ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
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現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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統計で見るベルリンの外国人

先週、「ある放火事件より-ベルリンと外国人-」で触れたが、今も昔もベルリンと外国人とは切っても切れない関係にある。では、この町には一体どれだけの外国人が住んでいるのか?手元に興味深い統計があるので、今日はこれをご紹介したいと思う。少し古くなるけれど、ベルリンの日刊紙 "Der Tagesspiegel" の2003年11月23日号掲載の資料から引用します。

1. トルコ (121696人)
2. ポーランド (31392人)
3. セルビア・モンテネグロ (26990人)
4. イタリア (12692人)
5. ロシア (12432人)
6. クロアチア (11964人)
7. アメリカ合衆国 (11408人)
8. ボスニア・ヘルツェゴヴィナ (10333人)
9. ギリシャ (10228人)
10.ベトナム (10177人)

1位はやはりというべきか、ダントツでトルコ人。2位のポーランドを大きく引き離している。大雑把に計算すると、ベルリンに住む外国人(約44万人)のうち、4人に1人がトルコ人ということになる。これはすごい数だ。ヨーロッパでは他にイタリア人やギリシャ人も多いが、これは60年代、壁ができて西ベルリンの労働力が不足した結果、トルコと並んで、これらの国から大量の労働力を雇い入れたことと関係があるように思われる(間違っていたらご指摘ください)。他に目立つのは、3,6,8位を占める旧ユーゴ諸国。あと、地理的に近いことから、ロシア人、ポーランド人も多い。いずれもドイツより貧しい国々だ。

アメリカと並んで、フランス人(9588人)とイギリス人(8461人)も多い。これは戦後、西ベルリンがこれら3国によって分割統治されていたことの名残であろう。

アジアからは、何となく中国人が一番多いのではと思ってしまうが、実はベトナム人。ベルリンのベトナム人について研究している社会学の人から、少し話を聞いたことがあるけれど、ベトナムが南北に分断された後、命からがらに社会主義の東ベルリンに逃げて来た人がたくさんいて、そのまま居ついてしまったのだという(でも詳しいことは不明)。ベルリンに住む外国人の多様性は、この町の複雑な歴史をそのまま反映している。

アジアからで他に多いのは、タイ人(5779人)と中国人(5346人)、あとイラン人も多い(5641人)。中東からで一番多いのはレバノン人(7806人)。日本人は2103人で、韓国人の2390人と数字の上では近い。ちなみに、日本人企業が集中するデュッセルドルフは5000人弱の日本人が住んでいるようだし、ロンドンやパリとは比べるまでもなく少ない。ベルリンは産業には乏しい町なのだ。

ベルリンの人口は約340万人。その中に192カ国からの約44万人の外国人がひしめき合いながら、なんとかやりくりしている。まさに世界の縮図のような町だなと思う。それでも、幸いなことに、この町に住んでいて治安が悪いと感じたことは今のところほとんどない。

追記:こういう多国籍のベルリンを舞台に、サイモン・ラトルとベルリンフィルが子供たちと展開したダンス・プロジェクトを記録した映画「ベルリンフィルと子供たち」はおすすめです(ライフログ参照)!

e0038811_1214599.jpg
今日の一枚はこれ。当ブログでも何回か出てきたテレビ塔です。展望台のところに光が反射して、十字に見えますが、これはそのように意図して設計されたものだとか。その手前はベルリンで2番目に古い教会、マリーエン・キルヒェ。
by berlinHbf | 2005-08-24 18:16 | ベルリンのいま | Comments(7)
Commented by Ryoko at 2005-08-25 04:55 x
先日ご一緒させていただいた、わたなべです。
ベルリン在住の日本人は2000人強なのですね。
3000人前後?などと、いい加減なことを言ってしまい申し訳ありません。
興味深いお話をありがとうございました。
Commented by 第三市民 at 2005-08-25 17:24 x
 はじめまして。

 ベルリンのベトナム人ですが、南北分断の大昔ではないと思います。
 東西ドイツ時代、東独が労働力を補うため、ベトナムはバーター貿易の労務提供のために、派遣されて地方の工場で最下等の労働に従事していたベトナム人が、第三国人としてパスポートがあれば、西ベルリン・東ベルリン間も自由に出入りしていてました。
 壁が存在した20年前にも、既にその一部は西ベルリンに住み着いて、いかがわしい業種に従事していました。
 そのベトナム人達は居住の拠点が出来て、東西ドイツ統一を期に、続々と親類縁者を呼び寄せた、一種の経済難民と思われます。

 ちなみに、20年前の西ベルリンには、領事館に登録された日本人は800人プラス50人程度で、登録せずに短期間や不定期に出入りしていた学生達を合わせても1000人は超えなかった思います。
Commented by berlinHbf at 2005-08-25 20:33
>わたなべさん

私もベルリンの日本人は3000人だと思い込んでいました^^;)。ちなみにデュッセルドルフの日本人の数もネットではまちまちでした。データは少し古いですが、8000人と書いてあるものまで見つけたくらいです。デュッセルドルフの日本人の数は、一時期に比べたら減少傾向にあるようですが。

Commented by berlinHbf at 2005-08-25 20:44
>第三市民さま

20年前に西ベルリンに滞在された方でしょうか。ベルリンのベトナム人についてはあいまいな記憶しかなかったのですが、これで大分わかりました。貴重なお話をどうもありがとうございます。彼らが西と東を自由に出入りしていたというのも驚きでした。ただ統計を見ると、現在のベトナム人はその半分以上が、東の特定の地域に集中して住んでいるようです。
Commented by ゴン太 at 2005-08-25 23:17 x
こんばんは。
今の私の生活ではなかなか知りえないことなので、先日の放火事件のお話含め興味深く読ませて頂きました。
私は今年一月、「ベルリンフィルと子供たち」を見に行きました。映画を見て、国際色豊かなベルリンに住む方々(映画では若者が中心でしたが)が持ついろいろな境遇、現実を知りました。私が知ったことはほんの一部に過ぎないとは思いますが、それを知る機会を持てたことは良かったというか、、いろいろ考えさせられました。

ところで映画館で聴く春祭もなかなか迫力あってよかったですよね!
Commented by Ryoko at 2005-08-26 04:58 x
私も、デュッセルドルフ在住の日本人は、7000人前後と聞いていましたが、減ってきているのですね。
ドイツ経済の冷え込みを反映しているのでしょうか。
Commented by berlinHbf at 2005-08-26 19:02
>ゴン太くん
あの映画は現地ベルリンでも大評判でした。ラトルのダンス・プロジェクトはその後も毎年行われていますが、参加したいという学校が殺到しているとか。でもその気持ちわかりますよね。

>わたなべさん
そうですねぇ。ベルリンの経済だけでも、もうちょっと何とかならないものかという気はいたします。ふぅ

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