ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


by berlinHbf

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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
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本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

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現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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森と湖の国のオーケストラ - ヴァンスカ指揮ラハティ響 -

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フィンランドのピエクサマキにて(2004年7月26日)

この月曜日、フィンランドからやって来たオスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団のコンサートを聴きました。先日のラトルの「シンフォニエッタ」のように有無を言わせず圧倒されたというよりは、数日経ってもまだ余韻が残る、そんなしみじみとした感動を受けた演奏会でした。

冒頭のシベリウスの交響詩「タピオラ」を聴いてまず驚いたのが、普段聴いているベルリンのオケと響きが全く違うことです。独自の美感があります。

木管金管ともによかったんですが、やはり一際印象に残ったのは弦楽器の響きの質感でしょうか。大自然の中の朝の冷気を思い出させるようなひんやりとした肌触りとでもいいますか。ふと遠くを見渡すと、まだ完全に日が昇っていない中で山の稜線はくっきりと浮かび上がっている、みたいな。つまり、ニュアンスは豊かなのに響きの明瞭さが失われることがない、ということを言いたいのですが、音から風景が浮かんでくるかのようなイマジネーションを喚起させられる音色です。

ラハティ交響楽団は過去2回日本ツアーを行い、いずれも大成功を収めたらしいですが、このオケの繊細な音色感は、とりわけ日本人の感性に深く訴えるところがあるのかもしれません。

私は、数年前に一度フィンランドを訪れたことがあります。冒頭の写真はフィンランド中部の街ピエクサマキで撮ったもの。本当に何もない小さな街だったけれど、郊外にある宿から見えたこの湖の風景は、まさにシベリウスの音楽そのものという感じでした。この夜、アンコールに演奏された「悲しきワルツ」を聴きながら、フィンランドのいくつかの忘れえぬ風景が脳裏をよぎりました。

Lahti Symphony Orchestra
Osmo Vänskä Dirigent
Hélène Grimaud Klavier

Jean Sibelius
Tapiola, Symphonische Dichtung op. 112
Robert Schumann
Klavierkonzert a-Moll op. 54
Joonas Kokkonen
Interludien aus der Oper "Die letzten Versuchungen"
Jean Sibelius
Symphonie Nr. 7 C-Dur op. 105

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by berlinHbf | 2007-03-02 02:16 | ベルリン音楽日記 | Comments(10)
Commented by kon'no at 2007-03-02 10:31 x
悲しきワルツ!
は泣けますよね。いつだったかも、どこぞのオケのZugabeにもやっていました。
Commented by bugyo2 at 2007-03-02 17:40
ヴァンスカとラハティの去年の日本公演行きました.
ブログに書いたんですが, 普段聞いていたこのコンビのCDと同じ音, 響きが生でそのまま聞けて凄く感動しました.
オーケストラから, シベリウスへの思い入れが凄く感じられるいいコンサートでした.

> 数日経ってもまだ余韻が残る、そんなしみじみとした感動を受けた演奏会...
おっしゃるとおりですね.
# こんなにいいコンサートなのに,
# お客の入りが悪かったのはちょっと残念なことでしたが...
Commented by berlinHbf at 2007-03-03 22:03
>kon'noさん
「悲しきワルツ」は珠玉の小品ですよね。
欲を言うなら、カレリア組曲の"Alla marcia"もやってほしかった!
この曲もアンコールに向いているんじゃないでしょうか。
Commented by berlinHbf at 2007-03-03 22:07
>bugyo2さん
コメントありがとうございます。
>普段聞いていたこのコンビのCDと同じ音, 響き
私もこのコンビによるシベリウスの小品集をよく聞くのですが、あのひんやりとした、でも時に熱い響きを堪能することができました。日本には昨年行ったばかりだったんですね。
Commented by TM at 2007-03-06 01:59 x
こちらでは初めましてです。
ラハティ交響楽団は聴いたことがありませんが、弦がよさげですね。マサトさんの描写にとても惹かれます。
機会があればぜひ聴きに行きたいと思います。
Commented by berlinHbf at 2007-03-07 09:52
>TMさん
NYのTMさんでしょうか、コメントありがとうございます!
音楽を言葉で表現するのって、ホントに難しい。
実はかなり苦手です。
TMさんのように絶妙の言葉で表現できたらなと思いますよ。
Commented by TM at 2007-03-08 02:19 x
そうです、NYのTMです。ろくに自己紹介もせずすみませんでした。

この時マサトさんが聴かれた「悲しきワルツ」、私もウィーンフィルの3日目にアンコールで聴いていました。
Valse triste=悲しきワルツ、だったんですね…。
そんなことも知りませんでした(笑)

バイロイト・シリーズ、楽しみにしています。
Commented by ausdrucksvoll at 2007-03-08 04:46
私のほうもTBさせていただきました。よろしくお願いいたします。
私もフィンランドは絶対訪れたい土地の一つです。オーロラが見れたら最高ですが(笑)音楽家にとってその作曲家が作曲した場所を訪れることや、その土地での人々との交流は非常に意義深いものだと考えています。将来、フィンランドを訪れた時に何を得てどう考えが変わるのか…?今回の演奏会はその一端を感じられて、私はとても幸せでした。今色々な音楽的価値観が統一される方向に世の中が進んでいる感が否めないのですが、土地柄、国柄、地域性は音楽にとって重要な要素だと思います。今度はノルウェーのオケを聴いてみたいです。
Commented by berlinHbf at 2007-03-08 20:08
>TMさん
いつもNYからのレポート楽しみにしています。
ウィーンフィルがバレンボイムの指揮であの曲を演奏したのは
ちょっと意外な気がしました。
またいつでも書き込んでくださいね!
Commented by berlinHbf at 2007-03-08 20:14
>ausdrucksvollさん
折り返しのTBありがとうございます!
音楽と風土というのは常に結び付いていると思いますが、シベリウスとフィンランドの関係というのはまた格別だと思います。 ausdrucksvollさんなら、行けば絶対得るものはあると思いますよ。私はシベリウスの故郷のハメーンリンナは訪れましたが、数々の傑作を生み出した「アイノラ」にもいつか行ってみたいです。

>色々な音楽的価値観が統一される方向に世の中が進んでいる感
このご意見にも興味あります。またいつかお話聞かせてくださいね。

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