ベルリン-東と西が出会う場所。ドイツにありながらドイツではない町。歴史の影に彩られた栄光と悲運の世界都市。そんなベルリンの奥深い魅力をリアルタイムでお届けするブログです。Since 1. August 2005


by berlinHbf

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中村真人 (Masato)
神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。ベルリンの映像制作会社勤務を経て、現在はフリーのライター、ジャーナリスト。


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発掘の散歩術(34) -マルクトハレの復活!-

マルクトハレ・ノインの週末のマーケットの様子 (2013-04)

ポツダム広場の「アルカーデン」に代表されるような大型ショッピングモールは、ベルリンに限らず、現代の消費生活の中心的存在と言えるだろう。便利な反面、中に構えているのは大手スーパーやドラッグストアのチェーン店、お馴染みのファストファッション店ばかり。どこでも代わり映えしないのもまた周知の事実だ。

このショッピングモールの「元祖」と言えるのが、マーケットホールを意味するマルクトハレである。ベルリンの人口が急増した19世紀末、この街には14の屋内市場が立て続けに建てられた。屋外の市場が主流だった当時、衛生面、また雨から商品を守れるという利点からも、マルクトハレはたちまち市民生活に浸透したのだった。

戦災を経て、現在まで生き残っているマルクトハレは市内で5つほど。その1つ、地下鉄U1のゲルリッツ駅(Görlitzer Bahnhof)から徒歩10分弱のところにあるマルクトハレ・ノインを4月の週末に訪ねてみた。

Markthalle IX

「9番目のマルクトハレ」を意味するここを訪ねたのは、近年小売業が衰退し、寂れた状態のマルクトハレが多い中、ある成功を収めていると聞いていたからだ。

堂々たるレンガ建築の中に入ると、高い天井にまず驚いた。この時代に建てられた駅や教会とも共通した、ベルリンが欧州屈指の大都市へと上り詰める予感に溢れている。そこに無数の店舗が並び、行き交う人々でごった返していた。

3人の仕掛人によって、マルクトハレ・ノインが再オープンしたのは2011年10月のこと。新しいコンセプトでは、地域産や季節もののオーガニック食品の提供にこだわり、生産者から直接仕入れることを重視した。さまざまな実験や修正を繰り返した結果、今の形態に落ち着いた。営業を金土のマーケットに重点を置いたことも、成功の要因と言えるだろう。

ヴィーガンの野菜グラーシュGemüsegulasch(5.50ユーロ)は美味

ブランデンブルク産の野菜、パン、ケーキにマカロン、薫製の魚、どれも新鮮そうで、威勢のいい声が飛び交う。中央にあるカンティーネという名のイートインコーナーでヴィーガンの野菜グラーシュを食べてみたら、確かに美味しい。子ども連れの家族も多く、奥では小さな音楽ライブも行われていた。

一緒に行ったドイツ人の友人がこんな感想を口にした。「うーん、みんなビオやエコの信者って感じだね。トルコ系住民が多い地区なのに、彼らの姿をほとんど見ないのもちょっと不自然」

この界隈に10年以上前から住む彼の言い分もわかる。確かに品質を重視している分、値段はやや高めだ。また、最近のプレンツラウアー・ベルク地区に見られるようなプチ・ブルジョア的な雰囲気が漂っていると言えなくもない。

それでも、数年前に初めてマルクトハレ・ノインを訪れ、その寂れ具合に唖然とした私にとって、この活気は自分の知らない往年のそれを彷彿とさせ、ショッピングモールにはない市場を徘徊する楽しみを存分に味わったのだった。よし、週末はまたマルクトハレへ行こう!
ドイツニュースダイジェスト 5月3日)


Information
マルクトハレ・ノイン
Markthalle IX


1891年10月にオープンしたクロイツベルク地区のマルクトハレ(通りの名前から、アイゼンバーン・マルクトハレと呼ばれることも)。現在は食べ物だけでなく、ハンドメイドの製品なども扱っている。また、年に4回開催される„handmade supermarket “ では、手作りのオーナメントやコスメ、セラミック製品が販売され、人気を集めている。

