ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


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現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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ベルリンの12月の公演見どころ

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コンツェルトハウス前にて(12月2日)

早いもので今年もあと残り1ヶ月。先月はサボッてしまったが、12月のベルリンの公演の見どころをざっとご紹介してみたい。

●11月のアジア・ツアーを無事終えたベルリン・フィルが、フィルハーモニーに帰って来た。今月は小澤征爾、ヤンソンス、バレンボイム、ラトルというビックネームがほぼ週替わりで登場する他、古楽器界の指揮者兼リコーダー奏者のジョヴァンニ・アントニオーニが、バロック音楽中心のクリスマスらしいプログラムで彩を添える。こちらもおすすめ。私は今月第一弾の小澤征爾を昨日聴くことができたが、がっちりと求心力のあるベートーヴェンの第7交響曲が本当にすばらしかった。

●日本ではベートーヴェンの「第9」一色となる12月。だが、やはりあれは日本だけの現象のようで、ベルリンで第9のコンサートはあまり見かけない。代わりにこの時期頻繁に演奏されるのが、バッハの「クリスマス・オラトリオ」とヘンデルの「メサイア」あたりだろうか。古楽器界の第一人者、ガーディナーが手兵イングリッシュ・バロック・ソロイスツ&モンテヴェルディ合唱団を率いて、バッハのクリスマスに因んだカンタータと「マニフィカト」というプログラムでコンツェルトハウスに客演するが(14日)、それはこの中でも大きな聴きもののひとつだろう。

●オペラの注目は、何といってもリンデン・オーパー(州立歌劇場)のムソルグスキー「ボリス・ゴドゥノフ」。大作ゆえ、ベルリンでも生で接する機会はめったにないだけに、音楽監督バレンボイム指揮のプレミエとくれば、期待はますます高まる。演出のDmitri Tcherniakovについては私は何も知らないが、すでにロシアでは重要な演劇の賞を何回も受賞している人だという。西側での演出はこれが初めてとのこと。毎年12月になるとドイツの歌劇場のあちこちで上演されるのが、「魔笛」、「くるみ割り人形」、そして「ヘンゼルとグレーテル」。おめかしした子供たちが親の手に引かれて、方々から聴きにやって来る。

●第9やシュトラウス一家のワルツといった、この時期の「定番」はもう聴き飽きたという方におすすめしたいのが、コミッシェ・オーパーの年末年始コンサート(29日と1日)。"Tänze(ダンス), Töne(音) und Träume(夢) aus dem russischen Kino"と題して、ショスタコーヴィッチ、ドゥナエフスキー、ハチャトゥリャンらが作曲したロシアの映画音楽を、音楽監督ペトレンコ指揮のオーケストラが奏でるというもの。ちょっと趣向が変わっていて、私は心惹かれるものを感じる。もちろん、大晦日のコンサートのひとつの代名詞である、ベルリン・フィルのジルベスター・コンサートは例年通り日本でも衛星で生中継されるはずだ。今回は、来年のモーツァルト生誕250周年に合わせての、オール・モーツァルトプログラム。

●今年の夏から毎月興味深い出し物を提供している、Berliner Festspiele主催のspielzeiteuropaという演劇のプログラム。今月はなんと、かの「四谷怪談」がベルリンにお目見えする。演出はオペラ演出家としても知られるヨッシ・ヴィーラー、プロデュースは日本のTheater Xという日独共作。先日もらった宣伝を兼ねたパンフレットには、作家の多和田葉子と島田雅彦の解説文が掲載されていた。8月に日本で行われた初演の評判がかなりいいようなので、生で接することができるのが今からとても楽しみだ(8日から11日まで)。

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by berlinHbf | 2005-12-05 00:46 | ベルリン文化生活 | Comments(13)
Commented by Kaninchen at 2005-12-05 14:42 x
おととしの今頃ベルリンで音楽を堪能していた時のことを思い出してしまいました。もう一度ラトルがききたーい!いや、見たいというべきか・・・Lexikonすごい数になりましたね。勉強させていただいています。私のブログにもリンクさせて頂きましたので、よろしくお願いします。
Commented by lignponto at 2005-12-05 17:24 x
クラッシックもオペラも分りませんが、写真でベルリンの様子がわかっていいです。
Commented by ヴァランシエンヌ at 2005-12-06 09:23 x
はじめまして。
フンメルさんのお宅から辿って参りました。色々と勉強になる興味深いベルリンの記事、楽しく拝読させて頂いてます。

リンデンでの「ボリス・ゴドゥノフ」についてお尋ねしたいことがありまして、思い切って書き込みさせて頂きました。
実は、リンデンのボリスのプログラムの真ん中あたりに "Kultur radio"のHPがリンクされているのが気になっています。もしかしたら、ネットラジオでの放送予定、若しくは録音の予定があるのでしょうか?

