ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
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現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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タヘレス 1909

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Johannisstraßeにて(2007年11月30日)

あるブログの読者の方から、「あなたの写真によく出てくる、ベルリンの荒涼とした風景に惹かれます」というご感想をいただいた。たまたま写真を整理していたら、ちょうど1年前に撮ったこんな写真が出てきたので、(まだ紹介したことのない場所だし)ここでアップしてみたいと思う。

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場所はミッテのど真ん中。繁華街のフリードリヒ通りから1本入ったJohannisstraßeを少し歩くと、まさに荒涼とした風景が広がってくる。大した建物は建っていないにも関わらず、4方向の通りにもいっちょまえに名前だけは付いているのが面白い。この道をさらに真っ直ぐ行くと、夏に「気送郵便」で紹介したかつての中央電信局にぶつかるのだが、建物の再開発のために、あのユニークな地下ツアーも11月いっぱいで終了というニュースを最近読んだ。時代は変わりつつある。

関連記事:
ベルリンの地下ツアーに参加 (2008-08-31)

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ストリートというよりも、ただの空き地のようなHelda Hahnemannstr.を北に歩いていくと、やがて有名なクンストハウスであるタヘレス(Tacheles)にぶつかる。

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この建物は、もともとは1908年に建てられた(ちょうど100年前だ!)百貨店。19世紀半ばまで向かい側に建っていたオラニエンブルク門というかつての市門を模して造られたファサード部分は、今見ても大変立派。ドイツ再統一後、ずっと取り残されていた廃墟をアーティストたちが占拠し、やがて生まれた複合アートセンターは一時期ずいぶん話題になったが、最近はどうなのだろうか。もはやその使命を終えたという声もちらほや聞かれる。

このタヘレスで働いている友達から、今週の金曜日に行われるちょっと面白そうなコンサートの案内をいただいた。今シーズンのベルリン・ドイツ響は"Aufbruch 1909"(Aufbruchは「出発」や「精神的高揚」の意)というテーマでプログラムを組んでいるのだが、まさに1909年にオープンしたこのかつてのデパートで、フォーレとニコライ・ロスラヴェッツ(ロシア・アヴァンギャルドの作曲家らしい)という同時代の室内楽が奏でられる。空間性を生かしたプログラミングの妙!おすすめのコンサートです。

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by berlinHbf | 2008-12-03 01:11 | ベルリン発掘(東) | Comments(7)
Commented by la_vera_storia at 2008-12-03 15:36 x
シュプレー河の北側のほうのフリードリヒ通りも私が好きな場所です。さらに北上して今度はショセー通りをさらにずっと北上するとやたらと空間が拡がってきますが、そのあたりの風景も私は好きです。わくわくしますね! ちょっと戻りますが、このフリードリヒ通りがショセー通りになるあたりに昔は有名なボルジッヒ車両工場があったわけです。
この辺は19世紀のドイツの産業資本形成の変遷を今に偲ぶ「遺構」「遺物」がいくつかあり、それを見つけるためにDDR時代の80年代に長い時間かけて歩き回った経験がありますが、これは実にエキサイティングなベルリン探求でした。地味ではありますが時間をかけてやる価値のある探訪だと思いますよ。歴史や文化を探る探訪もおもしろいですが、産業史探訪の散策も実におもしろいものです。
Commented by la_vera_storia at 2008-12-03 16:25 x
マサトさんも以前、「時間の止まった場所(2)」でNordbahnhof探訪の旅をされていらっしゃいますが、あそこを出発点にしてこの旅も可能でですね。たとえば、このボルジッヒ車両工場で製造された車両はどうやって「運び出された」のでしょうか....? 「運び出す」手段は一つのはずです。マサトさんが「時間の止まった場所(2)」で紹介されている「使われなくなったレール」、これとボルジッヒ車両工場がどのような関係があるのかないのか....、そのようなことを考えつつ探求するのは興味深いです。(私に言わせれば、このレールも「遺構」「遺物」の一つです。)
Commented by la_vera_storia at 2008-12-03 16:26 x
従来は断片的には知られていたロシア・アヴァンギャルドの音楽が一躍まとまった形で世に知られるきっかけとなったのは、あれは確か84年(83年?)の秋のベルリン芸術週間でした。ロシア・アヴァンギャルドが芸術週間のテーマだったわけです。この時のことも思い出深いです。ロスラヴェッツの音楽も紹介されていました。会場は主にオット・ブラウンザールだったですね。コンサートだけではなくシンポージウムなどもありました。なにしろこれは東西の接点であった音楽都市ベルリンの雰囲気にふさわしい知的な内容でした。ソ連も、まだゴルバチョフ時代への移行期の過程で、なにかじわじわとこういうアヴァンギャルド音楽のような、従来ではソ連国内で封印されていたものの存在が、ある程度ではあれ西側からまとまって語られ始めた...当時はそういう感じでした。
Commented by Aya at 2008-12-05 06:23 x
初めまして、Ayaって言います。
いつも素のベルリンを描いたブログ楽しませていただいてます。
今日はタヘレスのことなので初めてコメントさせて貰いました。

タヘレスわたしはすごい好きです☆
確かに地元っ子に聞くと、以前に比べて前衛的な雰囲気はなくなってると言っていましたが、それでも私にすればベルリンらしいスポットでお気に入りです。
Plenzeurbelgに住んでたので、トラム1本でいけたので夏は下のビーチバーでよく友達と飲んでました。

たまたま一時滞在していたアパートの方が、タヘレスでギャラリーを開いている方(コラージュを制作されています)だったんです。奥様が日本人の方だったのでお話させて貰ったんですが、タヘレスの建物の損傷に加え、内部の運営でも色々とトラブルがあるようなので、その存続が本格的に危ぶまれているようです。

やはりタヘレスは
Make Berlin as Berlin
である重要なスポットの一つだと思うので、いつまでの続いて欲しいと思います。

それではこれからも素敵なブログ楽しみにしています。
Commented by berlinHbf at 2008-12-09 20:55
>la_vera_storiaさん
>19世紀のドイツの産業資本形成の変遷を今に偲ぶ「遺構」「遺物」
大変興味深いです。ボルジッヒ車両工場のことは恥ずかしながら知りませんでした。私の手元にベルリンの工業史縁の場所を紹介した地図があるのですが、当然それにも載っていました。近々訪れてみたいです。このブログであまり紹介したことのないモアビット地区にも、19世紀の工業遺構がたくさんありそうですね。
Commented by berlinHbf at 2008-12-09 21:03
>Ayaさん
はじめまして。コメントありがとうございました。
タヘレスの思いがとてもよく伝わってきました。今この場所がどうなっているのか、やはり自分でもちゃんと見なければと思いました。先週のコンサートは残念ながら聞きに行けず・・・
また遊びに来てくださいね。
Commented at 2008-12-19 10:53 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。

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