オープン(マーケット):金土 10:00~18:00
住所:Eisenbahnstr. 42/43, 10997 Berlin
電話番号:030-577094661
URL: www.markthalleneun.de


マールハイネッケ・マルクトハレ
Marheineke Markthalle


クロイツベルク西部のマールハイネッケ広場に面している。2007年の大改装の際、南側の一面にガラスを大胆に取り入れ、雰囲気ががらりと変わった。「オーガニック、新鮮、地産」をモットーに、食材や豊富なイートインコーナーが並ぶ。マルチカルチュラルな土地柄を反映して、売り場の店員さんも多様だ。U7のGneisenaustr.駅より徒歩5分。

オープン:月~金 8:00~20:00、土 8:00~18:00
住所:Marheinekeplatz 15, 10961 Berlin
電話番号:030–61286146
URL: www.meine-markthalle.de
# by berlinHbf | 2013-05-10 15:58 | ベルリン発掘(西) | Trackback | Comments(0)

対話サロン―日独のサッカー事情―@日独センターと震災復興支援イベントのご案内

ベルリン日独センターより対話サロンのご案内をいただきました。今回は女子サッカーの大儀見優季選手とピエール・リトバルスキーさんという著名なサッカー人による組み合わせです。大儀見選手といえば、まだ旧姓永里だった一昨年の秋、ドイツニュースダイジェストのためのインタビューをさせていただく機会があったのですが、非常に知的というか論理的に物事を考える方で、「こんなサッカー選手がいるのか」と新鮮な驚きを受けました(その時の記事はこちらよりご覧いただけます)。きっと面白い対談になるだろうと思います。


対話サロン:大儀見優季およびピエール・リトバルスキー
日独サッカー事情
選手との交流を通じて得た貴重な経験


日時:2013年5月14日(火)18時30分開始
会場:ベルリン日独センター
Japanisch-Deutschen Zentrum Berlin,
Saargemünder Str. 2, 14195 Berlin-Dahlem

 この度の対話サロンでは、日本とドイツという異なる文化圏におけるサッカーの受容、トレーニング方法およびクラブ・連盟・協会等の組織ならびにサッカーに対する国民性の相違など、国の内外の選手との交流を通じて得た貴重な体験を、日独両国でサッカー経験があるお二人に伺います。
 なお、対話サロンは日独同時通訳付きで行います。
 大儀見優季選手は現在ドイツブンデスリーガー1部所属の1.FFCトゥルビネ・ポツダムのフォワードとして活躍中ですが、2010年に同チームが欧州チャンピオンズリーグで優勝した際に史上初めて日本人として決勝戦に出場し優勝に貢献されました。また日本女子代表なでしこジャパンの一員として2011年FIFA女子ワールドカップ初優勝、2012年ロンドンオリンピック銀メダル獲得と、素晴らしい成績を挙げておられます。
 ピエール・リトバルスキー氏は西ドイツ代表選手として、優勝した1990年を含めて3度のワールドカップ出場経験者です。1993年のJリーグ開幕と共に来日し、ジェフユナイテッド市原、ブランメル仙台で選手として活躍後、1999年以降は横浜FC、アビスパ福岡の監督としてJリーグを支えつづけられました。現在はVfLヴォルフスブルクにて選手の発掘および育成に努められています。

参加申し込みは、電話 (030) 839 07 123 またはメール kultur@jdzb.de で受け付けます。メールでお申し込みの方には追り返し確認のメールを差し上げます。
受付開始:2013年5月7日(火)
参加をキャンセルされる場合はキャンセル待ちの方に席をお譲りしますので、ご一報ください。
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もう一つ、友人の長尾果林さんが企画する震災復興支援イベントのご案内です。どちらもふるってご参加くださいませ。

Bruecke
東北ポートレート

震災復興支援イベント

2013年5月11日(土)16:00-19:00
Theaterhaus Berlin Mitte、003劇場
Wallstr. 32 (Haus C), 10179 Berlin
入場無料。募金を願いいたします。

