Orchester
(Erstfassung von 1926/27, Herausgeber: Paul Wingfield)


1月23日に聴いたのは、日本でもおなじみのゲルト・アルブレヒト指揮の〈シンフォニエッタ〉。私はこの人の実演に接するのは確か初めてなので、かつてどういう指揮ぶりだったのかはわからないのだが、大分お歳を召されたなあというのが正直な感想。棒は時にやや安定感を欠き、コンサートマスターが必死にリードを取ろうとしているように見えた。演奏は、ヤノフスキとはかなり対極的。冒頭の金管のファンファーレは、オケの一部として座らせて吹かせていたし、3楽章中間部のフルート4本が荒れ狂う場面では、ほとんどインテンポでさらりと進むので正直拍子抜け。純音楽的というか、この曲の祝祭的でスペクタクルな要素を極力排した演奏に感じられた。ではつまらなかったかというと、そんなこともなく、内側から自然と音楽が沸き上がってくるところなどは捨てがたい魅力があったし、最後はやはりホール全体が高揚感に包まれた。とはいえ、私が実演で接することができた故マッケラスとラトルの演奏(どちらもベルリン・フィル)は、やはり特別だったと実感する。

余談だが、ホールでの休憩中と、終演後にクロークで待っている間、近くで誰かが〈シンフォニエッタ〉の冒頭部分を口笛を吹いているのが耳に入ってきた。多分別人だとは思うけれど、やはりあの冒頭のメロディーは誰でも一度聴いたら耳について離れないのですね^^。

ちなみに、それぞれ前プロに演奏されたヒンデミットの〈画家マティス〉とツェムリンスキーの〈叙情交響曲〉も充実した演奏だった。どちらもヤナーチェクの曲と初演が数年しか違わないのが興味深い。特に後者はバリトンのフランツ・グルントヘーバーの深い味わいのある歌唱が素晴らしかった。

GERD ALBRECHT
Camilla Nylund | Sopran
Franz Grundheber | Bariton
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin

Alexander Zemlinsky
Lyrische Sinfonie für Sopran, Bariton und Orchester op. 18
auf Gedichte von Rabindranath Tagore
Leoš Janáček
Sinfonietta für großes Orchester

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by berlinHbf | 2011-01-25 00:09 | ベルリン音楽日記 | Comments(3)

アンドラーシュ・シフの《ゴルトベルク変奏曲》

アンドラーシュ・シフのベルリンでの人気はすごい。数年前のベートーヴェンのチクルス、今シーズンのバッハ選集のシリーズと、毎回ほぼ例外なくチケットが売り切れてしまう。火曜日の《ゴルトベルク変奏曲》も早々にソールドアウトだったから半ば諦めていたのだが、数日前フィルハーモニーに行ってみたら22時から追加コンサートを行われることを知り狂喜乱舞。しかも、シフ自身の希望により、ハイチ地震のチャリティーコンサートで入場無料になったそうだ。運よくチケットは残っていて、幸運だった。

が、その直前に送迎の仕事でテーゲル空港に行ったところ、飛行機が1時間ちょっと遅れる旨が表示されており、真っ青になった。22時には絶対間に合わない。半分諦めかけたのだが、そこからは思っていたより早く事が進み、ポツダム広場から雪の中を急ぎ足で歩いて行くと、20分遅れで会場に着いた。演奏途中で中に入れるかどうかが心配だったものの、一番上のドアから室内楽ホールに入れてくれた。

シフの「ゴルトベルク」は全ての箇所を繰り返すので、まだ曲の序盤だった。やれやれ。緊張感から解放されて、最初はただ無心に音楽に耳を傾けていた。シフの演奏は、各変奏曲の違いをドラマチックに際立たせるというタイプのものではなく、どちらかというとしみじみ淡々としたものだ。一音で胸を鷲掴みにされたというわけではないものの、聴いているうちにじわじわと心に沁み入ってくる。変奏曲の間に時々長い沈黙が織り込まれるのだが、その沈黙までもが美しいと感じてしまう演奏だった。短調の第21変奏から、ふっと何かが解き放たれたかのように第22変奏に移った時、思わず涙腺が緩んでしまった。全曲で一番長大な第25変奏が終わってから、終曲までの展開も実に素晴らしい。普通なら早いテンポで前へ前へと進む第26変奏も、シフの手にかかると、夢幻のニュアンスをたたえた小品に生まれ変わる。湖上に浮かぶ白鳥を連想してしまう華麗な第28変奏、さすがに技術の高さを垣間見た第29変奏と歓喜で沸き立つ第30変奏。そして冒頭のアリアへの回帰・・・。2度目の繰り返しで、シフはほとんど装飾を外して弾いていた。全曲1時間15分ぐらいだったろうか。この上なく豊穣で、歌に溢れたバッハの世界だった。

