ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


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現在のトップ画像は、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナル作品です(詳しくはこちらより)

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ベルリン音楽祭のショスタコーヴィチより

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今年のベルリン音楽祭Musikfestでは、音楽における政治性というテーマからショスタコーヴィチが大きな柱に選ばれていました。これは今年の壁崩壊20周年、すなわち東欧諸国における共産主義支配からの解放という出来事と大きな関わりがあります。いくつか足を運んだ中から、衝撃的なまでに素晴らしいコンサートに2つ出会いました。

1つ目はラトル指揮ベルリン・フィルによるショスタコーヴィチの交響曲第4番。
この音楽を生で聴いて、私は心底打ちのめされました。マチネーのコンサートだったにも関わらず、その日はどこか興奮状態で夜もなかなか寝付けなかったほどです(笑)。今までいろいろなシンフォニーを聴いてきましたが、この大曲をこの見事な演奏で聴いたことは私の交響曲体験において1つの「事件」ともいえる出来事でした。

何といってもこんなすごい曲があったのかという驚き。不覚にも私はこの交響曲4番が生まれた背景をほとんど知りませんでした(2003年にゲルギエフの指揮で一度だけ聴いたことがありますが、その時も圧倒されたもののその後CDで聴くことはほとんどなかったんです)。1935年から36年にかけて作曲されたので、ショスタコーヴィチが29歳かそこらで書き上げたということ、そして当局から消されるのを恐れて、完成から1961年の初演まで25年間も「封印」されていたという事実に、まず関心が向います。
ブラームスの1番が「ベートーヴェンの10番」と言われるように、私はショスタコーヴィチのこの交響曲を「マーラーの11番」というように思っています。マーラーの生まれ変わりがロシアに現れて、20歳台で才気溢れる大交響曲を作曲した・・・ しかし、その時、国家はソビエトに変わっていたので、初演が行われないまま、約30年間も演奏が禁止された。
私の親しい知人がこのように語っていましたが、ラトル&ベルリン・フィルの演奏を聴いた後ではそれもむべなるかなと思わされます。2楽章のいかにもマーラー風のレントは、まだ流れがつかみやすいのですが、約30分の長大な両端楽章については、一体どう表現すればいいのか・・・

プログラムの解説によると、ショスタコーヴィチはこの4番を自分の最高のシンフォニーと語っていたのだそう。私は15曲全部をしっかり聴いたわけではないですが、少なくともこの4番以上に思いのたけを音で表現したと感じられる曲に出会ったことがありません。音楽の大胆な展開と激烈なエネルギーに何度ものけぞりそうになりながらも、精緻で詞的な部分においても魅力に事欠きません。3楽章冒頭の悲歌と独自の諧謔味。そして、時おり浮かび上がってくる美しいソロの数々。特にエキストラのメンバーらしかったファゴットの名手を初め、トロンボーンやイングリッシュホルンなど、実にすばらしかった。まあ、フル編成の弦はもちろん、あれだけの数の管打楽器が並ぶ様は壮観で、冒頭からフィナーレの最後に出現する金管の咆哮まで、すごい迫力でした。

今回の4番をベルリン・フィルが取り上げるのは12年ぶりだったとか。生で聴けて幸運でした。今晩ベルリンの東の郊外、ケペニックの元工場で演奏された後、短期間のツアーに持っていかれるそうです。その最後の公演地がワルシャワだそうで、かの地の人々はこの曲をどういう気持ちで聴くのだろうかとふと思いました。

2つ目はネルソンス指揮バーミンガム市響の6番を中心としたプログラムです。2007年にこの指揮者を初めて聴いて以来注目していたのですが、いつの間にバーミンガムのシェフになり、来年はバイロイト・デビューを果たすそうですから、大変な勢いを感じます。この日は、ブリテンの『4つの海の間奏曲』、TurnageのFrom the Wreckageと、ショスタコのジャズ組曲第1番というジャズの影響を濃厚に受けた2曲の後、ショスタコーヴィチの6番の交響曲という、ラトルの時とはうって変わって全体的に明るくカラフルなプログラム。最初から最後までネルソンスの指揮に釘付けでした。この人の棒にかかると、とにかく音楽が生気に富み、響きが立体的になります。決して勢いだけで盛り上げるというわけでもなく、演奏者も聴き手もいつの間にか魔法にかけられていて、心地よくボルテージが上がっていく感じです。バーミンガム市響との相性はとてもよさそうでした。