アートダイアログ
usaginingen・藤田正嘉
レポート・映像・ヴィジュアルアート

東北からの声
前川十之朗・尾形雄一郎(みんなのしるし)
現地からのWeb中継

展示 Yesterday-Today-Tomorrow
長尾果林

主催
Bruecke
http://bruecke.jp

協賛
Theaterhaus Berlin Mitte
http://www.thbm.foerderband.org

協力・支援先
みんなのしるし
http://minnanos.com
今回のイベントでお預かりした募金は同団体に寄付させていただき
ます。


昨年12月岩手県大船渡・末崎地区を私どものメンバーが訪れ、現地の「みんなのしるし」の全面的な協力、また東京大学の支援を得て、職業ワークショップを行うことができました。

今回のイベントではその時に彼らが見たものを、usaginingenの美しくどこか童話のようなヴィジュアルアートともに藤田正嘉がドキュメンタリー映像とレポートで応じる、アートダイアログを行います。
また東北の過去、現在、未来についてのささやかな展示も会場でご覧いただけます。
震災から2年がたった今、現状はどうなのか、私たちは何ができるのか、美しい絵を見ながら、日常の中でふと改めて振り返ってみる機会になればと思っています。

また会場を提供してくださったTheaterhaus Berlin Mitteはベルリンでのアルタナティブ・シアター・シーンの代表的存在といえる機関で、このイベント以外の彼らの活動自体も面白いですし、日本との交流も14年間継続している場所です。
今回の設備、技術、広報各方面の支援をこの場を借りて感謝申し上げます。

ベルリンにいらして、お時間がありましたらぜひお誘いあわせの上お越しください。
また、ご興味のありそうな方をご存知でしたらこのメールを転送してくださるととてもうれしいです。
会場でお会いできますのを楽しみにしております。
# by berlinHbf | 2013-05-10 15:39 | ベルリン文化生活 | Trackback | Comments(2)

春の日本一時帰国

すっかりご無沙汰しております。現在日本に一時帰国中です。今回は2週間弱の比較的短い滞在なのですが、それでも日本に帰る前は留守中の間にやっておくべきことでてんやわんや。実家に帰ってからもあちこちに出かけている毎日です。ここ1週間の様子を何枚かお届けします。

今回はパリ経由の夜行便で帰ってきたのですが、すぐ近くに座っていたMさんという青年との会話が面白かった。ヨーロッパ系の方かと思ったらトルコ人で、静岡県の鋳造メーカーで働いているとのこと。日本語が本当に流暢なのに、日本滞在は留学も含めてまだ3年というのには驚きました。Mさんはハノーファーで開催されていた国際見本市に仕事で来ていて、ちょうど帰るところ。1年ぶりに日本に帰るのだと私が言ったら、「私もトルコに帰るのは1年に1回だけだから、気持ちはよくわかります。今回ハノーファー滞在中に、両親と兄が会いに来てくれたんですよ。トルコは家族の絆が日本よりも強いからネ。分かれる時は涙涙でした・・・」という話に共感し、ドイツに住むトルコ人の事情もいろいろ教えてくれました。トルコ語の挨拶も丁寧に教えてくれたので、ベルリンに戻ったらぜひ使ってみたいと思います。

帰国した翌日の夕方、近所の神社を散歩したら、遊んでいる子供たちに遭遇。この神社の向こうからは、東京湾が一望できます。

翌日は、東京の出版社を訪ね打ち合わせをしました。帰り際、そこから東京駅までは歩いて20分ぐらいだと聞き、新装オープンされたばかりの東京駅でも見て帰ろうかと思ったのですが、道を間違えてしまったようで、一向に駅が見えてきません。築地という地名が目に入った辺りから、「あれれ」とウロウロしながら歩き続けていると、オープンしたばかりの歌舞伎座の前に・・・。すごい賑わいでした。もう少し余裕があったら、中に入ってみたかったです。

翌日は新宿での用事。帰りは、こちらも新しくなったばかりの東急の渋谷駅から帰ってみました。あの頭端式の駅をもう一度見ておきたかったですが、入り口付近はもちろん封鎖。間もなく取り壊し工事が始まるそうですね。