最後の一音が消えて、かなり長い沈黙がホールを包み込む。この時間がまた心地よかった。拍手は鳴り止まず、聴衆は総立ちでピアニストを讃える。音楽同様、シフの舞台での振る舞いには飾り気がまったくなく、一晩で「ゴルトベルク」を2回弾き終えて、さすがにほっと安堵しているように見えた。22時開演の追加公演だったが、完全に満員。こういうところはさすがベルリンだと思う。音楽を心から求めて人が集まる空間は素敵だ。帰りは再び雪を踏みしめながらバス停まで歩いたが、心なしか寒さは感じなかった(ちょっと言い過ぎ?)。

Di 7. Dezember 2010 22 Uhr
KAMMERMUSIKSAAL
András Schiff Klavier

Johann Sebastian Bach
Goldberg-Variationen BWV 988

Eintritt frei, Spenden zugunsten von UNICEF und der Hilfe für die Erdbebenopfer in Haiti werden erbeten.

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by berlinHbf | 2010-12-10 16:26 | ベルリン音楽日記 | Comments(13)

最近のオーケストラの公演より

メモ書き程度ですが、ここ最近聞いたコンサートよりいくつか・・・

まず、9月に聞いたラトル指揮ベルリン・フィルの「プルチネッラ」全曲。これは圧巻だった。彼がハイドンなどで見せるような天性の輝き、いやそれをも上回っていたかも。とにかく雄弁極まりない。オケの合奏能力を生かし、筋肉隆々といった感じでパワフルに振ることもあれば、管楽器だけの「ガヴォット」など、ほとんど顔の表情だけで(?)指揮しているような曲もあった。それでいて、どんなキャラクターの曲でも、音楽が1つの求心力のもとにまとまっている。3人の歌手陣も巧みで、一緒に聞いていた音楽家の友達は、ラトルのベスト演奏の1つだと言っていたほど。

10月10日の佐渡裕さん指揮ベルリン・ドイツ響のコンサート。
前半は宮田まゆみさんを招いて笙の作品を2曲(武満と細川作品)。最初の「セレモニアル」。もう大分昔、この曲の初演をたまたまテレビで見ていたが、宮田さんはその時と変わらず凛としたたたずまいでいらっしゃる。やさしい息づかいが遠くからも伝わってくる繊細で重層的な笙の響きと、それに寄り添うたゆたうような弦楽器の波。普段ベルリンのコンサートホールでなかなか味わうことのできない時間の流れだった。お客さんの反応は、最初やや戸惑いも混じっているような感じだったが、黛敏郎の「バッカナール」になるとブラボーもかなり飛んでいた。後半のプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」は、佐渡さんの持ち味が出た好演。この曲は自分でも演奏したことがあるので、ついいろいろな思い出が蘇ってしまう。バルコニーのシーンの音楽とか、何度聞いてもうっとりとなるなあ。タイボルトの死の直前の場面では、もう少しで空中分解しそうなぐらいの高速テンポでハラハラしたが、これもライブの醍醐味。佐渡さんは4月にコンツェルトハウスで聞いた時よりも、動きがダイナミックで、今とても充実している様子が伺えた。

