ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


by berlinHbf

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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
「素顔のベルリン」増補改訂版
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本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

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現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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消えゆく夜行・長距離列車

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廃止されたパリ東駅行きのシティーナイトライン(ベルリン中央駅にて。2013年6月撮影)

「夜行列車」という言葉には、洋の東西を問わず旅心を誘う響きがあります。今年の3月限りで日本のブルートレインは全廃されることになりましたが、残念ながら欧州でも、夜行列車や長距離列車は縮小傾向にあります。昨年12月14日のドイツ鉄道(Deutsche Bahn)のダイヤ改正で、いくつもの歴史ある列車が姿を消しました。

この改正で廃止になったのは、ベルリン発(およびハンブルク、ミュンヘン発)パリ行き、プラハ発ベルリン経由コペンハーゲン行きなど計6本のシティーナイトライン(CNL)。ただし、格安航空や格安長距離バスとの競合により、利用客が減ったとは一概に言えない部分があるようで、例えばベルリンとパリを結ぶCNL「ペルセウス」は乗車率も高く、特に個室寝台は予約が取りにくいほどでした。ところが、車体が古いため利用者のニーズに対応できず、また、フランス鉄道側の線路や駅の使用料が高額といった要因が廃止の決め手になったと言います。私は2003年にパリからこの列車に乗ったことがあります。3段ベッドの簡易寝台はさすがに狭さを感じましたが、心地良い横揺れとともによく眠れましたし、何より朝起きたらベルリンに着いていたのが魅力でした。食堂車横のスタンドバーで、ほかの旅行者と語らいながら飲んだことも、今となっては良い思い出です。

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かつてはハンブルク―クラクフ間を結んでいたユーロシティー「ヴァヴェル」の表示板

夜行列車以外にも、今回の改正でベルリンとウィーンを結ぶユーロシティーなど、何本かの長距離列車が消えました。象徴的だったのは、ベルリンとポーランドのヴロツワフ(ドイツ語ではブレスラウ)間を走るユーロシティー「ヴァヴェル」の廃止です。ベルリンからかつてドイツ領だったシレジア地方の中心都市ブレスラウまでは、実に1853年以来、直通の特急列車が結んでいました。ポーランドの古都クラクフにあるヴァヴェル城に因んだこの列車は、もともとハンブルクとクラクフ間を12時間半掛けて結んでいましたが、2012年にヴロツラフまでに短縮された後、その翌年に運行を開始した同じドイツ鉄道による高速バスに利用客を奪われたこともあって、今回の廃止が決まりました。昨年12月13日にベルリン中央駅を出た最終列車の客車はわずか2両編成。しかも、暖房設備の故障で発車が20分遅れるという悲しい幕切れとともに、由緒ある列車はポーランドへと旅立って行きました。

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「ヴァヴェル」号の車窓から(2007年11月)

欧州の鉄道の旅の魅力は、国境を越えるたびに車掌のアナウンスや乗客の話す言葉が変わったり、朝目が覚めると異国の地に着いていたりといった、多様に交錯する文化や歴史をじかに体感できることにあると思います。そんな旅の道程の楽しさそのものを味わわせてくれる列車が消えつつあるのは残念なことです。
ドイツニュースダイジェスト 1月23日)
by berlinHbf | 2015-01-23 23:20 | 欧州を感じる旅 | Comments(9)
Commented by ながしま at 2015-01-24 15:29 x
パリ行き夜行列車は、私も、もう一度乗りたいと思っていましたが、果たせませんでした。残念。夜行列車は需要がないわけではないが、供給する側がより収益率のいい商品を提供したいというのは日本と似たところがあるのかもしれませんね。ベルリンからの国際夜行列車で残っているのは、ウィーン、ブダペスト、アムステルダム、マルメ(夏)くらい? 最近チェックしていませんがウクライナ、ロシア方面はまだありましたか。なくならないうちに乗っておきたい。特にT3寝台車は風前の灯火でしょうか。
Commented by einzelkind at 2015-01-25 23:08
もう20年前の年末ですが、アムステルダムからベルリンまで寝台に乗りました。老若男女国籍バラバラの4人が一晩同じ部屋で過ごしました。と言ってもほとんど交流はなく、目が覚めたらもうすぐベルリンでした。ツォー駅に降りたはいいがマルクを一銭も持ってなく両替所が開くまで震えていました。
Commented at 2015-01-30 03:31
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2015-01-30 03:31
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by berlinHbf at 2015-01-30 05:37
ながしまさん
コメントありがとうございます。
ベルリンからの直通の夜行列車はそのぐらいになるでしょうか。あと、チューリッヒとウィーン行きもまだ走っていると思います。
東の方面はどうなのでしょうね。パリーベルリンーモスクワの豪華寝台はまだ走っていると思いますが、一般のモスクワ行きはまだあるのかどうか。
数年前まではこういう重厚なブルーの客車を中央駅で見かけたものですが、いつの間にか消えてしまいましたね・・・。
http://berlinhbf.exblog.jp/6283476/
Commented by berlinHbf at 2015-01-30 05:59
einzelkindさん
コメントありがとうございます。
夜行列車の思い出というのは不思議と記憶に残るものなのかもしれません。
私も寝れた時、そうでなかった時を含め、私の夜行列車で過ごした時間は結構よく覚えています。
ベルリン中央駅ができてからは、ツォー駅に長距離列車は止まらなくなってしまいました。
Commented at 2015-01-30 06:40
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by TXL at 2015-02-18 18:57 x
こんばんは、久しぶりにこちらを訪問してドイツでも夜行列車が減ると知り残念です。私もなぜか夜行列車という言葉に旅情を感じ特に陸続きで別の国になるヨーロッパの列車は日本とは違った旅愁の様な響きを感じます。以前ポーランド側の方のフランクフルトで待っていた列車が”ワルシャワ エクスプレス”とかいう名前で日本と違ってはるばる他国からやってくるんだなーと実感したのを思い出しました。結局この列車自体は遅延して別のに乗りましたが(笑)このルートも廃止の一部なのでしょうか?ロンドンとスコットランドを結ぶ寝台列車も3月末から経営が変わるそうで廃止かと早合点していまいましたが存続はするので無くならないうちにドイツの列車も含め乗りたいものです。
それでは、冬のベルリン、風邪など引かぬようご自愛下さい。
追伸:私、以前インビスBier'sでコメントした者です。(TXLとtxlで書いてしまってました)12月、1年半ぶりの訪問で到着後1番に行くとケバブ屋さんになっていて。春には既に閉店していたのですね。工事や変化の目まぐるしいベルリンの現実まさかこのお店が!と大ショックでした。クーダム店は営業してるのでしょうか?唯一の希望です。
Commented by berlinHbf at 2015-03-02 20:35
TXLさん
久々のコメント、ありがとうございました。
ベルリンーワルシャワエキスプレスは、幸いまだ走っています。それからベルリンーグダニスクの直通列車も走っていて、これでかつてのダンツィヒまで旅したことがあります。こういう列車はこれからも走り続けてほしいですね。

そして、インビスBier's!ここの突然の店じまいは、私も大変ショックを受けました。いつもお客さんでいっぱいだったので、理由がわからないというか・・・テナントや賃貸料の問題だったのでしょうか。
幸い、クーダムの店は営業を続けていますが、個人的にはあのガード下の狭い店内で食べる感覚が好きだったのですよね。とはいえ、またベルリンにいらしてくださいね。

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