新しい東急渋谷駅は地下5階でしたか。降りても降りても地下駅に到達せず、というほどではなかったものの、ここを毎日上り下りするというのは、やはり相当に大変なことではないかと。もともと渋谷という場所への思い入れはほとんどないのですが、再開発事業が完成したら、一体どんな街になっているのか、もはや想像がつきません。

毎日おいしいものもいただいています^^。といっても、1日に食べられる量は限られているので、もどかしさも感じますが。

昨日の横須賀中央の三笠通りの様子です。子供の頃からずっとあった西友がいつの間にか解体されていてびっくり。カメラは大体いつも持ち歩き、移りゆく風景を収めておきたいと思っています。ここ数日は寒いですが、明日からまた晴れるといいですね。
# by berlinHbf | 2013-04-21 17:10 | ニッポン再発見 | Trackback | Comments(3)

東日本大震災から2周年を迎えて

ポツダム広場まで行進した「さよなら原子力ベルリン」のデモの様子

東日本大震災から2周年を迎えた週末にかけて、ベルリンでは多くの関連行事が開催されました。私が取材した中から、2つの行事をご紹介したいと思います。

3月9日の昼に、ブランデンブルク門に面したパリ広場で「さよなら原子力ベルリン」の集会とデモが行われました。これは在ベルリンの若い日本人が中心となって企画したもの。あいにくの冷え込んだ天気となりましたが、日本とドイツを中心とした様々な世代の人々が集まりました。

主催者の1人である塚本晶子さんの挨拶の後、放射能専門家で専門情報誌「Strahlentelex」の編集者トーマス・デアゼー氏、震災後、福島からベルリンに移住してきた美容師の香川智之さんらがスピーチを行い、合間に原発への批判的なメッセージを込めた歌やダンスが披露されました。

その後、一団はポツダム広場までデモ行進し、広場ではライプツィヒ大学東アジア研究所の小林敏明教授の音頭で「原発反対」「自然を返せ」「子どもを守れ」の日本語のフレーズを何度も叫び、熱気が高まりました。

この翌日には「アンチ・アトム・ベルリン」主催のデモも行われましたが、原発に異議を唱える気持ちは同じでも、ドイツ人と原発事故の直接の当事者である日本人の間では、共有できる部分に時折「ズレ」が生じます。170人前後のデモでしたが、ベルリン在住の若い日本人からこのような声が上がったのは意義のあることだったと思います。最後は参加者全員で「ふるさと」を歌いました。

3月11日には、ベルリン日独センターで復興祈念の集い「復興への道のり」が開催され、最初に日本から招かれた阪口進一復興庁参事官が「震災復興の現況報告」というテーマで講演を行ったのですが、何か違和感を覚え、私の心はざわつきました。日本の技術力により、被害をいかに止められたか、被災地が順調に復興に向かっているかといったポジティブな内容に終始し、今なお不自由な生活を強いられている人の実情が具体的に伝わってこなかったからです。

その後の質疑応答では、ドイツ人の聴衆から日本政府の原発の方針についての厳しい質問が飛んだほか、気仙沼出身でベルリン在住の若い女性が、「仮設住宅1つを取っても、抽選に漏れた人、親戚宅に居候している人、自費でアパートを借りている人などさまざまな状況があること」を切々と語りました。省庁の淡々とした報告と被災地の叫びとの間に、どれほどの温度差があるのか、多くの聴衆が感じた瞬間だったと思います。改めて自分の中で、「3.11」について考える良い機会となりました。

東北の被災地を度々訪れている日本在住の友人が、最近このように記していました。「立ち上がり歩み始めるいくつもの姿があり、希望さえ奪われたままのいくつもの日々があります。もう2年、まだ2年です」。

被災地の現状を実感した一方で、「復興への道のり」の最後には、ベルリン独日協会を中心とした支援により建てられた陸前高田市の「ベルリンハウス」や、NPO団体「絆・ベルリン」と被災地との交流活動について、報告が行われました。このように、被災地の人々と喜びを共有できる機会も今後少しずつ増えていけば、と切に願った次第です。
ドイツニュースダイジェスト 4月19日)
# by berlinHbf | 2013-04-21 15:49 | ベルリンのいま | Trackback | Comments(0)

