ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
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本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

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現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」とE.T.A.ホフマン

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メーリングダム共同墓地にて(3月15日)

これまでこのブログでは一度も触れていなかったが、今年はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)の生誕250年。そのモーツァルト・イヤーに合わせ、今月ベルリン州立歌劇場では音楽監督のバレンボイムが「ドン・ジョヴァンニ」と「コシ・ファン・トゥッテ」をそれぞれ3公演指揮するというので気になっていたのだが、私は昨晩の「ドン・ジョヴァンニ」を幸いにして聴くことができた。舞台の3分の1が見えない8ユーロの席だったけれど、そんなことが全く気にならないほど引き込まれる舞台だった。

「ドン・ジョヴァンニ」は今まで何度か観ているが、今回はまず何といっても歌手陣が充実していた。タイトルロールのドン・ジョヴァンニ役は、12月の「ボリス・ゴドゥノフ」の記憶が新しいルネ・パーペ。レポレロは若手のハンノ・ミュラー=ブラッハマン。オペラ通のフンメルさんヴァランシエンヌさんの記事でこの人の評判を知っていただけに楽しみにしていたのだが、開演前「彼は今日ひどい風邪をおしての出演ですので、皆さまどうぞご理解を」のアナウンスが・・
それでも最後まで立派にこなしたのはさすがだったが、本調子だったらもっとよかったんだろうなあ、との印象はやはり否めず。ツェルリーナ役のシルヴィア・シュワルツは、歌にはもう少し説得力がほしいと思ったけれど、容姿抜群でまさにこの役にぴったり。この日一番すばらしかったのは、ドンナ・エルヴィーラ役を務めたドロテーア・レシュマン。もともと私の好きな歌手で、本当に声の伸びがすばらしい。最初の登場から際立った存在感があったし、2幕最後のアリアではこの日一番の喝采を浴びていた。

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この舞台は数年前に違う指揮者の元で一度観ているのだが、バレンボイム指揮の今回は、音楽から受ける感銘の度合いが大きく上回っていた。ちょっと聞いた話によると、リハーサル中、彼は何度も音楽を止め、気合の入った稽古が繰り広げられたらしい。「ドン・ジョヴァンニ」を最初から最後まで、これほど緊密なドラマの中で堪能したのは私にとって初めてのことだった。


ところで、この「ドン・ジョヴァンニ」を「オペラの中のオペラ」と称えた人物に、作家のE.T.A.ホフマンがいるが、実は彼のお墓が私の家の近所にある。

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場所は、以前メンデルスゾーンやシャミッソーのお墓でもご紹介したメーリングダムの共同墓地。この1月にすでに訪れ写真も撮っていたのだが、墓石に書かれていることを確認したくて、昨日オペラを観る前にもう一度訪ねた。墓石の記述によると、E.T.A.ホフマンは1776年1月24日に当時プロイセン領だったケーニヒスベルクで生まれ(モーツァルトの生まれたちょうど20年後にあたる)、1822年6月25日にここベルリンで亡くなっている。その下には Kammer Gerichts-Rath(ラート上級地方裁判所)と書かれているが、これはホフマンが勤務していたベルリンの裁判所の名前だと思われる。この人、本業は裁判官だったのだ。が、彼の多才ぶりはそれだけにとどまらない。その下にはこうある。 「公職中に、詩人作曲家画家として表彰を受けた。この墓は彼の友人たちによって捧げられた」 ホフマンについては機会があったらまた改めてご紹介したいが、19世紀を代表するマルチタレントの一人といえるかもしれない。

ホフマンは一般的には、 E.T.A.ホフマンの名で知られているが、この墓石には"E.T.W. Hoffmann"と彫られている。この話はご存知の方もいらっしゃるだろう、彼の洗礼名は"Ernst Theodor Wilhelm Hoffmann"。しかし、モーツァルトを愛するあまり、"Ernst Theodor Amadeus Hoffmann"と、後に自分で名前を変えてしまうのである(裁判官としての公務中はこの名前は認められず、"E.T.W."で通っていたらしいが)。

本人としてはどちらの名で墓石を彫ってほしかったのだろうか。その"E.T.W. Hoffmann"の墓石の裏に、こんないたずら書きを見つけてしまった^^;)。

e0038811_19562522.jpg
墓の下のホフマン本人からのメッセージだったりして・・


Musikalische Leitung: Daniel Barenboim
Inszenierung: Thomas Langhoff
Bühnenbild: Herbert Kapplmüller
Kostüme: Yoshi’o Yabara
Chöre: Eberhard Friedrich

Don Giovanni: René Pape
Donna Anna: Anna Samuil
Don Ottavio: Charles Castronovo
Komtur: Mikhail Petrenko
Donna Elvira: Dorothea Röschmann
Leporello: Hanno Müller-Brachmann
Masetto: Mikhail Petrenko
Zerlina: Sylvia Schwartz

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by berlinHbf | 2006-03-16 14:56 | ベルリン音楽日記 | Comments(10)
Commented by pfaelzerwein at 2006-03-17 00:35 x
面白い落書きですね。どんな人が書き込んだのでしょう。
Commented by ヴァランシエンヌ at 2006-03-17 01:16 x
TBありがとうございました。
3回のうち、初日のレポレッロがクワンチョル・ユンに代わっていたのは、ブラッハマンの風邪が原因だったのかしら。ベルリンは相変らず寒そうですしね(^^;
マサトさんも、風邪引かないように気をつけて下さいね。

>シルヴィア・シュワルツ

年末のボリスでのクセーニャがお初でしたけど、ホントに美人さんですよね(^。^!

