ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


ベルリンガイドブック
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本書は2009年10月発行「素顔のベルリン」の増補改訂版です。2013年に改めて新規取材を行い、データを更新。レストランやショッピング、コラムなどのページも増量し、より充実したガイドブックに生まれ変わりました。

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ウクライナ紀行(7) チェルノブイリは終わらない

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(前回の続き)
10月13日。着いた日を含めてのキエフ3日目は、前日に続き曇り空。訪れた順序は逆になるが、この日観て回った中で一番強烈だったものから紹介したい。

1986年のチェルノブイリ原発事故のことを知らない人はいないだろう。しかし、そのチェルノブイリが現在のウクライナにあって、しかもキエフの北方約130キロに位置していることは意外と知られていないのではないだろうか。キエフからこれほど近い場所だとは、実は私も知らなかった。そのチェルノブイリ博物館が、キエフの中心部からほど近いところにある。

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1階は入り口で、展示物のほとんどは2階にある。その階段には、このように地名を記したと思われる看板が多く掲げられているのだが、これは一体何だろう。

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2階に上がり、後ろを向いた瞬間に全てが明らかになる。これはチェルノブイリ原発事故で廃墟と化した町や村の名前なのである。ざっと見渡したところ、10や20の数ではなかった。史上最悪といわれる1986年4月26日の原発事故で甚大な被害を被ったのは、ウクライナよりもむしろ、事故当時の風向きで大量の放射能が注ぎ込まれた北側のベラルーシ(当時はもちろんソ連)だった。ネットで見つけた「ベラルーシ共和国放射能汚染図」を見ると、死の灰の70%が降り注いだというこの国の惨状をおぼろげながら実感することができる。チェルノブイリについては、かおるさんの「チェルノブイリ訪問記」を読むと、現在の様子がよくわかる。

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館内に英語の説明はないが、その場に立てば当時どういうことが起こったのかが何となくわかる展示の仕方になっている。写真の時計は、発電所の4号炉が爆発した時刻を指している。ところで、素朴な疑問、この爆発事故で一体何人亡くなったのだろうか。詳しい実態は掴めていないというのが実情のようだが、Wikipediaの記事にこういう記述を見かけた。
2000年4月26日の14周年追悼式典での発表によると、ロシアの事故処理従事者86万人中、5万5千人が既に死亡した。またウクライナ国内(人口5千万)の国内被爆者総数342.7万人のうち、作業員は86.9%が病気にかかっている。
もちろん白血病やガンで苦しんでいる人たちは今も大勢いるし、生態系への影響も計り知れないものがある。放射能がしみ込んだ大地、その放射能の濃度が事故当時の1000分の1まで減るのに、約300年かかるという。

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ガイドの説明を熱心に聞き入るアメリカ人観光客たち。世界最大の核保有国は言うまでもなくアメリカだが、アメリカだけを責め立ててどうにかなる問題でもない。いずれにしろこの博物館は、キエフに来たら訪れるべき場所の一つだろう。

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さて、キエフで最も賑やかな通りの一つ、Khreshchatyk通りを歩こう。このブログを最初から読んでくれている方なら、この町並みを見て以前ご紹介したある通りを思い出す方もいるのではないだろうか。

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そう、ベルリンのカール・マルクス通り(こちらを参照)を賑やかにした感じにかなり近い。社会主義時代の同じ建築様式に基づいているので、似ていて当然と言えば当然なのだが。

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これは何とアパートなのだが、手元にあるドイツ語のガイドブックによると、第二次世界大戦後ドイツ人の捕虜によって建てられたものだという。

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再び丘の上を上がって旧市街へ。ソフィア聖堂の真向かいにあるミハイル聖堂は、ブルーと黄金のドームが鮮やかな教会。晴れていたらもっと色鮮やかだったろうにと思う。12世紀に建立されたが、1936年スターリンによって破壊された。ウクライナ独立後に、国家事業として再建され、再オープンしたのはつい最近の2001年のことだった。

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ミハイル聖堂の入り口近くには、このような展示パネルがある。1932年から33年にかけて、スターリンの強制的な農業集団化がきっかけで人為的に起こった、恐るべき大飢饉の実態について明らかにしたものである。説明しようとすると長くなるのでやめるが、何しろ想像を絶する出来事で、「物語 ウクライナの歴史」のこの飢饉について触れた箇所を読んでいると背筋が凍ってくる。ソ連政府は情報を明るみにすることなく、長い間事実を隠し続けていた。

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ミハイル聖堂の横には、1936年から39年にかけて建てられた、元ウクライナ共産党中央委員会の建物がある。現在はウクライナの外務省として使われている。

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その外務省を右手に見ながら歩いて行くと、露天がたくさん並ぶAndriyivsky uzvizという坂道にぶつかる。座布団の上でたたずんでいるネコを見つけて心がなごんだ。ドイツではネコは家の中で飼う習慣になっているので、通りで見かけることはまずない。

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Khreshchatyk通りの夜の風景。当初はこの翌日帰る予定だったのだが、キエフは見どころが多く、また簡単に来れる場所でもないため、滞在を一日延ばすことにした。

(続く)

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by berlinHbf | 2005-10-28 04:29 | - 2005ウクライナ紀行 | Comments(3)
Commented by foggykaoru at 2005-10-28 18:19
チェルノブイリには入れます。現地の旅行会社からツアーを手配できるのです。爆発を起こした4号炉のほんの数百メートルのところまで行ってきました。危険区域の中で働いている人もたくさんいます。きっと危険手当が相当手厚いのだろうと思います。
「怖いものだ」ということを、実感できない、それが放射能の怖さなのです。ほんとうに実感できませんでしたもの。頭で「怖いものだ」と理解しようとするのだけれど、実感できないのです。
Commented by berlinHbf at 2005-10-28 19:50
かおるさんのチェルノブイリ訪問記、拝見しました。大変おもしろかったので、私の記事にリンクを貼らせていただいてもいいでしょうか。それから、リヴィウの町を一人で回った話も、共感しながら読みました。私も一人だったら、相当苦労しただろうなあ、と。あと、Hotel Georgeのおばさんがそこまでいい人だったとは!
Commented by foggykaoru at 2005-10-29 07:35
ウクライナ旅行記、読んでくださってありがとうございます。
海外個人旅行歴は長いのですが、リヴィウで過ごした1日が今までで一番きついものでした。でも、ああいう体験をすると、ふだん当たり前だと思っていることがそうではないということを思い知らされて、それこそが旅の醍醐味のような気がしてきます。
ただ、あんなことばかりやっていると、身体が持たないのですが(苦笑)

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