発掘の散歩術(33) -イーストサイドギャラリーの行方は?-

高級アパートの建設が予定されているイーストサイドギャラリーの一角。立ち入り禁止のフェンスをものともせず、人々は散歩していた

3月1日の午前8時半頃だったという。イーストサイドギャラリーの脇に前日から置かれていたショベルカーが、かつてのベルリンの壁の1ブロックを持ち上げた。その時点ではごく限られた数の活動家しか現場にいなかったが、やがて反対デモのために集まった人々と警察との間で罵声が飛び交い、騒然とした雰囲気に包まれたという。結局、解体工事は中断。その週末の反対集会には6000人もの市民が集結し、大きなニュースになった。ご存知の方も多いだろう。

1945年に爆破されたブロミー橋(Brommybrücke)の残骸。再建が予定されている(2009年4月撮影)

23年前は歓喜で満たされた壁の撤去作業だが、2013年の今回、人々は怒りといら立ちを持って注視している。それは、イーストサイドギャラリーのすぐ裏手に、高さ64メートルの高級アパートやシュプレー川に架かる歩道橋を建てる目的で、今や残り少ない壁の遺構から23メートルを撤去するという計画のためである。

デモから3日後、気持ちのいい天気に誘われて、久々にオーバーバウム橋の側からイーストサイドギャラリーの端まで歩いてみようと思った。壁に描かれた絵の前で写真を撮っている人の大部分は外国からの観光客。壁崩壊20周年の2009年にほぼすべての絵が新たに描き直されたが、落書きの度合いは年々ひどくなっており、もはやオリジナルの状態を留めていないものさえある。壁のあった過去に想いを寄せる雰囲気ではないけれど、それでも壁を見たくて今も世界中から人が集まって来る。

川に面した壁の裏側(かつての緩衝地帯)は、この数年で芝生が整備された。西日を浴びたオーバーバウム橋を黄色の地下鉄がゆっくりと渡り始めた。それを背景に人々がくつろいでいて、歩きながらすがすがしい気分になる。

そののどかな散歩道が、金網のフェンスによって突然終わりを告げられる。ここからが問題の箇所だ。再度正面に戻って、壁が解体された現場の前に立ってみた。

怒りのスローガンや殴り書きがそこかしこに見られ、壁にはまだ生々しい体温が残っている気がした。市民の怒りの矛先は、建物の投機会社よりも、それを認めた行政に対して大きく向けられている。例えば、地元のフリードリヒスハイン・クロイツベルク地区のシュルツ区長は、昨年アパートの建設と壁の移設を認める投機会社との間の契約書に自らサインをしている。さらに言えば、2008年の時点で、区は建設プランに対して許可を与えていたのだ。

地元紙の投書欄にはこんな声が並ぶ。「またもベルリンは個人投資家に身売りした。責任は政治家にある」「結局は金なのか」「唯一無二の歴史の証拠の前に、高級アパートも橋も建てるべきではない」

もともとシュプレー川周辺の再開発計画「メディア・シュプレー」には地元民の過半数が反対している。投機ブームと社会問題にもなっているここ数年の家賃の高騰。自分たちのキーツに愛着を持つ人々にとっては、もはや許せる事態ではないのだ。

ただのコンクリートの撤去ではない。歴史を市場主義の論理に照らして売り払うことの危険性に今、多くの市民が勘付いている。
ドイツニュースダイジェスト 4月5日)


Information
イーストサイドギャラリー 
East Side Gallery


シュプレー川沿いのミューレン通りに1300メートルに渡って続く、現存する最長のベルリンの壁。壁崩壊直後の1990年、21カ国118人のアーティストが壁に沿って絵を描き、やがて世界最長のオープンギャラリーとして保存されることになった。中でも、旧ソ連のブレジネフ、旧東独のホーネッカーの両書記長がキスをする「兄弟キス」の絵はよく知られている。

住所:Mühlenstraße, 10243 Berlin
URL:www.eastsidegallery-berlin.de


ヤーム 
Yaam


東駅近くの「ヤーム」。このような自由なスペースが急速に姿を消しつつある

イーストサイドギャラリーの北端、東駅目の前に位置するクラブ/バー。YAAMとはYoung African Arts Marketの略で、アフロ・カリビアンの文化紹介と交流を目的とするプロジェクトとして1990年代にスタートした。5月から9月にかけては、バレーコート付きのビーチバーとして旅行者にも愛されている。今後予定される再開発の関係で、現在の場所に留まるかどうかは未知数のまま。