ところで、「また…?」と、フンメルさんから突っ込みが入りそうですけど(^^;シーズン当初の予定では、マゼットはアレクサンドル・ヴィノグラドフだったんです。
結局彼はキャンセルしたみたいですけど、そのあと、何方がやるんだろう…って、気になってまして…
ネットで情報を追っかけていたんですが、騎士長とマゼット、劇場のサイトでは同じ名前…Mikhail Petrenkoになっているんですけど、まさか一人二役だったってことはないですよね?^^;
Commented by berlinHbf at 2006-03-17 09:53
>pfaelzerweinさん
>どんな人が書き込んだのでしょう。
実は私です、というのは冗談ですが、この落書きは見事に私のツボを押してくれました。

>ヴァランシエンヌさん
>年末のボリスでのクセーニャがお初でしたけど、
顔面血だらけのクセーニャ役を演じた翌日が、魔笛の可憐なパパゲーナ役だったので、そのコントラストが印象に残っています^^;)。

>まさか一人二役だったってことはないですよね?^^;
そのまさかです・・この2つの役を1人で演じるなんて、普通にあることなんでしょうかね。彼が2つの役をあまりに見事に演じ分けていたがゆえに、私がそれに気付かなかったのだということでお許しください(笑)。
Commented by ヴァランシエンヌ at 2006-03-17 11:48 x
>そのまさかです

ええっ?もしかしたら…とは思っていたんですがビックリ(@。@;
確かに騎士長とマゼットは、同時に歌う箇所はないですから、物理的には可能ですよね…
騎士長は石像メイクでなんとでもなりますけど、マゼットは新郎ですから、若くないと苦しいでしょうね(^^;

>普通にあること

かどうかは、劇場に足しげく通っていらっしゃるフンメルさんにお尋ねしてみましょうか(^^!
Commented by lignponto at 2006-03-17 19:25 x
クラッシックはあまりよくわかりませんが、モーツァルト生誕250周年につられてCDを買いました。結構楽しんでます!!
Commented by berlinHbf at 2006-03-19 01:55
>ヴァランシエンヌさん
ドン・ジョヴァンニに殴られるマゼットが、ドン・ジョヴァンニを地獄に落とす役も同時に演じていたとは想像もしていませんでしたよ^^;)
そうですね、フンメルさんのお話も聞いてみたいですね!

>lignpontoさん
よかったらこちらのサイトをご覧ください。昔に比べるとセットもののCDが安く買えるようになったので、ご参考までに。
http://www2.edu.dhc.co.jp/from40/culture/classic/index.html
Commented by hummel_hummel at 2006-03-19 03:42
>どんな人が書き込んだのでしょう。
実は私です。というのはやはり冗談ですが、先月ホフマン物語を見たこともあって、お墓参り行ってみたいと思ってたんですよね。今度行ってみます(落書きはしませんよ、W→Aにしたいけれど)。
バレンボイム指揮のモーツァルト公演、すごい人気だったと聞きました。ブラッハマンは残念でしたが、トータルで良い公演だったようですね。
このドンジョヴァンニは、07年9月の来日公演にも選ばれてますよね。
Commented by berlinHbf at 2006-03-20 09:25
フンメルさん、コメントをお待ちしておりました!
>先月ホフマン物語を見たこともあって、
私はまだホフマン物語は観たことがないんです。ドイチェ・オーパーのレパートリーなのですが、今シーズンはやらないようで、残念です。ホフマンを知ってから、このオペラにも俄然興味が涌いてきました。

>このドンジョヴァンニは、07年9月の来日公演にも選ばれてますよね。
そうなんですか。それはまた大きな話題になるでしょうね。来週のコシも楽しみになってきました♪
Commented by 泡盛マイスター at 2006-04-02 02:04 x
はじめまして。

今年2006年は、『モーツァルト・イヤー』。都内では、モーツァルトをフィーチャーした音楽祭、『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 「熱狂の日」音楽祭2006 〜モーツァルトと仲間たち〜』が行われるんだそうです。実は、先日、仕事で東京国際フォーラムに行ったとき、そのことを知り、その場でチケットを購入してしまいました。しかも、一気に10公演分!! ゴールデン・ウィークは、3日間ぶっ通しで、東京でモーツァルトを聴きまくる、そんなことになりそうです。

今年の次のモーツァルト・イヤーとなると、おそらく、没後250年の2041年。もうその頃は、自分は生きてないでしょうね。もし、生きてても、ヨボヨボですから、音楽祭を聴きまくるなんてことはできないはず。 来年からは、「モーツァルトが初めて作曲してから250年」とか、「モーツァルトのお母さんが亡くなって悲しみのあまりピアノソナタを作曲して250年」とか、「モーツァルトがザルツブルクの大司教と喧嘩して、つまみだされてから250年」とか、小出しでモーツァルト・イヤーをやってもらえるといいかも!? ありえね〜〜!!

Commented by berlinHbf at 2006-04-03 19:56
泡盛マイスターさん、ようこそ!
ブログ拝見しました。沖縄にお住まいなんてうらやましいです^^)。

1991年の没後200年の喧騒はかなり鮮明に覚えているので、今回は割りと冷静なのですが、「熱狂の日」音楽祭2006はなかなか惹かれるものがあります。1回1500円で聴けるのも、日本では破格ですよね。ベルリンからはベルリン古楽アカデミーとRIAS室内合唱団がこのフェスティバルに参加するようです。特に古楽アカデミーは私の好きなグループなので、機会があったらぜひ聴いてみてください!

>没後250年の2041年
私もちょっと厳しそうです・・まあ、先のことは置いておいて、今を楽しみましょう^^;)

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