この秋はショスタコーヴィチをいろいろ聴いてみようと思いました。

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by berlinHbf | 2009-09-22 18:09 | ベルリン音楽日記 | Comments(8)
Commented by zaichik at 2009-09-23 04:33 x
 ラトルによるショスタコーヴィチの4番には私もかなり圧倒されました。他にはヤンソンスによる10番も聴いたのですが、とにかくどちらもすごかった。
久しぶりにフィルに行きましたが、これだけの演奏が聴けて本当に嬉しかったですね。それにしても、ショスタコーヴィチの交響曲はいつ聴いても奥が深いなぁと。
Commented by にわやま at 2009-09-23 06:24 x
今日もお疲れ様でした!
しかし…あれを聴いてしまってからだと…あれでしたね苦笑
やっぱりあのファゴットのトラさん凄かったんだね~。
今日は大胆に落ちた上全く吹こうとしなかったから、
さすがにいかがなものかと言われてましたが、でもまぁ、
今日重要だったのは場所性だったのでしょう。
そんな日もあるから、素晴らしい演奏がよりくっきり残るんですよね。
Commented by tsu-bu at 2009-09-23 22:14 x
wikipedia等でショスターコヴィチを調べてみました。交響曲4番にはこんな背景があったのですね。聴いてみたくなりました。「事件」といえるほど衝撃的で素晴らしいコンサート体験、うらやましい。
音楽、絵画、建築など、時代に沿って生まれた背景など、知識として蓄えたいです!勉強します!
Commented by berlinHbf at 2009-09-24 23:40
zaichikさん
ヤンソンスの10番も評判がよかったみたいですね。ここに書いたネルソンスはヤンソンスの弟子にあたるのですが(出身も同じくラトヴィア)、今後の注目株なので、機会があったらぜひ聴いてみてくださいね。

ショスタコーヴィチの音楽にはどこかで苦手意識があったのですが、それでも聴かなきゃいけない作曲家だなと今回改めて思いました。

にわやまさん
そうですね。確かに演奏はフィルハーモニーの方がよかった。でも、あの場所で聴くこと自体が価値ある体験でしたね。音響もかなりよかったし、チケットを譲ってくれたおじさんとも交流が持てて楽しかったです。

tsu-buさん
そうなんです。本当にこの作品はいわくつきなのです。ラトルはすでにバーミンガム市響と録音(EMI)しているので、そこから入ってみるのもいいかもしれません。僕もまだまだ勉強したいと思っています。
Commented by bach!! at 2009-09-25 02:07 x
私もショスターコヴィチは好きです。
4番は、普段よく聴いている5番や10番とは違い、数年前まではなかなか最後まで聴き通すことのできない難曲でしたが、ケーゲル/ライプチヒ放送響によるCDを聴いたとき、これは面白い!と初めて思いました。それ以後すっかりお気に入りです。(当時上から批判された作品に傑作が多いような・・・。作曲者は辛かったでしょうね。)
生のラトル/ベルリンフィルは凄かったでしょうね。うらやましい限りです。(年末にラトル計画があったのですが、誰かがムール貝とチョコレートとグヤーシュが食べたい!、と言い出したので微妙・・・笑)
そういえば、来月地元では角田さん指揮の5番があります。楽しみです!!
Commented by berlinHbf at 2009-09-27 03:59
bach!!さん
コメントありがとうございます。 bach!!さんがショスタコーヴィチもお好きとは少々意外でした。
>数年前まではなかなか最後まで聴き通すことのできない難曲
>でしたが、
私もまったくそんな感じでしたが、今回強烈な実演に接したことで全てが変わりましたね。来月はバレンボイム&シュターツカペレによる13番やクレーメル独奏のヴァイオリン協奏曲のコンサートがあり、そちらも気になっています。

年末のご計画については別ブログでも知りました(笑)。かの地では、何年か前にモネ劇場で「ピーター・グライズム」(大野さん指揮)を観たことがあります。素敵なご旅行になりますように。
Commented by Urlicht at 2009-09-29 20:01 x
生ラトル/ベルリンフィルのショスタコとは!ショスタコ大好き人間にとってはとてもうらやましいかぎりです。個人的には11番がいちばん好きです!
Commented by berlinHbf at 2009-09-30 06:54
Urlichtさん
11番は、昨年インバル指揮の演奏で聴いて私も好きになりました。ザンデルリンク指揮で6番と8番を聴くチャンスが2度ほどあったのですが、いずれもキャンセルになってしまい、つくづく残念です。

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