住所:Stralauer Platz 35, 10243 Berlin
電話番号:(030)6151354
URL:www.yaam.de
# by berlinHbf | 2013-04-05 20:10 | ベルリンのいま | Trackback | Comments(3)

近代化の最中のオストクロイツ駅

S-Bahnhof Ostkreuz (2012-09)

久々に変わりゆくベルリンの風景をお届けしたくなりました。まずは、あのオストクロイツ駅。2008年から折りに触れて変化の様子をブログで紹介してきましたが(下の「オストクロイツ駅」のタグをクリックすると、ご覧いただけます)、前回の記事からいつの間にか3年も経ったことに気付きました。

昨年秋、久々にオストクロイツ駅の環状線のホームに降り立ったとき、あまりに変貌ぶりに呆気に取られてしまいました(ちなみに、2008年の様子はこちら。今にも蒸気機関車がやって来そうな雰囲気を残していました)。

なんだか地に足が付かない気分のまま、Sバーン東西線のホームに降りてみました。

すると懐かしい駅の風景が。幸い(と言うべきか)、こちらのホームはまだ大部分が昔のままでした。石造りのホームも、装飾がちりばめられたホームの鉄骨も。

この向こうに見えるレンガ造りのホームの残骸。そこにはオストクロイツ駅で特に好きだったS9のホームがありましたが(こちらより)、数年前に消え去っています。橋口譲二さんの1992年の写真集『Berlin』で、東西統一直後のオストクロイツ駅の情景を見ることができますが、芸術作品というだけでなく、当時の気配を封じ込めた実に貴重な記録となっています。

Sonntagstrasse「日曜日通り」側の出口に続く通り道。数年前までは、右手に簡素な駅舎がありました。

「Schnellinbiss」と書かれた昔のインビスの建物も、いつの間にか解体されて跡形もなくなっていました。

一方で、Ketwurstなる東独時代のホットドッグの屋台は健在!

今回ご紹介した写真は、昨年9月末に撮ったもの。オストクロイツ駅の改装工事は、こちらの東西線のホームにももう及んでいるのかもしれません。

駅の改装工事ごときであまり感傷的になるのもどうかと思いますが(笑)、好きな風景がベルリンからまたひとつなくなるのは、寂しいものです。次に訪れるときは、果たしてどうなっているか?
# by berlinHbf | 2013-03-30 16:24 | ベルリン発掘(東) | Trackback | Comments(1)

末宗美香子個展“ Wenn ich Du wäre,... ”

明日(3月22日)の夕、末宗美香子さんの個展のオープニングが行われるので、ご案内させていただきます。末宗さんとは、2010年ホテル・ボゴタのリヒトホーフで行われた最初の個展で知り合ったのですが、作品は好評を持って迎えられ、2012年に続いて今回が同じ場所での3回目の開催となります。

関連記事:
橋口譲二さんが案内するホテル・ボゴタ (2010-1-27)
ホテル・ボゴタの末宗美香子さん (2010-11-15)

末宗さんから届けられた写真をご紹介します。これまでの2回は人物がテーマでしたが(といっても、一言で人間とはいえない独特のキャラクターなのです)、今回も人物がテーマでありながら顔に焦点が当てられているようです。展示される作品の大部分は、ベルリンに来てからこの1ヶ月ぐらいの間で集中的に描かれたもの。ベルリン滞在中にも人物観察などをする中でインスピレーションを受けたという末宗美香子さんの世界をぜひ観にお越しください。

Mikako Suemune Ausstellung
末宗美香子個展 “ Wenn ich Du wäre,... ”(もしも私があなただったら・・・)
Hotel Bogota Berlin
22. März 2013
Vernisagge 18:30~
http://info.mikakosuemune.com/
# by berlinHbf | 2013-03-21 14:06 | ベルリン文化生活 | Trackback | Comments(3)
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