"Kultur radio" のサイトを見ても、今のところ放送予定はなさそうですが、もし何かご存知でしたら、教えて頂きたいのですが…

宜しくお願いします。
Commented by berlinHbf at 2005-12-07 02:48
>Kaninchenさん
コメントとリンク、ありがとうございます。ドイツ語のプロの方に読まれているのかと思うとちょっと緊張しますが^^;)、Lexikonはまずは50回を目指してがんばりたいと思います。

>lignpontoさん
lignpontoさんは、確かジャズトランペットを吹かれているのでしたね。ベルリンにはジャズの有名なクラブもいくつかあるので、機会があったら訪ねてみてはいかがでしょうか。ベルリンで聴くジャズもなかなかいいものですよ。
Commented by berlinHbf at 2005-12-07 02:59
>ヴァランシエンヌさん
「ベルリン中央駅」にようこそ!アメリカからの書き込みありがとうございます。リンデンと"Kulturradio"のサイト、私も両方見てみたのですが、ネットでの放送については一切書いてありませんでしたね。残念ながら私にもそれ以上のことはわかりません。もし何かわかったら、またお知らせしたいと思います。
Commented by ヴァランシエンヌ at 2005-12-07 07:33 x
マサトさん、お返事ありがとうございます。
ちょっと期待していたんですが、勇み足だったようですね。
>もし何かわかったら、またお知らせしたいと思います。
すみません、宜しくお願いします。

リンデンは大好きな劇場なのですが、録音や録画が意外と少なく、遠くのファンとしては寂しい限りです。
せめてネット放送でもしてくれれば…と思うのですが、やはり台所事情が苦しいのでしょうか(^^;
ボリスの新演出、ご覧になられたら是非感想をUPして下さいね。楽しみにしています。

僭越ながら私のブログにマサトさんのブログをリンクさせて頂きました。不都合があれば、仰って下さいね。今後とも宜しくお願いします。
Commented by berlinHbf at 2005-12-08 10:30
>ヴァランシエンヌさん
リンクは大歓迎です。ありがとうございます!ボリスの新演出については、フンメルさんがしっかりリポートしてくださると思うので、私にはあまり期待されない方が・・とはいえ、いい舞台でしたら、何かしら書きたいとは思っています。前から一度生で観てみたいオペラだったので、楽しみです。
Commented by ヴァランシエンヌ at 2006-01-24 02:42 x
こんにちわ。いつも楽しく拝読させて頂いてます。
「ボリス」年末に思い切って見て参りました。辛口なところと、部分的に甘い部分が入り混じった、非常に偏った鑑賞記ですけど、TBさせて頂きますね。
Commented by berlinHbf at 2006-01-25 06:38
>ヴァランシエンヌさん
お久しぶりです。ベルリン滞在楽しまれたようで、何よりです。すいませんでした、ボリスの件、あれから何も書かなくて・・実は私も観ているのですが、私が把握していたあらすじは改訂版の方で、原点版とは内容が異なり途中から話がよくわからなくなってきたのと、演出もいまひとつ不可解なことが多く、結局書き損なってしまったのです。ヴァランシエンヌさんの鑑賞記を拝見して、ちゃんと理解している人が観ると違うんだなあと感服しました。それを見習い、今年は劇場の鑑賞記も少しづつ書いていけたらと思っています。今年もよろしくお願いします。
Commented by happy at 2006-04-05 23:13 x
はじめまして。12月にYOTSUYA GOST STORY「四谷怪談」でspielzeit europaに参加してきました。また今年も6月に公演でウィーンやミュンヘン、アムステルダムをまわり、終演後、ベルリンに遊びに行きます。それにしてもすごい情報ですね!写真もすてき。ベルリンがさらに楽しくなりそうです。
Commented by berlinHbf at 2006-04-06 09:31
happyさん、ようこそお越しくださいました!
ひょっとして「四谷怪談」の上演に直接携わっていた方でしょうか。
読んでくださって光栄です。私のブログは書きたいテーマがいろいろあって、劇場情報までなかなか手が回らないのですが、旬の話題もできるだけお送りしたいと思っています。またお気軽にコメントいただけるとうれしいです。ツアーのご成功を祈ります。
Commented by happy at 2006-04-06 17:22 x
マサトさん、お返事ありがとうございます!
「四谷怪談」にはスタッフとして参加しています。演出のJossiとは、97年に日本で一緒に仕事をして2度目になります。去年は日本におけるドイツ年で、日本にも演劇や展覧会などが、たくさん見られました。「四谷怪談」もその一環の企画だったのですが、本当に素晴らしい共同作業でした。
ベルリンは大好きな街だし、マサトさんの情報もとっても面白いので、またこれからも読ませていただきますね!
Commented by berlinHbf at 2006-04-07 09:59
>happyさん
>「四谷怪談」にはスタッフとして参加しています。
やはりそうでしたか!
大変充実したJossiさんとの共同作業だったのですね。機会がありましたら、また舞台のお話もお聞かせください。いろいろな方に読まれているんだなあと思うと、ちょっぴりプレッシャーも感じますが(笑)、これからもどうぞよろしくお願いします。

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