その1週間後は、ロジャー・ノリントン指揮ベルリン・ドイツ響のモーツァルトプログラム。交響曲の33番と36番「ハフナー」、間にピアノ協奏曲の22番という、少し地味ながら愛着のある作品ばかり。今回は楽器の配列が、いつにも増して独特だった。コントラバスが左右に半分ずつ分かれるだけでなく、木管楽器も舞台に向かって右にオーボエとファゴット。左にフルートとクラリネットと並び、彼らだけ立って演奏する。毎回楽しませてくれるノリントン、「ハフナー」のフィナーレでは、最後の最後というところで、曲のテンポに合わせてくるりと回転し、なぜかお客さんの方に向かって指揮。再びオケの方を向いて振るものの、最後の一音は再び客席に向かって決めのポーズ。今でもあの姿を思い出すと、笑いが込み上げてしまう。終演後、弦楽器奏者の知人が、「彼は一体何歳なの?心が若いわねえ」とふと話していた。ノリントンは来年春に再びDSOに客演し、マーラーの交響曲第4番を振るそうで、こちらも期待大。

最近は不況の影響からか、どこのオーケストラもお客さんを集めるのになかなか苦労しているようだ(ベルリン・フィルでさえ、ラトルが指揮する時以外、そういつもは完売にならないそう)。それに加えて、ベルリンの歌劇場のオーケストラのストライキも始まっており、コーミッシェ・オーパーでは後半がピアノ伴奏という公演もあったそうだ。今後が気になる。

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by berlinHbf | 2010-10-26 23:57 | ベルリン音楽日記 | Comments(5)

州立歌劇場の引っ越しの日

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この9月からいよいよ大規模な改装工事が始まったベルリンの州立歌劇場(Staatsoper)。丸3年間に渡る工事期間中は、西側のシラー劇場が仮の本拠地となるのですが、9月19日に行われた引っ越しは、その特別な趣向で話題を集めました。

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それは、州立歌劇場のあるミッテ地区からシラー劇場のあるシャルロッテンブルク地区へ、歌劇場の関係者が船に乗ってやって来るというものです。この日の夕方、船が到着するゴスコフスキー橋に行ってみると、すでに大勢の人々が周辺に集まっていました。そして18時頃、最初の船が着岸すると、周囲から大きな拍手で迎えられ、ベルリン・ドイツオペラの児童合唱団が歌で歓迎しました。シラー劇場はドイツオペラから徒歩10分ほどの距離で、この2つのオペラ劇場はしばらくの間、ご近所同士になるのです。音楽監督のダニエル・バレンボイムと劇場支配人のユルゲン・フリム夫妻が上機嫌で人々の前に姿を現すと、やがてシュターツカペレのメンバーや歌手、合唱団を乗せた計4隻の船も無事到着しました。

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今度はシラー劇場に舞台が移ります。フリムの掛け声で劇場のドアが開くと、待ち受けていた大勢のファンがなだれ込みました。“Kleine Nachtmusik”と題した入場無料のコンサートが皆さんのお目当てだったのですが、あまりの人混みで座れない人が続出。急遽舞台上にも椅子が組まれることになりました。その間、フリムが司会者となって開演までの間をもたせたのですが、そこで彼が始めたのが「劇場最初のリハーサル」。あるフレーズをお客さん全員に朗読させたり、上と下の階で分けてブラボーとブーイングを大音量で交互にさせたりと、この「音響チェック」により、演奏が始まる前から舞台の盛り上がりは最高潮に達しました。

やがて、シュターツカペレがバレンボイムの指揮で、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」を華やかに奏でると(サプライズでバレンボイムのピアノのアンコールも)、この歌劇場のお馴染みのソリストたちが数曲ずつアリアやリートを、そして最後は専属の合唱団が「カルメン」や「タンホイザー」などから壮麗な歌を歌い上げました。

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シラー劇場の前で入場を待ちわびる人たち

改装されたばかりのシラー劇場は、元々は演劇用の劇場のため客席がやや窮屈に感じられたものの、音響はなかなかのものです。今シーズン最初のプレミエは、先日惜しまれつつこの世を去った舞台・映画監督クリストフ・シュリンゲンジーフ演出の『メタノイア』。州立歌劇場の新しいシーズンから目が離せません。www.staatsoper-berlin.org
ドイツニュースダイジェスト 10月8日)

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by berlinHbf | 2010-10-11 23:34 | ベルリン音楽日記 | Comments(6)

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